吉岡里帆
2025年03月17日
「御上先生」 episode 9 -joker-
ヤマトタケルは、やっぱり視聴者たちの希望どおり(笑)槙野(岡田将生)だった。
かつて津吹(櫻井海音)と同じように過労で倒れ、その後自殺した部下がいた。彼の苦しみに気づいていながら何もしなかった自分へ(津吹の手術と奥さんの出産のために半休を取る槙野に対して「そんなことで?」とあきれた表情を見せた者達のように)の後悔と贖罪の思い、同時にこの労働環境を変えなければとの思いから、御上と繋がっていた。
御上は教育の現場で、槙野は文科省にいながら革命を起そうと動いていた。
富永(蒔田彩珠)が抱えていた問題、それは弟との関係だった。
(ごめんよ、富永、裏口入学疑惑をかけて ( ̄▽ ̄;) )
脊髄に先天性の疾患があり歩くことができず、軽度の知的障害もある弟は富永が家にいると不安定になる。生活には規則性があり、8時には寝るので、彼女は弟が寝た頃を見計らって帰ろうとゲームセンターで時間をつぶしていた。
辛すぎる。でも親もどうすることもできず富永の気遣いに甘えるしかなかったんだろうな。こうなってしまったきっかけは親戚の心ない言葉。
「お姉ちゃんは東大行くんでしょ?
リュウちゃんに半分分けてくれれば良かったのにね」
富永は「ふざけんな!」と反発したが、弟の心は深く傷つき、その日から変わってしまった。今日も暴れ出して母親だけでは抑えらえないと電話が入り駆け付けたのだが、つい弟を怒鳴ってしまった。その言葉が刺激となってさらに暴れ、彼は負傷してしまった。
「血まみれになったリュウちゃんの手のひらを見たら、
私にできることは、ここにいないことしかないのかもって思っちゃったんだよ」
自分さえ我慢をすれば、自分さえ殺していれば・・・
冴島先生(常盤貴子)も同じだった。
在学時、精神的に余裕を無くし追い詰められた戸倉樹(高橋恭平)は、試験問題を入手するために学校のシステムに侵入した。冴島先生は彼を守るため学校の不正に手を貸していたことをネタにゆすってきた筒井の言う事を聞くしかなかった。あれは不倫ではなく性被害だった。
だから学園のトップシークレットを知った筒井は監視のためもあり系列の塾へ異動となり、冴島先生は断ったため「不倫」の名目で辞めさせられたことになったんだね。
戸倉の精神状態に気づかなかった責任を感じていたからでもあるけれど、冴島先生は戸倉に自分のしたことの責任にしっかり向き合わせるべきだった。現在東大に入っているぐらいだから、そもそもできる子だったんだろう。一時的な気の迷いで道を踏み外させては・・と思ったのか。夫から受け続けた暴力のせいで過剰な自己犠牲を担うようになってしまったのか。戸倉君は大げさかもしれないけれど罪をつぐなう機会を奪われ、あの時受けるはずだったよりも長くて重い罪を背負うことになったような気がする。
救いなのは彼がまっとうな心の持ち主で冴島の生徒を思う気持ちにしっかりと応えてくれていること。きっとそのためにも頑張って東大に入ったんだと思う。
「忘れないです。
先生が全力で守ってくれたこと。
一生忘れません」戸倉
帰り際、深々と頭を下げた戸倉。
彼はその行動の責任とともに前を向いて生きて行こうとしている。
その姿は冴島が本来持っていた矜持を思い出させてくれたんじゃないかな。
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かつて津吹(櫻井海音)と同じように過労で倒れ、その後自殺した部下がいた。彼の苦しみに気づいていながら何もしなかった自分へ(津吹の手術と奥さんの出産のために半休を取る槙野に対して「そんなことで?」とあきれた表情を見せた者達のように)の後悔と贖罪の思い、同時にこの労働環境を変えなければとの思いから、御上と繋がっていた。
御上は教育の現場で、槙野は文科省にいながら革命を起そうと動いていた。
富永(蒔田彩珠)が抱えていた問題、それは弟との関係だった。
(ごめんよ、富永、裏口入学疑惑をかけて ( ̄▽ ̄;) )
脊髄に先天性の疾患があり歩くことができず、軽度の知的障害もある弟は富永が家にいると不安定になる。生活には規則性があり、8時には寝るので、彼女は弟が寝た頃を見計らって帰ろうとゲームセンターで時間をつぶしていた。
辛すぎる。でも親もどうすることもできず富永の気遣いに甘えるしかなかったんだろうな。こうなってしまったきっかけは親戚の心ない言葉。
「お姉ちゃんは東大行くんでしょ?
リュウちゃんに半分分けてくれれば良かったのにね」
富永は「ふざけんな!」と反発したが、弟の心は深く傷つき、その日から変わってしまった。今日も暴れ出して母親だけでは抑えらえないと電話が入り駆け付けたのだが、つい弟を怒鳴ってしまった。その言葉が刺激となってさらに暴れ、彼は負傷してしまった。
「血まみれになったリュウちゃんの手のひらを見たら、
私にできることは、ここにいないことしかないのかもって思っちゃったんだよ」
自分さえ我慢をすれば、自分さえ殺していれば・・・
冴島先生(常盤貴子)も同じだった。
在学時、精神的に余裕を無くし追い詰められた戸倉樹(高橋恭平)は、試験問題を入手するために学校のシステムに侵入した。冴島先生は彼を守るため学校の不正に手を貸していたことをネタにゆすってきた筒井の言う事を聞くしかなかった。あれは不倫ではなく性被害だった。
だから学園のトップシークレットを知った筒井は監視のためもあり系列の塾へ異動となり、冴島先生は断ったため「不倫」の名目で辞めさせられたことになったんだね。
戸倉の精神状態に気づかなかった責任を感じていたからでもあるけれど、冴島先生は戸倉に自分のしたことの責任にしっかり向き合わせるべきだった。現在東大に入っているぐらいだから、そもそもできる子だったんだろう。一時的な気の迷いで道を踏み外させては・・と思ったのか。夫から受け続けた暴力のせいで過剰な自己犠牲を担うようになってしまったのか。戸倉君は大げさかもしれないけれど罪をつぐなう機会を奪われ、あの時受けるはずだったよりも長くて重い罪を背負うことになったような気がする。
救いなのは彼がまっとうな心の持ち主で冴島の生徒を思う気持ちにしっかりと応えてくれていること。きっとそのためにも頑張って東大に入ったんだと思う。
「忘れないです。
先生が全力で守ってくれたこと。
一生忘れません」戸倉
帰り際、深々と頭を下げた戸倉。
彼はその行動の責任とともに前を向いて生きて行こうとしている。
その姿は冴島が本来持っていた矜持を思い出させてくれたんじゃないかな。
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2025年03月10日
「御上先生」 episode 8 -strategy-
常に他の生徒たちの悩みや苦しみに積極的に寄り添ってきた富永(蒔田彩珠)。
しかしたまに描写される彼女自身の家庭からは、その繋がりは見えてこず「ひとり」という印象だった。そして誰にも言えない悩みを抱えているのが伝わってきた。
一色先生(臼田あさ美)に、自分は裏口入学なのではないかと相談したのは彼女なんじゃなかろうか。だからこそ富永は、誰よりもこの学校の生徒たろうと理念を実践してきたのではないか?学園での、クラスでの、自分の存在意義を必死で掴もうと。
誰の話も聞いてくれるが自分の悩みは誰にも話さず頼ろうとしない富永が、初めて助けを求めた状況がヤバみしかない雰囲気だが、オカミと次元は間に合ってくれるはず。そして彼女の抱える問題と御上たちが求める答えがリンクするのかもしれない。
文科省から御上(松坂桃李)の帰還命令が下って(一応打診ではあったが戻らないと担任を降ろされるそうな)からの生徒達の言動がすばらしかった。
帰還の理由は保護者から生徒の成績が下がったとの声が上がっているからなので、成績を上げればOK(多分、彼らならその気になれば、すぐ上げられる)なのだが、学校側の理不尽な要求に成績アップで応えるのは納得がいかない、たとえオカミを助けるためだとしても学校を見返すための点取りゲームには参加したくない、誰かのために勉強はしたくはない、やるなら自分自身のためにやりたい。
「受験は目的ではなくて手段。
だけど・・ていうか、だからこそ・・
それを知った私達が
東大に行くことには意味があると思う」富永
わかっているなぁ・・・
多分、生徒達の中には学ぶ力、考える力の種は、もうこの学校に来た時点で蒔かれていたんだよね。そこにオカミが光をあて健やかに育つ手伝いをした。元々伸びようとする力があり機会を待っていた芽はぐんぐんと伸び、驚くほどの成長を続けている。御上にとって、その瞬間に立ち会えたのは大きな喜びだったはず。
