「あいのうた」

2005年12月15日

「あいのうた」最終回

 大の野球の試合の後に苦しんで倒れた優二(玉置浩二)は、牧野医院へ。
「覚悟しておいてください」と言われ入院を勧められる。
「やだよ、先生、入院は・・。だってもうすぐクリスマスだよ。
お願いします、先生」
一緒に頭をさげる洋子(菅野美穂)。
「最高のクリスマスにしようね」
「はい」

 病院を出た片岡家のみんなは、クリスマスの準備に大忙し。
でかいツリーと飾りも購入。着々とクリスマスパーティの準備を進める。

 時間が進むということは、それだけ優二の死期も近づいてきているということ。
一生懸命生きるということが死に向かっている。
矛盾しているようですがそれが生きるってことなのかもしれません。
残された時間を愛おしむように生きる優二とそれを見守る洋子。
2人のこころは寄り添ってますね。

 片岡家のツリーを見つめながら子供の頃を思い出す洋子。
寒くて雪の降る外から幸せそうな一家をのぞいていた自分(マッチ売りの少女?)
本当に心の中も冷えていたあの頃。
「愛ちゃん、サンタクロース信じてた?」優二
「信じてたよ。でも、私のところには来てくれないって思ってた。
でも、今年は目の前にいるし・・」
子供たちの欲しいものを洋子から教えてもらう優二。
「すごいな、愛ちゃんは」
「クリスマスって何の日?」
「今生きていることを感謝する日、かな・・」
「そっか・・」
「愛ちゃんさ、クリスマスが終わったらこの家から出てってほしいんだ」
「・・・・・言ってる事はわかるよ。でも、イヤです。
片岡さんは本当は私にいてほしいと思っている。大丈夫、私は」

 愛すること愛されることによって本当に強くなった洋子。
強さは美しいです。

 でも、その辛さを房子(和久井映見)にだけは受け止めてもらう洋子。
「片岡さん、最期を見られたくないし、子供たちをしょいこんじゃうんじゃないかって心配してるの。だって、一人じゃダメだもん、あの人。
それにあの子達とずっと一緒にいたいの、ずっと」
「愛した人の子だもんね」
「彼は最後のクリスマスって思っている・・そう思うとさ、やっぱりちょっと辛い」
抱きしめる房子。
「ごめん・・がんばるから。今だけ・・・ごめん」

 一人ではがんばれない時もあるけど、房子の支えがあるから優二を支えていくことができる。みんなつながってるんですね。続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 18:04|PermalinkComments(8)TrackBack(19)

2005年12月08日

「あいのうた」第九回

 優二(玉置浩二)にプロポーズしたことを房子(和久井映見)に伝えた洋子(菅野美穂)。房子はびっくり仰天。
「すごいね!へー、結婚か・・奥さんになりたいんだ?」
「結婚というよりもずっとそばにいたいなってそれだけのことで・・」
「じゃあ、Hとかはしないの?」(素朴な疑問)

 房子に話すと中々話が進んでいきませんね〜

「で、片岡さんの返事は?」
「断られた」
でも、意外とさっぱりしている洋子。
「前はさ、付き合うってなったらすごく不安になって、
悪いことばかり考えていた。でも、今は違う。
結婚できないよって言われても、私のこと嫌いだからだとは思わない」
「すごいね、それって愛されてるって思えるからだよね。良かった。
大丈夫だよ、その幸せはずっと続くよ!」

 片岡と出会えたことが幸せだ、そう心から思える洋子は
もうすでに幸せを手に入れているのでしょう。

 さて、柳沼(成宮寛貴)とももこの方は・・・
どうやら失恋したらしいとわかったももこは柳沼に
「忘れるためには新しい恋ですよ!案外身近にあなたのことを思っている人がいるかもしれませんよ」
でも、柳沼君には通じず。
「ひょっとしてバカ?あんな鈍感でよく刑事なんかやってられるわね!!」
きーーーー!!

 だめですよ〜
柳沼君のようなおとぼけ君にははっきりわかりやすい言葉で
言わないと〜言っても自爆しそうだけど・・・。

 片岡家では・・・
大(佐藤和也)が元気がない。野球のレギュラーからもはずされてスランプ?
「かっこわるいからやめようかな・・」
「結果なんてどうでもいいよ!決めたことは最後までやれ」
そして、みんなでバッティングセンターへ行って、
打ち方の特訓。それを見守る洋子。

 子供のために何かしてあげたい、何か残してあげたいそんな優二の気持ちが
伝わってくる場面でした。そんな優二たちを微笑んで見守り続ける洋子。
ただ相手が存在しているだけでうれしい、そんな境地を洋子は手にいれたんですね。

 子供たちに自分の死期が近づいていることを伝えたいと思いながらも
勇気がでない優二。
「子供はさ、親の言葉が欲しいと思うんだ。何でもいいから言葉がさ・・
子供は親が自分に言ってくれた言葉は忘れないんだよ、きっと」
洋子の言葉に力を得て、話す決心をする優二。

 子供って本当に親の言葉を待っていますよね。全身でいつでも待っている。
子供って存在してくれているだけで、親を許してくれてるのかもしれません。
続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 17:17|PermalinkComments(8)TrackBack(15)

