「天皇の料理番」

2015年07月13日

「天皇の料理番」 第12話(最終話) 完結〜料理番の人生 敗戦の料理番がGHQに起こした愛の結末

「長い間ご苦労だったね」陛下
「いえ。こちらこそお世話になりました」篤蔵
「体を大切にするように。
あなたが私の身をいたわってくれたのと同じように。
料理は真心だね。秋山主厨長」
「・・・ありがとうございます・・・(涙」

『時は昭和47年10月18日
幸せな、それはそれは幸せな涙とともに
秋山篤蔵は58年にわたるその料理番人生に幕を下ろしたのでございました』


 いつものように篤蔵は胸ポケットから鈴を取り出しつぶやいた。
「お疲れやったの・・・俊子」

 鈴はチリン・・と応えてくれました。
篤蔵、お疲れ様・・そして俊子、どうもありがとう。
。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。 うわーーーーーん!!終っちゃったようーーー!!

 料理人として、お上の料理番として全力で生きてきた男・秋山篤蔵。
料理を愛し、人を愛し、陛下を愛し、日本という国を愛し、
信念と共にに突き進んできた人生。
その潔く、まっすぐな生き方に惚れました。
どんな強風を受けようと強い意志で常に前を向き、情熱と共に人生に向き合う姿はテーマ曲の「威風堂々」にぴったりでした。
こんな人がいてくれた。誇らしい気持ちになりましたョ〜
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 さて、振り返ってみますかのぅ・・・
昭和天皇にお仕えして10年。陛下のお人柄が伝わってくるエピソードと、それを受けて陛下への尊敬の念が深まる篤蔵の姿が描かれました。

 昭和10年3月、晩餐会の終了後、とんでもないことが発覚した。
にゃんと牛ヒレ肉をベーコンで巻いた料理をお出ししたんだけど、形が崩れないようにしばっておいた糸をはずすのを忘れていたのさ〜
それは一人分だったんだけど、よりにもよってお上のお皿のものだった。

 それを聞いて大膳寮の皆様は( ̄□||||!!( ̄□||||!!( ̄□||||!!( ̄□||||!!
もちろん、最終チェックをした篤蔵(佐藤健)の責任・・・
そしてお上からお召しを受けた篤蔵はビクビクしながら参上したのですが・・・

「糸がついていたのは朕のものだけだったのだな?それは良かった」
と言ってくださった。

「そんなことおっしゃられたのかい?」梅(高岡早紀)
「はい。わしは幸せもんです。あのようなお上にお仕えできて」篤蔵

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2015年07月06日

「天皇の料理番」 第11話 皇居編〜最愛の人と最後の晩餐

 大正12年(1923年)9月末。 
震災後、篤蔵たちは桐塚先生(武田鉄矢)のお宅にお世話になっていた。
桐塚家には下宿を失った学生たちも住んでおり、俊子(黒木華)は幼い周二郎の面倒を見ながら女中さんと二人で家事全般をこなし、産婆さんの仕事もあり、忙しくて休む間もない日々を送っていた。

 俊子の疲労を気遣いながらも、篤蔵(佐藤健)も救護活動を続けながら、人手不足の大膳寮を回していかねばならず多忙を極めていた。

『私は幸せでした。
あの震災で家族全員無事を得るなど何という幸せ者なのだろうと。
私は幸せでございました』

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 そして年が明け大正13年(1924年)1月26日、
国民感情をおもんばかり延期になっていた皇太子のご成婚の儀が執り行われた。

「やっぱりいいですね、祝宴の料理は。
作ってるほうも明るい気持ちになりますよ」篤蔵
「さようでございますね」宮前(木場勝己)

 なんて言ってると入沼さん(天野義之)がご成婚騒ぎに紛れて宮城内に侵入をはかった男がいると知らせにきましたぞ。
行ってみると・・・そこには腰紐で縛られた新太郎ちゃん(桐谷健太)が!

