夜ドラ「バニラな毎日」 第10夜夜ドラ「バニラな毎日」 第12夜

2025年02月06日

夜ドラ「バニラな毎日」 第11夜

『どこに行くの、優美ちゃん!
待って!行かないで!家にいてよ〜!』


 お母さんの声が聞こえ、優美さん(伊藤修子)の手は止まってしまった。
笑顔は消え、苦しそうな表情になった。

「ごめんなさい・・・」
「大丈夫ですか?」葵(蓮佛美沙子)
「すいません・・ちょっと手が・・・
・・・細かい作業慣れてなくて」
「肩の力抜くといいですよ。やりなおせるし」


 気を取り直して再び始めるもうまくいかない。

「あぁ・・・全然あかん・・」優美
「別にいいの。
お菓子作りってね、自由なのよ」佐渡谷
「・・・・そう。自由でいい」葵


 葵から「自由でいい」という言葉が出て、
なんだかこっちが泣きそうになったよ(´;ω;`)
大好きなお菓子の世界だったけど、それゆえにガッチガチに葵を縛る世界でもあったお菓子に対して、そんなふうに言えるようになったなんて。
葵自身も少しづつ自由になってきているんだね。


 二人の言葉に励まされ、優美さんは再び集中。
でも心の中ではお母さんの恨み節が響いている。
その声と自分を守ろうとする優美さん自身が戦っている。

「できた!」

 最後の一個、すんごいきれいにできてる〜!
粉砂糖を振ったら出来上がり。
二人の拍手を受けて優美さんやっと笑顔になった。
するとまた聞こえてきた。

『なんで優美ちゃん笑ってるの?
お母さんを置いていったのに、なんで?
ず〜っとお母さんのそばにいて』


「・・・ごめんなさい・・
ごめんなさい・・
ごめんなさい・・」優美






 優美さんが楽しんでいると聞こえてくる責める声。
なぜ私を殺したくせに楽しめるの?と。

 優美さんは自分のことを話してくれた。
何年も、何十年も引きこもりだった優美さんのことを父は「汚点」だと言った。でも、お母さんは優美さんをずっと守っていてくれたそうな。優美さんが外の世界に出られたのは父の葬儀の日。そしてその後、お母さんは優美さんをケーキ屋さんに連れて行ってくれた。その時に食べたのがモンブランとチーズケーキ。

 その後も母が別のお店に連れて行ってくれ、徐々に外出できるようになった優美さんはボランティア活動に参加するようになった。出会いを経て自信のついてきた優美さんはお母さんに感謝しつつも、うっとおしさを感じるようになっていた。

 佐渡谷さんも言っていたけど、遅れてやってきた思春期といおうか、親離れしたいと思えるほど自分自身というものができたきたんじゃないのかな。経済的にはまだ依存していたかもしれないけれど、心の自立が始まったんだよ。

「それでいいんじゃないの?」佐渡谷(永作博美)
「ダメですよ!そんなんダメなんですよ!
ウザいと思ったから母を殺したんです」


 お母さんが亡くなった日、
優美さんは初めて仲間と遊びに行って朝帰りをした。

「めちゃくちゃ楽しかった。
こんな世界があるんだって初めて知りました」


 その最中にお母さんから何度も電話がかかってきたけど無視した。
お母さんからの「助けて」という声を黙殺した。

「でも優美さん、そんな悪いことしてますかね?」葵
「母を見殺しにしたんですよ!」
「・・・優美さんのこと、
お母さんは怒ってないんじゃないですかね?
優美さんの幸せをずっと願っていると私は思います」
「いいえ。母の死は自分のせいです」

「優美さん・・・・
タイミング間違っているかもしれないんですけれど、
一口食べてみませんか?
嘘だと思って、一口でいいんで食べてください!
ほんのちょっとでも幸せな気持ちになれるはずなんです!」


 自我がせめぎ合う中で混乱しつつも、
二人の説得でしかたなく食べてくれた。

「どうしよう・・・止まらへん・・
何でこんな悲しいのに食べられちゃうんやろ・・
もう嫌や〜〜〜」


 いいんだよ (´;ω;`)
それが生きていくってことなんだから。
お腹もすくし美味しいとも思う。
笑ったり泣いたり怒ったり。
そして感動する。

 わたしゃお母さんのと関係の悪さが優美さんを苦しめているのかと思ったら違った。自分を守って大切にしてくれたお母さんだからこそ、たった一度の拒絶が優美さん自身が許せない深い後悔となって追い詰めた。優しかった母が自分を呪うほど恨んでいると思うようになってしまった。助けを求めて電話してきたのに無視したことで命綱を断ち切ったように思えた。

 でも、きっと葵が言っていたように帰りが遅いから生存確認のために電話をかけていたのかもしれない。友達と遊んでいると伝えたら安心したかもしれない。そして朝帰りしたことをお母さんは喜んでいると思うぞ。引きこもりで人間を拒絶していた娘が仲間を得て楽しすぎて朝帰りになった。あぁ、良かった、良かったねぇ・・と笑顔になっていたはず。

 美味しいモンブランを食べて、
葵と佐渡谷から自分とは違った解釈を聞かされて、
長い間優美さんのこころにまとわりついていたものがはがれてきたのかな。
自分も楽しんでいいんだ。笑ってもいいんだ。
それをお母さんは望んでくれている。
今の優美さんの素直な思いがこぼれた。

「お母さんに会いたい・・」

 良かった・・・(´;ω;`)
「母がいなくなって、どこかほっとしている自分もいる」ことが一番辛いと言っていたけれど、そういう自立のしかたもあるよ。親の愛情も憎しみも複雑に絡み合って日常に溶け込んでいる。思いって一色じゃないもの。いろんな色が混ざり合っている。今は美味しい、幸せ!と思える自分を信じて欲しい。

 てか、積極的に優美に関わり、優美の苦しみに寄り添おうとしている葵の姿が嬉しかったよ〜きっと佐渡谷さんもおんなじ気持ちだよね。

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matakita821 at 16:47│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 夜ドラ「バニラな毎日」 

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