2005年12月01日

「あいのうた」第八回

 優二(玉置浩二)の病気を受け入れた洋子(菅野美穂)。
片岡家でみんなの中心として積極的に生きていこうとがんばる。
「はりきってるよね」大
「そんなに長く続かないって・・付き合ってあげよ」亜希
そして、優二に対しても
「病院一緒に行っていい?」

 優二のために優二に言われたように笑顔でいようと決めた洋子。
自分にできることは何でもやっていこうという強さと優しさを感じますね。

 優二の病気をまだ受け入れることのできない房子(和久井映見)は、仕事にも身がはいらないで、洋子にダメ出しをされる始末。
洋子が何もしらないと思って洋子のことを心配する。
 飯塚(小日向文世)も挙動不審になって片岡に「何か俺に隠し事してるな?」と見抜かれる。
柳沼(成宮寛貴)も、いつもの屋上でももこに相談。
「自分があと少ししか生きられないとしたら、何したい?」
「好きな人と一緒にいたいですね」
それぞれ、洋子と片岡のことが心配でたまらない。

 房子は本当にお母さんみたいなんでしょうね。
自分自身よりも片岡や洋子のこと子供たちのことを考えて悲しくなってしまう。
飯塚さんは、やっぱり秘密はもてないタイプですね。
そこがいいとこ・・・そして、小日向さんが演じるとリアル。
ちょっとダメ人間ぽいんだけど、やさしくて、人が良くて、しょうがないな〜
というかわいい人ですね。
 柳沼君にとっても、ももこの存在は徐々に大きくなってきてるみたいです。
今後の展開が楽しみだわ。

 飯塚に署長から見合い話が・・・乗り気じゃない飯塚に
「見合いしなよ。振られてみんなで笑えるネタができるから」房子

 そんな理由って・・・

 子供たちの寝顔を見つめる優二と洋子。
「愛ちゃん、俺がいなくなった後、子供たちを引き受けようなんて思っちゃだめだよ」
「聞きたくない!」
優二から離れ、たった一人部屋で泣き続ける洋子の声を聞きながらつぶやく優二。
「ごめんな・・・愛ちゃん・・ありがとう」

 洋子の嗚咽を聞きながら誰よりも苦しいのに「ありがとう」と言った優二。
家族で過ごす毎日、片岡家の日常、食事をしたり、洗濯をしたり、おしゃべりをしたり、笑いあったり・・・そんな生活が丁寧に描かれます。
 家族の普通の日常会話で、悲しみを隠すことができるし、
そんなことの積み重ねの大切さ、なにげなく過ごす日常のすばらしさを
妻を亡くした片岡は知っているのでしょう。
 そして、そんな時間を初めて持った洋子も片岡家のみんなとの時間を
味わいながら過ごしているようです。

 飯塚のことが心配な片岡は洋子とお見合いを見に行く。
途中で会った房子と柳沼も合流。みんなで、飯塚の後ろの席(近っ!)で、見守る。続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 16:21|PermalinkComments(4)TrackBack(18)

2005年11月24日

「あいのうた」第七回

 病院から出てきた優二(玉置浩二)を見た洋子(菅野美穂)は不安。
追いかけていって「どこか悪いの」と問いただすがごまかす優二。
 しかし、家に帰ると家族の表札に「あいちゃん」の名前が増えているし、
子供たちが協力して部屋を作ってくれていた。

 本当に家族って感じですね。
しかも、やっとベッドでゆっくり寝られるとおもいきや、またみるくちゃんが・・・

 片岡家に戻ってきた洋子に感謝を強要する房子(和久井映見)。
「今度サシで飲むか〜?!(小キレ)」洋子
「全然気持ちが違うでしょ?うそをつかなくていい生活って・・。
で、どうなの?片岡さんとは・・」
「自分の居場所があるだけでいいの」

 房子は洋子にとって自分の気持ちをクリアーにしてくれる不思議な存在。
房子と話すことによって自分自身の気持ちを確認し、改めて考えさせてくれる。
房子への洋子の言葉は偽らざる気持ちなのでしょう。
それとも、多くを望んでは幸せが壊れてしまいそうで怖いのでしょうか。

 働いている洋子を窓から見つめる柳沼(成宮寛貴)
その様子を同僚のももこに見つかり橋の上で2人でなぐさめ合う2人。
微妙に気持ちはすれ違っていますが・・・
「こんなに振り向いてもらえないのは初めてだなあ」(そんなにモテ男なのか?)
「ふられたんだけど、その人が幸せならいいかって・・・」
「愛ですね・・・。それは」ももこ
「君は?片思いの人」

 今までは柳沼の一方的な話ばかりだったのに、
初めてももこの相手に対して質問したりして、やっとちょっと前進という感じ?
相変わらずももこの思いには気づいていないようですが・・・
 
 飯塚(小日向史世)と屋上で話していた片岡は薬を落としていく。
いつもの居酒屋でその薬をみせると店主が「死んだおやじが飲んでいた」と。
片岡が重い病気にかかっていることに気づく飯塚。
 一方、失恋した大を一生懸命なぐさめる洋子。
その様子を扉の外で聞きながらうれしそうな優二。

 ちょっと薬の場面はムリがあるような感じでしたが・・・
(薬をチラ見しただけではわからないでしょ。薬の名前を言わないと)
いつになく敏感な飯塚、やはり親友のことが心配なんでしょう。

