「アルジャーノンに花束を」

2015年06月13日

「アルジャーノンに花束を」 第10話(最終話) 奇跡のラスト!〜私から僕への遺言

『進むべきかとどまるべきか、
人は何度もその選択に悩まされる。
どちらを選択しても後悔するような気がして。
逃げ出したくなるときもあるだろう。
けれどそこにこそ、生きる意味が隠されている』


 どんな選択をしても、選ばなかった未来に焦がれてしまう。
人間はわがままで強欲な生きものだ。
そしてひとつの選択に辿り着くまで、自分だけでなく多くの人間をも苦しめてしまう事がある。
それでも人間は選ばずにはいられない。それが生きている証だから。
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 遥香(栗山千明)に説得するよう頼まれた窓花(草刈民代)が咲人(山下智久)に会いに来た。

「身勝手なのよ。自分勝手なのよ、あなた達は。
あなたもあの人もカッコつけて、いい人だって思われて
だけど・・・一番身近にいる人間のことは何も考えない。
家族のことをまるで考えてくれない。
人のためって自分の体のことも考えずに腎臓まで他人に提供して
私に何の相談もなく・・・
一番愛してる人を一番大切に考えるのは当たり前のことでしょ。
そんなことも分からないの?バカみたい」窓花
「・・・・・」咲人
「笑ってごまかすのはやめなさい」

 幼い頃は自分から逃げてばかりいた母が、超知能を得てからも向き合おうとしなかった母が、今、初めて壁を取り払い、生の声を聞かせてくれている。

 夫への恨みつらみは愛情があるから。
仮面の内側には複雑な思いが渦巻いていた。
窓花の屈折した愛情を理解し包んであげられるほど咲人は成長していました。


「すいません。ホントにバカですね。いや、バカだった。
僕はあなたに抱きしめてほしくて、ずっとお利口になりたいと思ってた。
だってママだから。
あなたはこんなひどい母親になぜ会いたがるのかと言ってたけど
だって、それはママだから・・・ごめんなさい」咲人
「何で謝るの?」窓花
「ママだって抱きしめてほしかったんだよね。
ホントはママのほうが抱きしめられたかったんだ。
ごめんねって。ありがとうって」

 嗚咽をもらす窓花を咲人は抱きしめた。
お母さんに愛されたくて、抱きしめられたくて、報われない思いに苦しみ続けたけど、今の咲人はすべてを受け入れている。時間がかかったけど窓花の心も解き放たれ、やっと親子の心が繋がった感じだね。


アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)
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2015年06月06日

「アルジャーノンに花束を」 第9話 終幕・・・対等のトモダチとの永遠の別れ

 さて、「ドリームフラワーサービス」では朝っぱらから派手なケンカがおっぱじまっております。
失恋しちゃったのかしら〜?鹿内(勝矢)と、梨央のことでヤケになっている康介(工藤阿須加)が店内の破損も気にせず殴り合い。周りのみんなは囃し立てるだけ。
呆れかえった竹部(萩原聖人)の一喝でやっとクールダウンしたさ。

 その夜、竹部は自分のお腹の傷を見せ、みんな(康介はいなかったけどさ)に初めて自分自身の話をした。
若い頃の竹部はかなり荒んでおり、定職にも就かずに機会を見つけては誰彼かまわず怒りをぶつけ発散させる日々を送っていた。ある時、具合が悪くなり病院へ駈け込んだら、かなり悪化した急性腎不全(名無しさん、ご指摘ありがとう〜♪)で死亡する可能性もあると告げられてしまった。

 入院生活を続けていると、どこで聞いたのかたいして親しくもない田舎の学校の先輩が見舞に来てくれるようになった。竹部は、この人は自分より不幸な人間を見て満足しているんだな〜と思っていたが違った。
彼は竹部のために自分の腎臓を提供してくれたのだ。

