2024年02月18日
『お別れホスピタル』 第3話 サンタさんはいるの?
「あ・・あぁ・・・!
わかっています。これは私の勘違い。
でも・・・今、この子、私を見た」寛子(筒井真理子)
「おめでとう」池尻(木野花)
生きていくことはサンタを信じることなのかもしれない。
サンタさんの真実を知ってしまっても、
それでもいつか来てくれると願うことで生きていける。
クリスマス会の準備が始まった病棟。
しかし看護師に暴言を吐き続ける安田さん(木村祐一)、
ケアワーカーさんを泥棒呼ばわりする池尻さん(木野花)、
相変わらずのケンさん愛で南(長村航希)にチューを迫る幸村さん(根岸季衣)、
ナースコールの鬼・大土屋さん(きたろう)、
いろんな音や叫び声・怒声が飛び交っております( ̄▽ ̄;) 大変だぁ
そんな中、変わらぬ優しい時間が流れている佐古ひとみさんの病室。
母親の寛子さんは10年前脳出血で倒れ運動機能の回復は見込めず意識が戻らない娘さん・ひーちゃん(大後寿々花)に、毎日声をかけ続けている。
『私たちが慌ただしいということは患者さんに活気があって、
意外と明るい日だったりする。
逆に妙に重苦しい日もあって・・・』
寛子さんは寒くなると手足のこわばりが強くなる娘の状態を広野(松山ケンイチ)に相談。リハビリを増やすことにした。そしてリハビリの効果が出ず、また小さな脳梗塞を起した可能性もある池尻さん。苛立ちと失望、明日が見えない日々。
『時々、ハッとする。
私の目の前にいる人達は日々、風の中の蝋燭みたいな命と向き合っている。
頼りない命を前にして人は最期に何を望むんだろう』
そうは思いながらも歩(岸井ゆきの)は寛子さんから「ひーちゃん、目覚ましますよね?」と聞かれた時、何も答えられなかった。
「ええ。そのうちきっと」赤根(内田慈)
「・・・きっと!」寛子
歩の気持ちもわかるよなぁ。嘘を言えないというか、希望を持たせても叶わなかったら、さらに深く絶望してしまうんじゃ・・とか、いろいろ考えちゃうよね。
「サンタさん・・みたいなものよ。
子どもに『サンタさん来るかなあ?』って聞かれたら何て答える?」赤根
「・・・あぁ」歩
「『んなもんいない』なんて言ったら、世界からクリスマスが消滅するじゃない?で、子供が泣くでしょ」
なるほど・・・サンタさんは子供たちの希望であり喜び。
ファンタジーでありながら現実でもある。
寛子さんはもう子供じゃないからサンタさんの真実を知っている。
それでも「サンタさんはいる」と言葉にしてもらえれば、希望を見出すことができる。たとえそれが、すぐに消えてしまう光だとしても。
わかっています。これは私の勘違い。
でも・・・今、この子、私を見た」寛子(筒井真理子)
「おめでとう」池尻(木野花)
生きていくことはサンタを信じることなのかもしれない。
サンタさんの真実を知ってしまっても、
それでもいつか来てくれると願うことで生きていける。
クリスマス会の準備が始まった病棟。
しかし看護師に暴言を吐き続ける安田さん(木村祐一)、
ケアワーカーさんを泥棒呼ばわりする池尻さん(木野花)、
相変わらずのケンさん愛で南(長村航希)にチューを迫る幸村さん(根岸季衣)、
ナースコールの鬼・大土屋さん(きたろう)、
いろんな音や叫び声・怒声が飛び交っております( ̄▽ ̄;) 大変だぁ
そんな中、変わらぬ優しい時間が流れている佐古ひとみさんの病室。
母親の寛子さんは10年前脳出血で倒れ運動機能の回復は見込めず意識が戻らない娘さん・ひーちゃん(大後寿々花)に、毎日声をかけ続けている。
『私たちが慌ただしいということは患者さんに活気があって、
意外と明るい日だったりする。
逆に妙に重苦しい日もあって・・・』
寛子さんは寒くなると手足のこわばりが強くなる娘の状態を広野(松山ケンイチ)に相談。リハビリを増やすことにした。そしてリハビリの効果が出ず、また小さな脳梗塞を起した可能性もある池尻さん。苛立ちと失望、明日が見えない日々。
『時々、ハッとする。
私の目の前にいる人達は日々、風の中の蝋燭みたいな命と向き合っている。
頼りない命を前にして人は最期に何を望むんだろう』
そうは思いながらも歩(岸井ゆきの)は寛子さんから「ひーちゃん、目覚ましますよね?」と聞かれた時、何も答えられなかった。
「ええ。そのうちきっと」赤根(内田慈)
