ここは今から倫理です。

2021年02月08日

「ここは今から倫理です。」 第4話

 さて、今回は倫理の時間、屋外編。
学校外ならではのリアルでドキドキする実践の時間。
改めて、学問や教養はテストや蘊蓄を語るためではなく
生活や生きていく時間そのものを支えてくれるものだと実感しましたぞ。
高柳先生、充実した時間をありがとう!

 今回の主役は2話で登場した「常に眠たい男・間幸喜」の友人・近藤陸(川野快晴)。
半グレとして地元では悪名高い兄・カイト(山科圭太)がヤバイ薬を持ち逃げしたせいでチンピラにボコボコにされ拉致されるところをジュダ(成河)という男に助けられるが、今度はそいつに閉じ込められそうになる。

 ジュダはなぜ陸を助けたのか?手頃なオモチャと思ったのか。彼はカイトがかなりヤバイ状況にあること、外に出たら陸も同じ目に遭うことを伝え、自分と仲良くすれば守ってやると迫りました。

 一方、2週間も学校を休んでいる陸を心配していた高柳(山田裕貴)は幸喜(渡邉蒼)やいち子(茅島みずき)の情報から居場所を特定しジュダの元へ現れた。

 ここからジュダと高柳の「対話」という名の「悪」と「善」の戦いが始まります。扉の前で何もわからず佇んでいる陸を前に。
ジュダは陸が自分からここに来たと話した。バカだから何が善か悪かも知らずに、何も考えず、その場その場で流された結果、この場所にいるのだと。
『そうなんですか?近藤君はなぜここにいるんですか?』高柳

 陸は答えられない。

『おかしいなと思うタイミングは何回もあった。
でも思うだけで口には出さなかった。なんで?って。
だから誰も答えてくれなかった。
そのうち考えるのも面倒くさくなった。
なんで学校に行かなきゃならないのか。
なんでうちには親がいないのか。』


 わかっているのは自分の家族は兄だけで、兄が好きだったこと。
その兄の言う事だからヤバイものと感じつつ運んだし
出された頭が痛くなるジュースも飲んだ。

 陸はまだこどもなんだよね。兄は唯一の保護者であり生活を支えてくれる存在であり、陸にとっての社会だった。自分の中に生まれた問いかけを突き詰めると全てを失ってしまう。それは恐怖だし、その先どうやって生きていったらいいかもわからない。だから「自分への問い」を全て抹殺した。

 ジュダは何も考えずに流されてきたことが人間はそもそも悪だと証明していると語った。さらに荀子の「人間の本性は悪」、カントの「人間は気ままに生きると争う悪になる」、ハンナ・アーレントの「悪は陳腐。悪は月並み」という言葉を紹介した。

『誰もが当たり前のように簡単に悪に染まっていく。
それがこの世界の真理だ。そうだろ?先生』ジュダ
『いいえ。あなたは彼らの思想を都合よく解釈しているだけです。
荀子もカントもアーレントも人間は当然悪であるから悪を容認するとは言っていません。
彼らはだからこそ人が悪を乗り越えるために何をすべきか語っているのです』高柳

ここは今から倫理です。 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ここは今から倫理です。 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
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matakita821 at 20:02|PermalinkComments(0)

2021年01月17日

「ここは今から倫理です。」 第1話

 面白かった。なかなか衝撃的な第一話だけど、この物語がどんなふうに始まるのかがわかりやすく描かれていたわ〜ちょっと『鈴木先生』思い出しちゃった。
スタイルもビジュアルもまるっきり違うけど。
HPはこちら

 高校3年時選択科目の「倫理」の時間、教師は高柳(山田裕貴)。
活力漲るってタイプではなくてどちらかというと無気力ふう。
一回目の授業は「倫理は学ばなくても将来困ることはほぼない学問です」という言葉から始まった。

「この知識がよく役に立つ場面があるとすれば、死が近づいてきた時とか。
倫理は主に独りぼっちの時に使う。
信じられるものが無くなった時、死が目前に迫った時
人はまず宗教による救いを求める。悩みが絶えず苦しい。憂鬱。
私は何のために生きている?
昔の哲学者達は生涯をかけて悩み抜いた。
「男はこうあるべき」とか「女はこうしなきゃダメ」とか。
そんな事誰が決めた?
「死にたい」
倫理は選択科目ですが実は人生における必修科目です。
今はピンとこなくても一年間はしっかり学んでもらいます」

 いやいやいやいや、中々面白い授業だと思います。
こんな出だしだったら興味を持つと思う。
高校の時「倫理」と言えば楽できる科目としか・・・( ̄▽ ̄;)
受験にも関係ないから赤点取らなきゃいいやって感じだったよね。

 選択した生徒たちは10人いるかいないか。
その中の一人、逢沢いち子(茅島みずき)は一年前教室で性交中に高柳に見つかって以来、彼に興味を持っており、授業後に早速誘惑。しかし高柳が教師と生徒のラインを超えることはなかった。

『残念ながら私は教養ある女性がタイプです。
あなたには教養がない』

 いち子は意外と素直。江戸時代の花魁は教養があり性的魅力だけで客を惹きつけていた訳ではないと高柳に教えられると花魁関係や授業で紹介された本を図書館で借りていたし漢字の練習もしていた。彼女は父親のDVが横行する家庭で育ったため、人には隠していたが他人の機嫌に敏感だった。男子からの誘いに乗るのも性交中は彼らが笑顔になるからであり、誘いを断ると怒る相手に合わせて喜んで応じている演技をしていた。

 そしてストーリー進行役の谷口恭一(池田優斗)は一年前、偶然いち子と高柳のやり取りを目撃して以来、そのクールなさばき方に惚れ込み理想の教師と見定めていた。いじめられっ子だった恭一は自分のような生徒を救いたいとも思っていた。しかし高柳が喫煙室で煙草を吸っているのを見て幻滅。いじめっ子に煙草でジュっ!とやられた経験のある恭一は煙草に関わる全てを嫌悪していた。

 まぁ、痛い目に遭ったからっていうのもあるけど、若い頃って簡単に幻滅するよね( ̄▽ ̄;) すごく好きだった相手も変なズボン履いてたってだけで嫌いになったり、しぐさや発言で180度変わったりね。

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matakita821 at 18:16|PermalinkComments(2)