「Nのために」

2014年12月20日

「Nのために」 最終話 明かされる事件の真実・・・N達の未来   

 美しいラストでした。
希美は苦しみから解き放たれ、自由になった。
何も考えず安心して身を委ね、抱きしめられる安心感・・・
彼女は慎司のそばで穏やかに充実した時間を過ごして逝ったのだと思う。
最期まで前を向きながら・・・
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 さて、振り返ってみますかのぅ・・・(`;ω;´)
2004年12月24日、事件発生時。
希美(榮倉奈々)は、安藤(賀来賢人)を僻地に送る満足感に浸っている野口(徳井義実)の前で策を巡らせていた。


『どうすれば安藤を守れる…どうすればいい?』

 その頃、やっと到着した西崎(小出恵介)は1階で安藤と鉢合わせしていた。
「バイトをしている」とごまかしたが、すぐに安藤は自分以外の、慎司をいれた3人で計画を進行させている事に気付いた。


 てか、西崎よぉ、いらんこと言うんじゃねぇよ!
アンタのそういうアレが魔を呼ぶんだっての。


「縁があるというやつじゃないのかな.
何しろ彼は杉下の罪の共有、究極の愛の相手だ。なかなかいい奴だ」西崎

 これで安藤はスイッチが入り、一度ラウンジへ行ったけど48階に戻ってきた。


『そんなのは愛じゃない。それはただの自己満足だ。

 そして西崎はやっと会えた奈央子の思いがけない言葉にショックを受けていた。

「助けて」奈央子
「わかっている。行こう」西崎
「違うの。私じゃないの。希美ちゃんを連れ出してほしいの!
奥の書斎に主人と二人っきりでいるの。
あの子、いつも私に隠れて主人と連絡を取り合ってる!
今日の食事会もあの子が主人をそそのかしたの」
「・・・・違う」
「早く希美ちゃんを連れて帰って
仲がいいんでしょ?あなたならできるでしょ?」


 はあ?!Σ( ̄□ ̄;) 何だよ、ソレ?!
それなら最初っから、希美と夫が怪しいのって言えよ!
単なる邪推の夫婦ゲンカに他人を巻き込むなよ!

 いや、西崎が勝手に奈央子と自分を重ねて暴走してしまったと言えばそうなんだが・・・
なんだコレーー!!誰かーー!たすけて〜!


 48階に行き、野口の部屋の呼び鈴を押そうとした安藤は・・・

『杉下、本当に困ったら誰に助けを求める?
誰に頼る?俺に電話をかけてこい』


 野口の部屋の扉に外チェーンをかけて、ラウンジで希美のからの電話を待った。
安藤の賭けだった。


Nのために (双葉文庫)Silly (初回限定盤A)
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2014年12月13日

「Nのために」 第9話 最終章〜前編〜今夜事件の幕が開く!   

『そのとき考えていたのは大切な人のことだけだった。
その人の未来が・・・明るく幸せであるように。
みんな一番大切な人のことだけを考えた』


 事件当夜、それぞれが大切なNのために行動した。
希美(榮倉奈々)は安藤(賀来賢人)の未来のために、西崎を裏切り、、
奈央子(小西真奈美)が出ていこうとしていることを野口(徳井義実)に伝えた。
そして西崎(小出恵介)は野口を殺してしまった奈央子(多分)のために罪をかぶった。
その後、多分、奈央子は自殺。
慎司は希美のために、西崎の供述を裏付けられるよう状況を整えた。
とすると安藤は本当に中で何があったのか知らないのか?

 ラウンジで安藤と会った後なら安藤も野口に何かをしかけたんじゃ?って思うけど、
事件はラウンジに行く前に起こっているんだよね?
やはり安藤がチェーンをかけた理由がわからない・・(ーΩー )ウゥーン
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 さて、振り返ってみましょう。
青景島で高野(三浦友和)は置手紙を残して消えた夏恵(原日出子)を捜していた。
手紙にはささなみの放火犯人のことが書かれてあった。
高野は同じく島に来ていた慎司(窪田正孝)連絡を取り、手紙の内容を確認してもらいました。

