宮本信子

2024年12月02日

「海に眠るダイヤモンド」第6話 希望の種 

 思いを確認しあった朝子(杉咲花)と鉄平(神木隆之介)。

「鉄平・・私、
お婿さんになる人とコスモス植えたいけん。
持っといて」朝子
「はい!」鉄平


 手渡された種の入った袋。
でも、その種は、やっと今、玲央(神木隆之介)によって植えられ芽を出した。
なぜいづみ(宮本信子)が持っていたのか。
二人で植えることは叶わなかったのか。

 閉山になった端島の写真に鉄平の姿はなかった。

「私も知らないの・・・
彼が・・・鉄平が・・どうなったのか」


 どういうこと?
坑内火災に遭って遺体が見つかっていないということ?
それとも行方不明になったの?
火災の原因が鉄平にあって耐え切れず消えた?
もしかしたら鉄平は生きているかもしれない?

 1963年、炭鉱閉山のニュースが相次ぐ中、端島の勢いは衰えなかった。
正月。リナ(池田エライザ)の妊娠を機に進平(斎藤工)は両親に結婚することと荒木家での同居を伝えた(実際はリナの戸籍を取り寄せることはできないし、進平の妻の死亡届は出していないので入籍はできず内縁関係)。

 多分、あの事は進平とリナが二人きりになっても話されなかっただろう。
あの男の遺体は本当に海流が沖へと運んでくれた。
あれからリナを捜しに来た者はいない。
進平の「端島なら、なんとかなる」という言葉は本当だろう。端島にいる限り、二人の秘密は隠しおおせる。
 
 リナは「荒木リナ」として生きていくことになった。
罪の意識を奥に押し込んで。
慣れない幸せに戸惑いながら。
リナにとっては初めての家族に守られた穏やかな時間が始まった。


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2024年11月25日

「海に眠るダイヤモンド」第5話 一島一家

「進平さん・・・死んじゃうかと思った」
「・・・(首を振る)」
「ごめんね・・ごめん・・」


 このふたりは人間としてギリギリの淵でどうしようもなく求めあっている。
二人なら一緒に生きられる、というよりも一緒に死ねるのかもしれない。
リナ(池田エライザ)の「死んじゃうかと思った」は「愛している」。

 妻の死を認めようとしなかった進平(斎藤工)が
リナにだけは「栄子は死んだ」と伝えた。

「もう誰も愛さない」
「愛さない」
「独りで生きていく」
「生きていく」


 ふたりだけにわかる思いの確認。
リナのために殺すことにためらいは無く、
「海流が沖へ流すと助からん」ことを伝える、
弟への嘘も上手な進平。

 でもきっとこのふたりに平穏な日々は来ない。
ジンクスは繰り返される。
多分、進平は死ぬのだろう。
進平のいない端島にリナの居場所はない。

 てことは・・・玲央(神木隆之介)はリナの孫なのか?
じゃあなぜ朝子(いづみ)は玲央に拘るのか。
鉄平とは結ばれなかった。結ばれなかったからこそ宝物を捜すように玲央を求めたのかと思ったが、そんなもんじゃないんだね、きっと。もっと深くて大きなもの。郷愁だけではなく、端島ですごした幸せな時間、島を出てから捨てて来たものを取り戻したかったのか、あるいは贖罪?

 ストライキ、部分ストライキ、ロックアウト、ロックアウト破り・・・
いつの時代も経営者と労働者の間には暗くて深い河がある。
これは戦争だ。生きる為の。
でも必死に戦っても、いつのまにか上同士で話が決まっている。
負傷した兵士は虚しいばかり。
その怒りは痛みを感じないトップではなく、ちゃんとその下の痛みがわかる人間に向けられる。

 賢将(清水尋也)は、いけにえだ。
鉱員や組合長らにとっては敵の息子であり、戦わずして勝利を得た卑怯者でしかない。鉄平(神木隆之介)も職員ではあるが、家族は鉱員だし、負傷したということは敵側とはいえ同じ兵士と認められる。そして鉄平のように正直に思いを発表することは立場上許されない。責められ罵られる賢将の心の傷は誰にも見えない。