 子供たちの寝顔を見つめている優二のところへ行く洋子。
「好きだね・・・寝顔見るの」
「一番幸せな時かな・・・」
子供たち三人の将来を想像して楽しむ二人。
「何か、いいなぁ・・・」
「今日、「うちの大」って言ってたよね。嬉しかった。ありがとう」
素直に微笑む洋子。
一人、部屋で妻の写真を見ながら「大きくなったあいつら見たいよう・・」
こらえきれずに泣き続ける優二。

 今が幸せであればあるほど、その場面に存在し続けられない自分への
悔しさと悲しさで押しつぶされそうな優二。
 始めて聞いた優二の心の叫びでした。

 休日に5人と一匹で楽しくすごす片岡家。
幸せを感じることが怖かった洋子も、いまでは、心から幸せを味わうことができる。
「いつも一人で(幸せそうな他の家族を)見てた。
あっちの世界にはいけないんだと思ってた。
私には幸せは似合わないんだと思った。でも、今、こうしてる・・・
幸せだなあ・・・片岡さんのおかげです」
 
 幸せが似合わなかったのは過去の話、今は違うとはっきり認識できるようになったんですね。

 しかし、また痛みが襲ってきて、苦しそうな優二を初めて見る洋子。
痛みに耐えながらがっちりと洋子の手を握る優二。
「愛ちゃんには聞いといてもらおうかな・・・
何か一人で抱えてんのしんどくなってきた・・・。
もうさ、あんまり、長く生きられないみたいなんだ・・・」

 一方、房子と柳沼に召集をかけて片岡のことを話す飯塚。
「だからなんだ・・・・だから警務課に異動したんだ・・・」
何で言ってくれなかったんだと憤る柳沼に
「だめだよ。あいつは誰にも言わないどこうって決めたんだ。
それを壊しちゃだめだよ・・・みんな、明るくしなきゃだめだよ」

 飯塚さん・・やっと本来のステキな部分が出てきましたね。
優二の気持ちを汲みとって、気づかなかったふりをしようと2人に伝える。
本当は強くて大きな人だったんですね。

 優二の病状をすぐには受け止められない洋子。
「やだ!絶対ヤダ!私は認めない、やだからね!
私、生まれて初めてなんだもの、こんなに人を好きになったの!」
 ひょっこりひょうたん島の歌を歌いながら・・・
「笑ってるとさ、力が出るんだよ、人間ってさ。
だから、笑っていようって決めたんだ。
そしたら、俺、思い出す時笑ってる顔思い出してくれるだろ?」
「愛ちゃんもやってごらん・・・頼むよ・・・俺に笑顔を見せて・・」
泣きながら優二のもとから逃げ出す洋子。

 この時の洋子は、大切な宝物を亡くしてしまいそうで悲しくて、
自分のために泣いている洋子でした。
 でも、泣きつかれて目を閉じて、そしてまた目を開けた時には
自分の意志をきちんと持った大人の女性になっていました。

 「愛ちゃんとケンカしたの?」と言われながら寂しく子供たちの手をひいて
帰ろうとした優二の目の前に
「帰ろう・・」笑顔の洋子がいました。
『私はこの時決めたんだ。
愛されることばかり求めないで、これからは愛を与えられる、
そう、人を愛する人になろうと・・・』
 洋子の笑顔に今度は優二が救われる番なのです。

 洋子の成長にマジで心が熱くなりました。
優二に救われ優二のおかげで本当のこころを取り戻せた洋子は、
今度は優二を守りたい支えたいと思えるほどに成長したのです。
 最後のセリフがうそに聞こえない、
菅野美穂さんは稀有な女優さんだなとあらためて思いました。

 房子も柳沼も飯塚もそれぞれが、自分にできる形で片岡の思いに応えようと
一生懸命事実を受け入れようとしていました。
私がこのドラマに惹かれるのは、それぞれのキャラクターの心の成長が丁寧に描かれているから。そして、それぞれが強い意志を持とうと努力しているから。

 洋子はどこへいくのか・・・片岡は・・・
ラストまで見届けますよ〜

 今週も泣いてしまいましたという方、1クリックを・・人気blogランキングへ

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 23:39|PermalinkComments(9)TrackBack(13)

2005年11月17日

「あいのうた」第六回

 優二へ(玉置浩二)の気持ちを自覚した洋子(菅野美穂)は、房子(和久井映見)と一緒にすごす。
 「気持ちいいねぇ・・・風が・・」
「そういうことに気づけるってことは、幸せだってことだよ、今が」
「好きなんでしょ?片岡さんのこと」
「わかんない・・よくわかんない」
「ありがとう、正直に答えてくれて」

 優二はいろんな感情を教えてくれて、房子はそれを確認させてくれる。
お母さんのように大きな愛情で、あるがままの洋子を受け入れてくれる房子はすごい人ですね〜。それをさりげない演技で見せてくれる和久井さんもやはりすごい女優です。

 仕事が休みの洋子を誘って、オールスターメンバーでピクニックを楽しむ片岡家。
「何か、いいね・・こういうの」
周りには同じように休日を楽しむ家族連れがいっぱい。
 幼い頃、一人ぼっちだった洋子は、目の前でサッカーを楽しむ家族にいじわるを
したものだった。
でも、今は、きちんとボールを相手に投げてあげることができる。
そんな自分が嬉しくて、幸せすぎて、怖くなる洋子。
『幸せが壊れるのが怖いから、自分から壊してしまいたい』

