「アンナチュラル」

2018年03月17日

『アンナチュラル』 最終話 旅の終わり  

 いや〜おもしろかった!
充実した時間をいただきましたョ〜
一話一話の構成、そして重ねた全10話、最終回までが完璧でした。
私的に10点満点で9.5点・・
マイナス0・5点は一部キャスティングが
私の好みじゃなかったため ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
でも彼女の個性である甘い雰囲気が逆に
このドラマには良かったのかなぁ・・・とも思う。

 ラス、ト六郎(窪田正孝)を迎え入れるそれぞれの
らしい態度ににんまり。いいチームですよ。
お仕事ドラマとしても見ごたえのある、
そして刺激をもらえるドラマでしたな〜
HPはこちら
 

 ほんでは、振り返ってみましょう。
中堂(井浦新)の恋人・夕希子(橋本真実)も含めた連続殺人事件の
犯人と思われる高瀬(尾上寛之)が身を守って欲しいと警察に出頭した。
しかし、彼は死体損壊と遺棄は認めたが殺人は否定。
女性達はアパートの内見中に突然死亡した。
自分のせいにされたら困るので死体を処分したといい張るのだった。

 一方、宍戸(北村有起哉)は出頭前の高瀬にインタビューできた者として
マスコミに顔を売り、高瀬の告白を『妄想』として出版。
高瀬は伝説の殺人者になるためにアルファベット26文字を
使った26通りの殺害方法で女性たちを殺していた。

 しかしそれは殺人事件として立件されていないものばかりで
物的証拠もない。
ご遺体はすでに火葬ずみ。
出頭直前にバラバラに解体された遺体も
酸で溶かされ残っておらず死因が特定できなかった。

 『死因が特定されないと立件できない』・・・・
そうなんだね。裁くための基本・・・
こんなふうにUDIラボの存在意義が試されるとは・・


 担当検事の烏田(吹越満)はホルマリンを投与された橘芹菜さんの
殺人を立証できれば連続殺人に繋ぐことができるとミコトに告げた。
弁護側は鑑定書に記載されていた『ボツリヌス菌』が橘さんの
死因でありホルマリンは死後遺体を腐敗させないために投与したと
主張しようとしていた。
そのため烏田は鑑定書から『ボツリヌス菌』に
関する記述をすべて削除するようミコトに命じた。

「高瀬を確実に有罪にするためです。
あなたのその小さなプライドをほんの少し曲げていただくだけで
高瀬を法で裁くことができる」

 いやいやいや・・・
戦法とは言え、そうなると正確な鑑定書ではなくなるよ。
でもそうしないと殺された女性たちの無念さも中堂の思いも
闇に葬られてしまう。
迷うのは当たり前。
仕事人としても人間としても簡単には答えが出せない。

 しかも検察に協力しなければ補助金を打ち切ると
刑事局長から脅しが・・・
UDIラボの未来までかかっているという・・


TBS系 金曜ドラマ「アンナチュラル」オリジナル・サウンドトラックLemon(レモン盤 初回限定)(レターセット)
続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 18:37|PermalinkComments(12)

2018年02月24日

『アンナチュラル』 第7話 殺人遊戯 

 今回も設定はおなじみなのに、このドラマらしい展開で
新鮮に、そして重く心に響く内容でした。
決してブレないミコト(石原さとみ)の言葉が真実に縛られる者、
そして真実から目をそらす者たちの目を開かせた。
HPはこちら

「ここまでが法医学的見解。
ここからは法医学者ではなく私個人の見解として話をします。

これまで多くのご遺体を見て来た。
ご老人から小さな子供まで。
いつも思う。
なぜ、この人は死ななきゃならなかったのか。

Y君の背中にはたくさんの痣があった。
日常的に暴力を受けていた痕。
執拗に繰り返され、治るより前に次の痣がつけられた。
そんな暴力が見過ごされた。
追い詰められた彼は最悪の選択をしてしまった。

法医学的には自殺。
でも私は、殺されたんだと思う。
法律では裁けないいじめという名の殺人。
あなたはそれを大勢の人に伝えたかった」

 サイコパスによる殺人実況に思われた事態は
いじめた奴らを裁くため、
そして助けられなかった自分を裁くためのものだった。

 教師、クラスメイト、誰もがいじめに気づいていた。
でも無視して関わろうとしなかった。
横山君の痛みと苦しみを黙殺した。
やつらを殺人者にしたてるための計画を立てる時間だけが
救いになるほどに追い詰めた。