和久井(夏生大湖)は勉強法のシェアを提案し、みんなの同意を得たぞ。
「まとめます。
自分達らしい勉強法を考える。
そのついでにオカミを救う。
これでどうだ?!」次元(窪塚愛流)
すごい子達だよ。
『パーソナル イズ ポリティカル』をすっかり自分達のものにしている。
彼らの意見が文科省に届き、反映されたら日本の教育は変わるかもしれない。
「考える力を持っていない大人」には「考える力を持てる子供を育てる」ことはできない。確かにそうだ。そして「考える力」を育てるには暗記とテストの繰り返しって逆方向なような気がする。御上がやってきたように自分の問題として捉える機会を与え、考え、ディスカッションでお互いに刺激を与え合い、さらに深い思考へと導く。ここまでうまくいったのは3年2組の生徒達と御上の出会いのタイミングもあったと思うが、そもそも生徒達自身の心がそういう学びの場を求めていたんじゃないのかな。
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しかしたまに描写される彼女自身の家庭からは、その繋がりは見えてこず「ひとり」という印象だった。そして誰にも言えない悩みを抱えているのが伝わってきた。
一色先生(臼田あさ美)に、自分は裏口入学なのではないかと相談したのは彼女なんじゃなかろうか。だからこそ富永は、誰よりもこの学校の生徒たろうと理念を実践してきたのではないか?学園での、クラスでの、自分の存在意義を必死で掴もうと。
誰の話も聞いてくれるが自分の悩みは誰にも話さず頼ろうとしない富永が、初めて助けを求めた状況がヤバみしかない雰囲気だが、オカミと次元は間に合ってくれるはず。そして彼女の抱える問題と御上たちが求める答えがリンクするのかもしれない。
文科省から御上(松坂桃李)の帰還命令が下って(一応打診ではあったが戻らないと担任を降ろされるそうな)からの生徒達の言動がすばらしかった。
帰還の理由は保護者から生徒の成績が下がったとの声が上がっているからなので、成績を上げればOK(多分、彼らならその気になれば、すぐ上げられる)なのだが、学校側の理不尽な要求に成績アップで応えるのは納得がいかない、たとえオカミを助けるためだとしても学校を見返すための点取りゲームには参加したくない、誰かのために勉強はしたくはない、やるなら自分自身のためにやりたい。
「受験は目的ではなくて手段。
だけど・・ていうか、だからこそ・・
それを知った私達が
東大に行くことには意味があると思う」富永
わかっているなぁ・・・
多分、生徒達の中には学ぶ力、考える力の種は、もうこの学校に来た時点で蒔かれていたんだよね。そこにオカミが光をあて健やかに育つ手伝いをした。元々伸びようとする力があり機会を待っていた芽はぐんぐんと伸び、驚くほどの成長を続けている。御上にとって、その瞬間に立ち会えたのは大きな喜びだったはず。
和久井(夏生大湖)は勉強法のシェアを提案し、みんなの同意を得たぞ。
「まとめます。
自分達らしい勉強法を考える。
そのついでにオカミを救う。
これでどうだ?!」次元(窪塚愛流)
すごい子達だよ。
『パーソナル イズ ポリティカル』をすっかり自分達のものにしている。
彼らの意見が文科省に届き、反映されたら日本の教育は変わるかもしれない。
「考える力を持っていない大人」には「考える力を持てる子供を育てる」ことはできない。確かにそうだ。そして「考える力」を育てるには暗記とテストの繰り返しって逆方向なような気がする。御上がやってきたように自分の問題として捉える機会を与え、考え、ディスカッションでお互いに刺激を与え合い、さらに深い思考へと導く。ここまでうまくいったのは3年2組の生徒達と御上の出会いのタイミングもあったと思うが、そもそも生徒達自身の心がそういう学びの場を求めていたんじゃないのかな。
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2025年02月17日
「御上先生」 episode 5 -confidence-
さて『ビジコン』(花宝財団主催の『高校生ビジネスプロジェクトコンクール 2024』)にエントリーし初の決勝進出を狙おうとしている生徒たちに対して、「悪いけどそれ、どうせ勝てないよ」と言い放つ御上(松坂桃李)。
歴代優勝校は大人同士の忖度で決まっているそうな。
「それでも圧倒的なアイデアを出せれば
奇跡も起こるだろうけど」御上
それ以前にテーマの段階でモメているんだと。
冬木(山下幸輝)は「金融商品」押し、宮澤(豊田裕大)は「社会貢献」を視野に入れた製品開発。結局、富永(蒔田彩珠)の意見で二つを合体させたプランにしようってことになったが、そこから進まない。
一方、真山弓弦(堀田真由)に面会を拒否される中、手紙を出し続けてきた神崎(奥平大兼)の元に御上と一緒なら会ってもいいと返事が来た。
前回の御上との面会では、精神的にかなり揺さぶられたはずだが、それでも御上同行を指定したのは、未だ混乱の中にいる自分の思いや動機を御上なら整理してくれると思ったのか。
神埼は弓弦の家庭を壊した原因を作った自分を殺さずになぜ彼を殺したのか?と尋ねたが、弓弦は神崎の新聞のことは彼から来た手紙で初めて知ったそうな。
冴島先生(もう先生じゃないけど)(常盤貴子)が弓弦に話さなかったのは、言い訳をしたくなかったからもあるだろうけど、新聞が原因ではないとわかっていたから。多分、神崎が自分を狙っていたことも知っていた。不倫がバレたから離婚したのではなく、離婚したかったから不倫したように見せかけたんじゃなかろうか。そして教師を辞めたのも不倫のせいではなく、学校という組織や教師という仕事に絶望したから?
『父親への復讐でもない』・・・
暴力的な父親のことはそもそも軽蔑していたと思うから、父親に向けてのアピールではない。でも冴島先生が出て行ったことにより、父親に精神的にも肉体的にも痛めつけられたせいで追い詰められたのは確かだと思う。
ずっと噛み合わない弓弦と神崎の会話だったが、被害者・渋谷友介の母親からの手紙で初めて繋がった。弓弦が殺した青年も母親も彼女と同じ父親(夫)の暴力に苦しんだサバイバーだった。
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2025年02月10日
「御上先生」 episode 4 -fate-
「それにしてもマズイよ、槙野君。
人事の話までしていいとは言ってない!」塚田(及川光博)
「だって、まんまとハメられたんですよ?
人をダシに使って・・・」槙野
「いやいや、止められなかった
槙野君の責任もあるだろ!」
「・・・・はい。
ですので、このままでは済ませません。
御上の好きにはさせない。
いいですね?」
「好きにしたまえ」
こりは・・・塚田ちゃん・・
今後、槙野が暴走する許可を与えたことになるのでは〜?( ̄▽ ̄;)
槙野と御上、過去のひとつの事件の関係者かと思ったら、それぞれ別の事件と関わり向き合ううちに日本の教育を根本から変えるしかないとの思いに至り、そんな二人が運命的に出会い、同志となったのか。
多分これはまだ序の口。
槙野と御上、このふたりはどこまで行くつもりなんだろう。
隣徳祭が近づき、東雲(上坂樹里)は教科書検定のことを調べて展示する企画の提案をした。三年生は通常不参加で自習が認められているため、少数の積極的参加の声と戸惑いの声に分かれた。
そのことには触れず、自分の授業を終えた後、倉吉(影山優佳)にアメリカでの授業と教科書について尋ねる御上(松坂桃李)。テーマは「原爆投下について」。
倉吉の話すアメリカの教科書に載っている言い分に憤る生徒たちだったが、教科書にはこうも書かれていた。
『大統領の意見は正しかったと思いますか?』。
当時の倉吉には知識もなく、ディスカッションできるほどの意見もなかったが、この授業をきっかけに勉強したそうな。そして今、クラスのみんなの前で自分自身の考えを発表している。
倉吉は時間はかかったけれど教科書からの問いかけに、悩みながら答えを見つけた。『人や国の数だけ正義がある』。教科書=正解(真実)ではなくて、あくまで考えるための叩き台?学びの主役は教科書ではなく、人間ということか。そして学びの結果はすぐに出るものではないから、テストで確認できるのは知識の量だけなんだろうな。
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人事の話までしていいとは言ってない!」塚田(及川光博)
「だって、まんまとハメられたんですよ?
