きこりのテレビ日記 #65『スナック キズツキ』最終話 トウコさん

2021年12月24日

「カムカムエヴリバディ」 第8週 1951-1962

 12月20日(月)第36話

『わしと結婚してほしい。
わしゃあ、甲子園には行けなんだ。
大学野球も志半ばじゃった。
じゃけど進駐軍との試合に勝てたら、アメリカに勝てたら、
そん時ゃあ、兄さんも認めてくれる。
そねん思うて戦うたんじゃ。
これからは、わしが守りてぇ。おめえのことも、るいのことも』

 プロポーズされている時の安子(上白石萌音)の表情を見たら、
あ、コレ、全然ダメだわ・・と気づくと思うが〜〜(;´・ω・)ウーン・・・
勇(村上虹郎)としては精いっぱいの自分としての誠意で
進駐軍に勝ったら、兄(松村北斗)にも許してもらえる、
安子も納得できる・・と考えたんだろうが・・・
まぁ、兄嫁を弟がもらうってのも無い話じゃないしさ・・

 でも、安子にしたら野球の勝負とかどうでもいいっていうか〜ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
勝ったからどうとか言われても全くしっくり来ず・・・
ポカーーン・・てな感じだよね。
稔さんを殺したアメリカ軍に敵討ちを!って発想ないもの。

 コレ、すぐに返事しなかったのは安子も混乱しちゃったのかな?
ロバートさんと会っていなかったら勇と一緒になったのかな?
NOならすぐに返事しないと勇も期待してるよ〜〜
HPはこちら

 安子は心の友・きぬちゃん(小野花梨)に相談。
きぬちゃんはズバッと指摘してくれた。

『これまでが不自然じゃったんじゃ思うよ。
再婚もせんと雉真の家におって、
おはぎゅう売りながらるいちゃん育てるじゃなんて。
勇ちゃんのこたあ、好きじゃろう?』
『もちろんじゃ』安子
『じゃったら、何が問題なん?』

 そこに偶然ロバートさん(村雨辰剛)が現れ・・・
2人の話す様子を見ていた察しのいいきぬちゃんは「問題」に気づいたさ。

『安子ちゃん・・・
自分が、どねんしてんかはっきりさせんといけんよ』

 きぬちゃん、さすがじゃ。
いつだって安子の一番の味方で安子の気づかないことをきっちり教えてくれる。

 カウンターに並んで仲良く話す安子とロバートさんをマスター(世良公則)は嬉しそうに見守ってくれとる。
安子はロバートさんには夢を語ることができる。
ロバートさんは安子が何を大切にして何を生きがいにしているかを知っている。
そして、これから何がしたいかを安子に聞いてくれる。

 ロバートさんとの間には「未来」へと繋がる「今」があるけど
勇との間には「過去」しかないんじゃなかろうか・・
勇は安子のこと、何も知らないんじゃないのかな・・

 ロバートさんは安子のおはぎが美味しいのは『あなたの子供の頃の思い出の味、悲しみの味、それから、るいちゃんへの愛情の味なのです(英語)』と伝えてくれた。
そして別れ際に、いつも通り花を買っているから奥様のためかと思ったら、安子へ。

『I'm very impressed by you.
You are an amazing woman.』
(あなたには感服です。あなたはすばらしい女性です)

『See you around, Yasuko.』
(では、また。安子)

『Take care ・・・Robert』
(はい、また。・・・・ロバート)

 安子、初めて「ロバート」と!
そしてロバートさんも初めて安子へお花を!!
2人の間だけに流れる特別な時間・・・に、
見ているこちらもにんまりしてしまったのだがーーーー
何ということでしょう!
勇が見ていた!!(;`Д´ノ)ノ
怖い顔でロバートを睨んどる!

誰?今の人。誰なら?』勇
違うんじゃ!』安子
違う?

 安子も普通に「テキスト作るの手伝ってる人だよ〜」って答えりゃいいものを、
あわわわわ・・ってしどろもどろになったもんだから、
勇も気づいてしまったワ( ̄▽ ̄;)
そして答えながら安子もわかったんだと思う、
ロバートさんは自分にとって特別な人なんだって。

 勇は家に帰らず、ヤケ酒。
ラジオから流れる英語を消せ!と騒ぎ、暴れるのでした。

 勇・・・振られたらストーカーになるタイプ?ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
かわいさ余って憎さ100倍になりそうで怖いんだけどーー

 安子は千吉(段田安則)に家を出る意志を伝えたさ。
それで千吉は何もかも理解した模様。
こっからの詰め方はさすが一代で財を築いた雉真繊維社長。
るいと離れないという安子に、赤ん坊のるいを任せた結果怪我を負わせたこと、この前医者にるいの傷を見せたこと、治る可能性はあるが手術を何回もせねばならず、かなりの費用がかかることを話した。

