「作りたい女と食べたい女」 第7話「作りたい女と食べたい女」 第9話

2022年12月13日

「作りたい女と食べたい女」 第8話

「もう自分の気持ちを無視したくない。
誰かに納得されなくても、別にいいんだ。
私は春日さんが好きで、春日さんと一緒にいる時間が好きで、
それは自分の心の中に間違いなくあるんだから。
私は女の人を、春日さんを、好きでいいんだ」


 春日さんの作ってくれたなべ焼きうどんの美味しさが、滋養となって体に沁み渡っていくように、
野本さんが春日さんへの思いを素直に受け入れていく姿に泣けてきちゃったよ。

 野本さんが自分自身の気持ちを大切にすることで、
無意識に封じ込めてきた本来の自分を救いあげられたような、
彼女が、より自由になれたような気がして。

 この人は特別だって思える人と出会えたなら離しちゃいけない。
もし、その思いが世間の「普通」に当てはまらないとしても、
その思いを大切にすることは、自分自身の人生を愛することそのものなんだと思う。

 さて、春日さん(西野恵未)への思いを解きほぐすことで、彼女に会ったら、なんか意識して変な感じになっちゃう野本さん(比嘉愛未)。

 そりゃそうだよね。混乱して当然さ。
でも熱を出して寝込んでいたら、昔の記憶がよみがえってきた。

 小学生の頃、友達に好きな人の話を振られたけど、何も答えられなかったこと。
高校生の頃、友人が彼氏を作って一緒に行動をするようになり、寂しさを感じたけれど自分も彼氏を作りたいとは思わなかったこと。
そして、親を含む世間のいろんな声に縛られてきた自分がいたこと。

 もしかして野本さんは「アロマンティック」なのかしら?とも思ったけど、
たまたま心動かされる出会いがなかっただけなのかな。

 春日さんらしい態度で自分を気遣ってくれる返信、
いつも通り淡々と自分のために食事を作ってくれる横顔、
自分の着ていた上着を温かい言葉とともにかけてくれたその重み、
野本さんの中できれいな水が溜まっていくように春日さんへの思いが満ちてくる。

 春日さんの作ってくれたなべ焼きうどん、お揚げさんが入っていたね〜
わたしゃいつも天かす派なんだけど、味の沁みた熱々お揚げもいいね♬

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