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2024年11月18日

「海に眠るダイヤモンド」第4話 沈黙

「奇跡は・・人が起こす」百合子

 長崎での被爆。
死んでしまった姉。
原爆症に苦しみながらも祈り続けた母。
その母の介護をしながら、自分もいずれこうなるのだと怯え続けた百合子(土屋太鳳)。

 神は何もしてくれなかった。
戦争でたくさんの人間が死んだ時も、原爆が落ちた時も、その後も。
どんなに祈っても必死に救いを求めても沈黙していた。
その恨みを朝子(杉咲花)にぶつけてきた百合子。

 でも戦争を始めたのも人間で、原爆を落としたのも人間だ。
戦争を始めた人間、勝つために国民をコントロールした人間、
負けが見えていても戦争を終わらせようとしなかった人間、
愛国心の名の元に他国民の命を消滅させる決断をした人間、

 そしてそんな決定に従うしかなかった人間たち。
戦争は人の考える力を奪う。
戦争を始めた人間たちが望んだのは何も考えず従うロボットだから。

 迷いを振り払い生きる人達。
戦争になんの疑問も抱かず息子が戦地に向かうのをばんざいで見送った一平(國村隼)。
飢えさせないために娘達を疎開させ空襲に遭わせてしまったハル(中嶋朋子)。
自分の信仰のために娘を長崎へ連れて行き死なせてしまった百合子の母。

 誰も悪くない。その時その時を必死に生きていただけだ。
終戦を迎えても、いや戦争が終わってからがさらなる苦しみの始まりだった。
みんな自分を責めながら、後悔の狭間で自分の罪と向き合いながら生きている。
戦争の愚かさを、失った命の尊さを、その罪を、忘れずに生き続けることでしか償えないから。



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2024年11月11日

「海に眠るダイヤモンド」第3話 孤島の花

「さぁ、一緒にこの会社を潰そうじゃないか」いづみ


 どんな状態でいづみが端島を出たのかはわからない。
閉山でしかたなく離れたのか、その前に夢を求めて飛び出したのか。
外の世界でいづみ(宮本信子)は端島では得られなかったものを掴むことはできたのか。
端島にいた頃のような純粋な幸せを感じることはできたのか。

 金銭的に不自由ない生活、立派な家、心が通い合わない家族。
これが、いづみが望んだ人生なんだろうか。
端島を捨ててまで見た夢なんだろうか。

『一度見た夢を忘れることはできるのだろうか』

 1957年、端島は景気がいいけど、金回りがいいのは炭鉱員と職員だけ。
彼らをの生活を支えている「社外者」たちは年中無休で働いても常にカツカツ。
食堂を営んでいる朝子(杉咲花)の家も。
それでも自分の気持ちを引き立て、日々、ここで自分にやれることをやって生きていくしかない。

 そこに突然現れた『非日常』。
そりゃ参加するさ、夢もみるさ。
でもその夢も惨めに破れた。
鉄平(神木隆之介)は泥棒に堕ちた夏八木(渋川清彦)のことを
『(組合のお金を)半分を残したのは、権力に負け金にも負けた男の矜持だったのか』と言っていたけど、夏八木は泥棒にもなりきれなかっただけだと思う。半分残すことでプライドを保とうとした情けない男だよ。

 朝子を慰めようと連れ出した鉄平。
ふたりだけの花見。
離れた場所から見る端島は光り輝いていて美しい。
その中にいると逃げ場がなくて心が塞がれる時もあるのに。
でも朝子にとっては鉄平がいてくれれば楽園だったのかもしれない。

 鉄平はやっと朝子の気持ちに気づいたかね?( ̄▽ ̄;)
初恋の鞍馬天狗・・・
こっからふたりの距離は縮まるのかな〜。

 さて、「いづみさんは誰だ」問題だよ。
こんな大きな会社を夫と二人で興すだけの器量を持った女性というと・・・
やっぱりリナ(池田エライザ)か朝子だよねぇ・・
百合子(土屋太鳳)は、経営センスとかなさそうだし。
てか、旦那さんって誰なんだろ?
もしかして朝子が賢将(清水尋也)と一緒になって会社を?
まだまだわからんね〜

