甲本雅裕

2021年11月26日

「カムカムエヴリバディ」 第4週 1943-1945

 11月22日(月曜日)第16話

 出征が近づき、稔(松村北斗)は安子(上白石萌音)に辞書を渡した。
これは二人だけのお守りみたいなもんだね・・
留守の間、安子を守ってくれますように・・と。

『稔さん・・・どうか、ご無事で。
ご無事で帰ってきてください』
『安子。泣くな。きっと帰ってくる。
必ず帰ってくるから』

 きっとだよ、稔さん・・・(´;ω;`)

 徴兵年齢が引き下げられ、勇(村上虹郎)もその対象となり、岡山に帰って来た。
安子のことを健やかに「義姉さん」と呼び、
あらゆる場面で安子を気遣い、守り、
「蹴った」と聞けば、大きくなった安子のお腹に優しく触れてみる。

 二人を結びつけるために行動した時から勇はきっぱりと安子への
思いを断ち切ったんじゃな。
そこにあるのは清々しくて頼りになる義弟としての姿のみだ。

 小しずさん(西田尚美)たち婦人会では竹やり作りをしながら世間話。
これが戦争が日常になるってことなんだろうなぁ。

『楽しみやけど(安子ちゃん)心配やねぇ・・・
何もかんもままならんこないな時に・・・』
『こねん時じゃからこそ生まれてくる子なんじゃて思ようります』小しず

 そうじゃな。赤子はきっとみんなの光のような
存在になってくれるはず。

 安子は無事おなごを出産した。
さて、朝ドラでは出産と共に起こる名付けの両家戦争はありません(笑
だって稔さんが決めた名前をちゃんと安子に渡しておいたから。

『るい?』美都里(YOU)
『るい?・・・何じゃ、珍奇な名前じゃのう』千吉(段田安則)

 (* ̄m ̄)プッ 珍奇て・・・

『分かった!野球の塁じゃ。
塁は攻撃側にも守備側にも一番大事なもんじゃ。
みんなで塁(るい)を守るんじゃ!(いろんな意味で(笑))』勇

 「るい」は安子と稔にとって大切な歌、
『On the Sunny Side of the Street』のルイ・アームストロング。
自分達の子供には、人間として自由に生きて行って欲しい、
ひなたの道を歩いていって欲しいという希望が込められた名前。

 そうして勇も出征。
1944年11月には東京付近にB29の襲撃があったとの発表があった。

 ラジオはとっくに天気予報すら流さなくなり、
大本営による都合のいい戦況報告のみになっていた。

 『決して誰にも聞かれてはいけない子守歌を、安子は毎夜、るいに歌ってやりました』

 その『On the Sunny Side of the Street』には、たくさんの祈りが込められていただろう。
早く戦争が終わってください。
どうぞ稔さんが無事でありますように・・・
どうか早く、みんなでひなたの道を堂々と歩けますように。 
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 11月23日(火曜日)第17話

 安子がるいと共に「たちばな」を訪ねると、ひささん(鷲尾真知子)と小しずさんがお汁粉を作って待っていてくれた。
金太さん(甲本雅裕)も工場動員のお昼時間に飛んで帰ってきた。
店内は暗く閑散とし、ショーケースにはもちろん何も入っていない。
それでもるいを囲んだ温かで充たされた時間・・・
小しずさんは安子が産まれた時の「幸せな一日じゃった」様子を伝えてくれた。

 泣いて誕生を喜ぶ金太さん、
すぐに紅白まんじゅうを作ってご近所に配ったおじいちゃん、
お祝いを持ってきてくれた商店街の皆さんと騒いでおばあちゃんに怒鳴られていたこと。

 「幸せのおすそわけ」という言葉がじんわりと伝わってくる
安子の誕生した日・・・
いつの時代も赤子が喜びと幸せをみんなに運んでくれる。

 久しぶりに再会したきぬちゃん(小野花梨)は、姉の嫁ぎ先に疎開するそうな。
きぬちゃん、どうか元気でね。

 『東京大空襲に続き、大阪にもB29が来襲。
いずれ地方の都市部へも空襲が始まることが予想されました』


 疎開のため岡山を離れる方も多く、置いていく荷物を安く買い叩き大喜びするケチ兵衛さん(堀部圭亮)に吉右衛門は軽蔑と怒りを込め『あんたぁ、お父ちゃんなんかじゃねえ。あこぎなケチ兵衛じゃ!』との言葉をぶつけるのでした。

