精神科医ヨワイ

2024年09月15日

土曜ドラマ『Shrink ー精神科医ヨワイー 』 第3話(最終話)パーソナリティ症

「さぁ、行こう。おうちの人は来ないよ。
だから、あんたが強くならなくちゃ。
自分の足で歩かなきゃ」


 ずっとあの頃の自分を誰かに見つけて欲しかった。
慰めて励まして手を握って引っ張って行って欲しかった。
両親がしてくれなかったことを友達や恋人に求め、いつも叶えられず絶望した。
心の中で、誰か助けて!私を救って!と叫んでいた。

 でも、今、風花はあの頃の自分を見つけ、
自分で抱きしめてあげることができた。
自分を救えるのは自分だけ。
否定され失った自分を取り戻した風花は、
やっと未来に向かって歩き出す準備ができたんだと思う。

  新宿のバーで働く小山内風花(白石聖)は、感情のコントロールができず、相手が自分の思う通りに動かないと怒りを爆発させ暴力的になり、人間関係を破綻させ、その苦しみからリストカットを繰り返していた。知り合いの紹介で「ひだまりクリニック」を訪ねた風花は弱井(中村倫也)から『境界性パーソナリティ症』と診断される。

 実は彼女は雨宮(土屋太鳳)の高校の同級生だった。
インターナショナルスクールから転校してきた風花はクラスで浮きまくりひとりぼっちだった。そんな彼女に声をかけ親しくなったのが雨宮だった。

 しかし徐々に彼女への依存を深めてきた風花の存在が重くなった雨宮が距離を置くと、怒りをぶつけ学校に来なくなった。いじめられたと両親に訴えた彼女は別の学校へ移ってしまったそうな。

「(パーソナリティ症の人は)まわりからは面倒な人だと思われ、
距離を置かれてしまいますが、
本人は生きずらさと空しさにいつも苦しんでいる。
だから極端な怒りをぶつけたり、
自傷行為を繰り返したりしてしまうんです」弱井
「生きずらさって・・・
それを感じるのは周りの人達じゃないですか?
振り回されて、疲れてて・・」雨宮


 『パーソナリティ症』・・・初めて知ったよ。
診断されなければ性格の問題とかわがままとかで片付けられそうな感じだよね。
エキセントリックな言動は魅力に感じられる時もあるしさ。

 風花の父親は常に彼女をコントロールしようとし、従わないと激しい怒りをぶつけた。進路も自分が望んだ道以外は一切認めない。
多分褒められたことなんて一度もなさそうだし、幼い頃からずっと人格を否定されてきたんだね。だから彼女自身も父の望み通りにふるまえない自分を責め、嫌ってきた。



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matakita821 at 20:10|PermalinkComments(0)

2024年09月08日

土曜ドラマ『Shrink ー精神科医ヨワイー 』 第2話 双極症

「お前の道とは何だ?」仙川(小林薫)
「自分はこれまで家庭や学歴がないことを
バカにされたくなくて、
負けるもんかってずっと・・ずっと頑張ってきました。
けど・・・俺はもう・・」
「俺にとってはお前がエリートだろうが
中卒だろうが、どうだっていいことだ」


 小さな頃から妹の親代わりとなって、
成長してからは負けん気で必死に頑張り続けてきた玄さん(松浦慎一郎)。
誰にも迷惑をかけないよう自立して妹を守りながら生きてきた。
その玄さんが初めて弱みを見せて人に頼ろうとしている。
やっと新しい明日への歩みが始まったんだと思う。

 妹を背負って誰よりも早く走ろうと頑張ってきた玄さんだけど、
これからは信頼できる人達と手を繋ぎながら助けてもらいながら一緒に歩いて行けたら。「頑張らない戦い方」で自分らしく。

 きっかけは過労、そしてストレス。
でも極限まで無理をして頑張るのが日常になっていた玄さんは、いつものことだと思っていた。
ところが、ある日突然気力が失われ動くこともできなくなった。
診察を受けた結果は鬱病。睡眠薬と抗うつ剤が処方された。

 しかし徐々に躁病の傾向が表れる。
力がみなぎり活動的になり万能感に包まれる。
後先考えずにお金を使いまくり、眠らなくても元気いっぱい。
性欲も増大するので妹がいるのに女を連れ込んだりする。

 楓さん(土村芳)が弱井先生(中村倫也)のところに駆け込んでくれて良かったよ。躁鬱の高低差が極端になると突然自殺したりすることもあるらしい。



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matakita821 at 15:43|PermalinkComments(0)

2024年09月01日

土曜ドラマ『Shrink ー精神科医ヨワイー 』 第1話 パニック症

 すごく丁寧に、まさに「ベイビーステップ」で病気と向き合う葵(夏帆)の姿が描かれていることに好感をもちました。「治す」のではなく、潜んでいた病気の姿を確認し、少しづつ近づき、緩やかに接触を試みながら、病とともに生きていく準備をしていく姿を描くという感じかしら。

 最初に診察を受けた病院ではPCの画面を見ながら、本人から症状を聞くのみ。いやいやいや、もっと患者さんの奥にあるものを調べなくていいんかい?と思ったら、やはり薬が合わず、別の不調を呼んでしまった。危険だよね。ひとつの病名の枠に入る患者さんでも、それぞれ体質も症状も微妙に違うだろうから処方箋出す方も難しいとは思うが〜〜お医者さんは相性もあるけど当たりはずれあるからなぁ。

 弱井の言葉遣いは、すごくわかりやすくて話し方も穏やか。情報量も段階を経るよう調節してくれるし、ちゃんと目の前の人間に向き合っているのが伝わってきた。まぁ、そもそも弱井の佇まいが安心感しかないもんね(笑)お医者さんがいい男すぎたりセクスィーさを感じさせると、逆に不信感に繋がるが(コレも偏見か)、弱井先生はほどよくいい男で、ほどよくいい人感を ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ 与えるようセットされている。

「でも、私、メンタルには自信があったんですけど」葵
「心が弱いから、かかる病気ではありません。脳の誤作動なんです」


 心療内科の病院は増えているし、昔ほど心の病の治療への敷居は高くなくなってきたように見えるが、やはり精神科に通っているとは言いずらいものがある。心の病は精神的な弱さや努力が足りない的に解釈されることもあるし、思いこみで語られることも多いような。風邪と同じように、きっかけやタイミングで誰でも発症する可能性があると思うぞ。

 弱井によるとアメリカでは「失恋したり」「上司に怒られたり」「ちょっと落ち込んだり」した時に予約を入れる身近な存在になっているそうな。

「そんなことで精神科に?」雨宮
「そんなことでかかっちゃダメですか?」弱井


 傷が浅いうちだから行った方がいいと思われ。重篤になっちゃうと行く気力も無くなるし、持ち直すまで時間もかかる。どのジャンルも同じだね。早期発見早期治療。お腹が痛くなったら内科に行くのと同じように、心に違和感を感じたら精神科や心療内科へ・・ぐらいの感覚でさ。




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matakita821 at 15:44|PermalinkComments(0)