人をダシに使って・・・」槙野
「いやいや、止められなかった
槙野君の責任もあるだろ!」
「・・・・はい。
ですので、このままでは済ませません。
御上の好きにはさせない。
いいですね?」
「好きにしたまえ」
こりは・・・塚田ちゃん・・
今後、槙野が暴走する許可を与えたことになるのでは〜?( ̄▽ ̄;)
槙野と御上、過去のひとつの事件の関係者かと思ったら、それぞれ別の事件と関わり向き合ううちに日本の教育を根本から変えるしかないとの思いに至り、そんな二人が運命的に出会い、同志となったのか。
多分これはまだ序の口。
槙野と御上、このふたりはどこまで行くつもりなんだろう。
隣徳祭が近づき、東雲(上坂樹里)は教科書検定のことを調べて展示する企画の提案をした。三年生は通常不参加で自習が認められているため、少数の積極的参加の声と戸惑いの声に分かれた。
そのことには触れず、自分の授業を終えた後、倉吉(影山優佳)にアメリカでの授業と教科書について尋ねる御上(松坂桃李)。テーマは「原爆投下について」。
倉吉の話すアメリカの教科書に載っている言い分に憤る生徒たちだったが、教科書にはこうも書かれていた。
『大統領の意見は正しかったと思いますか?』。
当時の倉吉には知識もなく、ディスカッションできるほどの意見もなかったが、この授業をきっかけに勉強したそうな。そして今、クラスのみんなの前で自分自身の考えを発表している。
倉吉は時間はかかったけれど教科書からの問いかけに、悩みながら答えを見つけた。『人や国の数だけ正義がある』。教科書=正解(真実)ではなくて、あくまで考えるための叩き台?学びの主役は教科書ではなく、人間ということか。そして学びの結果はすぐに出るものではないから、テストで確認できるのは知識の量だけなんだろうな。
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2025年02月03日
「御上先生」 episode 3 -beginning-
「22年前、
学校の放送室で声明文を全校放送したのち、
自死を選択した少年がいた。
あまりに衝撃的な死は当時、
後追いが出るほどの騒ぎになった。
その少年の名前は御上宏太。
僕の実の兄だよ」御上
「あんた、何しにこの学校に来たの?
復讐?・・・それとも」神崎
「まだ話せない」
御上(松坂桃李)の行動の原点は兄の死。
兄の死が無ければ、御上は文科省に入らなかっただろうし、
この高校にも来ていない。
そして御上の行動は槙野(岡田将生)とも繋がっているはず。
御上も槙野も人生を賭けている。
なぜ兄は自死を選んだのか。
兄が校内放送で訴えたこととは・・・
真山弓弦(堀田真由)は事件のあった試験会場で自作の爆弾で自爆テロを決行しようとしていたが、失敗。ナイフに変えて被害者を襲った。
「君が変えたかった浅はかで思慮の足りない社会(は変わらない)。
地下鉄でビニール袋に傘を突き立てても、
飛行機でビルにツッコんで
何千人という人が死んでも
世界は1ミリも変わらなかった。
なのに何でたった一人、人を殺したぐらいで
社会を変えられると思った?」御上
「私は・・・・」弓弦
「誤解しないで。
僕は君を裁くために来た訳じゃない。
君の戦いが孤独だったことを、
多分、僕は知っている」
「帰れ・・」
「忘れられないはずだ。
自分が殺した人の顔が・・・
また来る」
真山弓弦は御上自身であり、兄でもある?
彼女の中で燃え盛る社会への怒りと憎しみ。
それは東雲(上坂樹里)の父親が自主退職する羽目になり、
両親が離婚し家庭崩壊したことへの怒りとも通じるだろうか。
彼女の怒りはあまりにも感情的だったし、
その矛先は身近で文科省所属の御上に向けられたけれど。
(指導を受けたのに無視して独自の教科書を使い続けたお父さんに問題があると思うが〜( ̄▽ ̄;) 離婚も教員という仕事を失ったからというよりも夫婦間の問題がすでにあったんじゃ?)
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学校の放送室で声明文を全校放送したのち、
自死を選択した少年がいた。
あまりに衝撃的な死は当時、
後追いが出るほどの騒ぎになった。
その少年の名前は御上宏太。
僕の実の兄だよ」御上
「あんた、何しにこの学校に来たの?
復讐?・・・それとも」神崎
「まだ話せない」
御上(松坂桃李)の行動の原点は兄の死。
兄の死が無ければ、御上は文科省に入らなかっただろうし、
この高校にも来ていない。
そして御上の行動は槙野(岡田将生)とも繋がっているはず。
御上も槙野も人生を賭けている。
なぜ兄は自死を選んだのか。
兄が校内放送で訴えたこととは・・・
真山弓弦(堀田真由)は事件のあった試験会場で自作の爆弾で自爆テロを決行しようとしていたが、失敗。ナイフに変えて被害者を襲った。
「君が変えたかった浅はかで思慮の足りない社会(は変わらない)。
地下鉄でビニール袋に傘を突き立てても、
飛行機でビルにツッコんで
何千人という人が死んでも
世界は1ミリも変わらなかった。
なのに何でたった一人、人を殺したぐらいで
社会を変えられると思った?」御上
「私は・・・・」弓弦
「誤解しないで。
僕は君を裁くために来た訳じゃない。
君の戦いが孤独だったことを、
多分、僕は知っている」
「帰れ・・」
「忘れられないはずだ。
自分が殺した人の顔が・・・
また来る」
真山弓弦は御上自身であり、兄でもある?
彼女の中で燃え盛る社会への怒りと憎しみ。
それは東雲(上坂樹里)の父親が自主退職する羽目になり、
両親が離婚し家庭崩壊したことへの怒りとも通じるだろうか。
彼女の怒りはあまりにも感情的だったし、
その矛先は身近で文科省所属の御上に向けられたけれど。
(指導を受けたのに無視して独自の教科書を使い続けたお父さんに問題があると思うが〜( ̄▽ ̄;) 離婚も教員という仕事を失ったからというよりも夫婦間の問題がすでにあったんじゃ?)
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2025年01月20日
「御上先生」 episode 1 -destruction-
「『パーソナル イズ ポリティカル』
個人的なことは政治的なこと。個人が抱える生きづらさは、
個人で何とかしろってなりがちだけど、実は社会的問題。
つまり政治が解決すべき問題だって意味なんだよね」
友が教えてくれたその言葉が御上(松坂桃李)を支え動かしている。
言い換えると組織を変えるためには個人が抱える問題と向き合うべき・・ということだろうか。御上の異動は左遷ではなく、彼と槙野(岡田将生)が日本の教育の在り方を破壊し新たに構築するために決断した行動だとしたら?御上は現場で、槙野は文部科学省という組織内部で戦う。後輩を前にした友情決裂アピールも作戦なんじゃないだろうか。
教壇に立った御上からは揺るがない覚悟のようなものが伝わってきた。
おりこうさんの生徒たちを積極的に煽る御上。
「君たちが今考えているエリートは、ただの上級国民予備軍だ。
言ったよね?エリートは「神に選ばれた人」だと。
なぜ選ばれるか?
それは普通の人間なら負けてしまうような欲やエゴに勝てる人だから。
自分の利益のためではなく
他者や物事のために尽くせる人だからだ。
僕はそこに付け加えたい。
真のエリートが寄り添うべき他者とは、
つまり弱者のことだ」
芸能人であれ政治家であれ、「神に選ばれた人」には、選ばれたことに対する義務や責任があると思う。立たされたその高い場所から目を見開き真実を見つめる。そして神から託された能力を自分のためではなく他者のために使うという。
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2023年11月03日
きこりのテレビ日記 #134
10月31日(火曜日)くもり ハロウィーンらしい
今日で10月も終わり。久しぶりに父の夢を見た。
父の車に後ろから私も車でついていくのだが、道はどんどん細くなったり、建物の中に入ったりしてしまう。しまいに階段を下って行って見えなくなり、こんなとこ絶対無理だよ・・行けやしないよ・・と途方に暮れているという・・( ̄▽ ̄;) コレにはどういった教えが?父が霊界から「オマエはまだまだだ」と言ってきているのでしょうか〜?