 やはりさざなみに放火したのは慎司の父・周平(モロ師岡)でした。
火事の連絡を受けてさざなみに向かった夏江は火をつけそのまま死のうとしている周平を見つけたのでした。

 店を売っても借金は返せない。
自分が死ねば、生命保険で慎司を大学に行かせることもできる・・・そう思いつめた発作的な犯行だった。


『泥沼でもがくような周平さんを見ていられなかった。
周平さんに疑いがかからぬよう放火の事実を隠し、証拠品から指紋を拭き取りました。
警察官の妻でありながら」犯人隠避罪証拠隠滅罪という二つの 重い罪を犯しました。

あの日から何もかも変わってしまいました。
私が話せば たくさんの人が取り返しのつかないことになる。
私の罪で茂さんが駐在の仕事を失うのは、たまらなく苦しく
14年間隠しておくことしかできませんでした。

茂さんが定年を迎え事件が時効を迎える前に、ここに すべてを告白します。
どうか許してください』


 あの夜、周平も慎司も闇に落ちていきそうな自分を感じていた。
希美から奪って持っていたオイルを海に捨てなければ慎司が火をつけていたかもしれない。

「それから親父は俺とあまり目を合わせんようなった。
何もかんも投げやりやったし・・・やってしまったことに耐えられんかったと違うかな」慎司
「お前は・・・分かっとったんやな」高野
「うすうす分かっとって最後まで聞けんかった。
俺が疑われとったし、それでええと思った。夏恵さんにはすまんことして・・・」
「夏恵のことはええけん。夏恵には俺がついとるけん」
「バカや。親父は・・・」
「許してやり」
「できんよ。今でなくてええけん。 いつか許してやり」


 「いつか」という言葉に泣けたよ・・(ノω・、) ウゥ・・・
生きていれば「いつか」は必ず来る・・と私も信じたい。
淡々と話す慎司から深い悲しみが伝わってきた。
そして父への愛情が。
感情を荒げることのない慎司だけど、こころの中でどれほど激しい嵐が吹き荒れたことか。
一人で乗り越えてきたんだねぇ・・・

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2014年12月06日

「Nのために」 第8話 エリート夫の嘘と罠・・・炎に消えた真実  

 燭台を手にし振り下ろそうとする奈央子・・・
亡くなった順番は、やはり野口→奈央子?
いや、でも殴った場面は映っていなかったから、誰かが奪い取って殴ったやもしれぬ・・・(-_-)ウーム

 そして奈央子は自殺?でも夫婦だけで殺し合ったんなら、希美たちもさすがに警察に連絡すると思うから西崎以外の3人・・・?
でも、希美は安藤を作戦に巻き込まないよう気を配っていたはず。
もし巻き込まれたとしたら、それは安藤が望んだ結果なのか?
西崎の途方にくれた顔・・・希美の衝撃を受けた顔・・・暗い目の慎司・・・
進んだようで進んでいない2004年12月24日の場面。
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 オープニングは事情聴取を受ける西崎(小出恵介)の犯人アピール。
野口(徳井義実)を「クソみたいなヤツ」と罵り、顔見知りである希美に犯行現場を見られたから罪を認めるしかないと思ったと供述。
「俺には失うものは何もない。
それなら奈央子のことだけを思いながら、それに見合った刑を受けようと思った。
反省も後悔も していない」

 できすぎと言えばそうだけど、西崎が犯人らしく振舞い自白したことから、4人の供述は受け入れられ
『スカイローズ・ガーデンセレブ夫婦殺人事件』は終結した・・・・ことになった。


 2014年旅行で青景島を訪れた高野(三浦友和)と夏恵(原日出子)は父・周平(モロ師岡)の墓参りに来ていた慎司(窪田正孝)と再会。
で、高野は改めて14年前の放火事件のことを尋ねた。

「お前と希美ちゃんを疑う気持ちが、どうにも消えん。
何でこんなことになったんぞ・・・何で二人を疑わんといけんのよ。
二人は辛い目に遭うて、それでも精いっぱいやっとったんを俺はこの目で見たろが。
何べんそう思うても疑いが晴れん。
これを 放ったままじゃ、俺はよう生きていけん」野口


 普通に考えりゃ失礼な話だよね。
違うって何度も言ってんのに偏執的に事件をおいかけてるんだから。
これは警官としての勘なのか、人間として自然と湧き上がる違和感なのか
何かが違うって感じるんだろうね。

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2014年11月29日

「Nのために」 第7話 語られる事件の悲劇…歪んだ愛の代償 

 奈央子を殺したのは野口ではなかった・・・
西崎は野口の手に包丁を握らせていた。
普通に考えれば胸についている血の痕から希美?
でも、何で希美が奈央子を殺す?
奈央子が西崎に対してあまりにもひどい言葉を発したからか?