「お前さん!お前さんお前さん!」
「あっ・・・!」篤蔵
「お知り合いですか?」入沼
「大変申し訳ございませんでした!」篤蔵

 も〜相変わらずお騒がせなんだからぁ〜
でも、アンタの「お前さん」が聞けて、わたしゃ嬉しいよ。
(ノ∀;`) よく無事で戻ってきておくれだね。
って、納得できる絵が描けたからではなく、震災で呼ばれた(稼ぎ時?)気がして帰国したらしい。

 新太郎ちゃんって・・・もしかして芸術家ではなくて商売人なんじゃ・・
時流を感じる野生の勘はあるみたいだから、何か商売でも始めたら成功するんぢゃ・・・
取りあえずバンザイ軒に下宿させてもらうことになりました。


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2015年06月29日

「天皇の料理番」 第10話 皇居編〜関東大震災と家族の決意

 椀を受け取る手を握りながら篤蔵はつぶやいた。

「俊子・・・ありがとうな・・・・」
「ありがとうございます・・・」俊子

生きていてくれてありがとう。
子供達を守ってくれてありがとう。
自分を信じていてくれてありがとう・・・
万感の思いが詰まった「ありがとう」。

 思わず流れた篤蔵と俊子の涙に、おらもほろり・・・(ノω;`)
亡くなられた方もたくさんいるからアレなんだけど・・・
この震災は篤蔵と俊子の絆を再確認させてくれたし、家族の心をひとつに結んでくれた。

 父の仕事をかっこいいと思うだけでなく、料理人の輝く未来を信じようとする一太郎の姿に成長が見えたよ。
両親を誇らしく思える子供は幸せだべ。
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 振り返ってみますかのぅ・・・
あの『御即位の御大礼』の翌年、大正5年(1916年)・1月、秋山家で篤蔵(佐藤健)と俊子(黒木華)の再婚を祝う宴が開かれた。
なごやかで楽しい祝いの膳ですぞ〜
決裂したと思われた金之介(日野陽仁)も笑顔で気持ちよく酔っております。

「まさか、のく蔵がこうなるとは思ってませんでした」金之介
「ほらもう、ひっでぇもんでしたからな」周蔵(杉本哲太)
「言いたい放題やのぅ・・・」篤蔵
「今が幸せやから言えるんですよ」俊子

 そうだよねぇ・・・いろいろあったけど、こうして両家が揃って笑顔で言いたいこと言い合っているなんてねぇ・・・不思議な縁だよ。
幸せついでに俊子の妊娠も発覚。まだみんなには内緒だけどね。


「前の旦那さんとはあんなにできなかったのに、どういうことなんでしょうか?」俊子
「ほら、わしが強いっちゅうことと違うんかの?」篤蔵
「篤蔵さんやったから・・・やや子ができたわけですね・・・・・・えっ?」
「あの〜 もらい子した子ってホントに前の旦那さんの子・・・」
「・・・忘れましょ忘れましょう!」
「ほやな、ほやほや・・・うん」

 やっぱりお妾さんの子だったのかしらん・・・
そして、そのお妾さん、俊子の元夫に一生言えない秘密を
抱えていたのかも・・・(-_-)
ま、いっか。今となっては関係ないお方たちだもんね。


 さて、大膳寮は厨司長の篤蔵を中心にしていい感じで回っているようです。
宮前さん(木場勝己)も相変わらず篤蔵にガンガン意見しております。

 こういう人は有難いよねぇ・・
宮前さんなら篤蔵が間違ったことをしたら、すぐに忠告してくれそうだし。
お上により美味しく食べていただくための篤蔵の調理所移築案は、その後現実化したのかねぇ・・・

 てか、節子皇后自ら厨房へ?なんと気さくな。
でも言いたい時に言いたいことを直接言えなくて大変ね。
和久井映見さんが演じているからかしら〜品がありながらもおちゃめで進歩的な雰囲気ョ〜お付きの女官の伊藤かずえさんもいい感じ。