7時15分 BSP 『まんぷく』第5週 信じるんです! 第26話
も〜生きて行くにもやっとなのに「自分の着物は売らない!」って言ったり、いちいち萬平さん(長谷川博己)に当てこすりを言うブシムス(松坂慶子)に毎回ムカッとするんだけど、萬平さんが腹膜炎の時はお百度参りしてくれたし、なんだかんだ言っても、こうやってお尻を叩いてくれた存在があったからこそ、萬平さんも必死に活路を見出そうと判子を思いついたのかな〜と思ったり。
松坂さんの鈴さんが憎らしいけどかわいいし、しょうがないな〜と思わせてくれる絶妙の演技で萬平さんラブの福子(安藤サクラ)、仙人ぽいけどたまに狂気の萬平、二人の間で怒ったり拗ねたりボヤいたりして不思議なバランスを作ってくれてるような気もする(笑
今週、塩軍団かと思ったら、来週だったワ。
7時30分 BSP 『ブギウギ』第5週 ほんまの家族や(22)
最近、「まんぷく」から「ブギウギ」にすぐに気持ちが切り替えられない( ̄▽ ̄;)
特に今週は。
趣里さんのスズ子の圧倒的な存在感。深い悲しみと衝撃、混乱・・・ウェットに陥らない演技と演出がさわさわとこちらの心に染みわたっていく。
そして大西家に戻ってきたびしゃびしゃに濡れた着物のスズ子を迎えた六郎(黒崎煌代)が拭いてくれる。
「抱き締めてくれ。ワテも体が・・バラバラになってまいそうや」スズ子
「大丈夫や。バラバラになんかせえへん」六郎
「お母ちゃん・・・お母ちゃ〜ん!」
「いや、ワイ、六郎やで」
「アホ!知ってるわ!」
アホで純粋な六郎だからこそ癒すことができる。
スズ子の「お母ちゃーん」を受け止めることができる。
いや〜このための六郎のキャラか・・と恐れ入ったよ。
大阪に戻り「香川でのことは内緒や」と六郎に約束させるスズ子。
でも、お母ちゃんの顔を見たスズ子に再会してツヤさん(水川あさみ)は、わかったはず。スズ子がどんな思いでこの家に戻ってきたか、そして一人で心の始末をつけてきたことを。大人になったんだよね、スズ子は(´;ω;`)
梅丸に戻ったスズ子はいつもそうするように歌って気持ちを切り替えていた。このことがスズ子の歌に深みと味わいをさらに与えてくれるのかもしれん。この場所があって本当に良かった。
てか、川に入っていくスズ子の歩き方がツヤさんそっくりでびっくりした。
やっぱりお母ちゃんの子なんやなぁ。
続きを読む
今日で10月も終わり。久しぶりに父の夢を見た。
父の車に後ろから私も車でついていくのだが、道はどんどん細くなったり、建物の中に入ったりしてしまう。しまいに階段を下って行って見えなくなり、こんなとこ絶対無理だよ・・行けやしないよ・・と途方に暮れているという・・( ̄▽ ̄;) コレにはどういった教えが?父が霊界から「オマエはまだまだだ」と言ってきているのでしょうか〜?
7時15分 BSP 『まんぷく』第5週 信じるんです! 第26話
も〜生きて行くにもやっとなのに「自分の着物は売らない!」って言ったり、いちいち萬平さん(長谷川博己)に当てこすりを言うブシムス(松坂慶子)に毎回ムカッとするんだけど、萬平さんが腹膜炎の時はお百度参りしてくれたし、なんだかんだ言っても、こうやってお尻を叩いてくれた存在があったからこそ、萬平さんも必死に活路を見出そうと判子を思いついたのかな〜と思ったり。
松坂さんの鈴さんが憎らしいけどかわいいし、しょうがないな〜と思わせてくれる絶妙の演技で萬平さんラブの福子(安藤サクラ)、仙人ぽいけどたまに狂気の萬平、二人の間で怒ったり拗ねたりボヤいたりして不思議なバランスを作ってくれてるような気もする(笑
今週、塩軍団かと思ったら、来週だったワ。
7時30分 BSP 『ブギウギ』第5週 ほんまの家族や(22)
最近、「まんぷく」から「ブギウギ」にすぐに気持ちが切り替えられない( ̄▽ ̄;)
特に今週は。
趣里さんのスズ子の圧倒的な存在感。深い悲しみと衝撃、混乱・・・ウェットに陥らない演技と演出がさわさわとこちらの心に染みわたっていく。
そして大西家に戻ってきたびしゃびしゃに濡れた着物のスズ子を迎えた六郎(黒崎煌代)が拭いてくれる。
「抱き締めてくれ。ワテも体が・・バラバラになってまいそうや」スズ子
「大丈夫や。バラバラになんかせえへん」六郎
「お母ちゃん・・・お母ちゃ〜ん!」
「いや、ワイ、六郎やで」
「アホ!知ってるわ!」
アホで純粋な六郎だからこそ癒すことができる。
スズ子の「お母ちゃーん」を受け止めることができる。
いや〜このための六郎のキャラか・・と恐れ入ったよ。
大阪に戻り「香川でのことは内緒や」と六郎に約束させるスズ子。
でも、お母ちゃんの顔を見たスズ子に再会してツヤさん(水川あさみ)は、わかったはず。スズ子がどんな思いでこの家に戻ってきたか、そして一人で心の始末をつけてきたことを。大人になったんだよね、スズ子は(´;ω;`)
梅丸に戻ったスズ子はいつもそうするように歌って気持ちを切り替えていた。このことがスズ子の歌に深みと味わいをさらに与えてくれるのかもしれん。この場所があって本当に良かった。
てか、川に入っていくスズ子の歩き方がツヤさんそっくりでびっくりした。
やっぱりお母ちゃんの子なんやなぁ。
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2023年10月19日
きこりのテレビ日記 #131
10月17日(火曜日)晴れ 5度
5時10分起床。5時22分、ミー太と外へ。
寒い!峠では積雪アリ。タイヤ交換を呼び掛ける声が・・・( ̄▽ ̄;)
ドカジャンも出さねば。
なんか冬の期間が長すぎるような気がするんだけど!
夜ドラ『ミワさんなりすます』(1)(NHK+)
録画し忘れちゃったので久々に「NHK+」で試聴。
客への映画布教が激しすぎて勤めていたレンタルビデオ店をクビになった久保田ミワ(松本穂香)は最大の推し・俳優の八海崇様(堤真一)が家政婦を募集しているのを知り衝撃を受ける。自分にも応募の可能性があるか確認するも、求められているスキルが高すぎる(大卒以上、TOEIC800点以上、整理収納アドバイザー、ハウスクリーニングアドバイザー、栄養士・管理栄養士、調理師、*明るくて社交的な方)。
一瞬で諦めたが、どんな人が採用されたのかを見たくて八海様のお屋敷前をうろうろしていたら、その家政婦さんが交通事故に遭い運ばれて行った。
彼女の身分証を持っていたミワは八海のマネージャー・藤浦(山口紗弥加)に家政婦と間違われ(否定すべき瞬間は何度もあったが八海様のプライベートを覗きたい欲が勝った)お屋敷の中へ。そこで拝顔した八海様はボトルシップを作っていた。
いや〜ミワって家事的なスキルなさそうだけどなりすませるのか?
絶対大丈夫じゃないよね?( ̄▽ ̄;)
でも、推しとはいえ、あそこまで突き詰めて研究する情熱はすばらしい。映画も年間1000本視聴しているっていうし。この好きが仕事に繋がればいいのになぁ。
そして推しの私生活を拝見できて会話も可能という徳を積んだ者だけに許される僥倖!捕まったっていい。同じ空気が吸えるんならね。
なんか面白そうだから今日も見てみます。
その流れで、ついでに『みんなの体操』
やっぱり「みんなの体操」はいいわね〜
5分間だけど、やり終わると確かな充実感があるわ〜
『君だけが知らない』監督 ソ・ユミン 2021年 韓国
オッパーーー!!!。゚(゚´Д`゚)゚。
事故で大怪我を負い記憶を失ったキム・スジン(ソ・イェジ)は夫ジフン(キム・ガンウ)の手厚い介護を受け退院。家に戻っても記憶は戻らない。さらに偶然友人らしき女性に会い、夫が教えてくれた自分とは違う自分の姿を知ることになり、夫への不信感が芽生えていく・・・さらに記憶喪失のせいなのか未来が見えるようになり、彼女の日常はさらに混乱していく。
最初、わたしゃ「トーク・トゥ・ハー(2002年 ペドロ・アルモドバル監督) 」みたいな感じなの?って思ったが、もっと複雑(いや、こっちもかなり込み入っていたが)だった。誰の言葉が正しいのか、どこが幻覚で、なにが真実なのか。何層にも渡って展開する物語の根っこにあるのは純愛、だと思う。映画の原題は「Recalled」。タイトル通り彼女が思い出した瞬間から見えていた世界の色が大きく変わる。私が全く信じていない(ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ)絶対的な愛が顕れる。それがリアルに伝わってきて確実に心に残る、役者さんたちの演技と脚本の構成でした。切なくて叫びだしたくなるようなラストだった。
続きを読む
5時10分起床。5時22分、ミー太と外へ。
寒い!峠では積雪アリ。タイヤ交換を呼び掛ける声が・・・( ̄▽ ̄;)
ドカジャンも出さねば。
なんか冬の期間が長すぎるような気がするんだけど!
