ライカ

2022年03月15日

「ミステリと言う勿れ」 第10話(episode.final)

 『いやいやいやいや!
そんなんじゃ全然!
そんなんじゃないから!
そんなんじゃないから!!


 「初詣」「デート」「カップル」「焼肉」「焼肉を食べる2人」などのワードが鳴り響き、脳内がざわついていた整(菅田将暉)であったが、彼にとって特別で忘れられない時間になったようです。
HPはこちら


 整に会うのは最後と決めていたライカ(門脇麦)は
初めて自分について話した。

 「ライカ」は解離性同一性障害である千夜子の別人格のひとつだった。
父親から暴力と性的虐待を受けてきた千夜子は耐え抜いた末、解離性同一性障害を発症した。

私は千夜子の痛みを引き受けるためだけに生まれてきたんだ

 父親は一台のライカのカメラだけを大切にしていた。千夜子は父親に襲われている時、カメラを見た。カメラになろうと思った。

そしたら痛くも苦しくもないからな。
もしかすると父が唯一大事にしているものになりたいとどこかで思っていたのかもしれない。そうだとすると吐き気がするけどな


 子供の心は複雑だ。
自分を苦しめる親であっても愛して欲しい、認めて欲しいと思うのは本能なんだろうか。理性では決して許せないのに。心が求めるのか。


 人格はどんどん増えていき、千夜子は何度も死のうとしたので、その度に誰かが出て止めた。そんな時「炎の天使」である香音人(早乙女太一)と陸太(岡山天音)が現れ、両親を焼き殺してくれた。彼らと話をして壁に合図の炎のマークを描いたのはライカだった。

 「炎の天使」については選択した子供たちのその後はそれぞれで、救われた者もいれば別の苦しみに苛まれた者もいたが、千夜子にとっては地獄を終わらせてくれた本物の天使だったのだろう。

 精神科病棟に入院し治療を受けるようになってからは、役割を終えた人格は統合され消えていった。現在残っているのはライカだけ。

 千夜子は10歳から精神の成長が止まっている。そして歩けないと思い込んでいるので、ライカが外出して足を鍛えていたそうな。そして千夜子に成長の兆しも見えてきたので春から病院を出て里親の元で暮らすことになった。

千夜子の幸せを見届けたら、私も消える

 「いなくなる」=「死」と整は思っていたが、でも、これはライカの死だ。千夜子とライカの人格が溶けあい一緒になったとしても、今ここにいる「ライカ」ではない。整を暗号で招き寄せ、香音人に会わせ、その後も常に整の心に引っかかる不思議な時間をともに過ごしたライカという人間は消える。





続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 16:56|PermalinkComments(2)