吉右衛門ちゃん

2022年01月28日

「カムカムエヴリバディ」 第13週 1964-1965

 1月24日(月)第58話

 ジョー(オダギリジョー)は病気のことを仲間に知られたくないから宿に泊まると、小暮(近藤芳正)にトランペットを預けて「Night and Day」を出た。

 ジョーの苦しみを感じる小暮さんの思いが痛いほど伝わってきた。
竹村夫妻と同じように、小暮さんもジョーのことを息子のように思ってくれているはずや。

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 ジョーの姿を偶然見かけたトミー(早乙女太一)が部屋に乗り込んで来た。

何してんねん。
ええ?何してんねん。
なあ!何してんねんお前は!
女にうつつ抜かして何もかも台なしにしたってか!
トランペットどこや?
どこに置いてきたんや!
トランペットもトランペッター大月錠一郎も!

『トミー・・・!』

 ジョーのすがるような目・・・
共にライバルと認め合い、心を通わせて演奏した二人。
誰よりもトランぺッター大月錠一郎を知っているトミーだからこその怒りと悲しみ。
その本気の目を見たら、ジョーも嘘なんて言えないさ。


 すっかりやさぐれて、お酒を飲みながら演奏するトミー・・・
ジョーの辛さ・無念さがわかりすぎるし、
優勝を心から祝って送り出した身にしたら、こんな理不尽な状況受け入れられるはずもない。


 竹村クリーニング店では、あの豆腐を買ってこなかった日からるいを心配してきた和子さん(濱田マリ)と平助(村田雄浩)さんがるいから事情を聞いていた。
るいのことを大切に思いながらも「適正な距離」を保ってきたふたりだったが、さすがにもう我慢できん。

『大月君と何かあったんか?・・・それぐらい分かるわ。
言いとうなかったらええ。せやけど心配なんや。
おっちゃんもおばちゃんも』

 声は聞こえなかったが、堰を切ったように泣きながら話するい。
抱き寄せ、るいの悲しみを全て引き受ける気で聞く平和夫婦。

 でも、こうやってるいが泣ける場所があって良かった。
心のうちを話せる相手がいて良かったよ (´;ω;`)


 「Night and Day」では、ジョーの穴埋めになれるトランぺッターを捜しに来た奈々(佐々木希)が、トミーをスカウトしていた。 

ふざけんなよ。
お前の親父がジョーを預かったんやろ。
最後まで責任とれや!
何やねん!
訳の分からん病気になったからいうて
ゴミみたいに捨てやがって!
ジョーは治る!絶対治る!
せやから空けとけ。
録音スタジオも、
クラブのスケジュールも、
ジョーが帰ってくるまで!


 洗濯物を届けに来て、この話を聞いた平助さんは
すぐに帰ってるいに伝えた。
るいはジョーの元に走った。

『何でホンマのこと言うてくれへんかったんですか?
言うてほしかった。
一緒に・・・泣きたかった。
一緒に苦しみたかった。
私にできること・・・何でもしたかった』るい

『分かってたから・・・
そう言うって分かってたから言われへんかった。
るい、僕とおったらあかん。不幸にしたくない』ジョー
勝手に決めんといて。
何が私の幸せか勝手に決めんといて!


 ジョーには部屋から追い出されてしまったけど、
るいの心は決まっていた。
るいは額の傷を隠そうともせず、必死に走っていた。
もうそんなことどうでもいいと思えるぐらいジョーのことしか考えてなかったんや。


 もう、るいは逃げない。
まっすぐにジョーの目を見つめて思いを伝えていた。
るい本来の明るくて健やかな強さが目覚めてきている。


 ベリー(市川実日子)がクリーニングを口実にるいに会いに来た時も
るいははっきりと伝えた。

私は大丈夫です。諦めへんて決めたから。
ジョーさんのこと。
ジョーさんと幸せになること


 「ジョーさん」って呼んでる・・・(´;ω;`)
ジョーとの出会い、日なたに向かって穏やかに育てたお互いへの思い、
そして平和夫婦からもらった思いやりと優しさ、
友情をまっすぐに伝えてくれるベリー、
大阪で出会った人達と築き上げてきた関係、たくさんの人からもらった愛情が、
るいの中にあった壁を壊し、本来の自分自身でいいと思わせてくれた。
るいに日なたの道を示してくれたジョーを、今度はるいが手を繋ぎ日なたへと引っ張り上げてくれる。そう信じられるよ。


 今日は無音の演出が利いていた。
話声や劇伴がないからこそ、ひしひしと伝わってくる登場人物たちの思いに胸がかきむしられるようで目が離せなかったよ。


 1月25日(火)第59話

『あんた、変わったなぁ。強なった』ベリー
『フフッ、まだまだベリーさんにはかないません』るい

 ベリーは何かあったら連絡するようにと名前と実家の京都の電話番号を書いていった。

「野田 一子」・・・いちこ→いちご→ベリー・・(o-∀-)) なるほど・・
ベリーちゃん、るいと縁を繋いでおきたかったんだろうな。
もうとっくに友達やけどな。


 るいはジョーの部屋に通い、お弁当を届けたり、洗濯ものの世話をしようとしたが、ジョーの態度は変わらなかった。

 そんな中、平助さんはるいにアイロンのかけ方を教えとった。
親として伝えられることを平助さんもしてくれてんのやろな。
辛い気持ちを抑え集中してアイロンと向き合うるいを、和子さんが見守っとった。