夜ドラ『ミワさんなりすます』(1)(NHK+)
録画し忘れちゃったので久々に「NHK+」で試聴。
客への映画布教が激しすぎて勤めていたレンタルビデオ店をクビになった久保田ミワ(松本穂香)は最大の推し・俳優の八海崇様(堤真一)が家政婦を募集しているのを知り衝撃を受ける。自分にも応募の可能性があるか確認するも、求められているスキルが高すぎる(大卒以上、TOEIC800点以上、整理収納アドバイザー、ハウスクリーニングアドバイザー、栄養士・管理栄養士、調理師、*明るくて社交的な方)。
一瞬で諦めたが、どんな人が採用されたのかを見たくて八海様のお屋敷前をうろうろしていたら、その家政婦さんが交通事故に遭い運ばれて行った。
彼女の身分証を持っていたミワは八海のマネージャー・藤浦(山口紗弥加)に家政婦と間違われ(否定すべき瞬間は何度もあったが八海様のプライベートを覗きたい欲が勝った)お屋敷の中へ。そこで拝顔した八海様はボトルシップを作っていた。
いや〜ミワって家事的なスキルなさそうだけどなりすませるのか?
絶対大丈夫じゃないよね?( ̄▽ ̄;)
でも、推しとはいえ、あそこまで突き詰めて研究する情熱はすばらしい。映画も年間1000本視聴しているっていうし。この好きが仕事に繋がればいいのになぁ。
そして推しの私生活を拝見できて会話も可能という徳を積んだ者だけに許される僥倖!捕まったっていい。同じ空気が吸えるんならね。
なんか面白そうだから今日も見てみます。
その流れで、ついでに『みんなの体操』
やっぱり「みんなの体操」はいいわね〜
5分間だけど、やり終わると確かな充実感があるわ〜
『君だけが知らない』監督 ソ・ユミン 2021年 韓国
オッパーーー!!!。゚(゚´Д`゚)゚。
事故で大怪我を負い記憶を失ったキム・スジン(ソ・イェジ)は夫ジフン(キム・ガンウ)の手厚い介護を受け退院。家に戻っても記憶は戻らない。さらに偶然友人らしき女性に会い、夫が教えてくれた自分とは違う自分の姿を知ることになり、夫への不信感が芽生えていく・・・さらに記憶喪失のせいなのか未来が見えるようになり、彼女の日常はさらに混乱していく。
最初、わたしゃ「トーク・トゥ・ハー(2002年 ペドロ・アルモドバル監督) 」みたいな感じなの?って思ったが、もっと複雑(いや、こっちもかなり込み入っていたが)だった。誰の言葉が正しいのか、どこが幻覚で、なにが真実なのか。何層にも渡って展開する物語の根っこにあるのは純愛、だと思う。映画の原題は「Recalled」。タイトル通り彼女が思い出した瞬間から見えていた世界の色が大きく変わる。私が全く信じていない(ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ)絶対的な愛が顕れる。それがリアルに伝わってきて確実に心に残る、役者さんたちの演技と脚本の構成でした。切なくて叫びだしたくなるようなラストだった。
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2023年10月11日
きこりのテレビ日記 #129
10月9日(月曜日)体育の日 晴れ
6時10分起床。
窓を見たら、なつがえずいていた( ̄▽ ̄;)

ミー太とすずを外に出した後、熱いほうじ茶を。
にゃんと今朝の気温は2度!ひーーー!
令和ちゃんは秋が嫌いなのかしら〜?一気に初冬・・( ̄▽ ̄;)
6時25分 Eテレ 『テレビ体操』
タイミングが合ったので、すんごい久しぶりにテレビ体操。
タイトル映像も曲も変わっていた。かわいいわんこが二匹。
テレビ体操は今まで猫派だったはずだが。犬派配慮でしょうか。
そしてピアノ演奏の幅さんがシルバーヘアになっていた。
お似合いデスヨ〜
で、その後流れで見た『みんなのうた』の「2つのゆびわ」という歌に、おばちゃんちょっとびっくりしちゃったわよ。
男の子が仲良しの女の子にシロツメクサの指輪を作って渡すんだけど、まさかの拒否。だって先にお父さんからアルミホイルの指輪をもらっているから。
始まりが「ごめんね〜わたし、うけとれない〜」だからね( ̄▽ ̄;)
彼とパパ、どっちを選ぶべきか・・・迷った女の子は風さんに相談。
そして「君の決めたことならば どんなことも嬉しいよ」というパパの言葉を思い出して、アルミホイルの指輪を引き出しの中にしまい、お散歩へという・・・
いや〜「みんなのうた」、恐ろしい子!
9時過ぎから庭仕事4時間コース。
仕事の4時間は死ぬほど長いのに庭にいるとあっという間。
もう花は終わりの時期なんだが、来年のために‥デスヨ。
雑草取りをせねばならん空間を少しでも減らすために、いろいろやっております。
ミー太が見守っていてくれます。

『たそがれ優作』第1話 年の差ワイン(録画)(BSテレ東)
なんとな〜く録画してみました。
優作(北村有起哉)はベテランバイプレイヤーなのかな?
団地に独り住まい。そんなに儲かってはいない模様 ( ̄▽ ̄;)
今回は刑事ドラマの犯人役。
現場に向かう時はいつも同じ団地の小学生すみれ(浅田芭路)に演技を見てもらいダメ出しをしてもらう(この二人の場面は楽しいし、浅田芭路ちゃん、さすがの貫禄)。
撮影開始前に新人女優の月川サキ(駒井蓮)からファンだと言われ気をよくした優作はNG連発の彼女を慰め、終了後は彼女に頼まれワインの美味しい店へと連れていく。
もちろんくどく気満々なのだが〜酔いが進むにつれ、すぐにくどきにかかるスタッフへの激しいディスりが始まり、引き下がるしかない優作(笑。この子、最初っから作戦立てて優作に近づいたんなら女優として大成するかもね ( ̄▽ ̄;)
なんか優作が諦めムードになると寅さんぽい劇伴が流れたんだけど、毎回このように振られてしまうということか?「バー・ともしび」のママ(坂井真紀)との付き合いの長そうな関係(元妻って訳ではないのかしら?)が伝わってくる気の置けない会話やメイクさんやスタイリストさんとのやり取りも面白いっちゃー面白いけど、ドラマ的にそんなに惹かれなかったかな。
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6時10分起床。
窓を見たら、なつがえずいていた( ̄▽ ̄;)

ミー太とすずを外に出した後、熱いほうじ茶を。
にゃんと今朝の気温は2度!ひーーー!
令和ちゃんは秋が嫌いなのかしら〜?一気に初冬・・( ̄▽ ̄;)
6時25分 Eテレ 『テレビ体操』
タイミングが合ったので、すんごい久しぶりにテレビ体操。
タイトル映像も曲も変わっていた。かわいいわんこが二匹。
テレビ体操は今まで猫派だったはずだが。犬派配慮でしょうか。
そしてピアノ演奏の幅さんがシルバーヘアになっていた。
お似合いデスヨ〜
で、その後流れで見た『みんなのうた』の「2つのゆびわ」という歌に、おばちゃんちょっとびっくりしちゃったわよ。
男の子が仲良しの女の子にシロツメクサの指輪を作って渡すんだけど、まさかの拒否。だって先にお父さんからアルミホイルの指輪をもらっているから。
始まりが「ごめんね〜わたし、うけとれない〜」だからね( ̄▽ ̄;)
彼とパパ、どっちを選ぶべきか・・・迷った女の子は風さんに相談。
そして「君の決めたことならば どんなことも嬉しいよ」というパパの言葉を思い出して、アルミホイルの指輪を引き出しの中にしまい、お散歩へという・・・
いや〜「みんなのうた」、恐ろしい子!
