伊東蒼

2026年01月21日

『テミスの不確かな法廷』 第3話 裁判官の資質

『門倉さん、僕は日常的に忘れ物をします。
そして一度に二つ以上のことができません。
落合さん、僕は冗談がわかりません。
言葉どおりの内容をそのまま受け取ってしまいます。

僕は普通を装っています。
でも・・・
普通ではありません。
僕は・・・僕は・・・・』


 忘れ物ぐらい誰でもするよ、とは言ってあげられない。みんな社会生活を送る上で『普通』を装っている部分はある。でも、そういうことじゃないんだよね。そして、一度に二つ以上のことができない場合、今まで優先順位はどう判断しつけてきたのか。法律の世界には『六法全書』という厳然たるルールがあるが、日常生活の中でのルールは本人がほぼ決める。安堂(松山ケンイチ)の場合は母親か山路先生(和久井映見)に指示を仰いできたんだろうか。

 そういう日常生活での穴はあるだろうが「裁判官の資質」という意味では、安堂には十分あるように思う。抽象的な表現(今回だと「〜など」「企業努力」)には暗黙の了解や知ってて当然という押し付けも多少含まれているが、安堂はそんなもん受け入れない。陳述や文書には顕れない(読み取れない)真実を掴むために客観的事実を求め、調べ確認し続ける。

 そして判決を決める際、私情やしがらみから完全に自由だ(だから温情がないとは見られるだろうが)。どんな裁判官ももちろん私情は排除しているだろうが安堂の場合は「感じること」ができない代わりに判断基準が「六法全書」のみだからこそ、状況を正確に読み取り、見合った判決を選び取ることができるんじゃないだろうか。


「僕なら発達障害の僕に裁かれたくない」

 そうだろうか。
でも判決に不満のある人が発達障害のことを知ったら、不服を訴える材料にされるかもしれない。かつて父である結城検事(小木茂光)が言っていたのもそういうことなのかもしれない。

「発達障害の君に裁かれる人はどう思うか?
差別・偏見は決して無くならない。
本気なら自分の特性を周囲に隠した方がいい」


 同じく発達障害の岸辺は職場の人達にカミングアウトした結果、理解してくれたと言っていたが・・・。その結果、岸部君への仕事の伝え方や教え方を工夫してくれたらいいんだが、逆に変なカードに使われないか心配だよ。


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2024年12月11日

「宙わたる教室」 第10話(最終話) 消えない星

「俺さ・・・
あんたが教室に青空を作りたいって言った時、
こんなしょぼい実験で、
そんなの無理だろって思ってたけどよ、
ホントは見えたよ。
あんたが見てた青空が。
・・・もし迷ってんだったら気にすんな。
科学部は俺たちのなんだからよ」柳田
「・・・・・」藤竹

「それによ、人ってワクワクすんの
止められねぇもんな。
・・・・俺さ、あんたに会う前の世界より、
今の世界の方が好きだよ」
「・・・・そっくりそのままお返しします」
「・・・・・」
「ありがとう。柳田君」


 柳田に手を差し出した藤竹。
それは己の好奇心と探求心を元に、
純粋に科学する心を持ち歩んで行こうとする者への尊敬の思い。
教室で青空を見た時から柳田はその道を歩き始めた。
たとえ離れた場所にいても、柳田と藤竹、
そして科学部のみんなは、科学する心で繋がっている。
「消えない星」を見つめながら。

 東新宿高校定時制・科学部は会場で口頭発表する15校に選ばれた。
本番までは3週間。
その間に原稿とスライドの作成、発表練習をして仕上げるのさ〜
舞台に上がるのは柳田(小林虎之介)と名取(伊東蒼)に決定。
スピーチ練習の助っ人として木内先生(田中哲司)も加わった。

 話し方や態度・表情でせっかくの内容が伝わらないこともあるからね〜
木内先生が言っていたように「掴みのインパクト」と「伝えたいという強い気持ち」、大事だわ〜

 結果を聞いた伊之瀬先生(長谷川初範)は大喜び。
そして、この前日本に来ていた友人・NASAエイムズ研究センター主任研究員のラングレーさん(ブレーク・クロフォード)が藤竹(窪田正孝)の研究に興味を持っており、カリフォルニアに来てチームに加わって欲しいと言っていたことを伝えたぞ。

 迷うよね〜
科学者として学び続ける喜びを取り戻したとはいえ、
科学部の皆さんのことも気になるし・・・
何より彼らと実験を続けていたいんじゃないかな。

 登壇者として推薦された名取も迷っていた。
でも、佐久間先生(木村文乃)から松谷さん(菊地姫奈)が自立への道を歩き始めていることを聞き、勇気づけられたみたい。チャレンジする気力が湧いて来た。