 そうしてついに岡山にも敵機が襲撃。
岡山市内は火の海と化した。

 逃げているうちに気を失った吉右衛門が目を覚ますと・・・
父親が自分をかばう様に覆いかぶさっており、
息子の無事を確認した後、息をひきとった・・・

 吉兵衛さん・・・・(´;ω;`)
そして・・・吉右衛門君はきっと・・・父親に向けてあの言葉を放ったまま死なせてしまった自分を許せず・・・一生背負いながら生きていくんだろうなぁ・・・

 空襲がおさまり、実家が心配になった安子はるいを預けて「たちばな」へと向かった。
そこでは・・金太さんが途方に暮れたように座っていた。
ひささんと小しずさんは防空壕に避難していたのだが、そこも焼夷弾に焼かれた・・・

『わしが・・・言うた。
あの防空壕に入れ言うて・・・待っとけぇ言うて・・・
小しず〜!母ちゃ〜ん!
すまん!すま〜ん!
わしが言うた〜!
すま〜ん!わしが〜!


 。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウァァァン 全部戦争が悪いんじゃ!
突然奪われた大切な人との未来を返せ!
金太さんは何も悪くねぇ!
なのに深い後悔と苦しみを背負って生きていくなんて・・・
小しずさん・・・ひささん・・・
(T┏_┓T) 辛い・・・辛いよぉ・・・




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matakita821 at 19:17|PermalinkComments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年11月19日

「カムカムエヴリバディ」 第3週 1942-1943

 11月15日(月曜日)第11話

 日常を浸食する戦争の影響。
衣料品を自由に買えなくなり、不足を実感するようになってきた。
小しずさん(西田尚美)がチョッキを編むための毛糸も手に入りにくい。
「Dippermouth Blues」ではコーヒー豆の入手が困難になり、レコードをかければ石が飛んできた。

 非常時に顕れる人間性。
ケチ兵衛(堀部圭亮)は衣類を買い占めし高く売る気満々。
いつの時代にもいる「正義マン」になることでうっぷん晴らしをする者。

 さて、稔さん(松村北斗)に銀行の頭取の娘さんとの見合い話がもちあがる。
もちろん政略結婚ぢゃ。
そこで稔さん頑張った!
安子(上白石萌音)のことを話し、『父さんの決めた相手と結婚することはできません』ときっぱりと(稔さんの胸の震えが伝わってくるようじゃった)伝えたさ。

 今まで親の言う事に逆らったことのない優秀でどこに出しても自慢でできる息子が真正面から楯突いたんだからね〜千吉さん(段田安則)は心底驚いただろうし、
美都里さん(YOU)は相手の娘を誘惑した悪い奴としか思っとらん( ̄▽ ̄;)
しかも稔さんに『母さんは黙っていてください!』なんて言われたもんだから
いつも大人しい稔さんが私にこんな口を・・?!┏┗(´ิ田´ิ#)┓┛キイーーーー!!と怒りの炎を燃やし、お菓子を注文し安子を呼び寄せたさ。

 こえぇぇーーーーー!!(゚Д゚;∬アワワ・・・
YOUさんがさすがの存在感。
世間知らずのお嬢様育ちで自分が受けて来た教育や考え方以外認めない。
自分の言動が相手を傷つけるなんて思いもしない。
安子を呼び出したのも身分違いだってわかってないバカな子みたいだから教えてやらなきゃ、てなもん。今週はキツイ展開になりそうだなぁ・・・
HPはこちら

 11月16日(火曜日)第12話

 安子(上白石萌音)を前に、じーーーーーっと見つめる美都里(YOU)。
息子が好きになった娘がどんな子か・・見定めることすらしない。
まるでそこらの石ころでも眺めるような美都里の目。
(ビー玉のようなYOUさんの目がさすがだった・・・)
不意打ちを受け、怯えるばかりの安子。

 美都里は夫が「小せe商店街のぇ商店街の小せぇ店」で買った菓子を好むのが不思議だったと話し、稔さん(松村北斗)が大学に入った年、初めての帰省の時に手土産に買ってきたのが始りだったと確認。
『その時、稔を知ったんじゃね』と、
あくまで安子の一方的な思いであるように語った。
そして菓子はそのまま持って帰るよう命じ、多すぎる菓子代を置いた。
『暮らしの足しにしてちょうだい』

 呆然と立ち尽くす安子に最後の一撃。
二度と稔に近づかないで!

