松嶋菜々子

2024年09月29日

特集ドラマ「母の待つ里」最終話 藤原ちよの場合

 ちよさん(宮本信子)の訃報を聞いた松永(中井貴一)は、すぐに村に向かい、『ホームタウン・サービス』に電話を入れたが・・・

「ヴィレッジやマザーが消滅した場合、
いつでも新たな故郷、新たなお母さまをご提供できる準備があります。
現在待機中なのは青森県・・」

「ふるさとは一つです。おふくろは一人です」松永

 夏生(松嶋菜々子)と精一(佐々木蔵之介)も村へ。
カード会社のサプライスであって欲しいと願いながら。

 しかしちよさんは亡くなっており、通夜が営まれていた。
前方の席に案内された二人は最前列に座っていた松永と会い、3人とも『ホームタウンサービス』の利用者だと知った。

 不思議な縁だよね。
この3人がそれぞれこの家で「お母ちゃん」と「息子」「娘」として過ごしてきた。そして心から「母」がいなくなったことを悲しんでいる。村の住人のみなさんも3人のことを「利用者さん」ではなく、ちよの家族と思ってくれているのがわかる。

 ちよさんを発見したのはシンコさん(菜葉菜)で、朝、雨戸を開けに行ったら、いろりのそばでコロンと横になっていて眠っているかと思ったそうな。鶴を折りながら突然逝ってしまったらしい。そばにはちよさんが折った鶴がたくさん置いてあった。

 通夜振舞はジンギスカンだった。
ちよさんがあったかくなったら子供達と一緒に食べたいと言っていたそうで、住人のみなさんが用意してくれたのさ〜
鍋を囲む3人。

「亡くなった人の思い出さ語ると、
あの世のその人に花びらが降るんだと。
きれいな花びらに埋もれて、いい香りにつつまれで。
私は、それが供養だと思うのす」和尚(伊武雅刀)


 この人、ホントに和尚さんだったんだね( ̄▽ ̄;)
その言葉を受けてお母ちゃんとの思い出話を始める三人。


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matakita821 at 20:39|PermalinkComments(0)

特集ドラマ「母の待つ里」第3話 室田精一の場合

 室田精一(佐々木蔵之介)、61歳。
定年後、退職金が振り込まれた日に妻・怜子(坂井真紀)から離婚を切り出され、しかたなく受け入れる。離婚後、荒み切った心で故郷へ帰ってきた。

 問題の多い男デスヨ。
離婚に全く納得しておらず、離婚成立したその日に妻に急に感謝の言葉を伝え告白。「友達から始めてみませんか?」とか言うももちろん拒否される。奥さんのことナメてるよね ( ̄▽ ̄;) 離婚したいって言うから大人しく言う事聞いてやったんだからさ〜気分直してさ・・ってのが丸見え。気分で離婚決意する訳ないじゃん。とにかくわかっていない男。

 村に着いたら「エキストラ困らせ問題」。
アドリブの利かない昔馴染の住民役のおじいちゃんや寺の和尚さん(伊武雅刀)にグイグイ話しかけて固まらせとる。和尚なんて同じセリフ繰り返しちゃったよ。

 出迎えてくれたアルゴス(のこ)も無視。
(アルゴス、今日もいい仕事だったよ!)

「これが50万の旅かよ」

 しかし家で迎えたちよさん(宮本信子)は息子のどんな態度にも合わせるプロ。
アドリブも自然よ。さすがの精一も毒気が抜けてきた。

 そして夜、お待ちかねの寝物語。
今回は「姥捨て山」。
それを聞いた精一は布団をかぶって嗚咽しとった。

 この「ホームタウンサービス」、心理学者とかのサポートでもあるのかね?
事前アンケートから利用者のウィークポイントを掴んで、昔話もセレクトして接し方とかも指導してるんじゃ?( ̄▽ ̄;)

 翌日、お墓参りに連れて行くちよさん。
不思議に思いながらもついていくとちよさんが墓前で話し始めた。

「お父さん、精一が会社ば勤め上げてけえって来たぞ。
お父さん、褒めてやってくなんせ」


『会社の人間も家族も退職する俺に形式的な言葉をかけるだけだった。
テーマパークのキャストの言葉が初めて心に沁みた。
ウソの世界に真実(まこと)があった』


 突発的に「ここで暮らしたい!この墓に入れてください!」と言い出す精一。
ちよさんも住職さんも、「いいね、そうしなよ!」という訳にもいかず困って下向いてるじゃん!

 以外とちょろい男なのか?
家庭でも会社でも威張りくさって人の意見なんて聞いてこなかったであろう精一。どの場面でも本来の精一自身を出すタイミングを失ってパワハラ男として突っ走るしかなかったのか?でも変わろうとしなければ、人から見えている姿がアンタ自身なんだぞ。

 で、延泊決定 ( ̄▽ ̄;) 住民大慌て。
「故郷」を見つけちゃった精一は来た時とはまったく違う顔になっております。


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matakita821 at 16:27|PermalinkComments(0)

2024年09月22日

特集ドラマ「母の待つ里」第2話 古賀夏生の場合


 古賀夏生(松嶋菜々子)、医師。
母親(根岸季衣)の初七日を迎えた日に「故郷」に戻ってきた。
最初は設定をよく理解しておらず、迎える住人達に戸惑う夏生だったが、母親が亡くなった情報も知っている母親役のちよ(宮本信子)が彼女を気遣いルールを破ったことで逆に緊張が解けた模様。

 認知症を患っている母を自宅で介護していた夏生は耐え切れなくなり施設へ入所させ、会いに行くことはなかった。危篤になった時、延命治療は行わず、心の中で『殺してください』と祈った。

 夏生と母親との関係がどんなものだったのか、元々関係が悪かったのか、認知症の介護をしているうちにこじれたのかはわからないが、今の夏生にとって母親の記憶は苦痛でしかない。でも「故郷」の「母親」は、その記憶を塗り替えてくれた。母親として彼女の人生を労い、励まし、諭してくれた。帰る頃、夏生は設定を忘れてこの村にも母親にも特別な感情を抱いていた。

 利用者にする昔話、アンケートに合わせて選択するのかね?
あの祠も、セットのように昔話に合わせて作ってあるとしたら、怖いよね( ̄▽ ̄;)

 二回目に「故郷」を訪れた夏生は本物の母親を思い出すこともなく、すっかりくつろいでいた。
住人達と設定を越えた会話をすることで(住人役の人も利用者を騙している感じで罪の意識があったらしい)、日常のホントよりさらに深いホントを掴めたような気になれたんじゃなかろうか。そしてそうなることで、ここを本当の「故郷」にしたいという無意識の心の動きがあるような。

 学校の管理人とのぶっちゃけトークや「母親」のフミヤさんへの思い。
嘘の中にあるホントの感情が嘘(演技)を、よりリアルなものにする。「母親」と過ごした時間で、ホントの世界では得られなかった癒しや気づきを得た夏生は現実世界の心境に変化が顕れてくる。嘘(故郷設定)がホントをコーティングしているような、そして嘘とホントがすり替わりそうな危うさもある。

『あの里から帰って以来、何かが変わっていた。
私はたくさん取り戻していた。
お母さん・・お母さんは何者なの?』


 「故郷」の変わらぬ「母親」でありながら、相手の情報に合わせた自然な「母親」を演じ切るちよさん。本当に何者なんだろう。その「母親」の仮面が取れても、母親なんだろうか。

 第1話 松永徹の場合
 第3話 室田精一の場合
 最終話 藤原ちよの場合


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matakita821 at 18:30|PermalinkComments(0)