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2015年06月22日

「天皇の料理番」 第9話 皇居編〜ザリガニと御即位の御大礼

「会わんうちに会えんようになるんやのう、人いうんは・・・
せっかく会えたんやし、俊子は一緒にいてくれんか?
もう、わしにはこりごりか?」篤蔵
「・・・・篤蔵さんより長生きします。ほやから、安どしてください」俊子

 お兄やんが、また二人を結びつけてくれた。
篤蔵が命をかけて、命を燃やして作った料理・・・
それは外国の来賓の方々の舌をも納得させるものだった。

 遠く離れた故郷から弟の仕事を応援し、祈るように見守っていてくれた兄・・・
無事大役を務めたこと、そしてその仕事への賛辞を聞き、ほっとしたように逝った。
自分はこんなすばらしい仕事を成し遂げた天皇の料理番の兄なのだという誇りとともに。

「お国のために、はげめよ・・」

 最期の言葉はきっと届いていたはず。
篤蔵は周太郎という兄を持ったことを勲章にして生きていくと思うよ。
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 さて、振り返ってみようかねぇ・・・(ノω;`)
報告を終えた篤蔵(佐藤健)は兄・周太郎(鈴木亮平)のための一品を作った。

「もったいないのう・・・
陛下のお料理番となるお方の手ずからの料理とは。ありがたやありがたや・・」周太郎
「やめてくださいよ」篤蔵
「いただきます。・・・・・うん、うまい」
「・・・・・」
しかし、これからお前はお国のために働くんやのう・・・励めよ」

 痩せ細った兄の顔、その兄が大切に大切に味わうように口に運んで「うまい」と言ってくれた。
修行の成果を伝えられた安堵感と、兄が喜んでくれたという感動・・・
まっすぐに兄やんの顔を見ると泣いてしまいそうで、ずっと横を向いていた篤蔵・・・
きっと料理の持つ力と滋養が兄の体の隅々まで伝わりますように、そんな願いを込めて作ったのでしょう。

 やんちゃで兄に心配ばかりかけてきた篤蔵が、今は静かに労わる様に自分を見守っている。
周太郎は、その気配にも篤蔵の成長を感じたのではないでしょうか。
決して表にな出さないように・・・お互いがお互いを思いながら・・・
そんな心遣いが感じられる二人の静かな横顔に泣けてきたよ・・・


 大正2年(1913年)4月、篤蔵は故郷を後にした。
東京では懐かしのバンザイ軒にお世話になるつもりですョ〜

 相変わらず艶っぽい梅(高岡早紀)が迎えてくれたさ〜
でも、この5年の間に仙之介(佐藤蛾次郎)は亡くなっており、小柳という料理人が厨房を任されていた。

 梅が言うにゃ「大往生」だったそうで・・・
察するに腹上死的な・・・?( ̄▽ ̄;)
それとも吉原で、気持ちよく酔っ払いながら遊女のみなさんと御陽気に踊っていた時にぽっくり逝っちまったのかねぇ・・・
どちらにしろ、きっといい顔で死んでいったんだろうなぁ・・・


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2015年06月15日

「天皇の料理番」 第8話 パリでの卒業式

 明治45年(1912年) 初夏・・・

『パリに渡ってから3年。
篤蔵さんはメキメキと料理の腕を上げフランス料理界の最高峰
オテル・リッツに転職。
フランス料理界の革命児といわれたオーギュスト・エスコフィエのもとで働き
給料もその年齢の男子としては破格なものになっており
一流店と呼ばれる店にもたまには足を運べるようになっておりました』


 厨房ではかなり重要な立場におり、エスコフィエから学びながら料理人としての世界を広げていっております。かなり立派な部屋に引っ越し、新太郎(桐谷健太)も一緒だけど、フランソワーズ(サフィラ・ヴァン・ドーン)と同棲していましたョ〜。

