きこりのテレビ日記 #169きこりのテレビ日記 #170

2024年07月01日

プレミアムドラマ「エンジェルフライト」第4話 アニメに憧れたベトナム人技能実習生

 『エンジェルフライト』第4話 アニメに憧れたベトナム人技能実習生(録画)(NHKBS)

 「死」が、残された人の心を変える、これから生きていく人の人生を変える。
パワハラ、給料未払い、過酷な労働環境・・本当なら彼女が生きているうちに変わって欲しかった。日本という国に希望を抱いて来た彼女の心に、真摯な努力と懸命な労働にふさわしい形で応えて欲しかった。でも彼女の死が、彼女が残した愛が、あの社長を変えると信じたい。

 スアン(リエン)の御遺体を奪って元職場に立てこもった上田(濱津隆之)。「ストーカー」という声を聞いて一瞬ぞっとしたが(家族でも恋人でもない相手に死んだからと言って御遺体袋を開けて見られるのは抵抗あるぞ)、スアンは上田のこと尊敬していたみたいだから許してやっか。それに彼の行動で工場のみんなも勇気を出すことができたし。

 亡くなられた後の肉体とはなんだろう。
那美(米倉涼子)に病死した母親の遺体の処置をしてもらって魂が戻ったように感じて、生きている頃の母と向き合うようにお別れをすることができた柊(城田優)。亡くなった後に夫の不倫が発覚し、御遺体となった相手の女性の指を切ってでも指輪を外させたかった妻(高橋由美子)。結局、ギリギリのところで留まってくれたが相手が御遺体となっても復讐せずにはいられなかったのか。離れてくらしていた娘の生きているような姿を前にして、彼女の人生を改めて称え感謝し愛おしむ父。やっぱりお骨で対面するのと御遺体を前にするのでは違うよね。そして8年前に海難事故で夫を亡くしたが遺体が未だに見つからない那美。御遺体を前にお別れをすることができなかったために、彼女は後悔を抱え続け、わかってはいるが生きて戻って来る可能性が捨てられない。

 私は父が亡くなった後の遺体を見て、もう「父」はいないんだな、ここにあるのは「父の魂」が入っていた、ただの入れ物なんだなと思ったけれど、その入れ物に、その人の息吹のようなもの、命が感じられたら、死んでしまった者だからこそ与えられるものがあるんじゃないだろうか。目の前の「死」を通してしか伝えられない瞬間の。それは愛かもしれないし、気づきかもしれないし、希望なのかもしれない。


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