9時過ぎから庭仕事4時間コース。
仕事の4時間は死ぬほど長いのに庭にいるとあっという間。
もう花は終わりの時期なんだが、来年のために‥デスヨ。
雑草取りをせねばならん空間を少しでも減らすために、いろいろやっております。
ミー太が見守っていてくれます。

『たそがれ優作』第1話 年の差ワイン(録画)(BSテレ東)
なんとな〜く録画してみました。
優作(北村有起哉)はベテランバイプレイヤーなのかな?
団地に独り住まい。そんなに儲かってはいない模様 ( ̄▽ ̄;)
今回は刑事ドラマの犯人役。
現場に向かう時はいつも同じ団地の小学生すみれ(浅田芭路)に演技を見てもらいダメ出しをしてもらう(この二人の場面は楽しいし、浅田芭路ちゃん、さすがの貫禄)。
撮影開始前に新人女優の月川サキ(駒井蓮)からファンだと言われ気をよくした優作はNG連発の彼女を慰め、終了後は彼女に頼まれワインの美味しい店へと連れていく。
もちろんくどく気満々なのだが〜酔いが進むにつれ、すぐにくどきにかかるスタッフへの激しいディスりが始まり、引き下がるしかない優作(笑。この子、最初っから作戦立てて優作に近づいたんなら女優として大成するかもね ( ̄▽ ̄;)
なんか優作が諦めムードになると寅さんぽい劇伴が流れたんだけど、毎回このように振られてしまうということか?「バー・ともしび」のママ(坂井真紀)との付き合いの長そうな関係(元妻って訳ではないのかしら?)が伝わってくる気の置けない会話やメイクさんやスタイリストさんとのやり取りも面白いっちゃー面白いけど、ドラマ的にそんなに惹かれなかったかな。
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2023年10月02日
連続ドラマW 『落日』 第4話(最終話)
「良かった。知ることができて。
真尋さん・・・」香(北川景子)
「はい」真尋(吉岡里帆)
「映画を創ろう」
「はい」
ふたりの目の前に広がる落日。
力輝斗と千穂も一緒に見つめた景色。
そして香の父も見たであろう夕陽。
終わりを意味する落日だけど、3人とも、きっと明日という日を信じていた。
姉の千穂(駒井蓮)と力輝斗(竹内涼真)が付き合っていたらしいと知った真尋は、事故が神社付近だったことから、二人が一緒にどこかへ行こうとしていたのでは?と推理。しかし千穂が車に轢かれたのを見て、怖くなった力輝斗は逃げた?その後悔が事件へと繋がったのかもしれないと考えた。
二人の関係を示す確証が欲しいところだが、千穂の日記には名前が書いておらず、彼は口下手なので手紙で気持ちを交換していたらしい。その手紙は部屋を探しても見つからなかった。
でも、真尋はもう前に進むことだけを考えている。
「私、お姉ちゃんと力輝斗のこと、最後まで調べてみる。
何もないかもしれないけど。
もしかしたら辛い事実が待っているかもしれない」真尋
「・・・・それでも千穂はお前に知ってもらいたいと思うよ」良平(宮川一朗太)
たとえどんな証拠が見つかったとしても、それは「事実」の側面でしかない。
それでも人はその人を焦がれる分だけ知りたいと思う。
知ることでしか、その人に近づけないから。
父から姉は大切なものを缶に入れる癖があったと聞いた真尋は部屋中捜したが、見つけたのは缶に入っていた子供の頃の宝物だった。
二人が灯台の近くで会っていたらしいという話を伝えながら、真尋は同じ場所で自殺した香の父親について、(その死を)乗り越えられたのか尋ねた。
「それは・・・まだかな」
香は父の死は自分のせいだと考えていた。
父は自分を守ることができなかったことで苦しみ自殺したと。
父が最期に見た映画はリバイバル上映されていた「スター・ウォーズ」だった。
「もし、父があの時、
(「スター・ウォーズ」には続編があると)知ってたらな・・って。
そしたらあの日、父は家に帰ってたかもしれない。
30年後に続編を見ることを楽しみにして。
この世界で頑張ってみようって考えたかもしれない。
映画には・・それくらいの力があるって信じたい」
ほんのちょっとしたことが生きる支えになる。
誰かとの小さな約束、いつか行ったあの景色をもう一度見ること、
そして大好きな映画のその後を見ること。
生きる為に人はそんなことを心の灯にしているんだと思う。
香は地域の住人から「猫将軍」についての聞き込みを続けていた。
千穂が事故に遭う大分前に猫将軍は振られたという噂があったらしい。
千穂さんは突然、神社に来なくなったそうな。
振られた力輝斗が姉のことを恨みに思っていた可能性があるという真尋の言葉を受け、香は弁護士に再度面会を頼んだが諫められてしまった。
「本人は何年も覚悟して安らかに死を迎えられるように暮らしてきたんです。
確実な根拠もないのに無責任にひっかき回す権利があなたにありますか?」
確かにそうなんだけどさ〜
いや〜何かこの弁護士さん、新たな事実が見つかって再審請求通ったら面倒くさいと思ってるんじゃ。どんな人間だって「安らかに死を迎えられる」覚悟なんてそうそうできるもんじゃないよ。
続きを読む
真尋さん・・・」香(北川景子)
「はい」真尋(吉岡里帆)
「映画を創ろう」
「はい」
ふたりの目の前に広がる落日。
力輝斗と千穂も一緒に見つめた景色。
そして香の父も見たであろう夕陽。
終わりを意味する落日だけど、3人とも、きっと明日という日を信じていた。
姉の千穂(駒井蓮)と力輝斗(竹内涼真)が付き合っていたらしいと知った真尋は、事故が神社付近だったことから、二人が一緒にどこかへ行こうとしていたのでは?と推理。しかし千穂が車に轢かれたのを見て、怖くなった力輝斗は逃げた?その後悔が事件へと繋がったのかもしれないと考えた。
二人の関係を示す確証が欲しいところだが、千穂の日記には名前が書いておらず、彼は口下手なので手紙で気持ちを交換していたらしい。その手紙は部屋を探しても見つからなかった。
でも、真尋はもう前に進むことだけを考えている。
「私、お姉ちゃんと力輝斗のこと、最後まで調べてみる。
何もないかもしれないけど。
もしかしたら辛い事実が待っているかもしれない」真尋
「・・・・それでも千穂はお前に知ってもらいたいと思うよ」良平(宮川一朗太)
たとえどんな証拠が見つかったとしても、それは「事実」の側面でしかない。
それでも人はその人を焦がれる分だけ知りたいと思う。
知ることでしか、その人に近づけないから。
父から姉は大切なものを缶に入れる癖があったと聞いた真尋は部屋中捜したが、見つけたのは缶に入っていた子供の頃の宝物だった。
二人が灯台の近くで会っていたらしいという話を伝えながら、真尋は同じ場所で自殺した香の父親について、(その死を)乗り越えられたのか尋ねた。
「それは・・・まだかな」
香は父の死は自分のせいだと考えていた。
父は自分を守ることができなかったことで苦しみ自殺したと。
父が最期に見た映画はリバイバル上映されていた「スター・ウォーズ」だった。
「もし、父があの時、
(「スター・ウォーズ」には続編があると)知ってたらな・・って。
そしたらあの日、父は家に帰ってたかもしれない。
30年後に続編を見ることを楽しみにして。
この世界で頑張ってみようって考えたかもしれない。
映画には・・それくらいの力があるって信じたい」
ほんのちょっとしたことが生きる支えになる。
誰かとの小さな約束、いつか行ったあの景色をもう一度見ること、
そして大好きな映画のその後を見ること。
生きる為に人はそんなことを心の灯にしているんだと思う。
香は地域の住人から「猫将軍」についての聞き込みを続けていた。
千穂が事故に遭う大分前に猫将軍は振られたという噂があったらしい。
千穂さんは突然、神社に来なくなったそうな。
振られた力輝斗が姉のことを恨みに思っていた可能性があるという真尋の言葉を受け、香は弁護士に再度面会を頼んだが諫められてしまった。
「本人は何年も覚悟して安らかに死を迎えられるように暮らしてきたんです。
確実な根拠もないのに無責任にひっかき回す権利があなたにありますか?」
確かにそうなんだけどさ〜
いや〜何かこの弁護士さん、新たな事実が見つかって再審請求通ったら面倒くさいと思ってるんじゃ。どんな人間だって「安らかに死を迎えられる」覚悟なんてそうそうできるもんじゃないよ。
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2023年09月25日
連続ドラマW 『落日』 第3話
「死なせてください。
死なせてください。
もう死なせてください。
・・・・死なせてください」
その声には恨みも憎しみもなかった。
ただ純粋に「死なせて欲しい」という祈りのような願いだけ。
人の言葉や行動がそうさせているのではない。
彼が、自分自身に判断を下し、死を望んでいる。
「私ね、人を殺したの」
香(北川景子)は二人の死に関わっていた。
1人は父・裕貴(夙川アトム)。
妻・真理(真飛聖)に出世が遅い事を毎日毎日ヒステリックに責められ罵られていた父は、ある日、何も言わずただ香を抱きしめた後、映画を見に行った。
そこは『父が唯一生きる気力を取り戻せる場所』だったが、その日は帰りに崖に飛びこんで自殺した。場所は真尋がドラマの脚本に描いた、あの灯台のある崖だった。
その後、母は心を壊し一緒に生活できる状態ではなくなったため、香は横浜の父の実家に引き取られた。
中学生の時、クラスでいじめられている男の子がいた。そのいじめは命にもかかわるほどの壮絶なものだった。ある時、彼をかばったら、その後彼から映画に誘われ、断ったら押し倒された香は思わず本音をぶつけた。
「気持ち悪い!!
