岡山天音

2022年02月23日

「ミステリと言う勿れ」 第7話(episode.5 後編)

 香音人(早乙女太一)は本当に天使だった。
ただ子供たちを虐待する親たちから救ってあげたかった。
自分が火事によって母親の異常な執着と暴力から逃れられ、喜びと解放感しかなかったから、他の子もそうだと思っていた。

 でも違っていた。
親を殺す選択をした子供たちの中には自殺をしたり精神的に病んでいる者もいた。
親の暴力という苦しみからは逃れられたが、別の苦しみを背負う人生が待っていた。


『アンタは違うだろ。
アンタの親はただの火事で死んだんだろ。
殺したんじゃない!俺は殺した!
殺していいって言った!俺が親を殺したんだ!
アンタと俺は同じじゃない!
アンタは殺してない!殺す許可を出してない!
アンタに俺たちの気持ちはわかんねぇんだよ!!
』翼(今井悠貴)

 自分の気づかなかった真実を知った香音人は
『天使をやめる』・・・と言った。

『でも陸さんはやめたくなかった。だから・・・
陸さん、あなたは香音人さんを殺したんですか?』整
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 いや〜全く気付かなかったよ。
整(菅田将暉)が陸太と出会った時点で香音人はもう殺されていた。
猫も香音人と一緒に冷凍庫に入れられていた。
コレ、原作ではどういうふうに描いているんだろ(確認しなきゃ!)
香音人天使が時に邪心で成り立っているように見えたのは陸太(岡山天音)の都合に合わせた設定だったから。

 香音人の指示で子供たちを救う、それが陸太の生きる意味だった。
天使のお陰で自分は救われている。
そして自分と同じような子供たちを救っている。
それが生かされている理由でなければならなかった。


 香音人を殺してしまったのは事故だった。
陸太がアジトに来ない時間だと思ってりんごを調理しようとしていた香音人を見て、陸太は『捨てられるんだ!役に立たないから。天使をやめるから捨てられる!』と思った。絶望し錯乱した陸太は間違って香音人を刺してしまった。

 陸太は役に立たなければ愛されない存在だと思い込んでいた。
だから香音人との繋がりを守るためにも親を殺して欲しい子供たちを捜した。
香音人は陸太のことを心から大切な友達だと思っていたのに。
刺された後も彼は陸太のことだけを思っていた。


『ごめんね・・陸ちゃん。
苦しくさせて・・・痛くさせて・・
陸ちゃん・・・・
助けてあげられなくて・・ごめんね・・』

 香音人が背負ってきた痛み、
そして陸太が苦しみながらもすがってきた繋がりを思うと辛い。
それは大人たちが作った傷であり背負わせた重荷だ。

 



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matakita821 at 00:30|PermalinkComments(0)