目黒祐樹

2022年03月18日

「カムカムエヴリバディ」 第20週 1993-1994 第97話

 その日は終戦記念日だった。

 るい(深津絵里)とジョー(オダギリジョー)は健一さんが淹れた美味しいコーヒーを飲み、「On the Sunny Side of the Street」のレコードを聴かせてもらった。

 場所も違うし、レコードも安子(上白石萌音)と稔さん(松村北斗)が聴いたものではなかったけれど、「Dippermouth Blues」で聞く「On the Sunny Side of the Street」は特別だった。

 この場所が持つ力が、引き継がれてきた思いが、
るいの心を素直に昔の思い出へと向かわせてくれた。HPはこちら


 2人はあの神社に来ていた。
安子が何度も何度も祈ったあの場所に。
いや、きっと安子以外にもたくさんの人達が祈ったことだろう。


『よかったなぁ、会えて』ジョー
『うん』るい
『定一さんの息子さんとそれにお孫さんにまで』
『うん』
それとるいのお父さんとお母さんにも。
すごく腑に落ちた。
定一さんの店でデートして、サッチモ聴いて。
それで生まれてきた娘にるいって付けたんやって


 ジョーはるいの中にある思い出の点を線で繋いでくれる。
るいの代りに。


 その頃、ひなたはるいの写真を見付けようとして、昭和21年の英語会話のテキストを見つけた。そこには「Yasuko」「Rui」と名前が記されていた。

 終戦記念日のサイレンが鳴る中、ひなた(川栄李奈)は、その古いテキストを読みふけった。すると人の好さそうなおっちゃんが窓から声をかけてきた。
で、ひなたは何をしても英語が中々身に付かないとボヤいた。

『そんなはずありませんよ。
み〜んな英語の赤ちゃんなんですから』
『英語の赤ちゃん・・・?』ひ

 するとラヂオから玉音放送が流れ始め・・・
それを訳した英語も聞こえてきた。


 さて、皆さまご存知さだまさしさん演じる平川唯一さんが満を持して登場!
平川さんからひなたへ「カムカム英語」の講師になるきっかけが語られました。

『ある時、国際課の方から依頼されたんです。
ラジオの英語講座の講師をやってみないかと。
私はすぐにお引き受けしました。
あの頃の弱り切った日本を元気づけたかった。
ラジオを通して、英語を通して、明るく楽しい暮らしを取り戻してほしかった。そう思いましてね


 平川さんと向き合って「カムカム昔話」を聞くひなた((*´∀`*))
テーマ曲の「証城寺の狸囃子」も歌ったぞ。


日本を明るくするのにぴったりの曲です』平川

 外国の曲じゃなくて誰もが知っている日本の歌だったからこそ、日本人の心に響いて、おっ、なんか楽しそうだぞ、おもしろそうだぞって思わせてくれたんだよね。共に口ずさむことで、みんながカムカム仲間になれた。




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matakita821 at 17:38|PermalinkComments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年03月17日

「カムカムエヴリバディ」 第20週 1993-1994 第96話

『算太さんと「たちばな」を建て直す。
あの頃の安子さんはその一心じゃった』雪衣(多岐川裕美)
『・・・・・』るい(深津絵里)

 雪衣さんが話す安子の姿、それもまたひとつの真実なんだよね。
るいの知らなかった安子。


『あの通帳、返しに来はったんやな。
10年前、偶然ひなたと出会て、
るいが京都にいること知って・・・
それから、仕事する度に貯めてたんやと思う。
謝りたかったんやと思うよ。
るいと、それからるいのお母さんに』ジョー

『それやったら・・・それやったらすぐに
そない言うてくれたらええのに・・・』るい
最後に、少しだけ欲しかったんと違うかなぁ。
家族と過ごす時間が。最後に少しだけ


 「最後に少しだけ」・・・(ノω;`) ジョー・・・どうしてそんなに優しく人に寄り添えるんだい・・ジョーがるいのそばに居てくれて良かった。この旅にはジョーが必要だよ。

 そして算太・・・
ずっと自分を許さなかったんだね。
でも、もっと早くに来て欲しかったよ。その「少しだけ」の時間は、るいやひなた達にとっても幸せな時間だったろうから。