 百合子はないな〜と思ったのだが〜
『初耳学』にわざわざ呼ばれるってことは、もしかしていづみだから?とか思ったり・・・(笑

 第1話 地底の闇を切りひらく
 第2話 スクエアダンス
 第4話 沈黙
 第5話 一島一家
 第6話 希望の種


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2024年11月04日

「海に眠るダイヤモンド」第2話 スクエアダンス

 
 賢将(清水尋也)は朝子(杉咲花)が好きで、朝子は鉄平(神木隆之介)が好きで、鉄平はリナ(池田エライザ)が好き。そしてリナは進平(斎藤工)と?百合子は誰が好きなんだろう。スクエアに入らず見ているだけ?

 百合子(土屋太鳳)の家庭もいろいろあったみたいだね。
亡くなった姉、悲しみで神に救いを求めた母は百合子の存在を忘れている。端島を出ていきたいけど、出て行ったところで惨めな思いをするだけ。ここにいるから好き放題できる。精神的にも身体的にも逃げ場はない。台風が島ごと自分と住人達を飲み込んでしまえばいいと思っただろうか。でも朝子だって働きづめのこの島から出ることはできない。島の住人のほとんどが閉塞感を抱えている。

 台風が来れば船は来なくなり、水と食料は無くなり、電気も通らなくなる。島中を海水が暴れまわり何もかも破壊していく。人の命も奪う。自然の驚異に人間は耐えるのみ。鉱員住宅は狭くて風通しも悪くカビとの闘い。部屋は奪い合いで大雨になると便所から糞尿があふれ出す。それでもいづみ(宮本信子)にとっては島の姿を見るだけで心がかきむしられるような場所。いろんな感情が混ざり合った複雑な思いがあるのだろう。

 前回、いづみはリナか朝子か・・と思っていたんだけど百合子の可能性も出て来た( ̄▽ ̄;) 出て行きたかったけど出ていけなかった島、閉山して離れることになっただろうが、離れてみて心をあの島に置いてきたことに気づいたのか。

 第1話 地底の闇を切りひらく 
 第3話 孤島の花
 第4話 沈黙
 第5話 一島一家
 第6話 希望の種

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2024年10月21日

「海に眠るダイヤモンド」第1話 地底の闇を切りひらく


 2018年の東京、夢も希望もない、生きることに疲れているホストの玲央(神木隆之介)。そんな彼に突然プロポーズをし、店で大盤振る舞いをしたり、長崎へと連れて行く謎の老婦人・いづみ(宮本信子)。

 そして1955年の長崎・端島に生きる人々。
炭鉱業のために生まれたこの小さな島には人々の生活に必要なもの、学校、病院、郵便局、食堂、床屋、購買部、ビリヤード場に映画館、派出所、すべてがあった。

 炭鉱夫の中には事情があってここに流れ着いた者もいた。
草笛リナ(池田エライザ)も同じような一人。
どこに行ってもうまくいかず、『根っこがちぎれた海藻みたいに漂って』居場所を求め転々と生きてきた孤独な女。

 職員クラブの管理人・町子(映美くらら)に『あんたに何があって、どこから逃げてきたのか知らんけどさ、私達あの戦争を生き延びたとよ。そう簡単には死ねんさ!』と言われていたが、戦争が終わってまだ10年。危険な炭鉱で働く男たちも島で働く女たちも、あの戦争と必死に戦い、とにかく生き残ったのだ。

