「恋せぬふたり」 第7話「カムカムエヴリバディ」 第20週 1993-1994 第96話

2022年03月16日

「カムカムエヴリバディ」 第20週 1993-1994 第95話

『るい・・・』算太(濱田岳)
『はい』るい(深津絵里)
『・・・すまなんだなぁ。わしが悪いんじゃ。
全てわしが・・・安子ぁ、な〜んも悪うねぇ』

 そこにジョー(オダギリジョー)が清子さん(松原智恵子)と吉右衛門(堀部圭亮)を連れて来た。

 大月家と橘家を繋ぐ唯一の存在、清子さん。
そして吉右衛門。
ここにみんなが揃うとは、なんと不思議なことじゃろう・・


『やっぱり。算太ちゃんやね?』清子
『あ・・・清子さんじゃ・・・
ケチ兵衛の奥さんの・・・
吉右衛門か?』算太
そうじゃ。
あんたがラジオを盗んだ朝に生まれた吉右衛門じゃ


『あぁ・・・雪か。あ・・・るい』
『はい。算太伯父さん』
メリークリスマス・・・』

 算太は紙袋に入ったプレゼントをるいに手渡して旅立った。
最後まで、るいの知りたかった過去を語ることは無かった。
あまりにも申し訳なくて、自分のしたことの罪の深さにおののいて、口に出すことができなかったのか。人は死の間際になっても正直になれる訳じゃない。自分が引きずってきた人生のしっぽをちらりとオブラートに包むようにして見せることしかできない。後悔や心残りとともに。
HPはこちら


 『算太の弔いは、モモケンこと桃山剣之介が静かに執り行ってくれました』

 算太のクリスマスプレゼントの中身は2冊の通帳だった。
ひとつは昭和24年、算太が戦争から帰ってきて橘再興のために安子(上白石萌音)が貯めたもの。昭和26年、算太が失踪し安子がいなくなった年にはかなりの金額が貯まっていた。
 もうひとつは昭和59年、算太が初めて「大月」に来て消えた年に作ったもので、それから頻繁に入金がされていた。

 算太は安子のお金を持ち逃げした罪を心の底ではわかっていただろうが、長い年月の間に風化させてしまったのかもしれない。それがるいに再会して蘇り、初めて使ってしまったお金を返す努力を始めたのか。

 って、手紙ぐらい入れてあげてよ!
そんな謎かけみたいに通帳だけ渡されてもわかんないよヽ(`Д´)ノ


 ジョーは家族みんなで岡山に帰ることを提案した。
『ひなたも桃太郎も、それから算太伯父さんも連れて。里帰りや』

 ついに・・・
自分の人生でどうしても埋まらない空白があるというのはどんな気持ちなんだろう。
これは、るいのこれからの人生に関わる、るいのルーツを捜す旅だね。
 






 『ここや・・・』るい

 とんでもなくご立派な御邸にひなた(川栄李奈)も桃太郎(青木柚)も衝撃を受けとる。しかも実業団野球で有名な雉真繊維と知り、桃太郎大興奮や。

 で、勇ちゃんが出迎えてくれたんじゃが・・・いきなり目黒祐樹が出てきてビックリしたよぅ( ̄▽ ̄;)アハハ…
すっかり人のいいおっちゃん・・
ずっと高校野球に夢中じゃ。
そして未だにるい=「塁」と勘違いしとる(笑
野球繋がりですぐに桃太郎とは打ち解けたが、ひなたは戸惑っている。
このところ、お母ちゃんの見たことない顔ばかり見ているもんなぁ。


 そして雪衣さんは多岐川裕美さんぢゃ。
雉真繊維社長(もう会長?)の奥様として美容やお召し物にたっぷりお金をかけてきた輝くような佇まいがすばらしい(笑


 生さぬ仲というか、昔はるいに冷淡だったと思うが、『お帰り』と迎えてくれた顔は懐かしさと温かさに溢れていた。橘のお墓も勇と2人でずっと世話をしてくれていたらしい。算太のお骨の前で手を合わせた雪衣はるいに語り始めた。

『私のせいなんじゃ。
あの時・・・算太さんがおらんようになってしもうたんは・・・多分、私のせいなんじゃ』

 女中の立場もわきまえず、ずっと勇さんを思っていたが諦めようとしたこと。そんな時、算太が優しく寄り添ってくれたこと。そして橘のための家が手に入ったら一緒に暮らそうと言ってくれたこと。

『私・・・そねんしてもええかもしれん思よった。
じゃけど・・
私、結局算太さんを傷つけてしもうた。
算太さんが黙って家を出ていったんは私のせいじゃ思う。
たちばな再建のための通帳持ったまま・・・』雪衣

 安子が慌てて大阪に旅立ったのは、突然消えた算太を捜すため。
雪衣から伝えられるのはそこまでだった。

 雪衣は確かに算太を深く傷つけた。そのせいで安子は出奔した算太を捜し回り、疲れ果て倒れてしまい、助けに来たロバートがプロポーズし抱きしめるところを見たせいでるいに生涯残る傷を作ることになってしまった。すべてが悪い方向に動いてしまった結果だ。

 でも雪衣の一番の罪は幼かったるいに呪いをかけたことだと思う。
母親と離れて過ごす時間が多くなり寂しさを感じているるいにかけた言葉。


『安子さんは諦めたんじゃ思います。
女手一つでるいちゃんを育てることを諦めて
雉真の家にお返ししようと決めたんじゃ思います』


 るいの中に蒔かれた安子への不信の種。
この言葉には確かに雪衣の悪意が感じられたけど、この言葉が何十年もるいを苦しめているとは雪衣は知らない。

 そんなものかもしれない。人は忘れてしまう。事実を話しているつもりでも、それは雪衣から見た世界であって、算太のとも、安子のとも違う。
もはや孫もいるであろう人の好さそうなおっちゃん・おばちゃんになってしまった勇と雪衣にも、あんな嵐のような時代があったことを誰が思うだろう。

 てか、るいの中ではロバートに抱きしめられていた安子の姿があるから、納得いかないよね。まだまだパズルのピースは足りない。
でも、すべてのピースが見つかるんだろうか・・・


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