 ある夜、フランソワーズと新太郎とディナーに出かけた篤蔵(佐藤健)はレストランの新聞で明治天皇崩御を知り、ショックで飛びだし、叫びながらセーヌ河岸を走ったさ。

 私には想像もつかないけど、その頃の日本人にとって天変地異と同じぐらい衝撃的な知らせだったらしく、篤蔵も新太郎も一日中泣いていたそうな。
フランソワーズがフランス人の友人に教えていたけど、天皇陛下は『ナポレオンみたいで、教皇様でもある』存在。まさに心の支えとも言える「アラヒトガミ」。
篤蔵たちにとって、その瞬間を海外で迎えねばならなかったということも無念というか申し訳なかったのでしょう。
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 大正2年(1913年)冬・・・
そのショックからも立ち直った篤蔵はサーモンのパイ包み的なレシピを思いつきエスコフィエに提案。
試食してもらったけど「この料理はコースの調和を壊す」と言われ、ちょっと落ち込んでいた。

 新太郎の絵は相変らず売れず・・・焦りを感じ始めていた。
「パリは何年たってもおいらに冷たいよ」

 そんな時、日本大使館の栗野(郷ひろみ)から篤蔵に天皇陛下の料理番の要請があったことが伝えられた。篤蔵びっくり仰天さ。

「わわっ・・・わし・・・福井の平民の出でぇ」
「ええ」栗野
「小学校しか出てませんし・・・寺も破門になってますし・・・
実家の金も 宇佐美さんのノートも盗んで・・・ひっ、人の女房も」
「二つ目からは聞かなかったことにします」
「いっ・・・いかんですよね、わしみたいなんが」
「料理人は料理ができればよろしいんじゃないでしょうか。
華族会館の宇佐美シェフという方が君を猛烈に推したそうですよ」
「宇佐美さんが・・・ですか?」
「私としてはありがたく お話を受けたほうがいいと思いますがね」

 宇佐美さんには宇佐美さんの考えがあって推薦してくれたんでしょうが・・・
遠く離れて3年、パリイにいちゃなかなか篤蔵の噂も届かないだろうに。
それでも篤蔵が精進していることを信じてくれていたんだねぇ・・・(ノ∀;`)
そして背中を押してくれた栗野のシンプルな言葉も良かったねぇ・・


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2015年06月08日

「天皇の料理番」 第7話 パリと差別と結婚

「パトロンは日本人ではあかんですか?
・・・あの・・・あかんですか?」篤蔵
「はい〜〜!」フランソワーズ

 ええぇ〜〜?!サブタイトルも「パリと差別と結婚」だし・・・
篤蔵、フランソワーズと結婚しちゃうのけ?Σ( ̄ε ̄;|||・・・
今は再婚先で子を成し、穏やかに暮らしている俊子じゃったが、
未だこころの夫は篤蔵・・・
「ジュテーム」の手紙を手に、この広い空で繋がっているパリイの篤蔵を思っているでないの・・

 あらだって、ほとんどの視聴者だって俊子との復縁を望んでいるはず。
フランソワーズはいい子だし、篤蔵の新しい恋を応援してやりたい
気持ちもあるんじゃが・・・
わたしゃ、とにかく俊子を幸せにしてやりたいんよ。

 でも俊子(黒木華)と篤蔵(佐藤健)がまた結ばれるためには、
篤蔵が帰国する頃にタイミング良く俊子の現旦那様が
死亡(かなり年上らしいしぃ〜)、
あるいはフランソワーズが死亡かパリに残る、
または他の男と一緒になる等の気の毒な経験を経なければならず・・・
どうしたもんじゃろうねぇ・・・(ーΩー )ウゥーン
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 それでは、振り返ってみませう。
明治42年(1909年)、篤蔵はフランスはパリィにおりました。
到着後、すぐに日本大使館の栗野慎一郎(郷ひろみ)の元へ向かいましたぞ。

 いや〜よく辿りつけたよね・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…
そしてここに来て初めてキャスティングに違和感を感じる今日この頃・・・
なぜヒロミGO?この役どうしてもヒロミにしたかったの???
川平慈英とかじゃダメだったの?