臭いし気持ち悪い!!」
その夜、彼は自宅の部屋で首を吊って自殺した。
教室に乗り込んで来た母親は香にどす黒い怒りをぶつけた。
「あなたのせいであの子は死んだのよ!
あなたのせいで!
この人殺し!人殺し!!」
人は地獄の底にいるような悲しみの中でも責める相手を選んでいる。
責められるべきはいじめていた少年たちなのに、手を差し出した相手の手が翻されると、その相手を憎む。
それは香が映画で描いた3つのエピソードのうちのひとつだった。
映画の中で少年の遺書が一枚取り除かれる場面があったが、それも同じだった。
何年か経って彼の家に謝りに行った時、母親は相変わらずだったが、姉は彼の死の真実を教えてくれた。遺書は2ページあり、1枚目は香への謝罪が一行、そして2枚目には『お母さん、ごめんなさい』と何度も何度も便箋いっぱいに書かれていた。
姉は自殺の原因が母親だと気づいていたが、この遺書を見たら今度は母が死ぬと思い、切り離した。
「あなたへの憎しみが原動力でもいいから、母に生きていてもらいたくて。
ほんとにごめんなさい。今では後悔してます。
弟の最期の思いを母に伝えれば良かった。
ホントにごめんなさい。ごめんなさい・・ごめんなさい・・・」
真尋に、この場面の意味を問われた香は「生きる原動力」と答えていたが、それは彼の母親にとっての「原動力」という意味なんだろうか。
でも、誰かにとっての原動力が別の誰かの絶望になることもある。
真実を知っても香は救われなかった。
「どう考えればいいかわからなくなって、映画にしたの」香
それが「監督(作家)」という人間。
自分を含む人間と出来事を客観視し、残酷で嫌な部分をも目を見開きまっすぐに見つめ、「作品」という形に創り上げずにいられない。そうすることでしか救われない。
次に香が映画にしたいと思ったのが沙良と力輝斗の事件だった。
「沙良さんが亡くなったって知ってからずっと・・
私だけが生き残ったっていう罪悪感があったの。
だから、どうして沙良さんが死んだのか、どうしても知りたかった。
知れば・・・前に進めるから」
「真尋さんもそうじゃない?お姉さんのこと。
知らなければ良かったって・・言ってたけど、
知ることで前に進めたこと、あるんじゃないかな」
香の言葉を受け止めきれなかった真尋(吉岡里帆)は去っていった。
香はほとんど表情を変えずにしゃべる。
一見、感情を失ったロボットのように見えるけれど、心の底に揺らいでいるものたぎっているものが伝わってくる。それは時に香を飲み込んでしまうほど大きなものになり彼女を苦しめたのだろう。多分、香は、作品というものに落とし込めなければ死んでいたかもしれない。
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死なせてください。
もう死なせてください。
・・・・死なせてください」
その声には恨みも憎しみもなかった。
ただ純粋に「死なせて欲しい」という祈りのような願いだけ。
人の言葉や行動がそうさせているのではない。
彼が、自分自身に判断を下し、死を望んでいる。
「私ね、人を殺したの」
香(北川景子)は二人の死に関わっていた。
1人は父・裕貴(夙川アトム)。
妻・真理(真飛聖)に出世が遅い事を毎日毎日ヒステリックに責められ罵られていた父は、ある日、何も言わずただ香を抱きしめた後、映画を見に行った。
そこは『父が唯一生きる気力を取り戻せる場所』だったが、その日は帰りに崖に飛びこんで自殺した。場所は真尋がドラマの脚本に描いた、あの灯台のある崖だった。
その後、母は心を壊し一緒に生活できる状態ではなくなったため、香は横浜の父の実家に引き取られた。
中学生の時、クラスでいじめられている男の子がいた。そのいじめは命にもかかわるほどの壮絶なものだった。ある時、彼をかばったら、その後彼から映画に誘われ、断ったら押し倒された香は思わず本音をぶつけた。
「気持ち悪い!!
臭いし気持ち悪い!!」
その夜、彼は自宅の部屋で首を吊って自殺した。
教室に乗り込んで来た母親は香にどす黒い怒りをぶつけた。
「あなたのせいであの子は死んだのよ!
あなたのせいで!
この人殺し!人殺し!!」
人は地獄の底にいるような悲しみの中でも責める相手を選んでいる。
責められるべきはいじめていた少年たちなのに、手を差し出した相手の手が翻されると、その相手を憎む。
それは香が映画で描いた3つのエピソードのうちのひとつだった。
映画の中で少年の遺書が一枚取り除かれる場面があったが、それも同じだった。
何年か経って彼の家に謝りに行った時、母親は相変わらずだったが、姉は彼の死の真実を教えてくれた。遺書は2ページあり、1枚目は香への謝罪が一行、そして2枚目には『お母さん、ごめんなさい』と何度も何度も便箋いっぱいに書かれていた。
姉は自殺の原因が母親だと気づいていたが、この遺書を見たら今度は母が死ぬと思い、切り離した。
「あなたへの憎しみが原動力でもいいから、母に生きていてもらいたくて。
ほんとにごめんなさい。今では後悔してます。
弟の最期の思いを母に伝えれば良かった。
ホントにごめんなさい。ごめんなさい・・ごめんなさい・・・」
真尋に、この場面の意味を問われた香は「生きる原動力」と答えていたが、それは彼の母親にとっての「原動力」という意味なんだろうか。
でも、誰かにとっての原動力が別の誰かの絶望になることもある。
真実を知っても香は救われなかった。
「どう考えればいいかわからなくなって、映画にしたの」香
それが「監督(作家)」という人間。
自分を含む人間と出来事を客観視し、残酷で嫌な部分をも目を見開きまっすぐに見つめ、「作品」という形に創り上げずにいられない。そうすることでしか救われない。
次に香が映画にしたいと思ったのが沙良と力輝斗の事件だった。
「沙良さんが亡くなったって知ってからずっと・・
私だけが生き残ったっていう罪悪感があったの。
だから、どうして沙良さんが死んだのか、どうしても知りたかった。
知れば・・・前に進めるから」
「真尋さんもそうじゃない?お姉さんのこと。
知らなければ良かったって・・言ってたけど、
知ることで前に進めたこと、あるんじゃないかな」
香の言葉を受け止めきれなかった真尋(吉岡里帆)は去っていった。
香はほとんど表情を変えずにしゃべる。
一見、感情を失ったロボットのように見えるけれど、心の底に揺らいでいるものたぎっているものが伝わってくる。それは時に香を飲み込んでしまうほど大きなものになり彼女を苦しめたのだろう。多分、香は、作品というものに落とし込めなければ死んでいたかもしれない。
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2023年09月19日
連続ドラマW 『落日』 第2話
「監督は・・・
『知りたい』って言い続けてますけど、
知ることで、その先に何があるんですか?」真尋(吉岡里帆)
「知らないと・・前に進めないから。
・・・知ることによって、次の道を探して・・・
やっと生きて来た」香(北川景子)
香は知りたいんだと思う。
人間とは、なんなのか。
自分とは、どんな人間なのか。
私は生きていていい人間なのか。
香の「知りたい」は、まるで叫びのようだ。
暗闇の中を這いずりながら光を探し求めている。そして、やっと見つけたおぼろげな灯を決して逃したくないというような、静かな横顔から必死な思いが伝わってきた。
彼女の「知りたい」は「生きたい」なのだと思う。
それを彼女自身も気づいていないのかもしれないけれど。
医師の葛城は、カウンセリングで得た立石力輝斗(竹内涼真)の「真実」を語ってくれた。
「僕は妹が嫌いでした。
自分勝手でわがままで何でも自分の思い通りになると思ってた」