 そしてそんな横山の思いに気づきながら保身せずにはいられず
救えなかった無念さと後悔に苛まれた白井君は
自分を殺す罰を与えずにはいられなくなっていた。

TBS系 金曜ドラマ「アンナチュラル」オリジナル・サウンドトラックLemon(レモン盤 初回限定)(レターセット)
続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 20:12|PermalinkComments(6)

2018年02月11日

『アンナチュラル』 第5話 死の報復 

 う〜む・・・
毎回「解剖その後」のいろんなパターンを見せて
くれるから飽きない。
HPはこちら

 青森からUDIに運び込まれた女性のご遺体。
目撃者もあり警察は自殺と判断したが同居していた鈴木さん(泉澤祐希)
は近々入籍するはずだった彼女の自殺はありえないと信じていた。

 駆け落ち同然に東京から青森に逃れ暮らしていた二人のことを
ご両親は認めておらず、さらに鈴木さんが帰宅しなかったため
娘は絶望して自殺したと思いこんでいた。
解剖して死因を究明したい鈴木さんの希望はもちろん聞いて
もらえず、やむなくご遺体を盗んでUDIに運び込んだのだった。
果歩さんの苗字もたまたま鈴木だったため、書類を見た神倉所長(松重豊)は
夫婦と思いこんで、解剖を許可したんだよね。

 今朝『ボクらの時代』で阿川佐和子さんが、自分や家族に何かあって
法的な手続きを迫られた時、戸籍上無関係だった手続きさせてもらえない
から結婚したみたいなことを言っていて、
あらためて戸籍と家族関係について考えさせられたわ〜
いろんな場合があるから判断難しいところだけどさ。

 葬儀場の木林(竜星涼)の通報で遺体窃盗を知った神倉は仰天。
すぐに解剖中止。
一瞬『死体損壊罪』を疑われたミコトだったが騙された被害者ということで
おとがめなし。
拘置所に入れられた鈴木さんも事情を考慮し釈放された。

 警察の指示によりご遺体は閉じられたのだが・・・
にゃんと中堂は取りだした肺を保存していた。
個別に調べる気満々の中堂に厳しく説明を求めるミコト。

「考えてみたことがあるか?
永遠に答えの出ない問いを繰り返す人生。
今、結論を出さなければ、もう二度とこの人物がどうして
死んだのかを知ることはできない。
今、調べなければ・・・調べなければ・・・
永遠に答えの出ない問いに一生向き合い続けなきゃならない。
そういう奴を一人でも減らすのが
法医学の仕事なんじゃないのか?」

 その『問い』はミコト自身にも覚えのあること。
その痛みも苦しみもわかっている。
で、珍しく二人の協力体制がスムーズに働き、
他のメンバーも巻きこみ死因を究明していくのだが・・
中堂はもちろんミコトよりも上手(うわて)だった。

 残された者たちの複雑な思い。
真実を知りたい者、知りたくない者、知ってのち行動を起す者、
自分の中に抱え込み問いかけ続ける者・・・
加害者がいても亡くなっていたら永遠に真実はわからない。
推測するのみ。

 そして共に生きてきた者の数だけ真実への向き合い方がある。
思いの深さや関係によって悼み方は変わってくる。
今回見終わって悼み方=愛し方のように思えてしまったよ。

 鈴木と中堂(井浦新)の行動は
殺された恋人へのそれぞれの思いに殉じた結果のように思う。
殺人を肯定する訳ではないが犯人への怒りや憎しみ、
敵討的な思いもあるだろうけど、
鈴木さんにとっては犯人を殺すことが果歩さんを愛するのと同じように
自然(当然のこと)な行動だったのかもしれない。

 ミコト(石原さとみ)たちの止める声が耳に入ったけど
あの時の彼にとってはやりぬくことがすべてだった。
残忍さよりも愛情の悲しい終着点を見たように思う。

 いや〜オープニングで泉澤君を見た時、あ、三男だ!と思ったのだけれど
すぐに「ひよっこ」の影は消えたよ。
ラストの迷いを振り切り、
馬乗りになって止めを刺そうとするその姿に
不思議と純粋なものが見えて圧倒されたよ。

 思ったけど、もし鈴木君が犯人を殺そうとしなかったら
中堂はそうなるように誘導しただろうか・・・
まぁ、結果を伝える時も誘導は感じたから、そう持っていっただろうね。
鈴木と自分を重ねた中堂にとってはあれが優しさなんだろうな。

 そして鈴木の行動と結果を目の当たりにして、自分自身の未来も
シュミレーションできたであろう中堂。
彼もやはり同じ道を選ぶのか、それともミコトや仲間たちが止められるのか。