 最小の言葉で最大の攻撃力。
安子は打ちのめされてしまったさ。

 異変を感じ尋ねた金太(甲本雅裕)にも安子は何があったのかは話さなかった。
ごめんなさい。私が間違うたんです

 察しのいいきぬちゃん(小野花梨)(ずっと見たことあるよな〜と思いながら見ていたが、今日調べたら、やっぱり『鈴木先生』のか〜べ〜だ!この時も難しい役をさらっと演じてたなぁ。よその店なのに普通に掃除する姿に育ちと人柄が見えて良かった!)が黙っていられる訳がない。安子には内緒で「Dippermouth Blues」で稔さんを待ち伏せ。返せずに困っていたお金を渡した。

 事情を聞いた稔は激怒。
美都里を怒鳴りつけ、お金を床に叩きつけた。
(初めて見る稔さんの顔。でも、前からちょいちょいお母さんにはキツイ口調だったもんね。バカにしている訳ではないけど尊敬もしていないんだろうなぁ)

 そこに帰宅し、すぐに事態を理解した千吉さん(段田安則)は
美都里さんに『こういうつまらんことをするんじゃねぇ』とピシャリ。
『安子さんと一緒になります』と宣言する稔さんの言葉を受け、
『好きにしたらえぇ』と冷静に返した。

その代り、家を出え。
雉真の名を捨てて、あの菓子屋の婿になりゃあええ。
その覚悟があるんか


それしかないと・・言うんじゃったら!』と答えた稔さんだったが
その覚悟が無いのはあきらかだった。
雉真家の長男として家業を継ぎ、嫁には安子をもらう。
そうとしか考えていなかったろう・・

『ええか。菓子屋じゃろうが服屋じゃろうが、
商いは大学の勉強でどねんかなるもんじゃねぇ。
まして今は戦争中じゃ。
ちょっと気ぃ抜いたら隙ゅう見せたらたちまち潰されてしまう。
そういう時勢じゃ。
雉真の長男としてぬくぬく育ってきたおめえの手に負えることじゃねえ。
今のおめえにできるんは、せいぜい親の言うことを聞いて
会社の益になるおなごと婚約することぐれえじゃ。
そうしたら、いずれ戦争が終わった時、
おめえが好きなように商いするだけの財産を残してやれるんじゃ。
分かったら世まい言を言うとらんときっぱりと別れてけえ

 家族と家業を守るために必死に生きて来た人の言葉だった。
千吉さんの中には美都里のような「たちばな」を蔑む気持ちはない。
同じ商売人として生きていく厳しさも生き残る大変さもわかっているから。
だからこそ、そんな父の言葉は稔さんに深く刺さったと思う。
そして自分の覚悟のなさに気づかされ、
足元が崩れるようなショックで呆然としたのだろう。

 「たちばな」の前から立ち去っていく稔さんに気づいた金太は
声をかけずにはいられなかったさ。

会うてやってください。
それが一時、安子を苦しめることになっても
どうか安子に会うて、ちゃんと話うしてやってください。
お願いします


 辛い・・・
娘に別れ話をしてやってくれと頭を下げて頼むなんて・・
でも金太さんの父親としての深い愛情が伝わってきた。
そうしないと安子はずっとひきずって苦しみ続ける。
一緒になれないのなら、せめて大好きだった稔さんからはっきりと引導を渡して欲しい。それが心を通わせあった者への礼儀だし愛情だと思う。
別れ話は両方辛いけど、ここで逃げちゃダメなんだよ。

 父の言葉を聞いて安子を諦めるつもりになっていた稔さんだったが
会うと気持ちが揺らぐ。
『時間はかかるかもしれんけど戦争が終わったら・・・
大学卒業したら・・・きっと・・・』

 そんなの決断の先延ばしだよ。
安子に希望を持たせるのは残酷すぎる。
だから安子の方から終わらせた。
稔さんをこれ以上苦しめたくないから。

『間違うとったんです。最初から。
分かっとったはずじゃのに夢を見てしまいました。
長うて甘え夢を見続けてしまいました。
ラジオの講座がのうなったら、覚えた英語忘れてしもうた。
稔さんのこともきっと忘れられます

 辛い・・・(ノω;`)
何も考えずかけおちに走ることができる二人じゃない。
稔さんにはその勇気がなかったし、
安子は捨てられないほど「たちばな」も大切に思っているから。

 そうして初めて見えた稔さんの弱さ。
「夢から覚めた」悲しさとさびしさがじわじわと伝わってくる回でした。
稔さんも、初めて本当の自分自身を知ったんじゃなかろうか。
 



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matakita821 at 17:04|PermalinkComments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加