「・・・きっと!」寛子
歩の気持ちもわかるよなぁ。嘘を言えないというか、希望を持たせても叶わなかったら、さらに深く絶望してしまうんじゃ・・とか、いろいろ考えちゃうよね。
「サンタさん・・みたいなものよ。
子どもに『サンタさん来るかなあ?』って聞かれたら何て答える?」赤根
「・・・あぁ」歩
「『んなもんいない』なんて言ったら、世界からクリスマスが消滅するじゃない?で、子供が泣くでしょ」
なるほど・・・サンタさんは子供たちの希望であり喜び。
ファンタジーでありながら現実でもある。
寛子さんはもう子供じゃないからサンタさんの真実を知っている。
それでも「サンタさんはいる」と言葉にしてもらえれば、希望を見出すことができる。たとえそれが、すぐに消えてしまう光だとしても。
さて、そんな話をしていたら乱暴者の安田さん(アルコール中毒)が、
「こんな墓場みたいなとこ、おりたないんじゃ!!」と車椅子で逃亡。数人で止めるもすごい力で蹴ったり押し倒したり狼藉の限りを尽くし怪我人続出。キレた南がつい怒鳴ってしまった。
「甘えんのもいい加減にしろよ!
クソジジイ!
こっちはな、小五からアル中やってんだ!
なめんじゃねぇぞお!!」
ひーーーー!さすがに安田さんもシーーン ( ̄▽ ̄;)
もちろん南は処分待ちの自宅謹慎になりましたとさ。
三木看護師(仙道敦子)が確認すると、小五からお酒というのは事実で、二十歳で病院に入って禁酒したそうな。意外と壮絶な経験しているのね〜南。
暴言よりも南の過去にドン引きするみなさん。
仕事が終わり病院を出た歩を珍しく佐都子(小野花梨)が待っていた。
同じように退勤した広野と行きがかり上、3人でいつもの居酒屋へ。
いや〜小野花梨さんがうますぎる。
『鈴木先生』の頃から、この子はすごいなって思いながら見てきたけど、今回のこの役のこの時、ちょっと躁状態っぽい話し方や態度、闇を見ながらも頑張っている表情、醸し出されるギリギリの雰囲気と存在感がリアルすぎる。
でも冷静な歩だけじゃなくて佐都子がいたから、広野も珍しく自分の家のことを漏らしたのかもしれない。
佐都子と同じように彼も母親から溺愛され育った優等生なんだって。
「親の期待に応えているうちに思いのほかうまくいきすぎちゃったというか・・いつも自分より親や周りの望むように動いちゃって、結果、こうなる」
「結果、めちゃめちゃオーライじゃないですか」歩
「でも誰かといるのは、苦痛になりました。
人といると疲れちゃって・・はは・・」
なんか人間嫌いっぽかったもんね。
なかなか考え方の習慣も治すのも難しいもんなぁ。
バイトを始めた佐都子は歩の部屋から通いたいみたい。
母親がそばにいると「生きなきゃって思わされるからしんどい」んだと。自分の葬式代が貯まるまでは頑張ろうと思っていると通帳を見せた。
「す〜〜・・・すっごい豪華なお葬式にすればいいんじゃない?」歩
「ふっ・・何それ・・」
迷いながらも歩、サンタになれたようです。
難しいよなぁ。相手のことがわかっていても欲しいプレゼントを選べないかもしれない。近くて遠い、遠くて近い家族。でも、佐都子は母親と距離を取る決断ができて良かったよ。
さて、池尻さんのところに弁護士さんがやって来た。
池尻さんは地元で代々続く不動産会社の1人娘。子供がいないので資産や権利はすべて亡くなった夫の甥に引き継がれることになっているが、50年前に池尻さんが建てた商業ビルだけ手放していない。そこが再開発地域になり買い手が現れたそうな。池尻さんが亡くなった後では手続きもややこしくなるので生きているうちにはっきりさせたかったらしい。
なんか自分が死ぬ前提で話進められるのもアレだけどさ( ̄▽ ̄;)
自分が死んだら結局ビルは人手に渡るのは池尻さんもわかっている。
でも「意地」があるから簡単には渡したくないそうな。
池尻さんの両親は彼女がどんなに頑張って事業を拡大しても認めず、跡継ぎの子供のことばかり言っていた。で、ムカついた池尻さんは20代で、あのど派手なビルを建てたんだって〜(あのビルが池尻さんの子供みたいなもんなのかな・・と思ったら、ラストでホントの家族がいたのが判明。かわいいわんこ二匹。ちょっとホッとしたぞ)
この年になっても親への恨みは消えない。
その怒りは、かいがいしく娘の世話をする寛子さんに向けられた。
「ああ嫌だ!目障りだ!