『おはぎの小商いで賄える額じゃねぇ。
途方もねぇ金がかかることじゃ。
雉真繊維の力がなかったら治してやれん。
それでも・・るいを連れて、この家を出る言んか。
本当に、それがるいのためじゃ思よんか。
雉真の子として生きていく。
それが、るいにとっては一番えんじゃ』

 千吉さんにとって「雉真の子」であるるいが一番かわいい。
安子はるいの母親にすぎない。
それでも千吉さんなりに安子の自由を認めてやらせてきたんだと思う。
じゃが家は出る、るいも連れて行くというのは決して許さない。
安子の「自由」はあくまで千吉の加護の元許されていた。
本当の意味で自由に日なたの道歩くにはまだまだ時間がかかりそうじゃ・・
安子の代では叶わんのかのぅ・・

 って、算太(濱田岳)も雪衣さん(岡田結実)に、ある意味プロポーズ。
算太の場合は雪衣さんの気持ちが勇にあるってわかっていての・・だが・・・
雪衣さん、どう答えたんじゃろ・・
安子が勇と一緒になるんなら辛いから算太と一緒になるのもアリかもしれんが、
安子が出ていくのなら・・・(  ̄〜 ̄;)ウーン…

 12月21日(火)第37話

 雉真家を出ていくなら、るいとは暮らせない・・・
従うしかなく、るいを泣きながら抱きしめる安子なのでした・・

 コレさ〜るいが男の子なら後継ぎだからって、しかたなくも納得できるけど、女の子なのにさ〜それにこれから勇が結婚したら子供生まれるじゃんね〜そしたらどうすんのよ?るいを母親から離して辛い思いさせる意味あるんかい?( -᷄ω-᷅)

 飲み屋でケンカして傷だらけになった勇が帰宅。
安子と勇の雰囲気から状況を察知していた雪衣さんは赤チンでお灸を・・
『無様ですね。
そねんことでお酒ょう飲んで暴れるじゃなんて。
雉真の坊ちゃんの面目丸潰れじゃね』

 この時、お、意外と雪衣さんと勇合ってるかも・・って思ったんだよね。
勇って、こういう言い方する人好きそうじゃん ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ

 出ていこうとする雪衣さんの腕を掴んだ勇じゃった・・

『ひでぇ人じゃね。
今も・・・たった今も安子さんのことを思うとるくせに』雪衣
『分かっとるんじゃったら出ていきゃあええが・・・
出ていけぇ…』

 出て行かなかったようです・・・( ̄▽ ̄;)
勇は雪衣さんの気持ちを知っていたんだね。そこに甘えた。
そして雪衣さんも自分に気持ちがないことをわかりながら結ばれることを望んだ。
勇への思いをスッパリ捨てたのかと思ったが、この時だけでいいと思ったのか・・
勇がロバートと一緒にいる安子を見なければ、この展開は無かっただろうなぁ・・・

 そして・・朝、勇の部屋から出て来る艶っぽい雪衣さんと
会ってしまった算太・・・
その日はよりによって「たちばな」再建のために信用金庫からお金を借りる相談をしに行く日・・・
安子は必死に貯めたお金の入った通帳と判子を算太に託した・・・

 _| ̄|● ・・・
こんな精神状態の算太に銭持たせちゃダメだぁ・・って心配していたよ・・・
信金に算太は現れることなく・・この町からも消えた・・

 算太・・・ひどいよ・・ひどすぎるよ・・
そりゃショックだったろうさ・・・雪衣さんのいるこの町から逃げたいと思うだろうさ、それなら通帳と判子置いてけよ!
アンタには仁義ってもんがないんかい?!
安子がどんな思いで貯めたと思ってるんじゃヽ(`Д´)ノ

 てか、安子も算太の様子が変だな〜とは思わなかったのかね?
信じきっとったのかもしれんが・・・
このドラマ、意外とみんな思い込みで行動しとるぞ。
勇も安子がどんな人間か知ろうとしていないし、
安子も算太が何を考えて生きているのか、
雪衣さんを好きだったことにも気づいていない。
みんな自分のことだけで精一杯な時代だったのかもしれんが・・・

 安子はお金を借りる話がまとまったら、おはぎを作る店で自分は算太とに暮らすが、るいはこの家に残るということを伝えた。

『これは、るいのためなんじゃ。
るいが幸せになるために必要なことなんじゃ』

 るいに納得できる訳がない。
自分は母親に捨てられたんだと思ってしまうよ・・・
なぜるいだけ残らねばならないのか、
「たちばな」再建が安子にとって幸せの大前提であること、
その幸せをるいにも味合わせたいがために頑張っていること、
せめて「たちばな」が軌道に乗ったら迎えに行くまでの辛抱だと、ちゃんと伝えてあげて欲しかった。

 きぬちゃんが言っていたように「いつかはわかってくれる」かもしれないが・・・
「今」のるいは孤独だよ。
ひとりで「カムカム英語」のテーマ曲をつぶやくように歌っているるいが不憫でならない。