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matakita821 at 19:05|PermalinkComments(4)

2024年12月04日

「宙わたる教室」 第9話 恐竜少年の仮説

「勝手に終わらせてんじゃねーよ!
・・・科学部があんたの実験かどうかなんてどうでもいい。
俺はただ、俺たちの実験を続けたい。
俺たちの装置を使ってクレーターを作りたい。
それだけだ」柳田


 みんなも同じ気持ちだよ (´;ω;`)

「あんたはどうしてぇんだ?
なあ?!・・・なあ!!」柳田
「・・・・・」藤竹
「ここは諦めたもんを取り戻す場所なんじゃねぇのかよ?!
なぁ・・本当の気持ちを聞かせてくれよ!」
「私も聞きたいです」名取
「先生」アンジェラ
「・・・・」長嶺


「・・・・・・諦めたくない。
・・・・楽しかった。君たちといるのが。
科学はこんなにも楽しいものなんだって・・
もう一度感じさせてもらいました。
・・・・君たちと、もっともっと・・
新しい景色が見たい」藤竹
「だったら、やるしかねーじゃん!
・・・なあ?」柳田
「うん」
「だいたいさ、あんたの実験が失敗か
どうかなんて、誰が決めたんだよ?」

「そうですよ。
先生がやろうとしていたのは、
誰もやったことのない実験ですよね?
だったら、失敗なんてないです」名取
「本当だよね」アンジェラ
「そうだよ」長嶺
「あんたの仮説、俺たちが証明してやるよ。
だから俺たちをもっとその気にさせろ」柳田

「・・・・・・
もう締切まで10日もないですからね」
「わかってるよ」柳田
「わかりました。
皆さん、覚悟はいいですね」
「あったりめえだろ!
俺たちで日本の科学界に殴り込もうぜ!」


 みんな、藤竹の想像以上に強くたくましく成長していた。
藤竹の植えた科学の芽は、しっかり根付き育っていた。
そして、大空に向かってさらに伸びていこうとしている。

 ここは「諦めたものを取り戻す場所」。
科学部のみんなのおかげで藤竹も取り戻すことができた。
ただ知りたい学びたいと科学の世界で純粋に探求する心を。
あの頃のドキドキする思いを。

 ウワァァ━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━ン!!・・・
もう後半、涙が止まらなかったっての!
振り返ってみましょう・・・

 あれから柳田(小林虎之介)は学校にも来なくなり、
科学部は空中分解。
物理実験室に来る者はいなかった。

 憔悴している藤竹(窪田正孝)を気遣い、木内先生(田中哲司)が飲みに誘った。断る気力もなかったのかゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ 珍しく同意。
ここで初めて藤竹の「実験」への思いが語られました。


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matakita821 at 19:12|PermalinkComments(4)

2024年11月27日

「宙わたる教室」 第8話 メテオライトの憂鬱

 空中分解した実験、部員達の思い。
越えられないほどの傷と痛み、深い挫折感。
たぶん柳田は藤竹の過去の傷だ。
柳田と向き合うためにも藤竹は
過去の自分自身と対決することになるんだろうな。

 『メテオライト』って隕石のことなんだね。
「遠い宇宙を漂っていた岩石や星の欠片が地球の引力により引っ張られる。たいていは途中で燃え尽きてしまうけど、地上に落下したのが隕石」なんですと。何度も燃え尽きた柳田(小林虎之介)。でも今度は消そうとしても消えない情熱が火の玉となるんじゃないのかな。みんなの力と合わさって、きっと想像もつかなかったほどの大きな衝撃を与える。それは藤竹(窪田正孝)も同じ・・・であって欲しい。

 大会出場まで、あと一ヶ月ちょい。
柳田の勢いは止まらない。
難しい専門書を読むために努力し、頭の中は実験のことでいっぱいだ。

 「重力可変装置」は柳田のアイディアを長嶺さん(イッセー尾形)が形にし、ボックスの振動を最小限にすることに成功。藤竹もびっくりする結果を見せた。

「すごい・・・えっ・・・コレ大会出場・・・
いや、口頭発表の15校も夢じゃないですよ。
皆さん、大学の研究にも引け取らないですよ」


 伊之瀬先生(長谷川初範)が友人でNASAエイムズ研究センター主任研究員のラングレーさんを伴いJAXAの相澤(中村蒼)を訪問。ちょうど鉢合わせしちゃった石神教授(高島礼子)は先生をけん制しとった。

 伊之瀬先生、何を考えているんだろう?
スカウトとかじゃないよねぇ・・
NASAと協力し合う橋渡し??
石神教授を排して相澤が研究に打ち込める環境を整えてくれないかなぁ。

 子供達の相手をしている相澤、楽しそうだったね。
石神は「油を売っている」とか一刀両断していたけど、ホントにこういう子供達の好奇心や憧れが研究への第一歩だよね。石神め、過干渉の母親かよ。藤竹先生を「取るに足らない不要な小石」だってよ( ゚д゚)ケッ そんなに拘るってことは藤竹のことを恐れてるんだろうが〜!