「ありえねぇ・・・ありえねぇだろ・・・そんな話。
いいか?お前ら。この世には紛れもなくそういう人が存在する。
せっかく医者になったって銭金じゃねぇ、
戦地とか自分の命が危ない所に行くような人間がいる。
震災じゃボランティアが3万人現地に入ったそうだ。
そりゃ、中には見物感覚やミーハーみたいな気持ちで行ったヤツもいたろう。
だけど・・・本当に いるんだよ!
困ってるヤツを見たら何とかしてやりてぇ。
そんなふうに感じちまう根っこから優しい人間がさ
」竹部

 その人は手術を受けたために、家族もいるのに会社もクビになり
体調も中々元に戻らず、再就職もできなかったらしい。

「分かるか?お前ら。
そういう人に出会っちまうと、俺みたいな荒んだ人間でも
心の隅っこの方に・・・種を まかれちまうんだろうな。
人には優しくしなきゃいけないっていう、そういう種をさ。
だから、それから長い年月がたって
お前らみたいな何かしら事情のあるヤツを
ボランティア気取りで雇うようなことを始めた。
ただ・・・今朝みたいなことがあるとさ、鹿内・・・
俺はやっぱり・・・所詮ニセもんなんだな〜って思い知る!
お前らの心に・・・ニセもんの俺じゃ種まいてやれねえんだ。
コレ、説教じゃねぇからな」

 ニセモンでもね、やり続ければホンモノになれるさ。
アンタがニセモノだったのか、ホンモノになれたのかは人生が終わった時にわかるんじゃないのかな。
とにかく、この子たちには竹部が人生を賭けて一緒に生きていこうとしているんだって事が伝わったと思うよ。

 竹部に腎臓をくれたのは、多分、咲人(山下智久)のお父さん。
「優しい」だけではできないこと。
久人(いしだ壱成)にも久人なりの強い思いがあったのでしょう。
その結果、久人は命を削り亡くなってしまったのかもしれないけど、その行為は竹部の生き方を変えさせ、命は受け継がれている。
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2015年05月30日

「アルジャーノンに花束を」 第8話 最終章!儚い夢の終焉と最後の希望!

 さて・・・咲人(山下智久)と遥香(栗山千明)の生活が始まりました。
も〜見つめ合うだけで頬を染めるお二人さん・・・
幸せそう・・・(///∇//) キャッ! おばちゃん照れるわぁ〜
愛を確認しあった記念にお互いに時計をプレゼントしあいましたぞ。

『時間はままならないものだ。
昨日もおとといも決して取り戻すことのできない。
時間は残酷だ。
時に私達を飲み込み身動きもさせない。
それでも時間は愛おしい。
今の1秒、未来の世界を、
大切なあなたと同じ時を刻むものであるのなら』


 やっと出会えた大切な人との時間・・・
咲人は初めて心から人生を愛おしく思えたのではないでしょうか。
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 さて、咲人の抜けた研究センターでは杉野(河相我聞)が不穏な動きを見せております。
河口(中原丈雄)に接触し、咲人の協力を得て梨央(谷村美月)の治療薬を開発すると提案。
その後、二人に職場を紹介すると遥香を誘いましたぞ。

 杉野は河口がパトロンとなってKTM脳神経研究所とやらの所長待遇で研究ができるそうな。
咲人が作り出す治療薬は手土産でしょうか〜?
大人しい顔して、意外とやるわね。
遥香はその話を咲人にもしていないし同意もしてないのにさ。


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2015年05月23日

「アルジャーノンに花束を」 第7話 壊れる絆・・・全てを失っても愛に生きる

「例えば学校に落ちこぼれは一切いなくなる。
知能が低いというコンプレックスから他人の悪口を言う攻撃的で野蛮な人間はいなくなるのです。素晴らしいことではありませんか。
全ての人が人間としての英知を手に入れれば差別や戦争はなくなる。
穏やかで静ひつな平和な未来社会が実現します」咲人

 蜂須賀(石丸幹二)の受け売りでしょうがね・・・
世の中そんな単純じゃないと思うが・・・これだから学者バカは ゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ!