 幸せに慣れることが出来ないというか、幸せな自分を想定することができない洋子。
自分で壊してしまいたいほど大切なものを手に入れられたんですね。

 片岡家に集まって、余韻を楽しむメンバー。
洋子は自ら「今日楽しかった〜生まれて初めて、ああいうの」と口をきり
記憶喪失は最初から嘘だったとみんなに伝える。
でも、驚いたのは飯塚(小日向文世)だけ。
 片岡の態度に不審を感じた柳沼(成宮寛貴)は
「何で?(知ってたのに黙ってたの?)」
「いいかな〜って思ったの。別に嘘でも・・」
「ごめんなさい・・・ホントに。すいませんでした」黙ってうなづく片岡。

 勇気を出して・・と言うより、嘘をつかない状態が今の洋子にとっては
自然だったんでしょうね。
 それと、一度ゼロの状態に戻したかったのかもしれません。

 次の日、みんなが出かける時、
亜希には、いつも亜希のお母さんが言っていたように
「かわいいね。でも、それだけじゃ生きてけねーんだぞ」
隼には「大好きだよ」
大には「自信を持って!私は君のことを尊敬している」
片岡にはいつもどうり「いってらっしゃい」と送り出し、
その後、家中を一生懸命掃除して、みるくにもお別れをして、
橋を渡って、家とは反対方向へと去っていく。

 この家と片岡たちのことが大好きなのに、
今のままでは「愛ちゃん」を続けられない思いから、家を出た洋子。
でも、もう、洋子には戻れない・・・いったいどこへと行くのか・・・。

 置手紙を読んだ子供たちは優二に「探さないの?」
「探さない。愛ちゃんはもう大丈夫なんだ」自分に言い聞かせるように。
洋子が出て行ったことを知った房子、飯塚、柳沼はショック。
柳沼は探そうとしない片岡に苛立ち、片岡にパンチを。
「絶対オレが見つけてみせますから!」

 熱いなあ・・・でも、洋子が欲しいのはそんな熱い思いじゃなくて
片岡のようなホンワカとした温かみなんですよ〜
その熱さを少しでも同僚のお姉さんに向けてあげて・・・

 牧野先生(岸田今日子)の診察を受ける片岡。
洋子が出て行ったことを知った先生は
「彼女がいた時のほうが元気だった。あと半年の命って伝えたけど
人間の命のことなんて全部はわからないの。
 (洋子がいた時のように)あんなふうに笑顔で暮らしてたら、
奇跡も起こるんじゃないか・・って」

 そうですよ〜!
片岡の病気が何なのかは明らかにされていませんが、
癌細胞だって笑うことによって、減少したという臨床報告もあるんですよ〜
望みは捨てないでほしいわ〜

 さて、洋子が出て行って10日余り・・・署内で嬉しそうにはしゃぐ飯塚。
「来たんだよ、ついにこの日が!オレしか知らないんだよ!すごくない?!」
房子、柳沼、片岡を会議室に呼び出して、管内で無銭飲食で捕まったという女性を連れてくる。おずおずと現われる洋子。驚く三人。
 「ちょっと!なにやってんのよ!バカ!
素直じゃないんだから!!
帰りたいんでしょ!片岡さんの家に。
うちの管内で何かやれば片岡さんに会えると思ってやったのよ!このバカ女!
居たいんでしょ?!大好きなんでしょ?!
だったらそう言いなさいよ!
今言わなかったら幸せなんて逃げちゃうんだよ!
自分でがんばらないと幸せになれないんだからね!!」
どなりつける房子。
「一緒にいたいです。居させてください。お願いします・・・」
泣き崩れる洋子をささえながら「愛ちゃん、帰ろう。家に」
ハンカチを差し出す片岡。なぜか、洋子よりはでに泣き出す房子。

 洋子の気持ちをよくわかったいる房子が思いっきり背中を押してくれたおかげで
やっと素直になれた洋子。そんな洋子をまた、迎え入れた片岡。
幸せになるために初めて自分の意志で動くことが出来た洋子。
 しかし、いいタイミングで泣くね、房子は。

 片岡家で子供たちに「待ってたんだよ〜!」「寂しかったんだよ〜!」
と迎えらられた洋子に片岡は「愛ちゃん・・・で、いいか。それとも・・・」
はっきりと首を横にふる洋子。

 愛ちゃんでもなく洋子でもなくさまよった10日間を得て、
また新しく愛ちゃんとして生まれ変わった洋子。
初めてぐっすりと安らかに眠ったのではないでしょうか。
 目覚めた後、洋子は自然に微笑むことができる女性になっていました。

 丁寧に描かれた脚本のおかげで洋子の心の成長をたどりながら、
一緒に愛を感じることができました。
ラストで病院から出てきた優二を見たことから、来週からは違った展開になるようですね。楽しみなような怖いような・・・

プレゼント


このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 16:46|PermalinkComments(9)TrackBack(15)

2005年11月10日

「あいのうた」第五回

 自分の過去を知っている柳沼(成宮寛貴)に抱きしめられて
「愛さんのことは僕が守りますから」と言われたことから、
洋子(菅野美穂)は房子(和久井映見)と今後の身の振り方を相談する。