 そして希美が奈央子を殺したんだとしたら、野口をやったのは安藤?それとも慎司?
西崎は殺しについては全く加担していないのだろうか。

 2004年の事件当夜の場面が今回はちょこっとしか流れなかった。
「お前さえいなければ!」と玄関で野口(徳井義実)が蹴っていたのは西崎(小出恵介)。
その背後に倒れていて起き上がったのは奈央子(小西真奈美)。
それを呆然とみている希美。
包丁を持ち出したのは奈央子?

 そこからどんな展開があったのか、野口と奈央子の死体の回りには・・
奈央子の遺体に寄り添う形で西崎、野口の背後に安藤、
野口の頭部のあたりに希美と慎司が立っていた。


 もしかして死んだ順番は奈央子、野口ではなくて野口、奈央子の順?
でも野口が殺される理由はわかるけど、奈央子を殺す理由が希美たちにあるのか?
意外と奈央子は自殺とか?
あんな夫でも愛していたから殺されたのを見て自殺したとか?
わからん・・・(ーΩー )ウゥーン
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 2014年、高野(三浦友和)に「2004年12月24日何があったのか、私が知っていることをすべてお話します」と希美(榮倉奈々)は言ったけど、真新しい情報はなかったぞ。

 あの夜、希美は野口に不利な形で中断していた安藤との対局の対策を考えるため安藤より1時間ほど早く野口家に入り、書斎に居た。
安藤に将棋を教えたのは自分だからある程度は読めたんだけど、毎回負けた体になっている安藤のことを思い、「今回は 勝てないかもしれません」と野口に告げ考えるフリをしていた。

「そんなこと しなければよかった。
早めに野口さんが気に入る手を思いつけば、私は もっと早くに書斎を出ていけたんです」希美

 そうこうしているうちに野口は安藤から呼び出されラウンジに行くため書斎を出たんだけど、大きな物音がして行ってみたら、野口が倒れており、燭台を手にした西崎がいた。
西崎は「自分が殺した」と言った。


 奈央子が先に殺されたんなら、叫び声ぐらいは上げたはずだから、その時に希美は書斎を出ているのでは?
とすると、やっぱり野口が先にやられて、その後に奈央子?
騒ぎの渦中に包丁を手にする隙があったのは、遅れて来た安藤?
でも、ホントに遅れてきたのかどうかわからないしなーー

 奈央子に裏切られたと知った西崎が刺したとか?
いや、やっぱり西崎にはそんなことできなような気がする。
殺るとしたら安藤か希美か慎司としか思えない〜〜

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2014年11月22日

「Nのために」 第6話 許されぬ愛・・・罪人たちの悲しい告白 

 え・・・・安藤がチェーンを?( ̄□ ̄;) 
それは嫉妬?誰かが殺されればいいと思っていたの?
西崎と慎司、どちらが死ねばいいと・・・?
てか、野口がやろうとしていたことを安藤は知っていたってことか?
ますます混沌としてきたけど、おもしろい。ぐいぐいと引き込まれますわ〜
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 10年前の安藤(賀来賢人)の事情聴取の場面から始まりました。
事件当日、6時の予定だったが早く着いた安藤が野口(徳井義実)に連絡を入れると、
仕事の話をしたいと言われ、最上階のラウンジで待っていた。
が、野口は現れなかったので部屋を訪ねると、野口と奈央子(小西真奈美)が倒れており
そばには西崎(小出恵介)と希美(榮倉奈々)と彼女の同級生がいた。

「そのあとすぐに警察や救急の人達が入ってきたので
何があったのか僕は誰からも何も聞いていません」


 そして2014年、安藤は高野(三浦友和)を訪ね、火を怖がっていた西崎が燭台で野口をなぐる訳がないと伝えていた。

 わざわざ言いに来るとは・・・西崎と希美が繋がっているのを見て心境の変化が?
でも希美への思いには変わりがないようだから、希美がやったとは思っていない?
あるいは希美がやったと思っているから、罪に向き合わせようとしている?
それとも本当に何があったのか知らないから、知ろうとしているのか?