子供がそんなに大事か?!」
こんな年になっても?と思うだろうか。
いや、関係を修復したくても、謝ってもらいたくても、親はもういない。子供がどんなに苦しんだかも知らずに逝ってしまった。親にならなかった自分は両親の気持ちは一生わからない。後悔や恨み、いろんな感情が突き上げる中、惜しみなく子供に愛情を注いでいるような寛子さんを見ているとイライラする。(も〜池尻さん見ていると、親戚の前で失態をしたら母親に影に呼ばれて足ツネられた思い出が蘇ったよ( ̄▽ ̄;) )でも、もしかしたら恨みを燃やすことが生きている実感にもなっているのかもしれないなぁ。
病院からの処分待ちだった南が辞めると言ってきた。
人手不足の折、一人抜けたらどんなことになるか皆さんわかっている。必死で止めるが自信を失い捨て鉢になっている南はもう決めているみたい。そんな彼を止めたのは安田さんだった。
「ここ辞めて、どっかアテあるの?」安田
「いや。まぁ、でも、何とかなるっしょ!」南
「なる訳ないやろ!
オマエ、小五からアル中言うてたな。
ほんなら、分かるやろ!
仕事せぇへんようになったアル中がどないなるか!
まず金がのうなる。
次が自信がのうなる。
で、また、酒に手ぇ出す。
家族も友達も、しまいには自分の命までなくすんやぞ!」
「・・・・・」
「人が話てんねや、こっち見ろ!
今、オマエが見てるこの俺は未来のオマエや。
こんなんで、ええのんか?!
ええわけないな!
オマエ、アル中やったくせに多分えらい苦労して資格取って、
ここまで来れるようになったんやろうがい!
大したもんやで。
偉いぞ、オマエ!偉い!!」
「俺・・・俺・・・
そんなふうに人に褒めてもらったこと、一遍もなかった。
親にだって褒めてもらったことなかったのに!(涙
ごめん!クソオヤジ!」
安田さんがこの病棟に入院しておらず、死を身近に感じていなかったら南の言葉を聞いても、かまうことなく見送っただろう。死を意識しているからこそ、同じような経験をしてきた南に伝えずにいられなかったんじゃなかろうか。時に人は意識せずに誰かのサンタになる。そしてサンタになれたことが自分自身の救いにもなったことを後で知るんだよね。
ひとみさんの誕生日を控えたある日、寛子さんは自宅で祝いたいと一時帰宅を申し出た。訪問介護も手配しており在宅医療のバックアップ確認が取れたので受け入れたのだが・・・
今しもひとみさんを乗せた車が出発しようとする間際に歩が彼女を止めた。赤根さんが病室に捨ててあった抗がん剤の薬・治療方針が書いてある紙を見つけ、歩が寛子さんの覚悟を見抜いたのだ。
寛子さんは口腔癌・ステージ3だった。
治療すれば治る可能性はあるが、自分がいなくなったら娘はどうなるのか。
家で二人で誕生日を祝った後、二人の思い出の場所で夕陽を見て、そのまま車でガードレールを越えてしまえば・・と考えたらしい。
「そうしたら・・・
向こうで元気なひーちゃんに会えるって・・
会いたい!
もう一度、『お母さん、どうしたの?』って笑ってくれるひとみに会いたい」
多分、ひとみさんはもう目を覚まさない。
その姿を見守り続けるしかない。
母親としての深い悲しみ、絶望。
そのことがわかっているから、誰も何も言えない。
「ねぇ、サト・・何でみんな死にたいって思うの?」歩
「想像しちゃうからじゃない?