 すっかり洋子にとって大切な存在になっている房子。
「私だけが全部知ってるっていうのも楽しいしね」と相変わらず不思議なノリですが
柳沼のことを「興味ないし」とバッサリ切る洋子に
「自分のことを好きになってくれるってすごいことなんだよ」
洋子にとってはお母さんのように、大切な事を教えてくれる存在になってますね〜

 病院で牧野先生(岸田今日子)と洋子のことを話しあう片岡(玉置浩二)。
牧野は、亡くなった奥さんのことを心が強い人だったと言い、
「愛する人がいるっていうこと、愛されている自信だったと思うの。
だからあなたも救われた。(洋子も)そういうふうになってくれるといいわね」

 愛情は人を強くもしますが、今まで「愛」という感情がわからなかった洋子にとって愛に気づくことは、自分自身の心をかなり揺さぶられることなのかもしれません。
つーか、片岡さん発作が起こったことちゃんと先生に言ったのかい?!
こんなにのんきに話していていいんでしょうか。

 房子と話して改めて片岡の存在を考え始めた洋子。
子供たちは友達のうちへお泊りで、2人っきり。初めての2人っきりに戸惑う洋子。
柳沼から「愛さんが好きです」と宣言された片岡も何となく落ち着かない。

 2人をじーーっと見つめるミルクちゃんがかわいいですね〜
 
 いつもの居酒屋へ出かけた二人、飲みすぎて片岡にいちゃもんをつける洋子。
「何で私にそんなに優しくすんのよ!」
眠ってしまった洋子をおぶって家へ帰る片岡。
朝、洋子が目を覚ますとずっとそばで見守っていてくれた片岡が眠っていた。

 この橋の場面いいですね〜。
橋を渡るたびに洋子の心が少しずつ育っていくようで。

 房子のファミレスで働くことにした洋子。
片岡ファミリーがやって来たので、思いっきりアイスをサービスしたパフェを作る洋子。
子供の頃、お母さんの誕生日にがんばってアイスでケーキを作ったこと。
それなのに、お母さんは見向きもしないで男とでかけてしまったこと。

 今までだったら過去の嫌な思い出に心が萎えていった洋子でしたが、
今回は子供の頃に戻って必死に亜希たちのために動くことができました。
みんなの喜ぶ声に自然と笑みが・・・
 少しずつ少しずつ洋子の心が自然に反応できるようになってきました。
片岡によるリハビリかなり効いて来たんですね。続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 15:40|PermalinkComments(16)TrackBack(15)

2005年11月03日

「あいのうた」第四回

 さて、捕まえた男がもっていたバッグから洋子の免許証を見つけた柳沼(成宮寛貴)は、洋子の記憶喪失が嘘であると気づく。

 飯塚(小日向文世)相談しようかな〜と一旦思ったのに、
「一番最初に報告するのが飯塚さんって、納得できなくて」と結局話さないなんて・・・かわいそうだけど笑っちゃいますね。
 実は親身になってくれそうだと思うけど・・・

 一方買い物に洋子(菅野美穂)と片岡(玉置浩二)は福引に挑戦。
「こういうの絶対ムリムリ」という洋子に「人の運なんて変るんだから・・」
結果は大当たりの家族温泉旅行。
『この時私は思ったんだ。この人と一緒にいれば私も幸せになれるんじゃないかって・・』
 しかし、行き先が洋子の生まれ故郷の石和温泉と知りどよ〜ん・・

 人と人の出会いって相性の悪いもの同士だとどんどん悪いほうへころがっていくもんですが、この2人、少なくとも洋子にとって片岡は、
素直になれる、そして明るいほうへ向かっていける気持ちにさせてくれる貴重な
人間なのかもしれません。

 悩んだ末、結局一緒に温泉に来た洋子だが知り合いに会うかとつねにびくびく。
部屋についた段階で疲れきってしまう。
亜希と温泉に入った洋子は、「アンタ自分のことかわいいと思ってんでしょ」
「うん、亜希はかわいいよ」発言にびっくり。
「だって、お母さんがね、亜希はかわいいね、亜希はかわいいねっていつも言ってたから、亜希はかわいいの」
「なるほど、いいお母さんじゃん」

 こうやって少しずつ、自分が自分のことを嫌いでコンプレックスだらけと
思っていたのは、自分のせいではなく母親に植え付けられていたことが大きかったのかも・・・と気づいていけばトラウマも少しづつ解消されるかも・・・

 柳沼は洋子に前科がないかを調べたり、ついに石和温泉にやって来て
洋子の過去を調べ始めるが、洋子について暗いという印象しか聞けないことに驚く。
 一方、房子(和久井映見)と飯塚も揃ってみんなで楽しく夕餉をかこむ片岡家。
洋子は子供の頃、温泉旅行に当たったのに、自分ひとりを残し男と旅行に行ってしまった母親のこと、家で一人で舟盛りにして食べた晩御飯のことを思い出す。
(洋子丸の旗が悲しい・・・)続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 21:26|PermalinkComments(10)TrackBack(16)

2005年10月27日

「あいのうた」第三回

 房子(和久井映見)に「記憶喪失じゃないんじゃ?」と聞かれ、
「うーーーん、そうよ」と白状してしまった洋子(菅野美穂)は覚悟を決めるが、
なぜか「黙っててあげる」と言われる。