 島にとって重要人物である製鉄会社社長の三島に逆らい、島を出ていく羽目になったリナに鉄平(神木隆之介)が言った言葉。

「リナさん、人生変えたくないか?
ここから、変えたくないか?」


 すべてに諦めていたリナが鉄平のまっすぐなまなざしとくもりのない言葉を受けて希望を掴もうと思うことができた。その言葉通り、いずみの人生は変わったのだと思う。

 その同じ言葉を玲央に伝えるいづみ。

「玲央、人生変えたくないか?
ここから、変えたくないか?」


 誰にでも人生を変える決断をする瞬間がある。
それは誰かの親切だったり、愛情だったり、おせっかいだったり、願いだったり、偶然のおかげだったりする。端島の生意気な口を利いていた若い炭鉱夫は命を救われ、自分の行いを恥じ、心を開き、仲間を得た。いづみが玲央に近づいたのは恩返しのため?それとも叶えられなかった祈りを成し遂げようとしているの?いづみの言葉は玲央に届いただろうか。

 そもそもいずみはリナなのか。あるいは鉄平を思っていた朝子(杉咲花)なのか。
鉄平とリナに進展はあるのか。
1974年に閉山するまでにあの島で何が起こるのか。
あそこで生きていた人達はどうなったのか。
ミステリー的な面白さもあるし、人間ドラマとしても期待できそう。
二役もさすがの神木隆之介様。声も顔もすべてが別人。
こちらも視聴決定。でも来週はお休みなのね〜( ̄▽ ̄;)

 第2話 スクエアダンス
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 第4話 沈黙
 第5話 一島一家
 第6話 希望の種

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2024年09月30日

きこりのテレビ日記 #187

 9月26日(木曜日)くもり

 5時15分起床。雨上がりの朝は、ちょっと暖かい。
でも本日は19度までしか上がらない予報 ( ̄▽ ̄;)

 『人形歴史スペクタクル 平家物語』第5部 無常 (1)紀伊の巨鯨(録画)(Eテレ)

 ついに「無常」まできたぞ ( ̄▽ ̄;)
書いてなかったけど全部見てましたよ〜。

 ついに頼朝から屋島追討の命を受けハッスルした義経だったが〜
摂津に着いたら船は全部景時軍が持ってっちゃっていた。仲間内で足引っ張ってどうすんだよ?と思うが、とにかく常に義経をけん制する景時であった。

 船がなきゃ戦えない。義経は弁慶たちを使いにやり昔馴染の熊野水軍の鵜殿隼人助とやらに助けを求めたんだが、その大元の田辺の湛増親分の許可を得ないと動けないんだって。実は田辺の湛増と弁慶は古い知り合い。早速お願いしに行ったが田辺は平家繋がりのものが多く、表立って源氏に味方する訳にもいかない模様。それでもうまいことやって人情に厚い(多分)湛増殿は弁慶の顔を立ててくれた。お手柄弁慶のおかげで船を用意でき準備万端の巻であった。

 今回、湛増殿が平家につくか源氏につくか鶏を戦わせて占って決める(体の)場面があったのだが、鶏の闘いっぷりがなかなか見ごたえあり、毛も舞って臨場感あったわ〜( ̄▽ ̄;)

 『人形歴史スペクタクル 平家物語』第5部 無常 (2)嵐をついて(録画)(Eテレ)

 熊野水軍も到着しバッテリーもビンビンだぜ〜♬の義経軍だったが〜〜
頼朝の命で軍監として着任する景時が、俺が着くまで動くんじゃねーぞ!(俺より先に手柄立てたらぶっ殺す!)と言ってきたもんだから、みんなブーブー。しかし悪口を許さないMr.クリーン・義経。

 いや〜義経ってホント清廉潔白というか、人間としても大将としても鑑だよね。でも清らかすぎるとアレなんだろうな。清濁併せのむ、どっちかというと濁多めの人物の方が生き残れるんだろうね( ̄▽ ̄;)

 一方、平家軍の時忠は平家の血を守るため、そして帝と建礼門院様を助けるためにも三種の神器を返して和議を申し出ようと二位の尼に相談。二位の尼ったら『少し考えさせてたもれ』とか言ってたけど、モタモタしている暇はないべさ!一瞬の決断が命を分けるのよ!