 まぁ、いい。
篤蔵は栗野に就職の斡旋を頼みました。
あいにく「小僧」の口しかないと言われたんだけど、潜り込みさえすれば実力でのし上がる気満々の篤蔵なのでした。

兄や〜ん!兄や〜ん!宇佐美さ〜ん!
わし、パリで料理できることになりました〜!
オテルマジェスティックってぇ〜〜
一流レストランです〜〜!
大日本帝国一のシェフに一歩近づきました〜!


 セーヌ川に叫ぶ篤蔵・・・きっと届いているさ〜

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2015年06月01日

「天皇の料理番」 第6話 愛と命の果てパリ

 『わしは帝国一のシェフになる』

 篤蔵から周太郎への手紙にはフランス語でそう書かれていた。
かつて勢いで東京に出てきた時に周太郎に宣言した言葉が
今、感謝を込めて強い信念と覚悟で綴られている。
ペテ公はさらに広い世界へと飛び立ちました。
HPはこちら


 さて、振り返ってみますかのう・・・
明治38年(1905年)・・・・
梅(高岡早紀)とそういう事になった篤蔵(佐藤健)は仙之介(佐藤蛾次郎)の留守をいいことにただれた関係を( ゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ!)続けております。
んが・・・さすがにこれじゃイカンという意識はあるようです。

「わしは一体何をしてるのかと・・・
帝国一のコックになると誓って出てきたのに・・・
華族会館は追われるし、嫁には離縁されるし、実家には勘当されるし…
あげくの果てに街の食堂で間男になって・・・
わし、一体何をしてるのかと・・・
わし・・・もうパリにでも行くしかないですよっ!」篤蔵
「何でパリなんだい?」茅野(芦名星)
「こうなったら心機一転パリにでも行って出直すしかないやないですか。
ほんぐらいやらんとカッコつかんやないですか」


このすっとこどっこい!
パリにでもでもだと!?でもって何なんだよ!
パリにでもって行くとこなのかい?パリはよ!
お前さん、パリなめるのもいい加減・・・」
新太郎(桐谷健太)
うるさい!いいかい、人間はどこにいるかじゃないと思うんだよ。
何をやるかなんだよ」茅野
「そうだそうだ」新太郎
うるさいっ!
どこにいてもできるやつはできるし、できないやつはできない。
ペテ公、まずは今んとこで地道に励んでいい結果を出すのが
まっとうだと思わないかい?」


 茅野姐さん、いいこと言ってくれるねぇ。その通りだよ。
そして篤蔵、パリをナメるんじゃねぇぞ。


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2015年05月25日

「天皇の料理番」 第5話 おさな夫婦の結末

「うちはカタツムリの殻やさけ・・・・
殻がなかったら、カタツムリも少しは早く歩けるさけ。
うちがおったら・・・あん人、好きなようにできんさけ。
宇佐美さんみたいにはなれんさけ。
一緒におったらぁ・・・あかん・・・あかんのです!」


 お母さんにだけ言えた本当の気持ち。
ここまで篤蔵のことを思ってくれるおなごがおるかい?
しかも篤蔵に嫌われるために悪者になりきって・・・( ノД`)
でも、俊子の覚悟がわかるほと篤蔵は大人の男ではなかった・・・
女将さんに誘われるがままに・・・・
も〜篤蔵のバカア!ヽ(`Д´)ノ てか、まだ署名してないから夫婦じゃんかよ〜!