 でも、ま、学会での発表はつつがなく終わりました。
咲人という生きた標本が訴える力は説得力があり、海外メディアからの反響も大きかった。
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 咲人は客席の中や記者会見の席で父・久人(いしだ壱成)の姿を見ていた。
これは父からの警告なのか・・・それとも・・・不安を感じる咲人(山下智久)。


 咲人は控室に訪ねて来た妹・花蓮(飯豊まりえ)を冷たく追い返した。

「あの頃のことは小さかったからちゃんとは覚えてないの。ごめんね。
でも私、お兄ちゃんが大好きだったってことは何となく覚えてて・・・」
「それは記憶違いじゃないかな。
君はよく僕のことで母にダダをこねていたよ。なぜ自分の兄はこんなにバカなのか。
こんな兄のせいで友達に笑われる。恥ずかしいと言ってね」
「私が・・・?」
「忘れてしまったみたいだね
人間は自分に不利な記憶を都合良く忘れてしまうものだから、当然といえば当然か」
「咲ちゃん、そんな昔のこと今さら・・・」小久保(菊池風磨)
「疲れてるんだ。出てってくれないか」
「お兄ちゃん・・・」
「出ていけ」

 この前、母親に会いに行った咲人は自分が復讐に来たと母親が思ったと言っていたけど、復讐したかったのは自分なのでは・・・?
でも、それは愛情を激しく求める気持ちの裏返し。
理屈ではなく心が母親を求めている。


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2015年05月16日

「アルジャーノンに花束を」 第6話 孤独が天才を連れてくる…蓋された心

「白鳥咲人さん、どうぞこちらへ!」
大きな拍手で迎えられた咲人(山下智久)・・・
これは賢くなった自分への喝采の拍手であり、新生・白鳥咲人誕生を祝ってくれている喜びの拍手と思ったでしょうか。
 
 全く違っていた。
咲人は実験の成功を証明する素材でしかなく、喝采を受けているのは蜂須賀(石丸幹二)のみ。
ステージに立っているのは蜂須賀によって作られた美しいフランケンシュタイン。
白鳥咲人は消えてしまったのだ。
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 咲人は梨央(谷村美月)と一晩を共に過ごした。

 えーーと・・・同じベッドに寝ていて、二人とも裸だったけど、何もなかったらしい。
これってALGの副作用とかじゃないよねぇ・・σ( ̄、 ̄=)
ただ単に梨央が趣味じゃなかったという・・?


 この夜を境に咲人は変わった。
苦しみや悲しみに耐えるために心に蓋をするということを覚えたのだ。
咲人は遥香からもらったイヤリングを引出しにしまいこんだ。

『もう・・・何度も心の中で繰り返している。これは大したことじゃないと。
好きな女性が別の人を好きだった。ただそれだけの話だ。
理性の力で心に蓋をすればいい。
そうすれば・・・この痛みも時間とともに消えていくだろう。
そう・・・心に・・・蓋をすればいいだけだ』


 咲人は蜂須賀のキスを遥香(栗山千明)が望んだことと思っていた。
釈明しようとする遥香の言葉もシャットアウト。
拒絶された思いはすがるように母へと向かっていった。
賢く立派になった自分を母は抱きしめてくれるに違いない・・・咲人は思っていた。

 ところが玄関で迎えた男性が咲人だと知ると窓花(草刈民代)は怯え、差し出した花束を叩きつけた。
室内に逃げた窓花を追うと、彼女は恐怖で錯乱した。

 咲人が母親に会うと知った竹部(萩原聖人)の「そんな単純じゃないんです」という言葉を聞いた遥香が慌てて窓花の家に行ってみたら・・・
室内は荒れており、窓花は娘の花蓮(飯豊まりえ)に抱きついて泣きじゃくるばかりだった。咲人の姿はなかった。