 そして二位の尼と相談しているのを聞いた宗盛が教経にチクり・・裏切るようなら殺っちまおう的なぶっそうな展開に。ヤダヤダ。なんでそんなに戦いたいのかね?戦争反対!和議でいいじゃん!

 そして平家軍が伊予攻めに向かったとの情報を得た義経は嵐の中、船で阿波に渡り陸路から屋島に向かう戦略を決行。景時様が動くなって言ってたでしょうーが!とか少ない船で行ってもダメだべ!と反対の声も上がったが、来たくない人は来なくていいよ!と、いつになく強気モードの義経なのであった。

 そんな義経に自分も同行させてくださいと頼む那須与一。
アンタ景時門下なんだからヤバイんでないの?と諫められるが、どうせ命懸けならこの人と思える人のために戦って死にたいと。そりゃそうだわ。そしてさらに麻鳥まで連れて行ってくださいと。えーー危ないよ〜麻鳥が死んじゃったら見る気なくなるじゃん・・( ̄▽ ̄;) しかし二人の熱意を受け入れる義経であった。

 ついにあと2話まで追いついたぞ (;´Д`)



 9月27日(金曜日)雨 のち 晴れ

 7時30分 NHKBS 連続テレビ小説『寅に翼』最終週 第130話(最終回)

 やっと終わった・・・_:(´ཀ`」 ∠):_
長かったわぁ・・・ラスト三週間はナレーションとニュース映像で進行(脚本家さんは役者を信用していないのか?)、最終回もなにがなんだか・・・( ̄▽ ̄;) 今まで朝ドラワースト1は「半分青い」だったんだが(2位は「ちむどんどん」3位は何個もあるので割愛)、現在それすら大きく引き離して「虎に翼」が1位になっちゃったよ。

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2024年09月29日

特集ドラマ「母の待つ里」最終話 藤原ちよの場合

 ちよさん(宮本信子)の訃報を聞いた松永(中井貴一)は、すぐに村に向かい、『ホームタウン・サービス』に電話を入れたが・・・

「ヴィレッジやマザーが消滅した場合、
いつでも新たな故郷、新たなお母さまをご提供できる準備があります。
現在待機中なのは青森県・・」

「ふるさとは一つです。おふくろは一人です」松永

 夏生(松嶋菜々子)と精一(佐々木蔵之介)も村へ。
カード会社のサプライスであって欲しいと願いながら。

 しかしちよさんは亡くなっており、通夜が営まれていた。
前方の席に案内された二人は最前列に座っていた松永と会い、3人とも『ホームタウンサービス』の利用者だと知った。

 不思議な縁だよね。
この3人がそれぞれこの家で「お母ちゃん」と「息子」「娘」として過ごしてきた。そして心から「母」がいなくなったことを悲しんでいる。村の住人のみなさんも3人のことを「利用者さん」ではなく、ちよの家族と思ってくれているのがわかる。

 ちよさんを発見したのはシンコさん(菜葉菜)で、朝、雨戸を開けに行ったら、いろりのそばでコロンと横になっていて眠っているかと思ったそうな。鶴を折りながら突然逝ってしまったらしい。そばにはちよさんが折った鶴がたくさん置いてあった。

 通夜振舞はジンギスカンだった。
ちよさんがあったかくなったら子供達と一緒に食べたいと言っていたそうで、住人のみなさんが用意してくれたのさ〜
鍋を囲む3人。

「亡くなった人の思い出さ語ると、
あの世のその人に花びらが降るんだと。
きれいな花びらに埋もれて、いい香りにつつまれで。
私は、それが供養だと思うのす」和尚(伊武雅刀)


 この人、ホントに和尚さんだったんだね( ̄▽ ̄;)
その言葉を受けてお母ちゃんとの思い出話を始める三人。


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特集ドラマ「母の待つ里」第3話 室田精一の場合

 室田精一(佐々木蔵之介)、61歳。
定年後、退職金が振り込まれた日に妻・怜子(坂井真紀)から離婚を切り出され、しかたなく受け入れる。離婚後、荒み切った心で故郷へ帰ってきた。