こうじゃなかったかもしれない自分とか、
辛くない世界とか・・・
そっちがあるんなら行きたいって。
そんな世界ないのにね」佐都子
「じゃあ、どっちにしろしんどいじゃん」
「そうなんだよ」
「じゃあ、やっぱり止めるしかないじゃん」
ひとみさんの誕生日、寛子さんが病室へ行くと、ひとみさんの髪はかわいく整えられ、ベッドの周りは飾りつけがされていた。
ひとみさんと寛子さんも加わってクリスマス会が始まった。
クリスマス帽を付けた患者さん達、神妙な顔をしとる(笑
みんなに祝われるひとみさんを見つめながら、厳かな歌声を聴きながら、寛子さんは死を選ぼうとした自分が間違っていたと気づいた。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい。
ごめんなさい・・ごめんね。ごめんね、ひ〜ちゃん」寛子
揺れ動く母親のとしての娘への思い、それでもその命を尊いものとして愛おしむ寛子さんの心に触れた池尻さんも、腑に落ちるものがあったんだと思う。「おめでとう」と言いながらどっか悔しそうだったけど(笑)言えた自分にどっかでホッとする部分もあったんじゃないかな。
パーティの途中で本庄さん(古田新太)を見たような気がした歩は屋上へと向かった。同じように広野も。
「・・・私、聞かれたんですよね、本庄さんに。
『俺はこれからどうなってしまうのかなぁ』って。
私、何にも答えられなかったんです。
寛子さんにも。
『ひ〜ちゃんは目を覚ましますよね?』って。
その時も何も。
分かってるんですよね、寛子さんも。
全部わかってて、それでも聞くのは、
嘘でも信じないともう頑張れないから」
「車、止められて良かったです。
すごかったですよね、あれ」広野
「だって、これ以上・・・
死なれてたまるか」
「・・・・うん」
「でも、止めても寛子さんの辛さは続くし」
「そこまで引き受けるのは違います」
「わかってます!
でも、だから、嘘でも何でも言えば良かった、本庄さんに。
バカな答えでも何でも。
たとえば・・・・(泣)・・・
『サンタさんはいるんですよ、本庄さん!』」
『人が最期に望むものは希望だと思う』
その希望は偶然人から与えられるものかもしれないし、探し続けた末に見出すものなのかもしれない、小さくても、たとえ一瞬のものだったとしても、そこにあったことを大切にして生きて行くしかないのかもしれない。
医師、看護師、ケアワーカー、患者さん、その家族、それぞれが死と向き合いながら、学びながら生きている。濃厚な時間。今回も情報量は多かったけど、決して散漫にはならず、登場人物一人一人の生、その時間の一粒一粒がしっかり存在していた。重たいけど、スッと心に入ってくる。すごいドラマだよ。来週で終わりとは早すぎる〜
そして赤根さんの咳がずっと気になっていたけど、下咽頭癌ステージ3・・・
看護師から患者さんになる赤根さん。どんな姿を見せてくれるんだろう。
第1話 死ぬってなんだろう
第2話 愛は残酷
第4話(最終話) 未来のわたし

人気ブログランキング

にほんブログ村

にほんブログ村
「こんな墓場みたいなとこ、おりたないんじゃ!!」と車椅子で逃亡。数人で止めるもすごい力で蹴ったり押し倒したり狼藉の限りを尽くし怪我人続出。キレた南がつい怒鳴ってしまった。
「甘えんのもいい加減にしろよ!
クソジジイ!
こっちはな、小五からアル中やってんだ!