 咲人を捨てた窓花だったけど、それで心に平安が訪れた訳ではなかった。
自分の子供を捨てた母親の苦しみはそんな単純じゃない。
咲人を受け入れられない自分を否定し、責め続けてきたのでしょう。
咲人の存在を心の中から消すことで平衡を保ってきたけど、現実の咲人を目にして罪を突き付けられたように思ったのかもしれません。


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2015年05月09日

「アルジャーノンに花束を」 第5話 輝く世界の果てに待つ愛 奪われたキス

 咲人(山下智久)に手術の成果が表れ始めた。
研究チームの能力テストでもアルジャーノンを上回る結果をだし、知的好奇心も拡大している。
『ドリームフラワーサービス』では、咲人がりっぱに電話応対をこなしたのを見た同僚たちが大喜び。
「咲、お前すごいじゃないか!」社長(萩原聖人)

 みんなが喜んでいる。笑顔になってくれた。
お利口になった咲人はどんなにか嬉しかったでしょう。


『ぼくはお利口になりました。
お利口になって、ぼくの世界は変わりました。
世界は、ぼくの知らなかった楽しいものでいっぱいです。
でも変わらないものがあります。
それは・・・そばにいると、ただ嬉しい人がいます。
その人といるだけで、ぜんぶが楽しくて
その人といるだけで世界がキラキラしてみえるのです。
この気持ちは何と呼びますか?』


 何と形容したらいいのかわからない、でも自分の中心にある何か大切な思い・・・
その思いについて考えた時、咲人に思い浮かぶのは父の記憶・・・


 13年前、父に連れられて咲人は『ドリームフラワーサービス』に来た。
そこにはいろんな種類の花があった。

「見てごらん。ここに並べてあるお花は全部誰かから誰かに届けられるものなんだ。
言ってみりゃ、全部が誰かの愛なんだ」久人(いしだ壱成)
「あい?」咲人
「そうだよ。世界には愛があふれてる。そう思わない?
父さんもずーっと咲人のこと 愛してるよ」


 一番欲しかった母親からの愛情がもらえなかった咲人。
大人になった咲人が愛されなかったことに悩む日がきたら・・・
見回せば世界中に愛が溢れていること、いつでも咲人の回りには愛が存在していることに気づいて欲しい、
そして父親である自分はいつでも咲人を愛していたということを思いだして欲しい。
余命宣告を受けていた久人は祈るように言葉を残したのでしょう。


『パパは 世界には愛があふれているといいました。
ぼくのこの気持ちは愛とよぶものでしょうか』

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 咲人はかなり難しい計算も暗算でできるようになったし、様々なジャンルの本から知識を得るようになっていた。
研究センターに来ると咲人はアルジャーノンの入っているケースを手に研究室にこもり勉強を続けた。

「ピーナツはレシチンはいってます。頭よくなります。
ぼく、あるじやのんとたいとうになります。はい」咲人

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2015年05月02日

「アルジャーノンに花束を」 第4話 手術失敗 !? あなたの為に起きて・・・奇跡

 手術は成功したが、アルジャーノンに起きたような目ざましい変化は咲人(山下智久)に顕れなかった。
蜂須賀(石丸幹二)は「ACC(脳内において心の痛みや嫉妬を司る部位)」に刺激を与えれば、それが引き金となり脳が活性化すると考え、そのために遥香(栗山千明)を使おうと考えたようです。
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 退院した咲人は投薬のために時々病院に通うことになった。
「ぼく・・・おりこうになりました?」
「まだ効果は出てこないけど、もう少し待てば効果が出てくるはずだから」遥香
「いつ、おりこうになりますか?いつおりこうになる?」
「それは・・・まだ何とも言えないけど・・・こう考えたらどう?
このハンバーガーは列に並ぶ時間が長ければ長いほど
お腹がすいて美味しく感じると思うの。
今回の手術だって同じ。
待つ時間が長ければ長いほどお利口になった時は嬉しいと思うの」
「うん」
「必ずお利口になるから信じて待ってみようね」