 問題の多い男デスヨ。
離婚に全く納得しておらず、離婚成立したその日に妻に急に感謝の言葉を伝え告白。「友達から始めてみませんか?」とか言うももちろん拒否される。奥さんのことナメてるよね ( ̄▽ ̄;) 離婚したいって言うから大人しく言う事聞いてやったんだからさ〜気分直してさ・・ってのが丸見え。気分で離婚決意する訳ないじゃん。とにかくわかっていない男。

 村に着いたら「エキストラ困らせ問題」。
アドリブの利かない昔馴染の住民役のおじいちゃんや寺の和尚さん(伊武雅刀)にグイグイ話しかけて固まらせとる。和尚なんて同じセリフ繰り返しちゃったよ。

 出迎えてくれたアルゴス(のこ)も無視。
(アルゴス、今日もいい仕事だったよ!)

「これが50万の旅かよ」

 しかし家で迎えたちよさん(宮本信子)は息子のどんな態度にも合わせるプロ。
アドリブも自然よ。さすがの精一も毒気が抜けてきた。

 そして夜、お待ちかねの寝物語。
今回は「姥捨て山」。
それを聞いた精一は布団をかぶって嗚咽しとった。

 この「ホームタウンサービス」、心理学者とかのサポートでもあるのかね?
事前アンケートから利用者のウィークポイントを掴んで、昔話もセレクトして接し方とかも指導してるんじゃ?( ̄▽ ̄;)

 翌日、お墓参りに連れて行くちよさん。
不思議に思いながらもついていくとちよさんが墓前で話し始めた。

「お父さん、精一が会社ば勤め上げてけえって来たぞ。
お父さん、褒めてやってくなんせ」


『会社の人間も家族も退職する俺に形式的な言葉をかけるだけだった。
テーマパークのキャストの言葉が初めて心に沁みた。
ウソの世界に真実(まこと)があった』


 突発的に「ここで暮らしたい!この墓に入れてください!」と言い出す精一。
ちよさんも住職さんも、「いいね、そうしなよ!」という訳にもいかず困って下向いてるじゃん!

 以外とちょろい男なのか?
家庭でも会社でも威張りくさって人の意見なんて聞いてこなかったであろう精一。どの場面でも本来の精一自身を出すタイミングを失ってパワハラ男として突っ走るしかなかったのか?でも変わろうとしなければ、人から見えている姿がアンタ自身なんだぞ。

 で、延泊決定 ( ̄▽ ̄;) 住民大慌て。
「故郷」を見つけちゃった精一は来た時とはまったく違う顔になっております。


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2024年09月24日

きこりのテレビ日記 #186

 9月19日(木曜日)晴れ

 5時15分起床。今朝は10度。半袖で外に出たら、さぶっ!っとなったぞ。
でも本日は27度まで上がったのよね。17度も気温差が。

 朝一(9時)でなつ(猫)を病院へ。
一昨日からトイレにしょっちゅう通うというか、食べてはいるし寝てもいるのだが、一回トイレに行くと1分〜3分以内で5、6回行っており、頻尿?残尿感?なつは病院が大嫌いで行くだけでもかなりのストレスでダメージを受けるタイプなのだが、今回は早めに診せた方がいいべと判断。

 結果的に膀胱炎と診断され注射をしてもらい薬もらってきた。
原因は何等かの理由でトイレに行かなかったか行けなかった、ストレス等。トイレは3個あるし毎朝きれいにしてるし、新参猫もいないし穏やかに暮らしていると思ったが、ストレスって・・( ̄▽ ̄;) のんきに暮らしているように見えるが。

 先生に聞いてみたら、『(ストレスの原因は)わからない。猫のことはわからない!』と断言され納得(笑)この先生、ちょっと変わってるんだけど見立ては確かなのよね。前にミー太のあごにブツブツができた時にも『中年の証拠。ほっとけば治る!』と言って薬も出さす治療代もいらないという対応だったんだが、その通り、そのうち治ったし(猫それぞれです)、何日か行方不明になった後、足ひきずっていた時も適切な施術してくれたのよね。治療をやりすぎないというか動物が持っている力を信じているところが信用できるし、私の考えにも合っているんだワ。