なめんじゃねぇぞお!!」
ひーーーー!さすがに安田さんもシーーン ( ̄▽ ̄;)
もちろん南は処分待ちの自宅謹慎になりましたとさ。
三木看護師(仙道敦子)が確認すると、小五からお酒というのは事実で、二十歳で病院に入って禁酒したそうな。意外と壮絶な経験しているのね〜南。
暴言よりも南の過去にドン引きするみなさん。
仕事が終わり病院を出た歩を珍しく佐都子(小野花梨)が待っていた。
同じように退勤した広野と行きがかり上、3人でいつもの居酒屋へ。
いや〜小野花梨さんがうますぎる。
『鈴木先生』の頃から、この子はすごいなって思いながら見てきたけど、今回のこの役のこの時、ちょっと躁状態っぽい話し方や態度、闇を見ながらも頑張っている表情、醸し出されるギリギリの雰囲気と存在感がリアルすぎる。
でも冷静な歩だけじゃなくて佐都子がいたから、広野も珍しく自分の家のことを漏らしたのかもしれない。
佐都子と同じように彼も母親から溺愛され育った優等生なんだって。
「親の期待に応えているうちに思いのほかうまくいきすぎちゃったというか・・いつも自分より親や周りの望むように動いちゃって、結果、こうなる」
「結果、めちゃめちゃオーライじゃないですか」歩
「でも誰かといるのは、苦痛になりました。
人といると疲れちゃって・・はは・・」
なんか人間嫌いっぽかったもんね。
なかなか考え方の習慣も治すのも難しいもんなぁ。
バイトを始めた佐都子は歩の部屋から通いたいみたい。
母親がそばにいると「生きなきゃって思わされるからしんどい」んだと。自分の葬式代が貯まるまでは頑張ろうと思っていると通帳を見せた。
「す〜〜・・・すっごい豪華なお葬式にすればいいんじゃない?」歩
「ふっ・・何それ・・」
迷いながらも歩、サンタになれたようです。
難しいよなぁ。相手のことがわかっていても欲しいプレゼントを選べないかもしれない。近くて遠い、遠くて近い家族。でも、佐都子は母親と距離を取る決断ができて良かったよ。
さて、池尻さんのところに弁護士さんがやって来た。
池尻さんは地元で代々続く不動産会社の1人娘。子供がいないので資産や権利はすべて亡くなった夫の甥に引き継がれることになっているが、50年前に池尻さんが建てた商業ビルだけ手放していない。そこが再開発地域になり買い手が現れたそうな。池尻さんが亡くなった後では手続きもややこしくなるので生きているうちにはっきりさせたかったらしい。
なんか自分が死ぬ前提で話進められるのもアレだけどさ( ̄▽ ̄;)
自分が死んだら結局ビルは人手に渡るのは池尻さんもわかっている。
でも「意地」があるから簡単には渡したくないそうな。
池尻さんの両親は彼女がどんなに頑張って事業を拡大しても認めず、跡継ぎの子供のことばかり言っていた。で、ムカついた池尻さんは20代で、あのど派手なビルを建てたんだって〜(あのビルが池尻さんの子供みたいなもんなのかな・・と思ったら、ラストでホントの家族がいたのが判明。かわいいわんこ二匹。ちょっとホッとしたぞ)
この年になっても親への恨みは消えない。
その怒りは、かいがいしく娘の世話をする寛子さんに向けられた。
「ああ嫌だ!目障りだ!
子供がそんなに大事か?!」
こんな年になっても?と思うだろうか。
いや、関係を修復したくても、謝ってもらいたくても、親はもういない。子供がどんなに苦しんだかも知らずに逝ってしまった。親にならなかった自分は両親の気持ちは一生わからない。後悔や恨み、いろんな感情が突き上げる中、惜しみなく子供に愛情を注いでいるような寛子さんを見ているとイライラする。(も〜池尻さん見ていると、親戚の前で失態をしたら母親に影に呼ばれて足ツネられた思い出が蘇ったよ( ̄▽ ̄;) )でも、もしかしたら恨みを燃やすことが生きている実感にもなっているのかもしれないなぁ。
病院からの処分待ちだった南が辞めると言ってきた。
人手不足の折、一人抜けたらどんなことになるか皆さんわかっている。必死で止めるが自信を失い捨て鉢になっている南はもう決めているみたい。そんな彼を止めたのは安田さんだった。
「ここ辞めて、どっかアテあるの?」安田
「いや。まぁ、でも、何とかなるっしょ!」南
「なる訳ないやろ!
オマエ、小五からアル中言うてたな。
ほんなら、分かるやろ!
仕事せぇへんようになったアル中がどないなるか!
まず金がのうなる。
次が自信がのうなる。
で、また、酒に手ぇ出す。
家族も友達も、しまいには自分の命までなくすんやぞ!」
「・・・・・」
「人が話てんねや、こっち見ろ!
今、オマエが見てるこの俺は未来のオマエや。
こんなんで、ええのんか?!
ええわけないな!
オマエ、アル中やったくせに多分えらい苦労して資格取って、
ここまで来れるようになったんやろうがい!