 そして鈴木の記事を書いた謝礼を受け取らなかった六郎(窪田正孝)。
彼もまた関係者として真実に向き合おうとしたんだが〜

 も〜アンタは記者になりたいの?それとも医者として生きていきたいの?
はっきりしないととんでもない大きな穴に落ちてしまいそうで
おばちゃん心配よ。
どちらにしろ『週刊ジャーナル』は、あまりいいお仲間とは言えないから
早急に手を切ることを勧めるが・・・続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 12:20|PermalinkComments(2)

2018年01月20日

『アンナチュラル』 第2話 死にたがりの手紙 

 今回は前回以上にミコト(石原さとみ)が活動的でラボを飛び出し
結果的に刑事の捜査的役割もはたし、案の定、死の危険にさらされる
という・・・私的にはあんまり好みではない展開じゃったが
彼女にとってはご遺体がなぜそのような死に至ったかを含め
死因を確定させるために必要な行動だったんだろうね。

 自分が経験した『練炭による一酸化炭素中毒』による集団自殺と思われる
現場だからか・・と最初思ったが、ミコトは終始冷静にプロとして対応していた。
もちろん心の揺れはあるが母親から殺されそうになった事実や
一人生き残ったことによる複雑な思いや葛藤を生きるために
乗り越えてきた彼女の強さと凄みが見えた。
 
 今の法医解剖医という仕事は彼女の過去としっかりリンクしている。
謎の死を遂げた遺体の真実を明らかにするという仕事が
彼女の生を肯定し支えていると感じました。
HPはこちら

 ミコトの過去を知ってしまった六郎(窪田正孝)は現場で
一人焦っていたけどね・・( ̄∇ ̄;)

 3人の男性と一人の若い女性の遺体。状況から全員練炭自殺を
計ったと思われた。

 現場では刑事の毛利(大倉孝二)がめんどくさいのか自殺に誘導
しようとしていたから、あ〜今回の刑事もミコト達の引き立て役になる
おバカさんなのかしら〜と危惧したけど、他殺と判定されてからは
ちゃんと捜査に当たっていたからほっとしたよ( ̄∇ ̄;)続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 21:20|PermalinkComments(4)

2018年01月14日

『アンナチュラル』 第1話 名前のない毒 

 スタッフとキャストの技が生きた、なかなかの第一回目だったと思います。
たいてい一回目というと画面からハッスル感が伝わりすぎて
登場人物たちの生活までがその日から始まったように見えるけど
このドラマには彼らの続いてきた日常の一日が絶秒に感じられ
新参者のバイト君・記録員の久部六郎(窪田正孝)の問いがうまく
ドラマへと引きこんでくれた。
あっさりしているけど印象的な前菜で、これからの料理に
大きな期待が持てそうだと思いました。
HPはこちら

 「アンナチュラル」とは「unnatural death(不自然死)」のことらしい。
舞台はその不自然死による遺体の死因を究明する不自然死究明研究所(unnatural death Investigation laboratory)=通称UDIラボ。
公的機関だけでなく一般の方も利用できる組織。
一般の方の場合、パンフレットチラッと見たら解剖料と調査料で19万〜35万ぐらい。
もちろん現金の前払い制。
わたしゃ50万ぐらい?って思ったんである意味リーズナブルか?( ̄∇ ̄;)

 実際にあるかどうかわからんけど、こういう場所があると解剖のハードルが低くなるかもしらんね。
警察や医師のジャッジに納得がいかない遺族の支えになる。
真実を知りたいというのは残された者に湧き上がる自然な思い。
真実を知って、やっと死を受け入れる準備ができるのかもしれない。
ミコトが言っていた『法医学は未来のための医学』という言葉にも通じる。

 UDIラボの所長は神倉保夫(松重豊)。
軽妙な雰囲気はいつもの松重さん。
でも権威には屈しない(しかたなくだけどw)やるときゃやる男。

 ここには三澄班と中堂班の2チームがあり三澄班は執刀医のミコト(石原さとみ)、
臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)、記録員の久部六郎(窪田正孝)。
中堂班は法医解剖医の中堂系(井浦新)、臨床検査技師の坂本誠(飯尾和樹)。

 画面的にもバランスのとれたいいメンバーですよ〜
飯尾の場所に誰を持ってくるかでまた違ってくるしね。
欲を言えば新さんにはもっと変人度上げて欲しかったわ〜
でもそうなると中堂が主役みたいになっちゃうかね・・
中堂はミコトの存在感に深く関わる重要な役と思われるので
二人が影響を与えながら変化していく今後が楽しみだわ〜
 続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 11:47|PermalinkComments(8)