 多分以前の洋子ならここでうそをつき通したと思うのですが、
片岡家の空気を吸っている間に調子が狂ってきたようです。
 それと、重要な指摘をしたにもかかわらず「私ってスゴイ?」とはしゃぐ房子に、
こいつは大丈夫そうだと洋子の人間観察レーダーが判断したのでしょうか。

 房子に「せっかく別の人になるんだから違う性格になってみたら?」と言われ、
昔とは違う人間になるべく笑顔の練習をする洋子だが子供たちからは
「気持ちワルイ」と言われてしまう。
 しかし、学校の都合で弁当をもっていかなきゃならないことになり、
自ら「私が作る」と宣言する。

 秘密を共有することにより、洋子と房子は急接近。
房子のどこか子供のような無邪気さと暖かさに女友達のいなかった洋子なのに
自分をいつのまにかさらけだしています。

 一生懸命慣れない(今までどうしてたんだ?)料理にトライして子供たちのためにお弁当つくりをする洋子。作りながら思い出す子供の頃・・・

 母親にお弁当を頼んだら、あからさまな拒絶されたこと。
それでも、朝置いてあった弁当箱にうれしかったこと。
でも、開けてみたら買ってきたパンが一個はいっているだけで失望したこと。
みんなの前で食べられないから影でこそこそ食べたこと。

 自分がしてもらえなかったことに挑戦するというのは、
かなり難しいことだと思うのです。
洋子もお弁当を作るという普通なら楽しい時間のはずなのに、
子供の頃の傷に向かいあわなければならない。
でも、とりあえずは房子の案に乗ってみようと思った洋子はがんばってみることに決めたようです。
 そんな洋子をそっと見守る片岡(玉置浩二)。

 一回目のお弁当つくりの後、(完徹かい?!)爆睡する洋子の上に
いつものようにミルクちゃんが乗っかってくるが疲れていて気付かない。
やっとミルクちゃんと洋子の間にも友情が・・・?

 お弁当を残してきた子供たちにがっかりする洋子。
しかし、本屋で調べたり、よそのお弁当を研究したり、
多分初めて「一生懸命」という行為に没頭してみる。
 そんな洋子に「力になりたい」と接近する柳沼(成宮寛貴)だが、洋子は
「いい人なんだね・・・私、いい人って苦手なんだよね・・」と
木で鼻をくくったような対応。損な役だね〜

 いつもの居酒屋に集まった片岡、柳沼、飯塚(小日向文世)と房子。
柳沼は洋子の身元を確認するため写真を公開することを提案する。
「愛ちゃんは、理由はわからないけど死のうとしたんだから何か問題を抱えているのかもしれない」と言う飯塚に
「現実から目をそむけたってしかたない」と言い切る柳沼。
「やめとこうか・・。逃げられない現実から目を背けたい時だってあるんじゃないのかな・・」とつぶやく片岡。

 若さゆえの正論を口にする柳沼。
さすが年の功、別の面からも見ようとする飯塚。
そして、自分も見つめたくない現実からできれば逃げたいと思っている片岡。
三人それぞれの意見。片岡は敏感に洋子の秘密に気付き始めているのでしょうか。

 最後の弁当つくりにキリキリしている洋子を散歩に誘う片岡。
話しながら、新しく出来たカフェに入ってお酒を楽しむ2人。
多分そんな時をすごす余裕もなく生きてきた2人だと思うのですが、
片岡は残り少ない自分の時間を大切に過ごすため、洋子は別の人間になるため、
大胆になって新鮮な気分を味わったようです。

 さて子供たちのジャッジは・・・
お弁当箱をふってカラカラという音に気付いて、中を確認する洋子。
「ずっと美味しかったよ。でも、量が多すぎて・・・」
という言葉にうれしくて、家を飛び出し橋の上でひとり涙をながす洋子。
 追いかけてきた片岡は「よくがんばった!」と言って洋子の頭をなでる。

ずっとそうやって頭をなでて褒めて欲しかった・・・認めて欲しかった・・・

片岡は、
「愛ちゃん、愛ちゃんのままでいいんじゃないのかな・・・。だから家にいなよ」

 子供の頃になくしたとおもっていたもの、
絶対に手にすることはできないとあきらめていたものを
たとえいくつになったとしても、得ることができるのでしょうか。
固かった洋子の心に変化が表われた時、捨てたはずの身分証明書がみつかってしまう。柳沼はどうするのかな〜?

 病院で院長先生(岸田今日子)から子供に作ったお弁当の話を聞いて、
「母親の思い」というものに初めて気付いた片岡。
洋子が恐る恐るお弁当に触る場面で生きていました。
院長と同じような喜びを初めて知ったであろう洋子を見つめる片岡の優しい目。
 洋子との生活は片岡にとってもあたらしい気づきの連続なのかもしれません。

やっぱり和久井映見さんと菅野美穂さんってうまいなあ・・・と再確認しました。

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 18:39|PermalinkComments(12)TrackBack(16)

2005年10月20日

「あいのうた」第二回

 亜希(山内菜々)のランチボックスを川から探し出してきたことから、片岡家のみんなに感謝されて居心地の悪い洋子(菅野美穂)。
「こういう幸せっぽいの苦手なの。似合わないのよ」
「幸せが似合わない人なんていないよ」