大したもんやで。
偉いぞ、オマエ!偉い!!」
「俺・・・俺・・・
そんなふうに人に褒めてもらったこと、一遍もなかった。
親にだって褒めてもらったことなかったのに!(涙
ごめん!クソオヤジ!」
安田さんがこの病棟に入院しておらず、死を身近に感じていなかったら南の言葉を聞いても、かまうことなく見送っただろう。死を意識しているからこそ、同じような経験をしてきた南に伝えずにいられなかったんじゃなかろうか。時に人は意識せずに誰かのサンタになる。そしてサンタになれたことが自分自身の救いにもなったことを後で知るんだよね。
ひとみさんの誕生日を控えたある日、寛子さんは自宅で祝いたいと一時帰宅を申し出た。訪問介護も手配しており在宅医療のバックアップ確認が取れたので受け入れたのだが・・・
今しもひとみさんを乗せた車が出発しようとする間際に歩が彼女を止めた。赤根さんが病室に捨ててあった抗がん剤の薬・治療方針が書いてある紙を見つけ、歩が寛子さんの覚悟を見抜いたのだ。
寛子さんは口腔癌・ステージ3だった。
治療すれば治る可能性はあるが、自分がいなくなったら娘はどうなるのか。
家で二人で誕生日を祝った後、二人の思い出の場所で夕陽を見て、そのまま車でガードレールを越えてしまえば・・と考えたらしい。
「そうしたら・・・
向こうで元気なひーちゃんに会えるって・・
会いたい!
もう一度、『お母さん、どうしたの?』って笑ってくれるひとみに会いたい」
多分、ひとみさんはもう目を覚まさない。
その姿を見守り続けるしかない。
母親としての深い悲しみ、絶望。
そのことがわかっているから、誰も何も言えない。
「ねぇ、サト・・何でみんな死にたいって思うの?」歩
「想像しちゃうからじゃない?
こうじゃなかったかもしれない自分とか、
辛くない世界とか・・・
そっちがあるんなら行きたいって。
そんな世界ないのにね」佐都子
「じゃあ、どっちにしろしんどいじゃん」
「そうなんだよ」
「じゃあ、やっぱり止めるしかないじゃん」
ひとみさんの誕生日、寛子さんが病室へ行くと、ひとみさんの髪はかわいく整えられ、ベッドの周りは飾りつけがされていた。
ひとみさんと寛子さんも加わってクリスマス会が始まった。
クリスマス帽を付けた患者さん達、神妙な顔をしとる(笑
みんなに祝われるひとみさんを見つめながら、厳かな歌声を聴きながら、寛子さんは死を選ぼうとした自分が間違っていたと気づいた。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい。
ごめんなさい・・ごめんね。ごめんね、ひ〜ちゃん」寛子
揺れ動く母親のとしての娘への思い、それでもその命を尊いものとして愛おしむ寛子さんの心に触れた池尻さんも、腑に落ちるものがあったんだと思う。「おめでとう」と言いながらどっか悔しそうだったけど(笑)言えた自分にどっかでホッとする部分もあったんじゃないかな。
パーティの途中で本庄さん(古田新太)を見たような気がした歩は屋上へと向かった。同じように広野も。
「・・・私、聞かれたんですよね、本庄さんに。
『俺はこれからどうなってしまうのかなぁ』って。
私、何にも答えられなかったんです。
寛子さんにも。
『ひ〜ちゃんは目を覚ましますよね?』って。
その時も何も。
分かってるんですよね、寛子さんも。
全部わかってて、それでも聞くのは、
嘘でも信じないともう頑張れないから」
「車、止められて良かったです。
すごかったですよね、あれ」広野
「だって、これ以上・・・
死なれてたまるか」
「・・・・うん」
「でも、止めても寛子さんの辛さは続くし」
「そこまで引き受けるのは違います」
「わかってます!
でも、だから、嘘でも何でも言えば良かった、本庄さんに。
バカな答えでも何でも。
たとえば・・・・(泣)・・・
『サンタさんはいるんですよ、本庄さん!』」
『人が最期に望むものは希望だと思う』
その希望は偶然人から与えられるものかもしれないし、探し続けた末に見出すものなのかもしれない、小さくても、たとえ一瞬のものだったとしても、そこにあったことを大切にして生きて行くしかないのかもしれない。
医師、看護師、ケアワーカー、患者さん、その家族、それぞれが死と向き合いながら、学びながら生きている。濃厚な時間。今回も情報量は多かったけど、決して散漫にはならず、登場人物一人一人の生、その時間の一粒一粒がしっかり存在していた。重たいけど、スッと心に入ってくる。すごいドラマだよ。来週で終わりとは早すぎる〜
そして赤根さんの咳がずっと気になっていたけど、下咽頭癌ステージ3・・・
看護師から患者さんになる赤根さん。どんな姿を見せてくれるんだろう。
第1話 死ぬってなんだろう
第2話 愛は残酷
第4話(最終話) 未来のわたし

人気ブログランキング

にほんブログ村

にほんブログ村