 祈るような力づけるような和子さんの目を見ていたら泣けてきた。
一話一話の積み重ねが、ここにも生きとる。


 『錠一郎の病気を知ったミュージシャンたちは医者や治療法を求めて走り回っては木暮に報告しました。しかし、トランペットを吹くことだけができないという奇病に有効な情報は一向に見つかりませんでした』
トミーもいい医者を見つけたようでジョーを連れていく約束をしとった。

 でもみんなの、この治って欲しいという願いからくる助けが、
逆にジョーのプレッシャーになっているような。
ジョー自身、もう治ると思えないんじゃなかろうか・・
だからこそ、みんなの期待に応えられないのが辛い、情ない、自分を責めてしまう。


 ジョーはトミーがササプロに誘われとるのを知っていた。
行く気はないときっぱり告げるトミーやったが・・

『行ってよ。・・・僕は見たいよ。
東京で・・・世界で活躍してるトミーを』ジョー

 トミーも迷っていると思う。
ジョーを見捨てたササプロを憎く思う気持ちもある。
でも、ここで諦めることがジョーを余計惨めな気持ちにさせているのではないか・・
みんな自分にできることは何か、何がジョーのためになるのか・・
心から考えて行動してくれている・・


 ある日、めげずに洗濯物を届けに来たるいにジョーは
もう来ないよう伝えた。

『言うたでしょ。
私は一緒に泣きたいの。一緒に苦しみたいの』
できひんよ。
そんなこと・・・できるわけない。
君に僕の苦しみなんか分かるわけないやんか・・

『分かるよ』

軽々しく言うな。軽々しく言うな!
僕はもう・・・半年苦しんだ。
お願いや・・・もう解放してくれ・・・


 あえてジョーの顔を映さず、イライラする手と不安げな足の動きだけ。
それを受けても伝えたいるい。


 そしてるいを気遣う和子さんに家庭を持つ不安を
ずっと持っていたことを話するい。
るいの後ろ姿のみ、そのるいの話を聞く和子さん。
あえてアップではなく距離をおいて撮っている。

 でもどちらの場面でも二人の表情が見える。
ジョーの苦しみ・不安・気の狂いそうな思い・・
そして涙を堪えながら自分に言い聞かせているるいの崩れそうな、
それでも消えない一筋の光のような思いが滲む顔。

 役者さん達と脚本家さんの力を信じているからこその演出。
そして視聴者の見る目をも信じてくれている。


 ある日、仕事中のラジオから
『On the Sunny Side of the Street』が流れてきた。
るいに、あの日の海が蘇った。
彼の中に生まれた新しい夢、希望。
自分にはっきりとした日なたへの道を示してくれた彼の言葉。
あれはふたりの夢だった・・・

 その時、るいはジョーが失ったものの大きさを知ったのだと思う。
なぜ彼が自分を拒絶するのかも。
そして夢を失った彼が生きていられないことも。


 るいはジョーの元へ走った。
部屋でも鳴っていたラジオが彼も同じ曲を聞いていたこと、
そして彼が向かった場所を教えてくれた。
トミーとあの海へ向かった。

 海の中へと進んでいくジョーを、るいは追いかけ、抱きしめた。

『暗闇なんや・・・
歩いても歩いても・・・暗闇しかないんや。
どこへ向かって歩いていいんか分からん・・・
サニーサイドが見えへん・・・』
『怖がらんでいい。私が守る。
あなたと2人で、ひなたの道を歩いていきたい』

 ジョーに導かれた日なたの道・・・
今は、るい自身が日なたの光となってジョーをつつみこむ・・・

 るいの横顔が美しくて清らかで、ジョーの中の深い闇が溶けていくのがわかった。
二人は日なたの光を掴んだ。もう道に迷うことはないと思うよ。

 そしてそんな二人を見守るのがトミーっていうね・・・(´;ω;`)
それそれの人生が重なり合い煌めいていた。
いや〜〜〜本当にすごいドラマだよ。


 そして『あさイチ』では前世の方から美都里さん(YOU)が
喝を入れに来ていた(笑

『愛という強い気持ちってとても大事だと思うんですけど・・・
ちょっと・・・ジョーさんって言いましたっけ?
・・・しっかり!!

 (*≧▽≦)ノシ)) さらに・・・

『そして・・あの宿が一階だったと・・・非常に私達、衝撃でした。
ちょっと今まで、二階かな・・と(笑』

 私も!2階だと思っていたよーー!(笑





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matakita821 at 18:44|PermalinkComments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加