 今回も病院で飼っている2匹の猫(16歳と17歳)の元気の秘密を聞いたら、『サプリとか一切信用していないんだけど』『CMで三国連太郎(なぜ三国?いつの話?)が膝折り曲げて宣伝してるの、あんなの絶対嘘だからさ』と言いつつ、コレは効いたと紹介してくれた犬猫用サプリを買ってしまった。否定から入る商法?私、ちょろいべか。いや、だって猫たち実際年齢のわりに元気だったからさ( ̄▽ ̄;) でも、なつにうまいこと飲ませられるかしらん・・

 『MIXびじゅチューン!』秋を見つけた!(録画)(Eテレ)

 ちょっと前、この番組の「挂甲の武人モーメント」を見て以来ハマってしまい、必ず見るようにしている。美術作品を新しい切り口の歌とアニメーションで表現する番組らしいが、普通にすっとんでおり、どういう発想でこの作品からこの歌が生まれる???という新鮮な感動が得られる(笑)絵も歌もすごいシュールで、いい意味で訳わかんないのが好み。なぜかナイツの土屋さんも出演しているが、番組に合っていると思う。

 この歌の詞も曲も、アニメーションまで作っちゃってるのが井上涼さん。
歌っているのもこの人らしい。軽くてうまくないんだかうまいんだか判定不能だが妙に残る歌声。この人、なんなの?調べたら「アーティスト」ですと。「アーティスト」ってよくわからんが、まぁいい。

 『MIXびじゅチューン!』は『びじゅチューン!』で過去に生まれた曲を4曲づつまとめたものらしい。どの曲も元となる作品を印象づけながら、さらにイメージを広げてくれる斬新な創り。クセになるわ〜水曜と金曜に放送している(そもそもが2022年の再放送らしいが)ので、良かったら見てみて〜♬


 9月20日(金曜日)晴れ

 本日も日中は24度まで上がったが朝夕は寒いぐらい。
さすがにもう半袖は違うだろうと衣替えを始めたが・・・
毎年のことだが、すぐに猫達に服が入っているケースを占領され・・・
中断しましたとさ( ̄▽ ̄;)
FullSizeRender

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2024年09月22日

特集ドラマ「母の待つ里」第2話 古賀夏生の場合


 古賀夏生(松嶋菜々子)、医師。
母親(根岸季衣)の初七日を迎えた日に「故郷」に戻ってきた。
最初は設定をよく理解しておらず、迎える住人達に戸惑う夏生だったが、母親が亡くなった情報も知っている母親役のちよ(宮本信子)が彼女を気遣いルールを破ったことで逆に緊張が解けた模様。

 認知症を患っている母を自宅で介護していた夏生は耐え切れなくなり施設へ入所させ、会いに行くことはなかった。危篤になった時、延命治療は行わず、心の中で『殺してください』と祈った。

 夏生と母親との関係がどんなものだったのか、元々関係が悪かったのか、認知症の介護をしているうちにこじれたのかはわからないが、今の夏生にとって母親の記憶は苦痛でしかない。でも「故郷」の「母親」は、その記憶を塗り替えてくれた。母親として彼女の人生を労い、励まし、諭してくれた。帰る頃、夏生は設定を忘れてこの村にも母親にも特別な感情を抱いていた。

 利用者にする昔話、アンケートに合わせて選択するのかね?
あの祠も、セットのように昔話に合わせて作ってあるとしたら、怖いよね( ̄▽ ̄;)

 二回目に「故郷」を訪れた夏生は本物の母親を思い出すこともなく、すっかりくつろいでいた。
住人達と設定を越えた会話をすることで(住人役の人も利用者を騙している感じで罪の意識があったらしい)、日常のホントよりさらに深いホントを掴めたような気になれたんじゃなかろうか。そしてそうなることで、ここを本当の「故郷」にしたいという無意識の心の動きがあるような。