 希美は、その後高野(三浦友和)の訪問を受けていた。
希美は慎司が現場にいたのはあくまで偶然で、慎司が働いているレストランを自分が野口に教えなければ、いるはずがなかったと伝えた。

「君は いつだって慎司をかばうね」高野
「事実を言ってるだけです」希美
「本当に偶然なんかな?「さざなみ」が火事になったときも、そうやったよね。
あの時私は君が嘘をついてると思った。
未成年やった君達を追及することに ためらいがあった
何であの時ためらったんか・・・
あと後、こんなに後悔するとは思わんかった。このままには しておけん」


 高野が捜査を再開したのは夏恵(原日出子)が話せなくなった真実を知りたいというのが一番だろうけど、事件に関わった大人として、あの頃の子供達を救いたいという思いもあるんじゃないかな。

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2014年11月15日

「Nのために」 第5話 沖縄の夜 新たな恋から歯車が狂いだす

『一度ついた嘘は つき通す。
それが嘘を真実に変えるたった一つの方法だった』希美


 そうだよね。たとえ嘘だとしても守り通せば真実になる。
その真実は絆なのか鎖なのか・・・

 2004年12月24日、事件当夜の回想を見ると、
西崎(小出恵介)が野口(徳井義実)を殺していないのは確か。
野口は奈央子(小西真奈美)を刺して、さらに止めをさそうとした。
それを止めるために誰かが燭台で殴った。

 奈央子が亡くなったら西崎が悲しむと思って希美(榮倉奈々)がやったのか・・
あるいは西崎が悲しむのを見て希美が苦しむと思った安藤(賀来賢人)がやったか。
どちらにしろ、自分のためではなく大切なNのために無意識に体が動いたんだろう。

 サンゴを守るボランティアに参加した希美と安藤は、沖縄に着いてびっくり。
どうやら西崎が気をきかせてひとつ部屋を予約したらしい。
それでも安藤となら大丈夫だろと思った希美と思いっきり動揺する安藤・・・
2人の気持ちの違いがはっきり出ております。

 で、安藤の機転で奈央子と一緒のグループになれた希美たちは三人で海の中へ入ったんだけど、
奈央子が溺れ(実は希美が細工)助けたことから、食事に招待され親しくなった。

 その後、野村家に招待されることに成功。
いい雰囲気に乗じて手紙で都市計画のことを尋ねた希美は野村と二人っきりで会う事ができた。
候補地が他に二ヶ所あることと、野村の父親が計画予定地にあるビルを売るつもりはないという
情報を得た。


 何か野村と奈央子の関係が妙でした。
対等な感じではなく、支配する者とされるもののような・・・
「彼がいないと 私は何にもできないのよね」
という奈央子の言葉は野村のお気に入りなんじゃないでしょうか。

 別の見方をすると、野村の想定外のことをやったら怒りに触れる・・?
野村のことで希美が奈央子に「女の人に負けるの嫌なんじゃないですか?」と言った時、
見抜かれた的表情をしていたような・・・
希美は父親の件以来、クズ男の察知能力が鋭くなっているもんね。

 野村とMSのラウンジで話しこんでいるのを、奈央子が離れた場所から監視するように見ていた。
野村は今までにも、希美みたいにセレブに憧れて近づいてきた女の子に手を出してきたんじゃないのかねぇ・・
で、今度の餌食になる希美を心配してたんじゃ・・・

 さて、野村からの希美への『内緒のお願い』とは何だったのか・・
下心ミエミエのような気もするが・・・
希美ならそれをわかっていて、上に行くために利用するかもしれないよね。
 