 多分いままでどんな人の言葉も受け流してきた洋子なのに、
なぜか片岡(玉置浩二)の言葉にはひっかかってしまう。
別の人間になろうとして記憶喪失を装っているのに、過去の自分にこだわり
自分が変りそうな予感を恐れる洋子の気持ちが伝わってくる演技でした。

 子供たちの素直な感謝の言葉と笑顔にいつしか、
洋子の口からも「ありがとう」という言葉がもれるようになる。
しかし、片岡の「記憶が戻るまでここにいなよ」という言葉が逆に怖くなって
またしても出て行こうとするが、必ずじゃまが入って出て行けない。

 今まで期待を裏切られ続けてきた洋子は、少しでも暖かいものを感じると
失望するのが怖くて逃げたくなるのでしょう。
 死を覚悟しているからなのか、片岡の邪心がない態度に戸惑いながらも、
この人なら自分を救ってくれるかも知れないという直感が働いて本心では出て行きたくなかったのかもしれません。
 それにしても、玉置さん仙人ぽいけど暖かい、ユニークなキャラクター創ってますね〜

 今回も犬のミルクと洋子のじゃれあうシーンありました。
いや〜犬相のいいやさしそうな片岡家にぴったりのワンちゃんを見つけてきたもんだね。かなり重そうだけど・・・。

 さて、片岡家をとりまく人物・・・片岡の元相棒の柳沼(成宮寛貴)君は、
どうやら洋子に一目ぼれしたようだけど、洋子の反応は冷たい。
 片岡の妻の親友、房子(和久井映見)は柳沼君がお気に入りだけど、
積極的な房子に対して柳沼君は引き気味・・・
 そんな房子に密かにラブコールを送っているのが今の柳沼の相棒飯塚(小日向文世)だけど、房子の視界にも入っていない様子。
 この関係どうにか変っていくのでしょうか?

 相変わらず小日向さん、出すぎず引っ込みすぎずいい味だしています。
この年令でおちゃめな(?)キャラクターを演じれるのは小日向さんぐらいですよ。

 強引に片岡家に残るということにして洋子の歓迎パーティが開かれるが、
飲みが進むにしたがって、洋子の身元をネタにしはじめるみんな。

 「結婚してたのかな・・・」片岡
「結婚はしてないけど、男はかなり知ってるって感じかな。
なまりもなりし、でも都会的ではないから関東近辺出身ってとこかな・・・
着てた服からしても、たいした暮らしじゃないねー」
と元婦人警官の房子が頭脳を働かせてドンピシャの推理を。

 何か不思議系なんだけど、実はするどいという房子のキャラクターにぴったりな和久井さん。メンバーの中で唯一、洋子につっこみを入れられる存在。
敵となるか味方となるか・・・気になりますね〜。

 名前がないと便宜上困るということで、みんなで洋子の名前を考える。
洋子の頭には、小学生の頃に「自分の名前の由来」という授業で人気者だった
愛ちゃんのことが浮かんで反応してしまい、洋子は愛ちゃんと呼ばれることに決定する。

 房子からも「愛ちゃんとして第二の人生送ればいいじゃない」と言われ
自分の思う通りに事が進んでいるにもかかわらず、やはり乗り切れない洋子。

 隼の保育園でダンスがあるけど、片岡も房子も仕事で見に行けない。
代わりに見に言って欲しいと頼まれて真剣に嫌がる洋子。でも、誰も聞いちゃいない。
 「あいえないわ・・・」と言いながら、きちんと正装して保育園に向かう洋子だが、やはり耐え切れず途中で引き返して房子に代わりに行ってと頼み込む。

 洋子が最初に飛び込んだ橋がまた出てきます。
人生を終わらせようと思って飛び込んだのに、片岡家との関わりができてしまい
さらに、もう一度飛び込むことによって結びつきを強くした場所。
 この橋の上で洋子のこころは常に迷いながら、変化を与えていきます。
いつかゆるがない強い意志をもってこの橋を渡る時が来るのでしょうか・・・

 ファミレスで働きながらも、子供たちの笑顔と自分を頼って握ってきた手の感触を思い出して、落ち着かない洋子は、自然と保育園へと走っていた。
誰もいない教室で、自分の行動に自分で驚いている洋子だったけど、
貼ってある隼の「ぼくの家族」という絵の中に自分が書き加えられているのを見て
涙を流す。それを、見てそっと姿を消す片岡。

 愛のない生活を送ってきて、自分のなかには「愛」は存在しないと思ってきた
洋子でしたが、もしかしたら自分の中にも愛はあったのかもしれないことに気づいた瞬間、自然と涙が出てきたのでしょう。そんな、洋子をそっと見守る片岡。
 自分の中に見つけた「あい」という感情を、もてあましながら洋子がどんなふうに育てていくのか、ますます楽しみです。

 房子の「本当に記憶喪失なの?」という突っ込みがコワかったですが・・・
しかし、玉置さん・・何の病気なんでしょうか。病人らしい症状全然ないけど。 

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 15:02|PermalinkComments(12)TrackBack(18)

2005年10月13日

「あいのうた」第一回

 さて、番宣でも、マイペースで役にたたない玉置浩二の代わりにそつなく働いていて頭の良さを感じさせていた菅野美穂君の久々のドラマ・・・。

 愛の感じられない環境で育った松田洋子(菅野美穂)は、男に振られたのをきっかけに東京へ行って死のうと決めて、橋の上から身投げする。
しかし、泳げるため死ねずに病院へ収容される。身元を聞かれた洋子は、
これまでの人生に嫌気がさしていたため記憶喪失を装うことにする。

 菅野美穂は、乾ききった女の子の役をやりすぎずにリアルに演じていると思います。
しかし、記憶喪失になって人生をやりなおすって、誰もが妄想するんじゃないでしょうか・・・。転校とかでもいいけどね。そんな夢をかなえるかのようなドラマですが、
実際記憶喪失の振りをしているかどうかっていうのは病院で調べればすぐわかるらしい。精神科にも回されずに退院してきちゃいましたが、これは?