 職場に戻った咲人が以前と変わらなかったので、社長(萩原聖人)も隆一(窪田正孝)も康介(工藤阿須加)も手術の効果は無かったとみなし、ちょっとほっ・・・。
退院祝いの鍋の席で手術のことを聞いた梨央(谷村美月)も「私は咲人さんは変わらなくて良かったと思います」と。

 でも静かに変化は起きていた。

 「ドリームフラワーサービス」では草野球の試合を控え、みな練習に励んでおります。
いつも咲人がいる限り勝てないと諦めていたんだけど、康介を加えたんで勝てる可能性が出てきましたぞ。
おかげで咲人は補欠になっちゃった。

 野球にはお父さん(いしだ壱成)との思い出があった。
咲人の力を信じ「咲人が輝けること」を一緒に探してくれた久人・・・
パパとキャッチボールをした時間を思いだす度に咲人は懐かしく、そして切ない気持ちになる。

『ぼくのパパ ぼくにたくさんのことおしえてくれました。
でも ぼく ばかだからいっこもできません。
おりこうなったら パパよろこぶでしょう。
きっとままもぼくに いいこいいこしてくれるでしょう』


 パパのために、そしてママに認めてもらうためにも、ホームランが打ちたい。
それが咲人の願いなのです。


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2015年04月25日

「アルジャーノンに花束を」 第3話 超知能への手術!世界一好きな人の為

 知能を向上させる臨床試験の候補者となった咲人(山下智久)への適性テストが始まった。
しかしロールシャッハテストをしても「えのぐこぼしたところ」としか答えないのを見た蜂須賀(石丸幹二)は『想像力の欠如』と見なし被験者に決めかね、経過観察のため遥香(栗山千明)に咲人の「人間らしい情動」を記録するよう命じた。

「喜び、怒り、悲しみ。感情の動きが見たい。
その上で臨床試験を行うかどうか判断する。
それと欲求だ。食欲、睡眠欲、所有欲、それと・・・・異性への興味の有無も」

 一方、研究所に通うようになった咲人は新しい言葉を覚えた。
それは「お嫁さん」。意味は「世界で一番好きな女の子」(のちに同僚達の言葉によってだっこしたい、おっぱいをモミモミしたい相手と補足された)
食欲が無くなったアルジャーノンのためにお嫁さん候補が何匹も集められたのよ。
「君はいないの?そういう女の子?」小久保(菊池風磨)

『あるじゃのんにおよめさんできるそうです。
あるじゃーのん、よかったね。
ねずみさんもひとりぼっちはさみしいでしょ。
ねずみさんもにんげんもおなじです。
ぼくにもおよめさんできるかな』


 咲人の世界が広がっていく。
手術を受けなくても、こうやっていろんな人に会ったり、
行ったことがない場所に行くだけで刺激を受けるだろうし、違うんじゃないかなぁ・・・
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 遥香を伴い咲人と食事に行った蜂須賀は彼を被験者に決めた。
「世界で一番大切な女の子」を「ままです」と答えた咲人の中に遥香への特別な感情が生まれつつあることを見抜いたからだった。

 咲人はその感情が何というものかは知らなくても、そこにいる人間が抱いている感情を敏感に察知する。
その場が険悪になりそうだと和まそうとして笑わせるし、遥香が蜂須賀に愛情を抱いているのにも気づいていた。
「だめ。はかせ、せかいでいちばんすきなおよめさんいます。だからだめ」

 これは咲人がもともと持っている性質なのか。
咲人のことで両親がケンカばかりしていたという環境の中で得た知恵なのか。
それとも脳で判断しない代わりに自然と感覚が教えるんだろうか。


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2015年04月18日

「アルジャーノンに花束を」 第2話 対等な友情、親友のために溢れでる涙

 さて、『ドリームフラワーサービス』では給料日になり、従業員の皆様笑顔になっております。
咲人(山下智久)はお金を貯めて車を買いたいそうで、自前の貯金箱にしまっていたぞ。

