きこりのテレビ日記 #207きこりのテレビ日記 #208

2025年01月20日

「御上先生」 episode 1 -destruction-

 


「『パーソナル イズ ポリティカル』
個人的なことは政治的なこと。個人が抱える生きづらさは、
個人で何とかしろってなりがちだけど、実は社会的問題。
つまり政治が解決すべき問題だって意味なんだよね」


 友が教えてくれたその言葉が御上(松坂桃李)を支え動かしている。
言い換えると組織を変えるためには個人が抱える問題と向き合うべき・・ということだろうか。御上の異動は左遷ではなく、彼と槙野(岡田将生)が日本の教育の在り方を破壊し新たに構築するために決断した行動だとしたら?御上は現場で、槙野は文部科学省という組織内部で戦う。後輩を前にした友情決裂アピールも作戦なんじゃないだろうか。

 教壇に立った御上からは揺るがない覚悟のようなものが伝わってきた。
おりこうさんの生徒たちを積極的に煽る御上。

「君たちが今考えているエリートは、ただの上級国民予備軍だ。
言ったよね?エリートは「神に選ばれた人」だと。
なぜ選ばれるか?
それは普通の人間なら負けてしまうような欲やエゴに勝てる人だから。
自分の利益のためではなく
他者や物事のために尽くせる人だからだ。
僕はそこに付け加えたい。
真のエリートが寄り添うべき他者とは、
つまり弱者のことだ」


 芸能人であれ政治家であれ、「神に選ばれた人」には、選ばれたことに対する義務や責任があると思う。立たされたその高い場所から目を見開き真実を見つめる。そして神から託された能力を自分のためではなく他者のために使うという。



 御上の登場とその言葉は3年2組の生徒たちにとっては、まだ通り雨なのかもしれない。
報道の仕方を真っ向から批判された神崎(奥平大兼)にも、まだ届いていないだろう。でも刺さるものはあったはず。自分が「報道」と思いこんでいたものの矮小さ、発信することへの想像力と責任の欠如、小さな世界で公表されたものが巻き起こす影響の大きさ、報道(と思いこんでいたもの)で晒された側の人生が続いていくこと。

「『バタフライ・エフェクト』。
ここで肝心なことはブラジルで羽ばたく蝶は自分の羽ばたきが竜巻となり、
たくさんの人や動物を殺したかもしれないことを知らないってことだ。
何の痛みもなく、人は人を殺すことがある。
だって蝶は羽ばたいているだけなんだから」


 尻尾を巻いて逃げようとした神崎だったが本物の闇と向き合う為に戻ってきた。彼の中で革命が起きて欲しい。それこそが御上の願いだから。

 神埼の「何でそんなに俺にかまうの?」と問われた時の「似ているからかな」と答えた時の御上の目は闇を見据えていた。(「野獣死すべし」の優作が『リップヴァンウィンクル』を語っていた目を思い出したよ)最初っから一瞬で松坂桃李さんの存在感に引き込まれた。コレは見ずにいられんでしょ。「今」という時代に斬りこむドラマ。スタッフもキャストの皆さんも返り血を浴びながらさらに突き進んでいく覚悟があるのでしょう。もちろん視聴決定です。

 第2話 -awareness-
 第3話 -beginning-
 第4話 -fate-
 第5話 -confidence-
 第6話 -confession-
 第7話 -delusion-
 第8話 -strategy-
 第9話 -joker-
 第10話(最終回)- Puppets can't control you -

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matakita821 at 17:35│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 日曜劇場「御上先生」 

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