 さて、玉置浩二の役(片岡優二)は元敏腕刑事(どうも信じられんが・・・)だったのに自ら望んで警務課に異動した男。
三年前に妻を亡くし三人の子供たちと暮らしている。
行き場のなさそうな洋子を家に連れて来て一緒に住むよう説得する。

 不思議キャラですよ・・・。
この人って何をやっても玉置浩二そのままなんじゃないか・・・って思ってしまうんだけど。それは、演技がうまいってこと?

 片岡の亡くなった奥さんの親友役の和久井映見。
何故かファミレスで働いているが、片岡から頼まれて洋子の世話をする。

 和久井映見の話し方、ひと昔前のドラマ「ピュア」を思い出しました。
一瞬、あれ、この人大丈夫じゃない人?とか思ってしまいました。
それと不吉にも表情が戸川純さんに似てるな〜とも。
 ところで、菅野のための大量の下着や衣類の買い物・・・この代金も人の良い玉置の財布から出ているのでしょうか?

 玉置の元同僚。相棒だった成宮寛貴君・・・いい男というのは不便ですね。
どんな役をやっても顔の良さのせいでリアリティが薄まってしまいます。

 移動した玉置浩二の変わりに刑事課に配属された飯塚役の小日向文世
この人は、仕事断らんのかい!というぐらいいろんなドラマにちょいちょい出ていますね。
ちょっといい加減そうで頼りにならなさそうだけど(マイナスイメージばかり?)
憎めない奴という役が定番になってきていますが、今回もそんな感じ。
 阿部サダヲほど濃くはないですが、大事なにぎやかし要員です。

 このまじめ君とおとぼけさんと変人さんのコンビネーションすごくいい感じ。

 さて、大嫌いな犬と子供に囲まれながらも片岡の家で暮らし始める洋子。
晩御飯でまた、ケチャップをかけられたのをきっかけに全員でマヨネーズやパン粉など調味料のかけ合いが始まる。

 これはね・・・主婦がいないからこそできることですよ。
私なんて見ていて、まず、あーこの後かたずけどうすんだろ・・・とか考えてうんざりしちゃいましたも。
 ところで、ソファで眠っていた洋子の上に犬が座っていて悪夢を見ているふう・・・
という場面笑っちゃいました。うちも猫と住んでるんでよくあるよな〜とか思って。

 掃除をしながら始めて会話らしい会話をする洋子と片岡。
「何で?何でそんなにしてくれるの?!」
「だって一人は寂しいよ・・・」
「自殺は良くないよ・・周りの人が悲しむ」
「バッカみたい!生きていればいいことがある?!何でそんなことがわかるの?
この家、何だかベタベタ愛が満ち溢れちゃって、気持ちワルイ!」
「寂しい人だったんだろうなあ・・・」

 哀れむんでもなく普通に「寂しい人だったんだろうなあ」と言われちゃうと
よけいにずーーーんときてしまいますね。
 次の日、みんながいなくなった後一人で片岡家を出て行く洋子。
何をするでもなくデパートの屋上でぼんやり。
ふと、覗いた望遠鏡に片岡家が映る。
いなくなった洋子を家族全員で探しているのを見て驚く洋子。

 川に女の子が飛び込んだという情報を受けて見に行き、洋子の靴が置いてあるのを見て自分も川に入り洋子を捜す片岡。出てきた洋子を抱きしめる片岡。
「ばかやろう!何で死のうとするんだよ!もったいないよ、命が!命がさぁ!
そんなの止めよう!生きよう。生きようよ。生きるんだよ」
 片岡の声を呆然と聞く洋子の手には無くした筈の亜希のかばんが・・・

 望遠鏡で片岡家を覗くというのはおもしろい展開ですね。
遠くから見ているのに身近に感じられる。自分のことを本当に心配してくれているんだ・・・ということを洋子が気づくのに流れが自然でした。

 洋子の、自分の中にほんの少し目覚めてきたやさしさに戸惑っている様子が伝わってきました。そして、子供に冷たく対応しながらも初めて頼られるこそばゆさや照れ、そんな自分にちょっと怒りを感じて困っているのが菅野美穂さんの表情から自然に伝わってきました。いんじゃないですか〜

 玉置浩二さん、
自分も病気であと半年の命であり、行きずりの女の子を家に入れて面倒見るという普通なら絶対にありえないよ・・・・という設定も
もともとの変人キャラ(失礼・・)をベースに飄々としていながら、明るさを秘めているような不思議な男を創り上げています。
 もしかして、今の世の中にもこんな変なおっさん一人はいるかもしれないな・・・
そう思わせるものがあります。

 期待せずに見たのですが、わりかし良かったです。来週も見ますよ〜。

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 16:10|PermalinkComments(12)TrackBack(16)