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 さて、振り返ってみますかのぅ・・・
明治37年(1904年)11月、篤蔵は「バンザイ軒」という洋食屋で住みこみで働くことになった。
主人の森田仙之介(佐藤蛾次郎)は気のいいおっさん。
「うまかったらそれでいい」がポリシーで、ちゃんと利益を出せば篤蔵の好きにやらせてくれております。
奥さんの梅(高岡早紀)は色っぽ過ぎるのがアレだけど、働き者で仙之介を引き立てて店を切り盛りしている。

 華族会館で学んだ技術をバンザイ軒の厨房で生かし、工夫しながら心を込めて作る篤蔵の料理はお客さん達にも大好評。「おいしかったよ」というお客さんの生の声を聞き、感激しさらに精進する篤蔵なのでした。

 篤蔵の出て行った華族会館はどうなっているかというと・・・
居ずらくなった荒木(黒田大輔)が辞めちまったもんだからコック不足。
募集をかけたけど、料理を本気でやろうなんてもんはいない。
他に行き場所のないやくざ者ばかりが面接に来る。
奥村(坪倉由幸)は篤蔵を呼び戻すか宇佐美(小林薫)に確認したんだけど、
トップとしては、それはできないやね。
という訳で二人の抜けた穴を埋めようと辰吉(柄本佑)が一生懸命練習に励んでおります。

 良かった・・・(´▽`) ホッ 
以前の甘えずひがまずの辰吉に戻っている。
そのひたむきな努力は必ず報われるはずさぁ・・・
いつか立派なシェフになった姿を拝ませておくれよ。


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2015年05月18日

「天皇の料理番」 第4話 愛し君よサラバ

 いや〜俊子との手紙のやりとりがいいね〜 ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+
控えめだけど思いやりにあふれた俊子からのものと、
飾り気のない思いがドカーンと伝わってくる篤蔵からのもの。
夫婦としての時間がゆっくりと紡がれ始めたって感じだよね。

『追伸 ジュテームとは何でしょうか』・・・・(* ̄m ̄)
意味はわからなくとも温かい思いを感じた俊子は返事に「ジュテーム」がなくてなんとなく物足りない。
でも篤蔵が仕事に大きな喜びを感じているのが伝わってきて笑顔がこぼれております。
篤蔵から送られた安産のお守りの鈴を鳴らし、嬉しそうに見つめる姿に涙がこぼれそうになったよ。

 なんだろう・・
俊子って無いものを数えたりせず、今あるものの有難味をちゃんとわかっていて大切にしているよね。
きれいな生き方だなぁと思う。本当の賢い人ってこういう人なんだろうなぁ。
HPはこちら


 明治37年(1904年)・10月。
華族会館で野菜係に任命された篤蔵(佐藤健)は相変らず英国公使館の厨房も掛け持ちし、忙しい日々を過ごしていた。それは妻や生まれてくる子供のために一日も早くシェフになりたいというまごころから始まったことだったが・・・

 篤蔵に苛立ちを募らせる荒木(黒田大輔)は篤蔵の行動を探るよう辰吉(柄本佑)に命じた。
悪い先輩とはどこにでもいるもんです。自分にはできない全身全霊で努力している篤蔵が憎くてたまらない。荒木は辰吉の心の弱いところを突いて自分のところに引き込もうとしております。


「お前、あいつに抜かれてもいいのかよ?あとで後悔しても知らねぇからな」

 辰吉は気持ちを切り替えて自分に言い聞かせたぞ。
「料理は みんなでやるもんだ」

 でも荒木はしつこい。

「お前よ、陰で何て言われてるか知ってるか?役立たずだってよ。
小僧の仕事なぁ、お前は前のとおりにやってるだけかもしんねぇけど
みんなもう、あいつのゴマすりに慣れきってっからよ
お前が気が利かなく見えちまうんだよ
一番 割食ってんのはお前なんだよ、お前!」荒木
「そうなんですか」辰吉
「冗談じゃなくてよ、そのうちあいつがシェフでお前が下っ端みたいなことにもなりかねねぇぞ」

 それでも辰吉は頑張ったさ。荒木に逆らえず篤蔵をつけるはめになり英国公使館で働いていることを知っても黙っていてくれた。

「料理、習ってんのか?」辰吉
「あぁ・・いえ・・・」篤蔵
「とにかく当分英国公使館に近づくのはよしたほうがいいぞ」
「あの・・・荒木さんには言わないでおいてくれたんですか?
俺 隠し事すんのあんまり得意じゃねぇからよ。やめてくれると助かる」

