きこりのテレビ日記 #163きこりのテレビ日記 #164

2024年05月18日

ドラマ25「季節のない街」 第7話 がんもどき 前編


 今回はオカベ(渡辺大知)の思い人・かつ子(三浦透子)の物語。
オカベの話からかつ子に興味を持ったのか、退屈しのぎか知らんが、半助(池松壮亮)はかつ子について調べ始めた。現在叔母・妙子(広岡由里子)、叔父・京太(岩松了)と一緒の家にいるのだが、元々はかつ子と母・かなえ(小田茜)の二人で暮らしていたそうな。

 だが、かなえはかつ子を置き去りにして街を去り、どっかの社長と再婚。代わりに「叔父夫婦がしれっと住み込んだ(初太郎 談)」んだと。京太は全く働かず毎日飲んだくれており、かつ子と妙子の内職とかなえからの養育費で生活しているらしい。

 6年前、かつ子の高校進学を機に養育費増額をかなえに頼んだら、彼女は、いかにも『私はゆとりのある金持ち』を表現するような仰々しい姿で街に降り立った。妙子と京太は腰低くお迎えし、ご近所の皆さんも遠巻きに見物。

「かつ子?これが、あの子なの?
・・・・ふ〜〜〜ん・・・
ヤダぁ・・まるで潰れたがんもどきね」かなえ


 それ以来、かつ子は影で「がんもどき」と呼ばれるようになった。
しかしそんなこの街の人達もかなえのことは悪く言わなかった。
たんばさん(ベンガル)によると「彼女は成功者」。
この街を出ることができ、裕福な暮らしをしている、そしてそれを隠さない希望の星であるかなえのことは羨望はしても罵ったりしない。

 一方、母親に捨てられ、この街から出られず、日々生活に追われているかつ子は、この街の象徴(貧しさ・理不尽な苦労・報われない等)のようでもあり、人々から憎まれバカにされている。まるでかつ子を虐げることで、やっと何とかこの街で息がつけているかのように。

「あの子の存在を認めるってことは、
自分の貧しさを認めることになるだろう?」たんば


 かつ子の生活は毎日同じ。
叔母と共に不織布マスクを作る内職をしながら家事雑用。
無口なのでおしゃべりはしない。
話しかけられても答えないので彼女の表情の微妙な変化から察するしかない。
自分から楽しみを求めることもないし、変化も望んでいない・・ように見える。
そんな生活が妙子の入院によって変わっていく。




 叔母が居ない分寝る間も惜しんで内職を続けたため疲れ切ってうとうとしていたかつ子が野放図に出していた足にムラッときた京太はかつ子の上に乗っかった。

「何でもないんだよ。
当たり前のことなんだ。
オマエはじっとしていればいい。
目をつぶるんだよ、こういう時は」
「・・・(じ〜〜っ)」かつ子
「つぶれっ!
ええい!もう!俺がつぶる!」


 冷めた目を見開いたままのかつ子は、せめて京太を付き飛ばそうとしたが机のラジオが落ちただけだった。

 オカベはかつ子への誕生日プレゼントを買う為に半助とタツヤ(仲野太賀)に付き合ってもらって街の外へ出た。ワンピースとカーディガンを購入。

 そして会社用にオーダーメイドの背広を作ったタツヤは家族へのお土産を手にウキウキと帰宅。しかし、しのぶ(坂井真紀)から兄・シンゴが退院すること、一生車椅子になるかもしれないと聞き、表情が消えた。

「どうしようかねぇ・・
ここで暮らす訳にはいかないよね。
狭いし、段差あるし・・」しのぶ
「・・・・」タツヤ
「そんな顔しないでよ。
『またかよ』って顔!
悲劇の主人公にでもなったみたいなさ」
「主人公は兄貴だろ?俺じゃなくて。
母さんにとっては。そうでしょ?」
「はいはい!この話はおしまい!」


 リッチマンには怒りを感じなかったけど、このしのぶには怒りが煮え滾ってくるワ。「どうしようかねぇ」と言いながら、タツヤにどうにかしてよと圧をかけているし、タツヤが思いを伝えようとすると自分の言いたいことだけ言ってシャットダウン。

 タツヤはかつて兄に奪われた背広の代わりに自分で一生懸命働いたお金でスーツを作ったこと、まず自分達の生活を立て直してから兄の面倒を見なきゃ繰り返しだと訴えたが・・・

「アンタは・・優しくないよ!」しのぶ
「わかってるよ!俺はさ・・・
兄貴のことが嫌いなんじゃないんだよ。
兄貴のことになると周りが見えなくなる
母さんのことが嫌いなんだよ!
そのことで・・・
こういう感じになる自分が嫌いだよ・・・」

「・・・・・」
「もおおおーー!!
狭ぇな、この家!クソ狭ぇよ!
親とケンカしても頭冷やす場所もねぇよ!
クソッ!!」


 タツヤの優しさは、しのぶには通じない。
まるでタツヤに冷たくすることがシンゴへの愛情ででもあるかのように拒絶する。タツヤの人として真っ当な意見は、しのぶには「冷たい」「情がない」と判断される。彼女にとって「優しい」とは自分に100%賛同し大喜びで兄を支えることしかないんだね。

 さて・・かつ子だよ。
三週間ほどで叔母さんは退院してきたが、一ヶ月の静養をせねばならず、かつ子は通常任務の他、病人食を作ったり、病院に薬を取りに行ったり、仕事が増えてさらに忙しい日々。「こんなにのんびりしたのは何年ぶりだろぅ」とつぶやく叔母のそばで黙々と働きつづけるのであった。

 かつ子は不思議だ。
働き続ける姿は一生懸命とか、かいがいしいというのとも違う。
まるで動き続けることで考えないですむ状態をつくりだしているような。

 かつ子が乗っているのは水をかき出してもかき出しても沈むしかない船。
でも、かつ子は一緒に水をかき出してくれる人を求めているんだろうか。
それとも泥船で一緒に沈んでくれる人?
いや、人間に何も求めていないような気もする。

 それでも初めてオカベの店を訪ねたかつ子だったが、何も言わず去っていった。
その後、叔母と一緒にお風呂に行ったことから妊娠が発覚。相手を問い詰める妙子だったが・・・こんな働きづめの毎日で外に相手がいる訳ないじゃん!薄々気づいてるんじゃないの?