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2014年11月08日

「Nのために」 第4話 被害者Nと出会った日・・・すれ違う二人

 2014年、高野は西崎(小出恵介)の担当弁護士・津嘉山を訪ね、関係者の供述調書を確認した。
野口夫婦に招かれていた杉下希美(榮倉奈々)と安藤望(賀来賢人)、
レストラン「シャルティエ・広田」でアルバイトしておりケータリングのためにMSに来た成瀬慎司( 窪田正孝)の供述に矛盾はなかった。

 事件発生時、希美は野口(徳井義実)と書斎で将棋をさしていた。
野口が席を立った後も次の手を考えていたので、リビングで何が起こったのかわからなかった。
大きな音がしたのでリビングに行くと、居るはずのない西崎が居たので驚いた。
西崎は手に凶器らしきものを持っていた。
リビングの床に野口と奈央子が血を流して倒れていた。
西崎と奈央子(小西真奈美)が知り合いだということは事件後に知った。

 エントランスで取次ぎを頼んだ慎司は応答がないので不思議に思っていた。
インターホンに高校の同級生である希美が出て、助けを求めたので驚いた。
希美とは卒業後、友人の結婚式で会って以来だった。


『偶然のはずはない。
二人がそこに居合わせたのは蓋然。あるいは必然のはずだった』高野


 そして十年ぶりに会い、食事をしている希美と安藤はこんな会話を・・・
「安藤が元気そうでよかった。
あんな事件があって・・・将来に影響出たらやだなって思ってた」希美
「だけど・・・」安藤
「安藤は何も悪くないもん」
「俺があの場にいなかったら、あんなことにはならなかった。
二人は死んだりしなかった。西崎さんだって・・・」
「やめてよ!もうっ。せっかく久しぶりに会えたのに」


 安藤は積極的に事件に関わらず、希美のために協力しただけと思っていたけど
実は重要な役を演じていたのか?
なぜ安藤がいなければ、ああいう結果にならなかったのか。
安藤が動くとすれば希美のため。希美が何かをやったからかばおうとして安藤も動いたのか・・・
やはり偶然の要素が想定外の展開を呼んだようです。

 2002年、希美はビル掃除と居酒屋のバイトを掛け持ちし生活費を稼いでいた。
希美・安藤・西崎は毎日のようにひとつ部屋に集まって過ごしており、家族のような存在になっていた。

 西崎は「究極の愛」を書いた小説「灼熱バード」を文学賞に応募したが、受け入れられなかったようです。
希美と安藤も読まされたけど、いまいち理解できなかった模様。

「選考委員の人が考える愛が違ってたんだよ
みんな同じこと考えるとはかぎらないからね」希美
「杉下にとっての愛って何?愛といっても 究極の愛」西崎
「罪の共有・・・」
「共有?」
「うん・・・共犯じゃなくて共有。
誰にも知られずに相手の罪を・・・自分が半分引き受けること。
誰にもっていうのは、もちろん相手にも。
罪を引き受け、黙って身を引く」
「それが杉下にとっての・・・」


 希美にとって放火事件以前の慎司は唯一無二の親友だったけど、
事件後、罪を共有(あたしゃまだ慎司じゃないんじゃ?って思っているけど)したことによって
希美の中では「愛」に変わったんだろうか・・・

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2014年11月01日

「Nのために」 第3話 反撃開始!舞台は東京へ!運命の出会い

『西崎真人は「これは終わった事件だ」と言った。
事件から10年。まだ何も終わってはいない』高野

4人のNと亡くなった野口夫婦だけしか知らない真実。
4人の中でもまだ終ってはいない。
HPはこちら


 安藤望(賀来賢人)にとっての大切なNは杉下希美(榮倉奈々)だった。
「海外に赴任することになったら、プロポーズすると決めていました」安藤
「交際しとったんですか?」高野
「いえいえ、ただの友達です。
でも、いきなり結婚したっていいくらい僕は彼女のことが好きでした」

 しかしあの事件以来希美とは疎遠になり連絡を取っていないそうな。

「あの・・・杉下さんにとってのNは誰やったんでしょう?」高野
「言わなきゃいけませんか」安藤
「・・・・・事件の後、西崎さんを助けたんは、あなた自身腑に落ちないことがあったからやありませんか?
西崎さんは誰も殺していない。違いますか?」
「あなた、事件と何の関係があるんですか?一体誰なんですか?」