 これが本来の辰吉。
苦労人らしく篤蔵の思いも荒木の憤りも受けて周りをおさめる方法を教えてくれている。
篤蔵を応援できる自分を誇らしく思ったはずなんだけど・・・
荒木が篤蔵を陥れるために嘘の指示を出し、その結果目論みとは反対に篤蔵のレベルアップした腕をみんなに披露する形になり、自分と比較した篤蔵への賞賛の声を陰で聞いた辰吉はぐらっと荒木側へ傾いてしまった。


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2015年05月11日

「天皇の料理番」 第3話 あいしてるの決断

 明治37年(1904年)9月。
篤蔵本人に署名して欲しいから東京へ会いに行くと宣言した俊子(黒木華)でしたが・・・
にゃんと 父・金之介(日野陽仁)が同行宣言。
こりゃマズイと俊子はこっそり明け方一人で家を出て東京へ向かいました。

 一方、華族会館の篤蔵(佐藤健)は絶好調。
常にコックたちの行動の先を読み、迅速に対応。重宝されております。
事前に調理用のバターを使いやすい大きさにカットしておいたら、料理長の宇佐美(小林薫)から「ペテ公(ペテナイフからくる小さいという意味)」というあだ名を頂戴しました。

 さらに宇佐美の発表するフランス語の料理名の意味をいちいち新太郎(桐谷健太)に聞いていたら、「仏和辞典」を賜りましたぞ!

 かわいがられてるーー!!
そりゃ料理名を一日も早く覚えようとあんなに必死にメモっている姿をみりゃ、何とかしてやりたいと思うさね。
って、呼び出された時に爪をやすりで削られると怯えた(宇佐美伝説・爪の伸びてた小僧の爪をやすりで深爪になるほど削った結果、怯えたそやつは逃亡。その後、川に浮かんだという・・・@新太郎ちゃん)のは内緒。HPはこちら


 先輩たちともうまくいっています。
特に見習い仲間の新太郎と辰吉(柄本佑)とは、いつも兄弟のようにつるんでおります。
ある夜、チーフの岡村のお誘いで吉原に初出撃しようとした瞬間、俊子が出現。
びっくらこいたったらありゃしない。
しかたなく、そばにいたみなさんに婿に入っていたことをカミングアウトしました。

 さらに小銭しか入っていない財布を手に俊子と晩御飯を食べに行こうとしたら、宇佐美とばったり。
東京へ来た経過をすべて話すはめになりましたとさ。

「み月で嫁を放り出し・・・養子先を家出・・・」宇佐美
「改めて聞くと・・・・ワシ、ひどいことしたように聞こえますね」篤蔵
「ああ。ひとかけらの真心もないな」
「篤蔵さんは悪気はないんです。コックになりたい一心で飛び出して」
「ほう!ほうなんです!」
「きっかけは何だったんだ?」宇佐美
「はい?」
「奥さんを捨ててまでこの道に飛び込んだ」

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2015年05月04日

「天皇の料理番」 第2話 料理はまごころ

「わかりました。しかし、その前に一度 東京へ参りたいと思います」
再婚を決めてきたと離縁状を周蔵に差し出した父親に俊子ははっきりと言いました。

『それは私にとって一世一代の決心でございました』

 その頃、篤蔵は緩んだ下駄の鼻緒を見ながらつぶやいていた。
「切れそうで・・・切れん・・・」篤蔵

 切れそうで切れん二人の縁。
俊子が繋ぐことで二人の縁は続いていくのでしょうか。

 篤蔵、こげなええ嫁手放しちゃいかん。
この嫁はあんたを本物の男にしてくれる器量ばもっとるよ〜

HPはこちら

 1904年(明治37年)春、篤蔵(佐藤健)の華族会館での修行が始まった。
んが、厨房の扉が開いた瞬間から度肝を抜かれることになった。
男が気絶して倒れており、その前には包丁を手にした恐ろしい顔の
宇佐美(小林薫)がいたのだ。
緊張しながらも挨拶をした篤蔵を宇佐美はちらと見ただけだった。