 車は何か家族の思い出に繋がるのかしら。
それとも車に乗ってお母さんを探しに行きたいのかなぁ・・・


 そして隆一(窪田正孝)の母・京子(田中美奈子)がお金の回収に来ております。
どうやら毎月、給料のほとんどを巻き上げていく模様。
ちょいと壊れかけている雰囲気。

 夫から誕生日のサプライズを期待しているようですが、
そばにいるんだかどうなんだか。訳アリふう。
抵抗するでもなく苦笑しながら何枚か抜いた給料袋を渡す隆一はもう諦めているのか。


 そして「脳生理科学研究センター」ではARG投与の臨床実験の被験者が見つからず蜂須賀(石丸幹二)を苛立たせていた。

 施設を回り、協力を頼んでいるんだけどリスクゼロではないからねぇ・・
人体実験になんて同意できないよね。
 

 小久保(菊池風磨)は犯罪者に協力してもらうことを提案したけど、
「犯罪者を被験者にするなんて論外だ。
研究対象の大事な第1号なんだぞ!
いうなれば 私にとって息子のようなものだ」と蜂須賀に全否定されてしまったわ〜
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2015年04月13日

「アルジャーノンに花束を」 第1話 無垢な夢、愛・友情がもたらす奇跡

 んーーーこのサブタイトルは、いかにもな感じで〜ちょ〜っとやっぱり書くの止めるか?って思わされるけど〜( ̄▽ ̄;)アハハ…
いや〜山Pのこと見直しただよ(ファンの方、スマン!)
申し訳ないけど、役者としての山下智久さんに興味を持ったことはなかったのですが
変貌していく(原作読んでないし、前回のドラマ化も見ていないので大まかなあらすじしか知らないんだけど)咲人を山Pがどう演じるのか見てみたくなりました。
制作側の術策にまんまと落ちておるが・・・(ーΩー )ウゥーン
まぁ・・・おもしろければよかろうもん。
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 一回目は登場人物たちの背景が描かれましたョ〜
主人公は白鳥咲人(山下智久)、28歳。知的障害者で知能は6歳ぐらい。
竹部順一郎(萩原聖人)の経営する『ドリームフラワーサービス』で働いている。
竹部は少年刑務所にいた少年達を社員として受け入れており、ここにいる者はほとんどが訳アリだそうな。

 って、萩原聖人さんが出てくるだけで胡散臭い胡散臭い・・・ ゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ!
更生しようとしている若者や頭の弱い咲人から搾取しようとしてんじゃないの〜?って疑ったけど普通に善人らしい。


 咲人の父親・白鳥久人 (いしだ壱成)は世話になった先輩で13年前、15歳の咲人を頼まれて以来、面倒をみている。

 って、久人はどこへ行ったんじゃい?
奥さんの白鳥窓花を草刈民代さんが演じていて、夫を年の差婚のようないしだ壱成さんが演じているってことは過去の映像でしかもう出てこないのけ?亡くなっちゃったの?それとも失踪??


 母親の窓花は知的障害の咲人を嫌い、断絶状態にあるらしい。
窓花から言われた「ばかな子は嫌い」という言葉は咲人の心の深い傷となり、今でも彼を苦しめている。

 職場の子たちもやんちゃだけど、おおむねいい子たちだぞ。
コンビを組んでいる柳川隆一(窪田正孝)はイカサマ使って咲人から金を巻き上げたりするけど、根っこのところではちゃんと気にかけている。
銭ゲバ的なところがあるのは育った環境かしら。

 少年刑務所から出所したばかりの檜山康介(工藤阿須加)は最初反抗的だったけど、咲人には兄のような優しさを見せていたわ〜
DV父から母親を守るために刺し入所していたが、当の母親は出所日に迎えにも来ず縁を切ろうとした模様。

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