『何者でもない。ただ真実が知りたかった』

 高野にとってのN、夏恵(原日出子)のために。
そして希美にとってのNは西崎だったのか?
自分ではないN・奈央子(小西真奈美)を愛している西崎のためだったのか・・・


 その後高野は希美が勤めていた建築事務所の桐野(伊藤裕子)を訪ねたが、
希美の連絡先は教えてもらえなかった。

 希美は副所長だったんですね。
望んだ通りに上に登り続けている途中だった。
なのにそれを捨てて姿を消したのは高野から逃れるため?
それとも・・・西崎が出てきたらやるべきことがあったんだろうか?


 放火事件の時効は平成15年9月。
それまでに高野は真犯人を、そして放火事件の真実に辿り着くつもりだった。

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2014年10月25日

「Nのために」 第2話 放火事件の謎・・・許されない罪の共有

 それぞれが自分の大切なNのために動いた。
苦しみから始まった希美と慎司の絆・・・
でも、それは二人をこの世界の留めておける唯一のものだったのかもしれない。
HPはこちら

 『すべてはNのために。俺たちがやったのはそういうことだ』という西崎(小出恵介)の供述の意味を確認した高野(三浦友和)だったが、新しい事実は掴めなかった。

「俺は、俺の大事な女を殺した奴を殺した。ある意味復讐だ。
やったことに悔いはない。逃げも隠れもしないさ。
奈央子のことだけを思って刑を受けようと思った。
事件は終ったんだよ。俺も罪を償った。
今さらほじくり返しても何の得もないぜ。
・・・・この十年で何が一番変わった?」西崎
「ほうですね・・・人の心が寂しくなりました」高野
「そんなん・・・元々寂しいものだよ」

 西崎の言葉は真実なのでしょう。
奈央子(小西真奈美)のことだけを思って服役していた。
彼女が西崎と関わりあったことで死ぬことになったのも事実。でも、彼は殺していないんじゃ・・・
奈央子にとっても西崎は「大切なN」だったはず。
彼女もNのために死を選んだのか?

 2000年、弟の 洋介(葉山奨之)は島を出て寄宿制の高校に行っており、希美(榮倉奈々)は新聞配達をしながら母と生活していた。
そして東京の大学に行くために、バイト代を地道に貯金していた。
父・晋(光石研)からは大学にいく必要はないと言われていたから、親を頼らずに自分だけの力で大学進学を実現させるつもりだった。
学費は奨学金をもらうつもりだったんだけど、両親がまだ離婚していないため世帯年収で引っ掛かり、難しそうだった。

 料亭「さざなみ」は売却が決まり、夫の周平(モロ師岡)に愛想を尽かした瑞穂(美保純)は実家に帰ってしまい、離婚も秒読みだった。
店を継ぐつもりだった慎司(窪田正孝)は突然の進路変更を余儀なくされ戸惑っていたが、希美と一緒に東京の大学に行くことだけは決めていた。


 慎司の中では希美は誰よりも大切な存在で、希美にとっても恋愛対象ではないけど、一緒にいるとほっとできる唯一の存在。
慎司が希美を本土の本屋に誘ったのは一緒に過ごしたいという思いもあっただろうけど、奨学金のことで落ち込んでいる希美を元気づけたかったんじゃないのかな。
お昼を食べる時も、さりげなく希美に食べさせたいものを注文する。
自分よりもまず希美のことを思う、そういう愛し方。

「死んだばあちゃんが言いよったんやけど・・・
結婚した相手よりあとに死ね。一日でも多く相手のそばに居て見守れって。
野望やないか・・・こんなん」慎司
「・・・・・・ううん、リストに足しとこう。『結婚した相手より後に死ぬ』。
成瀬君も私も、いつか誰かと結婚するんかな・・?
大人になったら、どうなっとるんだろう?
今より楽しいとええな。
成瀬君も私も、幸せやったらええな」希美