 そんな篤蔵のお尻が思いっきり蹴られましたぞ。

「たっ!」
さっさと洗い場行けっつってんだよ、チビ!」荒木(黒田大輔)
「はい〜」

 洗い場には山のように鍋が重なっておりましたとさ。

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2015年04月27日

「天皇の料理番」 第1話 〜時代を超える人間の愛と命の感動物語〜どうしようもない男が百年前に見た料理への果てなき夢・・・

 時は明治37年(1904年)福井県武生に「たわもん(怠け者)」で「のくてぇ子(おバカさん)」の「のく蔵」と呼ばれとるろくでもねぇ男がおった。
秋山篤蔵(佐藤健)、16歳。
剣道の指南役、軍人、米相場師、坊主、これこそが俺の仕事だと思い込んで始めても三ヶ月も持ちゃーしない。頼みの綱の寺からも暇を出されほとほと愛想が尽きた父親の周蔵(杉本哲太)は 鯖江にある昆布屋・松前屋に婿養子に出すことを決めた。お相手は松前屋の長女・高浜俊子さん(黒木華)。祝言は10日後。

 ずいぶん急いだもんだ・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…
お父さんの周蔵はキレやすい頑固者。
ついつい優秀な長男・周太郎(鈴木亮平)と篤蔵を比べがち。
周太郎は東京の大学で弁護士をめざし法律を学んでおります。
三男の蔵三郎(森岡龍)は父親の後を継ぐべく地主の勉強中。
四男の耕四郎(佐藤和太)はまだ小学生。でも篤蔵よりはしっかりしとる。
母親のふき(美保純)は篤蔵のやることにも大笑いできる明るくて大らかな性格。


 さて・・・嫁さんの顔が気になった篤蔵がそ〜っと偵察に行くと、すこぶるつきのお嬢様が見えた。
すっかり気を良くした篤蔵を指折り数えて祝言の日を待ったそうな。

 ところが・・・祝言が始まり、綿帽子をかぶった嫁さんがしずしずと近づいてきたのを見たら、この前見たのと違う!のく蔵は妹の光子(石橋杏奈)を俊子と間違えていたのだった。
あからさまにがっかり顔を見せた篤蔵に気づいた周蔵は蔵三郎に命じて脱出路を封鎖。逃亡を計った周蔵を捕獲後、眠り薬飲ませ祝言を成立させました。

 布団の上で篤蔵が目を覚ますと俊子が自分の着物を繕ってくれていた。
俊子から「うちから(結婚を)断りましょうか?」と言われビックリするが、「妹と比べられるのは慣れている」という彼女に近しいものを感じる。そして笑うと可憐な表情を見せた俊子と夫婦になることにしたのだった。

 ちょっとやそっとじゃ動じないしっかり者の俊子はとても素直でチャーミングな女性でした。
篤蔵の変顔を一生懸命真似る姿が愛らしかった。
黒木華さんにぴったりの役ですな〜


 篤蔵の若旦那修行が始まりました。
鼻のいい篤蔵は昆布の原産地を嗅ぎ分け、間違って別の産地のものと混じっていたのを識別し当主の金之介(日野陽仁)や番頭さんをびっくりさせた。
篤蔵も仕事に意欲を見せております。

「わし、この仕事向いてるんかもしれんわ。
前に東京に出とる兄やんに「コレいう仕事見つけろ」って言われたんやけど
わしの場合、こういうことやったのかもしれん」篤蔵
「こういうこと・・・ですか?」俊子
「志が どうのいうより嫁のためやと思うたら励めるっていうかのう」

 夫婦仲は円満。俊子の笑顔も増えましたぞ。
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matakita821 at 17:26|PermalinkComments(12)TrackBack(9)