 みんなで楽しく夕食を頂いている時、勇ちゃん(目黒祐樹)は突然泣き出してしまった。

あの日・・・るいが岡山ぁ出る言うた日。
わしにゃあ分かっとった。
るいが居場所を知らせる気も、
手紙やら電話やらよこす気もねえいうことを。
もう二度と岡山に帰って来る気がねぇいうことを。
それが、こねぇして元気な姿見せてくれて・・
(泣
旦那さんやら娘やら息子やら
連れてきてくれるたぁ・・・
うぅ・・・こ・・こねん嬉しいこたあねぇ
(涙』

 わかってたんだね・・・(´;ω;`)
それでもるいの気持ちを尊重して、見送ってくれたんだね。
そして多分口には出さずに来たけど、ずっと心配してくれていた。

 もしかしたら千吉さん(段田安則)が無理やり安子(上白石萌音)を捜したせいで、母子が別れる結果になってしまったと思って、あえて捜さずにいてくれたのかな。るいが雉真家とは離れて作った場所を壊すことになってはいけないと。


勇叔父さん。
長い間心配かけてごめんなさい
』るい

 ずっと気になっていたのはるいも同じ。
岡山には未練は無かっただろうが、何の連絡も入れずにきたことに罪悪感を感じてきただろう。お互いのために再会できて良かったよ。
でも鎧を脱いで再会するためには30年以上の時間が必要だったんだね。

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matakita821 at 17:11|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年03月16日

「カムカムエヴリバディ」 第20週 1993-1994 第95話

『るい・・・』算太(濱田岳)
『はい』るい(深津絵里)
『・・・すまなんだなぁ。わしが悪いんじゃ。
全てわしが・・・安子ぁ、な〜んも悪うねぇ』

 そこにジョー(オダギリジョー)が清子さん(松原智恵子)と吉右衛門(堀部圭亮)を連れて来た。

 大月家と橘家を繋ぐ唯一の存在、清子さん。
そして吉右衛門。
ここにみんなが揃うとは、なんと不思議なことじゃろう・・


『やっぱり。算太ちゃんやね?』清子
『あ・・・清子さんじゃ・・・
ケチ兵衛の奥さんの・・・
吉右衛門か?』算太
そうじゃ。
あんたがラジオを盗んだ朝に生まれた吉右衛門じゃ


『あぁ・・・雪か。あ・・・るい』
『はい。算太伯父さん』
メリークリスマス・・・』

 算太は紙袋に入ったプレゼントをるいに手渡して旅立った。
最後まで、るいの知りたかった過去を語ることは無かった。
あまりにも申し訳なくて、自分のしたことの罪の深さにおののいて、口に出すことができなかったのか。人は死の間際になっても正直になれる訳じゃない。自分が引きずってきた人生のしっぽをちらりとオブラートに包むようにして見せることしかできない。後悔や心残りとともに。
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 『算太の弔いは、モモケンこと桃山剣之介が静かに執り行ってくれました』

 算太のクリスマスプレゼントの中身は2冊の通帳だった。
ひとつは昭和24年、算太が戦争から帰ってきて橘再興のために安子(上白石萌音)が貯めたもの。昭和26年、算太が失踪し安子がいなくなった年にはかなりの金額が貯まっていた。
 もうひとつは昭和59年、算太が初めて「大月」に来て消えた年に作ったもので、それから頻繁に入金がされていた。

 算太は安子のお金を持ち逃げした罪を心の底ではわかっていただろうが、長い年月の間に風化させてしまったのかもしれない。それがるいに再会して蘇り、初めて使ってしまったお金を返す努力を始めたのか。

 って、手紙ぐらい入れてあげてよ!
そんな謎かけみたいに通帳だけ渡されてもわかんないよヽ(`Д´)ノ


 ジョーは家族みんなで岡山に帰ることを提案した。
『ひなたも桃太郎も、それから算太伯父さんも連れて。里帰りや』

 ついに・・・
自分の人生でどうしても埋まらない空白があるというのはどんな気持ちなんだろう。
これは、るいのこれからの人生に関わる、るいのルーツを捜す旅だね。
 




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matakita821 at 19:09|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加