 注文していたスーツが完成し、タツヤはウキウキと帰宅。
スーツを見せて母親に一緒に喜んで欲しかった。
しかし、家には誰もおらず、小さなホワイトボードに『ごめんね』。
しのぶは弟と妹を連れてどこかへ行ってしまった。

 コレさ、兄の面倒はしのぶ達が見るの?
でも深夜バスみたいのに乗ってたから遠くへ行く感じだったよね?
シンゴにも何も告げてないんだったら、普通にタツヤのとこに来るよね?
タツヤに全部押し付ける気?ソレも腹立つけど、タツヤを一人置いていくことが、しのぶの無意識の仕返しのように思えてならない。タツヤが溜まっていた思いをぶつけたこと、そして家族として兄を一番に思えないタツヤに対する罰。残酷すぎるよ。

 先週とは違った辛みが・・・
かつ子の妊娠をオカベはどう受け止めるんだろう。
でもオカベって、かつ子のことがホントに好きなのかな? ( ̄▽ ̄;)
『誰の邪魔にもならないいい子』って独特の表現で褒めてたけどさ〜
店に訪ねて来た時、半助でも気づいたかつ子の様子に全く気付かなかったよね?
かつ子を好きな自分が好きな気もする。
もしやオカベは『救援物資を配りつつ握手を求める偽善者』なのか?

 怖いけど来週を待ちます・・・

 第1話 街へいく電車
 第2話 親おもい
 第3話 半助と猫
 第4話 牧歌調
 第5話 僕のワイフ
 第6話 プールのある家
 第8話 がんもどき 後編
 第9話 たんばさん
 第10話(最終話)とうちゃん

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この記事へのコメント

1. Posted by 桔梗   2024年05月23日 17:49
この後味の悪さは逆に凄いね。
こんなにも次々辛い展開になって・・。
次回も救いはないのかも。毒親って呟いてしまったよ。毒叔父・・。
タツヤはお母さんと弟妹が出て行ってショックだろうけど、捨てるより捨てられた方が気持ちが楽なんじゃないかな。
しのぶはシンゴと暮らすのかしら?暮らせるのかしら?また戻ってくるのか?
最後はどうなるのか・・あと3話だね。

火曜日NHKの「燕は戻ってこない」も見てるんだけど、こちらもしんどいながら、どうなっていくのか・・・。
楽しみは「寅に翼」なんだけど、今週は赤紙がきたり、弁護士やめたり・・。
今日は出産シーンがなくていつの間にかおんぶしてたりして以外だった。あんまり出産シーンに時間さくのは好きじゃないけど。
親子三人の幸せなシーンが長く見れますように。
2. Posted by きこり→桔梗さん   2024年05月24日 18:12
> この後味の悪さは逆に凄いね。
まさかこんな展開が待っているとは・・・クドカンも容赦ないよね( ̄▽ ̄;)
オカベ、どう出るかね?
> 次回も救いはないのかも。毒親って呟いてしまったよ。毒叔父・・。
岩松さんが、ホントどうしようもない叔父を体現しているよね。殺しても死ななそう。
なんでこんな奴のために働かなきゃならないのか。
妊娠の相手が自分だってわかっているだろうに、あの叔父なら知らんふりしそう。
> タツヤはお母さんと弟妹が出て行ってショックだろうけど、捨てるより捨てられた方が気持ちが楽なんじゃないかな。
そうかもしれない。あの母親のやり口はあんまりだけど。タツヤが、この母親を捨てるなんてことは絶対できないから、離れられて良かったのかも。
シンゴのことだけが心配だよ( ̄▽ ̄;)
> 最後はどうなるのか・・あと3話だね。
短いわ!せめて12話ぐらい作って欲しい。
私も原作読み始めたよ。「がんもどき」はまだ読んでないけど。
1962年の作品なんだね。もっと昔の話のように感じていたよ。昭和の初めのころとか。
> 火曜日NHKの「燕は戻ってこない」も見てるんだけど、こちらもしんどいながら、どうなっていくのか・・・。
私は、なんか5分ぐらいでリタイアしちゃった( ̄▽ ̄;)
> 楽しみは「寅に翼」なんだけど、今週は赤紙がきたり、弁護士やめたり・・。
弁護士辞めなくても良かったと思うんだけど〜仕事量減らして、よねさんにも協力してもらって・・って訳にいかなかったのかな。まぁ雲野先生も気がきく方じゃないしね。追い詰められて100かゼロか、って選択になっちゃったのかな。
今日の優三との別れには泣けたよ。寅子は謝っちゃったりして、違うだろ!って思ったけど、いなくなって優三の不在が深く沁みるんだろうなぁ・・あまりにも優しくおおらかに寄り添っていてくれたから。
早く戦争終わって欲しいね。予告で花江が泣いていたのが気になったが・・

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