 学校の管理人とのぶっちゃけトークや「母親」のフミヤさんへの思い。
嘘の中にあるホントの感情が嘘(演技)を、よりリアルなものにする。「母親」と過ごした時間で、ホントの世界では得られなかった癒しや気づきを得た夏生は現実世界の心境に変化が顕れてくる。嘘(故郷設定)がホントをコーティングしているような、そして嘘とホントがすり替わりそうな危うさもある。

『あの里から帰って以来、何かが変わっていた。
私はたくさん取り戻していた。
お母さん・・お母さんは何者なの?』


 「故郷」の変わらぬ「母親」でありながら、相手の情報に合わせた自然な「母親」を演じ切るちよさん。本当に何者なんだろう。その「母親」の仮面が取れても、母親なんだろうか。

 第1話 松永徹の場合
 第3話 室田精一の場合
 最終話 藤原ちよの場合


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特集ドラマ「母の待つ里」第1話 松永徹の場合

 いかにも仕立ての良さそうなコートを着て、鞄も靴も高級そうなものを身につけた男・松永徹(中井貴一)が40年ぶりに故郷に帰ってきた。電車を乗り継ぎ、バスに乗り、隠れ里のような村に。『故郷に錦を飾る』のだ。

 いくら40年ぶりと言ったって家に帰る道もわからない、久しぶりに会った母親ともぎこちなさすぎる。もしかしてこの人死んでる?ここは黄泉の里?と思ったが( ̄▽ ̄;)母親の名前を尋ねる姿に思い当たった。昔、ホンジャマカのコントに『レンタルお父さん』というのがあったが、これは『レンタルお母さん』なのだと。

 カード会社の企画プラン『ホームタウン・サービス』。
一泊50万円で故郷と、そこで待つ母を提供してくれる。

 村をあげての事業。出会う人も話しかけてくれる住人も、もちろん母親もすべて創りもの。
最初は他人行儀で距離の取り方がわからず敬語だった徹も温かな母親の態度にリラックスし、方言で応えるようになる。おふくろの味を堪能し、歓待され、懐かしい気持ちで一晩すごした徹は「完全な幸せ」を壊したくなくて早めに村を後にする。

 東京生まれの徹には、そもそも故郷は無く、母親も30年前に亡くなっている。
それでも彼が「故郷」を求めるのは何故だろう。
演技だと知りつつ「故郷」の「母」を訪ねるのは何故だろう。

 60代後半?大手食品メーカーの社長にまでなった成功者。
帰る所なんてないのに湧き上がる「帰りたい」という思いは、人間というものにあらかじめセットされている感情なんだろうか。心の奥に隠してきた後悔や寂しさが「帰りたい」という思いに繋がるのか。死に向かっている今を意識した時、誰かに自分の生きてきた道を無条件に肯定し受け止めて欲しいと望むのか。あるいは現在の自分の位置を確認するために「母」が必要なのか。

 「故郷」がある、「母」が待っているという記憶を手に入れた松永は、嘘と知りつつ自分の中に活力が蘇るのを感じる。いそいそと2回目の予約を入れ、再び「故郷」へと向かう。「母」と設定の確認をしながらも、この「母」と自分だけの「故郷」つくりに励む。友人からは新手の詐欺なんじゃ?と心配されながらも。

 なんかお母さん(宮本信子)が息子(松永)にする昔話がホラーすぎるんだが ( ̄▽ ̄;)
一泊50万のプランに申し込むのはリッチな成功者だけ。好奇心もあると思うが現実世界で満たされない心の空洞をお金で埋めようともがいているんだろうか。村をあげての詐欺疑惑も捨てがたいが、すべてはファンタジーというか、この里自体が幻のようにも見える。

 第2話 古賀夏生の場合
 第3話 室田精一の場合
 最終話 藤原ちよの場合


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matakita821 at 18:00|PermalinkComments(0)