南出凌嘉
2024年11月13日
「宙わたる教室」 第6話 コンピューター室の火星
『重力とは質量を持つすべての物体の間に相互に働く力である。
その力は、はるか無限のかなたにまで作用する。
どんなに遠く離れようとも完全に逃れることはできない』
「一つ聞いてもいいですか?
この実験は何の役に立つんですか?」丹羽
「さあ?わかりません。
でもいつか何かの役に立つかもしれない。
まぁ、今はそんなこと彼らは気にもとめていないでしょうけどね」藤竹
「・・・・・」
丹羽君のこころが飛んだ。
重くて固い殻に覆われていた心が、まるで今生まれたかのように輝いて浮かんでいる。
昼と夜、全く違う世界にいると思っていた二人が出会い、繋がり、影響を与え合い、そして認め合い、いつのまにかそれぞれの未来を応援している。目指す行先は違っても。
科学部の『火星のクレーター再現』は思っていた以上に難しい。
火星の環境、気温、気圧、中でも重力の再現は理屈だけではどうしようもない。
実験で使う「重力可変装置」には高さがあればあるほどクレーター成立率が上がる。
で、校内で一番天上が高いコンピューター準備室を借りようと藤竹(窪田正孝)が腰低くお願いしたのだが〜いつもそこを使っている部長の丹羽(南出凌嘉)は断固拒否。「情報オリンピック」優勝を目指しているそうで、そばでガチャガチャやられたら集中できないんだと。
いや〜こんな広い空間、一人で使わせてもらってるなんてすごいよね。
家のPCは壊れているからここじゃなきゃできないそうな。
顧問の先生にも態度デカいし、藤竹の科学部員から実験の内容を説明させて欲しいという頼みにも失笑対応。周りの人すべてを見下しているような。何でもここよりも偏差値の高い高校を目指しており合格確実と言われていたのが入試当日、家庭でアクシデントがあったせいで落ちてしまったらしい。
『自分はこんな場所にいる人間じゃない』という思いが、
『ここの奴らはクズ』となり、
そしてそんな場所にいる自分さえも嫌いになっているのでしょう。
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その力は、はるか無限のかなたにまで作用する。
どんなに遠く離れようとも完全に逃れることはできない』
「一つ聞いてもいいですか?
この実験は何の役に立つんですか?」丹羽
「さあ?わかりません。
でもいつか何かの役に立つかもしれない。
まぁ、今はそんなこと彼らは気にもとめていないでしょうけどね」藤竹
「・・・・・」
丹羽君のこころが飛んだ。
重くて固い殻に覆われていた心が、まるで今生まれたかのように輝いて浮かんでいる。
昼と夜、全く違う世界にいると思っていた二人が出会い、繋がり、影響を与え合い、そして認め合い、いつのまにかそれぞれの未来を応援している。目指す行先は違っても。
科学部の『火星のクレーター再現』は思っていた以上に難しい。
火星の環境、気温、気圧、中でも重力の再現は理屈だけではどうしようもない。
実験で使う「重力可変装置」には高さがあればあるほどクレーター成立率が上がる。
で、校内で一番天上が高いコンピューター準備室を借りようと藤竹(窪田正孝)が腰低くお願いしたのだが〜いつもそこを使っている部長の丹羽(南出凌嘉)は断固拒否。「情報オリンピック」優勝を目指しているそうで、そばでガチャガチャやられたら集中できないんだと。
いや〜こんな広い空間、一人で使わせてもらってるなんてすごいよね。
家のPCは壊れているからここじゃなきゃできないそうな。
顧問の先生にも態度デカいし、藤竹の科学部員から実験の内容を説明させて欲しいという頼みにも失笑対応。周りの人すべてを見下しているような。何でもここよりも偏差値の高い高校を目指しており合格確実と言われていたのが入試当日、家庭でアクシデントがあったせいで落ちてしまったらしい。
『自分はこんな場所にいる人間じゃない』という思いが、
『ここの奴らはクズ』となり、
そしてそんな場所にいる自分さえも嫌いになっているのでしょう。
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