 2014年現在の希美は建築事務所でかなり重要なポストにいるようですが、
幸せそうには見えませんでした。
心の中に痛みがあるような・・・
島から出ることができた希美はどんなふうに生きて来たんだろう。

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2014年10月18日

「Nのために」 第1話 セレブ夫婦殺人事件…15年前に隠された秘密

『あの時、そこにいた全員が誰かのことを考えた。
それぞれに大切な人がいて、その人のことを思った。
自分以外の誰かのために。
そう、すべてはNのために』


 おもしろかったぞ。
私、榮倉さんって好きじゃないんだけどなんか印象変わったよね?
角が取れたというか・・・初めてしっくりくる栄倉さんを見たような気がする。
コレは、もしかしたら化けるかも・・・
でもな〜TBSのこの時間帯は一回目が良くても油断できないんだよな〜(´-ω-`)
HPはこちら

 2014年、殺人事件の罪で服役していた西崎真人(小出恵介)が出所した。
迎えたのは元警察官の高野茂(三浦友和)。
彼は犯人は別におり、その発端は15年前に瀬戸内海にある青景島で起きたある事件(一回目では詳細は不明)にあると思っていた。
高野は事件直後に西崎が弁護士に言った言葉が気になっていた。
『すべてはNのために。俺達がやったのはそういうことだ』

 「セレブ夫婦殺害事件」とは・・・
10年前、高層マンションの48階の一室に住んでいた野口貴弘(徳井義実)とその妻・奈央子(小西真奈美)が殺害された。
逮捕された西崎は、自分と奈央子さんの交際を知り逆上した野口が彼女を刺し、それに逆上した自分が野口を殴り殺した供述した。
現場には西崎の他に杉下希美(榮倉奈々)、成瀬慎司(窪田正孝)、安藤望(賀来賢人)の三人が
偶然居合わせていた。
杉下希美と成瀬慎司は同郷で高野が勤務していた青景島出身だった。
 
 一回目は高野が西崎に話を聞く現在と15年前の青景島が描かれました。

 杉下希美の人生は高校二年生の秋、急変した。
島でも有数の裕福な家庭で何不自由なく暮らしてきた希美と弟の洋介(葉山奨之)、母親の早苗(山本未來)は愛人と共に帰宅した父・晋(光石研)に追い出されたのだ。

 自分達の荷物は外に出され、見たこともない女(宮本由妃)(柴本幸)が父と暮らすと告げた。
「ここ、あなたの部屋?
ごめんね。今日から私の部屋なんだって。追い出すみたいで申し訳ないな」由妃
「何ですか、これ・・・・
誰だか知りませんけど、ここは私達の家なんです。勝手なこと言ってないで出てってください」希美
「出て行くのはお前達よ。今日から俺はこいつと暮らすけん。
今日から俺が稼いだ金は俺が好きなように使い、俺が食いたいものを食い、
一緒にいたいやつと住みたい家に暮らす。
俺は17年間ずーっと自分の欲望を抑えてきた。
養子として この家に入って傾きかけた会社を立て直し、お前ら家族のために死ぬ気で働いた。
うちの家系の男はみんな短命や。
50まで生きたやつはおらん。
親父は48。じいさんは43で死んだ。50まで俺も残り あと3年。
今まであくせく働いてきた分、残りの3年好きに生きたってええやろ」晋

「どうして・・・病気が見つかったん?」希美
極めて健康よ。健康診断の結果もオールA!」晋
「じゃあ・・・何で?」
「祭りの季節が来るたんびに考えた。
俺の人生、祭りの準備と後片づけだけやって。肝心の祭りがない。
労働と責任だけあって、楽しみがない。
俺の楽しみが一つもや・・・
具のないサンドイッチのような人生送るんは、これ以上どうしたって耐えられん。
俺にとって何が必要で何が不要か、不要なものは捨てる。そう決めたけんの」
「捨てるって・・・私達を?」
「おうよ。今日から俺は好きに生きるけん。
お前達もお前達で好きに生き」

 妻や子供達のことを一番に考えてくれる優しかった父は豹変し、笑顔で冷酷に言い放った。


Nのために (双葉文庫)
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matakita821 at 17:21|PermalinkComments(8)TrackBack(11)