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matakita821 at 18:01|PermalinkComments(4)

2024年11月20日

「宙わたる教室」 第7話 浮遊惑星のランデブー

『LOGUE PLANETS・・・はぐれ惑星。
自由浮遊惑星とも呼ばれている。
惑星程度の質量でありながら
それらが形成された惑星系から
はじき出されたこの天体は
特定の恒星の重力に束縛されることなく銀河を漂っている』


 まさに藤竹先生(窪田正孝)のような。
藤竹先生がやろうとしている研究というのは、
科学者としての生き方の模索なんだろうか。

 どこか特定の場所に縛られることなく、
何の後ろ盾もなく、
たとえ潤沢な予算が無くても、
自由な発想と地道な努力で結果を出すことができる。
それは栄光のためではなく、
純粋な科学的探究心から生まれるものであると。

 科学部の「火星のクレーター再現」は白熱しとる。
火星の再現時間は少しづつ伸びてきていた。
更にその時間を延ばし効率的にクレーターを再現するために、柳田(小林虎之介)と長嶺さん(イッセー尾形)は火星に弾を打ち込むための発射装置を作ることにした。
アンジェラ(ガウ)佳純(伊東蒼)は土の改良とデータ解析&記録。

 いや〜みんなすばらしいね。
実験を進めながら知識を深め、その中で生れた疑問を解決し、そこからさらに生まれた発想を形にする。何度も何度もいろんな角度から見つめ直し実験を繰り返す。

 そしてともに作業をするうちにお互いへの理解を深め、共同研究者としての信頼を育みながら大切な友ともなっている。これは上下関係がないからこそなのかな。藤竹先生は質問には丁寧に答えてくれるけど口出ししないし、彼らの伸びる芽を嬉しそうに見守っている。これって導く者と学びたい者にとって理想的な関係じゃないのかな。

 一方、藤竹の大学の同期でJAXAの准教授・相澤(中村蒼)は明京大学と共同の「惑星探査しののめプロジェクト」のリーダーに選ばれた。こっちも火星なんだね。2028年度の打ち上げを予定しており、火星での、より高度なサンプル採集と地球へのリターンを目指すそうな。


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matakita821 at 18:07|PermalinkComments(2)

2024年11月06日

「宙わたる教室」 第5話 真夏の夜のアストロノミー

「教室に火星を作れないかな?」名取
「でも・・うまくいくかな?」アンジェラ
「失敗なんてありえないです」藤竹
「どうしてだね?」長嶺
「まだ誰もやったことがないからです」
「やってみませんか?」名取
「そうね・・うん!」アンジェラ
「そうだな」長嶺
「よし!火星作ろぜ!」柳田


 これが科学の発想だよね。
発表会会場で柳田の「火星を作るんだよ」という言葉を聞いた入賞校の生徒は「はあ?ナニ言っちゃってんの?」という嘲笑的反応だった。確かに柳田達に彼らと同程度の知識があったら思いつかなかったかもしれない。でも科学の入り口にたったばかりの柳田達だからこそあこがれに従い、偏見や思いこみに捉われない自由な発想を得ることができるし、実験に臨もうと思えたんじゃないかな?

 この実験の提案をしたのが名取(伊東蒼)だというのが嬉しい。
科学部の存在と、科学の世界を部員とともに見つめてきた日々が彼女の心に羽ばたく勇気を培った。そして何よりの功労者は庄司さん(紺野彩夏)だよね。彼女の自由でエネルギーに満ちた前向きな言葉がみんなに刺さった。心の中に小さな爆発が起きたんだね。

 藤竹(窪田正孝)の「学会発表をしてみませんか?」という言葉に戸惑う部員のみなさん。
『日本地球惑星科学会』というところが開催する学会では毎年全国から8,000人の研究者が集まるそうな。その中の全国の科学部が研究発表をする「高校生セッション」に挑戦してみないか?というのさ。

 いったいどんなもんだか・・・わからんから何とも言えないよね( ̄▽ ̄;)
でも参加するには、まずテーマを決めなくっちゃ。
藤竹は部員たちに、そのテーマを見つけるよう促し、ヒントを得るために「関東科学研究コンテスト」で入賞した高校の展示を見に行こうと誘った。