事件当日、沙良(久保史緒里)は両親が買っておいてくれたクリスマスケーキを手に2階の部屋へとあがってきた。
沙良の部屋は力輝斗の部屋を通らないといけない造りになっており、その度に彼女は引きこもりの兄に毒づくのが日常だった。
「あんたさ・・・そろそろ死んでくれないかな」
オーディションに合格した沙良は、高校卒業後に東京でアイドルデビューが決まっており、「引きこもりの兄」がいるのは都合が悪いと吐き捨てた。
彼女はケーキを切る為に持ってきたナイフで挑発しながら、蹴り、叩き、罵り続けた。
「わかるよね。
アンタなんて生きてる価値ねぇんだよ!!」
無反応だった力輝斗は静かに立ち上がると、ナイフを拾い、沙良の腹部を刺した。
一階で酔っぱらって寝ていた両親、「親も嫌いだった」「子供の頃から妹ばかりかわいがっていた」からそのまま火をつけた。
虐待の有無を確認したら力輝斗は否定したが、
葛城は「うそかもしれない」と思っていた。
「死刑になりたくて。
あえて虐待のことを言わなかったのかもしれない。
情状酌量の余地を残したくなくて」
「どうしてそう思うんですか」香
「彼は・・・死にたがっているように見えたからです」
カウンセリングの時の力輝斗の言葉には何パーセントかの真実はあるのだろう。
しかし話された「真実」は「本当の動機」を隠すため彼が創った「真実」かもしれない。
「僕は正常です。死刑にしてください」力輝斗
ヤケになっているふうでもなく、思いつめている訳でもない。
「死刑」を求めることが彼の救いに繋がってでもいるような。
彼も香とおなじ?自分が生き続けることへの疑問を持ち続け、それでも静かに繋いでいた細い糸を断ち切られてしまったんだろうか。
続きを読む
『知りたい』って言い続けてますけど、
知ることで、その先に何があるんですか?」真尋(吉岡里帆)
「知らないと・・前に進めないから。
・・・知ることによって、次の道を探して・・・
やっと生きて来た」香(北川景子)
香は知りたいんだと思う。
人間とは、なんなのか。
自分とは、どんな人間なのか。
私は生きていていい人間なのか。
香の「知りたい」は、まるで叫びのようだ。
暗闇の中を這いずりながら光を探し求めている。そして、やっと見つけたおぼろげな灯を決して逃したくないというような、静かな横顔から必死な思いが伝わってきた。
彼女の「知りたい」は「生きたい」なのだと思う。
それを彼女自身も気づいていないのかもしれないけれど。
医師の葛城は、カウンセリングで得た立石力輝斗(竹内涼真)の「真実」を語ってくれた。
「僕は妹が嫌いでした。
自分勝手でわがままで何でも自分の思い通りになると思ってた」
事件当日、沙良(久保史緒里)は両親が買っておいてくれたクリスマスケーキを手に2階の部屋へとあがってきた。
沙良の部屋は力輝斗の部屋を通らないといけない造りになっており、その度に彼女は引きこもりの兄に毒づくのが日常だった。
「あんたさ・・・そろそろ死んでくれないかな」
オーディションに合格した沙良は、高校卒業後に東京でアイドルデビューが決まっており、「引きこもりの兄」がいるのは都合が悪いと吐き捨てた。
彼女はケーキを切る為に持ってきたナイフで挑発しながら、蹴り、叩き、罵り続けた。
「わかるよね。
アンタなんて生きてる価値ねぇんだよ!!」
無反応だった力輝斗は静かに立ち上がると、ナイフを拾い、沙良の腹部を刺した。
一階で酔っぱらって寝ていた両親、「親も嫌いだった」「子供の頃から妹ばかりかわいがっていた」からそのまま火をつけた。
虐待の有無を確認したら力輝斗は否定したが、
葛城は「うそかもしれない」と思っていた。
「死刑になりたくて。
あえて虐待のことを言わなかったのかもしれない。
情状酌量の余地を残したくなくて」
「どうしてそう思うんですか」香
「彼は・・・死にたがっているように見えたからです」
カウンセリングの時の力輝斗の言葉には何パーセントかの真実はあるのだろう。
しかし話された「真実」は「本当の動機」を隠すため彼が創った「真実」かもしれない。
「僕は正常です。死刑にしてください」力輝斗
ヤケになっているふうでもなく、思いつめている訳でもない。
「死刑」を求めることが彼の救いに繋がってでもいるような。
彼も香とおなじ?自分が生き続けることへの疑問を持ち続け、それでも静かに繋いでいた細い糸を断ち切られてしまったんだろうか。
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2023年09月12日
連続ドラマW 『落日』 第1話
wowowの契約外したり入れたり何度もやっているから、すんごい久しぶりにオリジナルドラマ見たよ( ̄▽ ̄;) わたしゃ、ほとんどキャスティングで視聴決定する方なんだが、コレ前情報なしで見てみたら苦手な吉岡里帆さんと、演技的に惹かれたことが無かった竹内涼真殿が、ほぼメインだった。でも、なにか違う。今回はキテるんじゃ?!このドラマは二人の役者さんにとって運命なのかも!と一般人のおばちゃんの私がエラそうだが予感したぞ。もちろん視聴決定。
一作目の映画でベルサイユ国際映画祭グランプリを受賞した長谷部香(北川景子)は二作目の映画の題材に15年前に笹塚町で起きた殺人事件を扱おうと考えていた。
それは21歳の引きこもりの長男・立石力輝斗(竹内涼真)が高校三年生の妹・沙良(久保史緒里)を包丁で15ヶ所刺して惨殺し家に火を点け両親をも殺したという事件で、力輝斗には死刑判決が出ていた。香は事件があった町出身であるほとんど無名の脚本家・甲斐真尋(吉岡里帆)に執筆をオファーする。最初は断った真尋だったが、被害者の立石沙良の情報を知り、事件と沙良という人間、その家族関係に興味をひかれ受けることに。
裁判で力輝斗は「引きこもりの自分に比べて毎日楽しく生きている妹が憎くてやった」と動機を話していたが、それは本当なのか、なぜ沙良は殺されねばならなかったのか。
沙良と関わった同級生から見た彼女は「サイコパス」そのもだった。
同情をひかせる嘘を平気でつく。
学校で目立つ存在の男子二人を振り回し仲たがいさせ闇に落とす。
才能ある陸上選手に一生の傷を負わせ未来も夢も破壊する。
一切罪の意識はない。
病院のベッドで動けずにいる同級生を前にした沙良は、まるで悪を食べて輝く少女だった。
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一作目の映画でベルサイユ国際映画祭グランプリを受賞した長谷部香(北川景子)は二作目の映画の題材に15年前に笹塚町で起きた殺人事件を扱おうと考えていた。
それは21歳の引きこもりの長男・立石力輝斗(竹内涼真)が高校三年生の妹・沙良(久保史緒里)を包丁で15ヶ所刺して惨殺し家に火を点け両親をも殺したという事件で、力輝斗には死刑判決が出ていた。香は事件があった町出身であるほとんど無名の脚本家・甲斐真尋(吉岡里帆)に執筆をオファーする。最初は断った真尋だったが、被害者の立石沙良の情報を知り、事件と沙良という人間、その家族関係に興味をひかれ受けることに。
裁判で力輝斗は「引きこもりの自分に比べて毎日楽しく生きている妹が憎くてやった」と動機を話していたが、それは本当なのか、なぜ沙良は殺されねばならなかったのか。
沙良と関わった同級生から見た彼女は「サイコパス」そのもだった。
同情をひかせる嘘を平気でつく。
学校で目立つ存在の男子二人を振り回し仲たがいさせ闇に落とす。
才能ある陸上選手に一生の傷を負わせ未来も夢も破壊する。
一切罪の意識はない。
病院のベッドで動けずにいる同級生を前にした沙良は、まるで悪を食べて輝く少女だった。
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