男はつらいよ

2016年06月12日

「トットてれび」 第6話 私の兄ちゃん・渥美清 

 昭和54年(1979年)、『徹子の部屋』新春放談からスタート。
ゲストは兄ちゃんこと渥美清(中村獅童)。
駄菓子屋のおばあちゃん(黒柳徹子)も神妙な顔でテレビを見つめておりますョ〜。

 二人の出会いは24年前(1955年)。
徹子(満島ひかり)がNHKの専属女優になってから2年後のことだね。
ストリップ劇場の芸人だった渥美はテレビ局の勝手がわからない。
靴を脱いでスタジオに入り、徹子に驚かれていたぞ。

『下町出身の渥美さんは山の手ふうに育ったトットちゃんとは正反対。
でも、テレビの世界では同級生だった。
今日はトットちゃんが兄ちゃんと呼んでいた渥美清さんのお話』


 大好きな渥美清さん。
彼は仕事とプライベートとを厳格に分けていた。
何十年も共演した「とらや」のメンバーはもちろん、
数少ない芸能界の友人である徹子やストリップ小屋時代からの仲間関敬六にすら
自宅も連絡先も教えなかったらしい。
彼の死が発表されたのは家族だけの密葬を終えたあと。

 喜劇俳優は画面の印象とは正反対に物静かで孤独を好む人が多いという。
演じている自分と本来の自分、その距離をコントロールし、自分なりに納得のいく仕事を続けていくために選んだ方法だったのでしょう。

 渥美清が全うした『車寅次郎』という役、最初は演じることに葛藤もあったようですが、彼はこの人物を最期まで守ろうとした。
その思いは彼より外に知る人はいないでしょうが、車寅次郎を守る中で捨ててこなければならなかったものへの思い、生まれてしまった苦しみが『車寅次郎』をさらに魅力的に味わい深い男へと変えていったと思うのです。

 冗談ばかり言って人を笑わせるのが大好きで、人懐っこくて、困っている人をほっとけないのに自分の面倒も見られない。
身内に迷惑ばかりかけている、どうしようもない男。
恋に落ちても、毎度、勘違いの末、失恋。いつも同じことの繰り返し。

 観客はバカだねぇ・・と呆れ、笑いながら車寅次郎を心から愛した。
時代が流れ、テキヤという商売も、全国を転々としながら人々と触れ合い思い出を残して行くという生き方が時代とかけ離れてしまっても、人々は「車寅次郎」を求めたし、彼も応えようとした。

 渥美清さんの病気のことは知りませんでしたが、「男はつらいよ」は徐々に満男の話がメインとなり、画面の中の「寅さん」は明らかに痩せてパワーを失って行った。
見るのが辛かったし悲しかった。
渥美さんの死が発表された時、いろんな事情があったにせよ、そんな彼を映画に引き留め続けた山田洋次監督を私は憎んだ。

 でも、それは渥美清さん自身も望んだことだったのでしょう。
「男はつらいよ」は50作まで創られる予定だった。
最終作のマドンナは幼稚園の園長役の徹子さんで、そこの用務員をしている寅さんが 園児たちと遊んでいるうちに死んでしまう。
その後、町の人達が寅さんを偲んで地蔵を建てるという話だったそうな。

 ちゃんと映画の中で寅を死なせてやりたい。
それまでは死んでも死ねない、そう思って病の中でも渥美さんは
次回作の準備をしていたのかもしれません。
幻の第50作目、見たかったなぁ・・・
HPはこちら


トットチャンネル (新潮文庫 く 7-2)トットひとり続きを読む

matakita821 at 14:52|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年10月04日

「男はつらいよ」 シリーズ第一作 (1969年) 監督・山田洋次

 WOWOWで12月から「男はつらいよ」全49作品(48作+特別編)が
ハイビジョン一挙放送されるそうな。
その前哨戦として放送された第一作を楽しみました。
やはり何度見てもおもしろい。
そして、この何とも愛嬌のある馬鹿野郎である車寅次郎という男を創り上げた渥美清という俳優がいないことが寂しくてたまらない。
松竹の「男はつらいよ」公式サイト

 映画は春の葛飾柴又の風景の中でつぶやく寅さんの声で始まります。

『桜が咲いております。
懐かしい葛飾の桜が今年も咲いております。
思い起こせば20年前、つまらねぇことで親父と大げんか。
頭を血の出るほどぶん殴られて、そのまんま、ぷいっと家をおん出て、
もう一生帰らない覚悟でおりましたものを、花の咲くころなると
きまって想い出すのは故郷のこと。
ガキの時分、鼻ったれ仲間を相手に暴れ回った水元公園や
江戸川の土手や帝釈様の境内のことでございました。
風の便りに二親も秀才の兄貴も死んじまって、今はたった一人の妹だけが
生きていることは知っておりましたが、どうしても帰る気にならず、
今日の今日までご無沙汰に過ぎてしまいました。
今こうして、江戸川の土手に立って生まれ故郷を眺めておりますと、
何やらこの胸の奥がぽっぽと火照ってくるような気がします。
そうです。
私の故郷と申しますのは東京、葛飾の柴又でございます』


 ここでタイトルがバーン!♫ パ〜パラララララ、パ〜ラララッパ、パララララララ〜♫ あのテーマ曲ですよ。
そして、土手に座り、まぶしそうに柴又を見つめている寅さん(渥美清)登場!
ゆっくりと味わいながら帝釈天に近づいて行きますヨ〜

第1作 男はつらいよ HDリマスター版 [DVD]風天 渥美清のうた続きを読む

matakita821 at 15:31|PermalinkComments(4)TrackBack(1) このエントリーをはてなブックマークに追加

2005年08月11日

「男はつらいよ」 シリーズ48作放送スタート

 BSで、8月6日から二年間にわたって(長い計画だ)「男はつらいよ」全48作品が放送されている。
これは録って残さねば・・・。
と言っても後半の満男が主人公になってきているやつとか、寅さんがやせほそってきたのは録りません。
 
 私が見始めたのは1970年ぐらいからだけど、やっぱ、最初の10作品ぐらいがおもしろい。
このころの寅さんなんてほんとのヤクザもんで、親族間の嫌われものっぽかった。
けっこう暴力的だし、いかにもその筋の人という感じ。
でも、かたぎには手をださないっていう正統派、つーかチンピラ?
とにかく世間様とはあきらかに違う次元に飄々と生きていた。

 ♪おーれがいた〜んじゃお嫁にゃいけぬ〜
わかーっちゃいるんだ、妹よ〜
い〜つかお前の喜ぶような〜偉い兄貴になりた〜くて・・・♪

 我が家ではお盆と正月に「寅さん」を見に行くのが恒例だったので、小さい頃は、「寅さんは今頃どこにいるのかなあ〜」と本気で思っていた。
それと寅さんのことを、設定としてちょっと頭がたりない人なのかな?とか思っていました。(ひーーー)
寅さんは中学生の時、家を飛び出してやくざの世界に入ったのであまり字とか言葉をしらなかったのでしょう。

続きを読む

matakita821 at 06:30|PermalinkComments(2)TrackBack(1) このエントリーをはてなブックマークに追加