 ワルっぽい雰囲気の青年、外国人ぽいおばちゃん、気配を消している地味女子、おじいちゃんの四人組は奇異な目で見られ、みなさん内心ドキドキ。しかも発表内容を説明する生徒の言葉もちんぷんかんぷん。なんかすっかりテンションが下がってしまったわ〜( ̄▽ ̄;)

 高校が夏休みの間の昼間は定時制生徒が補講で使うんだね。
いつもとは違って明るい教室。な〜んか落ち着かなくて名取が屋上で食事を取っていたら、同じ理由で庄司さん(紺野彩夏)がやってきた。彼女はキャバクラで働きながら娘を育てているシングルマザーらしい。名取さん、人間に対する恐怖心が少しづつ無くなってきているみたい。

 すっかり自信を失っている部員達に藤竹は、まずは昨日見に行ったコンテストへの参加を提案。
否定的な反応の柳田(小林虎之介)、アンジェラ(ガウ)、長嶺(イッセー尾形)だったけど、臆せず「やってみたいです」という自分の考えを伝えた名取さんに、ハッとしたようです。

「諦める理由を探すの、もうやめたいなって・・」

 科学部の日々の活動が確実に名取さんの心持ちに影響を与えている。
自分らしいものに向き合える喜びとかすかな自信が伝わってくるわ〜

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matakita821 at 18:27|PermalinkComments(2)

2024年10月23日

「宙わたる教室」 第3話 オポチュニティの轍


「あそこに今も壊れたままの
オポチュニティがいるんですね。
・・・・寂しいだろな」名取(伊東蒼)


「そうですか?僕はそうは思わないです。
オポチュニティの活動限界は三ヶ月って言われていました。
15年も持ったのは想定外の幸運が重なったこともあるけど、
それだけじゃない。オポチュニティができるだけ長く旅を続けられるようにスタッフ達はあらゆる努力をした。彼らも一緒に長い旅を続けていたんです。

8ヶ月通信が途絶えたオポチュニティに最後のコンタクトを取った日、
ミッションに関わった大勢のチームメンバーが集まった。
短い信号を4回発信して、やっぱり反応なし。
マネージャーが『15年の任務ご苦労様』、そう言ってミッション終了を宣言した時、みんなで泣いたそうです。

火星の荒野でたった一人ぼっち。
オポチュニティの轍を孤独の象徴と捉える人もいるかもしれない。でも僕には、少しでも前に進もうって懸命に生きた証に思えるんですよ」藤竹(窪田正孝)


 (´;ω;`)ウゥゥ・・・
家庭の中でも学校にいても寂しくて苦しくていたたまれなかった名取さん。
閉じこもりながら自分は生きているんだろうか、生きていていいんだろうか、問い続ける日々だったのかもしれない。リストカットして痛みだけに浸っている瞬間は辛さを忘れられる。腕についたリストカットの痕はグロイかもしれないけれど、私にはまるでオポチュニティの轍のように見えた。私は生きているの!と語っているような。

 一人ぼっちに見えたオポチュニティを心から支えたスタッフがいたように、名取さんもひとりじゃない。そのことに気づけた夜だったね。°(°´ω`°)°。

 今回の実験は火星の青い夕焼けを人工的に作るというもの。
鉄のさびを見て火星の土には酸化鉄が含まれていると気づいた柳田(小林虎之介)。こういう思いつきって科学者に必要な資質だよね。そして他にも様々な鉱物の粒子が混じっていることを調べた名取さん。ナイスサポート!名取さん科学部入部決定!科学部の轍が、そのまま名取さんの轍になるね。

 なんだか初めて科学にロマンを感じた回だったなぁ・・
藤竹には生徒たちをどうしようとかって意志はないのかもしれないけれど、彼が持っている知識がいろんな人を救っている。誰のマネをするでもなく藤竹は藤竹のままで、ちゃんと教師になっているんだね。そして名取役の女優さん、何かいいわ〜。弱弱しいんだけどどこかに芯が見えて、ラストの笑顔の名取さんにちゃんと繋がっている。気になる女優さんだわ〜



 第1話 夜八時の青空教室
 第2話 雲と火山のレシピ
 第4話 金の卵の衝突実験
 第5話 真夏の夜のアストロノミー
 第6話 コンピューター室の火星
 第7話 浮遊惑星のランデブー
 第8話 メテオライトの憂鬱
 第9話 恐竜少年の仮説
 第10話(最終話) 消えない星

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matakita821 at 17:00|PermalinkComments(0)