きこりのテレビ日記 #173きこりのテレビ日記 #174

2024年07月15日

プレミアムドラマ「エンジェルフライト」第6話(最終話) 母の最期の旅

『母さま・・・
あなたの言うとおり、あなたに反抗したくて、
私はここに辿り着きました。
あなたのおかげです。
ありがとう』



 子供を愛せなかった母親。
子供といることが苦痛でしかたがなかった。
愛せない自分を責め、母親らしい感情が湧かない自分を呪い、それでも変われない自分に苦しんだ。母親にとっても娘にとっても辛い親子関係だった。

 苦しみながら出した結論は、『ひとりで生きていく逞しさを身につけた子に育てる』。
自分にはそれぐらいしか教えられない。嫌われても憎まれても。

 踏切に自転車が挟まり、電車が近づいているのにただ見ているだけだった母。
凛子(松本穂香)の記憶の中の母・塔子(草刈民代)は助けようともせず踏切の向こうから冷たい目で見ていた。『死ねばいいのに』とでもいうように。でも、今蘇るのは頑張って一人で自転車を運んで危機を脱出した娘を抱きしめてくれた母の手。戸惑いながら背中に添えられた温かさ。

 『6. 娘に迷惑をかける』
写真の裏に書かれていたバケットリストの最後のナンバー。
あんなに人に頼ることも頼られることも嫌いだった母が、最期に娘に甘えることを自分に許した。こんな形でしか残すことができなかった親子の絆だけど、凛子も母様らしい・・と思ったんじゃないかな。最期に、娘が選んだ仕事も娘のことも信じて自分の最期の旅を託した。





 「エンジェルハース」に入社してからたくさんの御遺体とご遺族とともに死と向き合ってきた凛子。向き合いながら、常に母の存在があったと思う。あの母を見送る時、自分は何を思うんだろうか、泣くんだろうか、笑うんだろうか、清々するだろうか。それとも何も感じないんだろうか・・と。

 『死』には不思議な力があるのかもしれない。
死期が迫った時、看取った時、身近な人の死と向き合った時、ひとは素直になれる、ならざるを得ない。それは死に向かう準備のための時間であり、死を受け止めるための時間。今まで背負ってきたものを手放せる瞬間。

 母の死に向き合い、感情を解き放つことができた凛子の中で、塔子という母親のイメージが急変した訳ではない。ただ怖かった母も憎らしかった母も寂しかったであろう母も、自分の母だと認め、心の中に母の居場所を作ることができたんじゃなかろうか。

 死から始まる物語。
死を描きながら、亡くなった者と遺された者の生が実感できるドラマでした。それは黒子に徹した「エンジェルハース」スタッフの真摯な仕事ぶりがあってこそ。毎回心揺さぶられる、見ごたえのある内容だったわ〜。6回は短かすぎるよ〜!

 って、那美の恋人、生きているかもしれないんだって〜!
もちろんシーズン2あるよね?
その時はNHKBSさん、放送お願致しまっス!

 第1話 スラムに散った夢
 第2話 テロに打ち砕かれた開発支援
 第3話 社葬 VS おかめ食堂
 第4話 アニメに憧れたベトナム人技能実習生
 第5話 那美 VS 究極の悪女

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matakita821 at 17:31│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 プレミアムドラマ「エンジェルフライト」 

この記事へのコメント

1. Posted by sannkeneko   2025年06月13日 17:28
こんにちは。
塔子が会社を訪ねてきたことは想定外ながら、娘を愛せないこと、そんな自分の凛子への想い。それを聞いた上で、バケットリストを書いてもらった。そして凛子に母を「迎えに行かせる」エンジェルハースの皆さま。死に向き合い、亡くなった方にも遺族となってしまった方にも真摯に向き合ってきたからこその優しさ。そんな想いを受け入れて、母の想いも受け止めて母の死に涙を流した凛子。
>怖かった母も憎らしかった母も寂しかったであろう母も、自分の母だと認め、心の中に母の居場所を作ることができたんじゃなかろうか。
時間はかかったけれど、やっとやっとの一歩なのかな・・・。

>黒子に徹した「エンジェルハース」スタッフの真摯な仕事ぶりがあってこそ。
あくまで主役は無くなった方と遺された方。静かに温かく寄り添う那美たちの姿が印象的でした。
season2・・・NHKさん、よろしくお願いします。
2. Posted by きこり→sannkenekoさん   2025年06月13日 19:54
こんばんは〜
なんだか温度差が激しいですなぁ( ̄▽ ̄;)
> そして凛子に母を「迎えに行かせる」エンジェルハースの皆さま。死に向き合い、亡くなった方にも遺族となってしまった方にも真摯に向き合ってきたからこその優しさ。
今回はエンジェルハースの存在の有難さが更に沁みました。
彼らがいてくれたからこそ凛子も素直になれたんじゃないかな。
もしたった一人で母に会いに行ってたら違っていたと思う。
仕事のプロでありながら一人一人の御遺体に、そしてご遺族に真摯に向き合う姿と心意気に毎回泣かされました。
> そんな想いを受け入れて、母の想いも受け止めて母の死に涙を流した凛子。
泣けて良かった。
涙がいろんなものを流してくれて新しい思いに気づかせてもくれた。
> season2・・・NHKさん、よろしくお願いします。
NHK総合で放送があったのはシーズン2があるからなんじゃ?とか思ったけど、どうかしら〜?幸人のこともあるし、このまま放置ってことはないよね〜?( ̄▽ ̄;)

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