 大阪で2人で暮らした時にるいに怪我をさせたことで安子は母親として自信を失い臆病になり、千吉さんの言葉に従うしかないと思ったんだろうが・・
自由に生活しているように見えても安子は他の朝ドラの主人公のような女傑タイプではなく、普通の気立ての良いおなごだからなぁ・・時代もあるし、自然と縛られとるものがあるんだろうなぁ。

 そして・・
算太出奔を知った安子は大阪に行ったことを突き止め、捜すために大阪へ。
慌てて荷物を詰めている安子をるいが不安そうに見とる。

『たちばなのお店のことで大事な用ができたんじゃ。
算太伯父さんが先に行っとるからお母さんも行かんと』安子
『早う帰ってきてね』るい
『もちろんじゃ』

 これもな〜はっきり算太がいなくなったから捜しに行くって言っちゃダメだったのかな〜
大人の事情は子どもに伝えるべきじゃない?伝えた方がいいよ〜
それとこの件、千吉さんは知っているのかい?
知らなかったら千吉さんも勇もるいを置いて安子が消えたと思うんじゃ・・

 広い大阪どうやって捜すんぢゃ・・
ロバートに頼るしかない。
安子はロバートが集めてくれた情報を元に算太の知り合いを尋ね歩き続けた。
見つからないまま日は過ぎて、疲労で憔悴した安子は雨の中自転車にぶつかって倒れてしまった・・・

 まさか・・このまま・・?
そんなーーー?!!
雉真家でカムカムのテキストをお守りのように見つめている
るいはどうなるんだよーー?!

 いろんな悪いタイミングが重なり過ぎた・・
もし、あの時勇に見られていなければ・・
もし、算太があの瞬間を見ていなければ・・
もし・・・ってどんどん遡りたくなるよ・・( ̄▽ ̄;)






 12月22日(水)第38話

 入学式なのに母が戻らないことを不安に思ったるいは
誰にも告げず、一人大阪に向かった。
その頃、以前暮らしていた家で目が覚めた安子の傍らにはロバートがいた。
入学式だと気づいた安子は、すぐに岡山に戻ろうとしたが今から行っても間に合わない・・

『何でこねんことに・・・
私はただ・・・当たり前の暮らしがしてぇだけじゃのに・・・
お父さんやお母さんが私に、そねんしてくれたように
るいを温こう見守って育ててやりてぇ。それだけじゃのに・・』

 本当になんでなんだろう・・・
あんなに安子は幸せな子供時代を過ごし、稔さんと出会い、結婚し、幸福だったのに。

もういい!
あなたは十分苦しみました。十分頑張ってきました。
安子、私と一緒にアメリカで暮らしましょう


 ロバートさんはアメリカに帰ることになったんじゃ。

Yasuko, I・・ I ・・・Love you!
『Robert ・・Thank you. I'm glad.
But・・・I can't go to United States with you』

 一緒に行けない理由は、るい。
もちろん、ロバートさんはるいも一緒に行こう!と言ったさ。

『るいは稔さんの子です。
雉真の家から引き離すわけにゃあいきません』安子
『安子、あなたはあなたの幸せを一番に考えるべき・・』R
るいが私の幸せです。
何よりもるいが一番大事なんです。
一緒に暮らせなんでもええ。るいのそばにおりてぇ。
るいは私の命なんです


 雉真家なんて捨てて、ロバートさんとるいと三人でアメリカで自由に生きればいいじゃん!・・・そう思ったけれど、令和の今でも家に縛られとる人はたくさんいる。この時代に稔さんの家族との縁を断ち切って外国に行くという選択は人間としてありえん・・と思っていたんだろうなぁ・・

『That's who you are.
(それがあなたという人です)
『That's why I fell in love with you』
(だからあなたを好きになった)

 2人が話している内容は雨も降っていたし、
多分外から覗いていたるいには聞こえなかっただろう。
でも、もし雨が降っていなかったら・・
安子のるいへの思いを、最後までるいが聞いていてくれたら・・・
2人の人生は変わっていただろう。

 自分の入学式に来なかった母がロバートさんと抱き合っている・・それだけで十分だった。
るいはその場から逃げ出した。
るいは、母は自分を捨てたのだ、ロバートさんを選んだのだと思っただろう。
雪衣さんが放った呪いの言葉が生き生きと蘇る・・・
「安子さんは諦めたんじゃ思います。
女手一つでるいちゃんを育てることを諦めて
雉真の家にお返ししようて決めたんじゃ思います」・・・


 るいの中で、安子と過ごした楽しかった時間も、慈しまれた優しい時間も、砕け散ってしまった。

 千吉さんに電話を入れ、るいが行方不明になったことを知った安子はすぐに岡山に戻った。
るいは大阪からの汽車を降りたところを警官に保護され帰宅した。

 その頃、きぬちゃんは無事出産を終えて、我が子に対面しとった。
「Dippermouth Blues」で「on the Sunny Side of the Street」をかけているマスターの元へは健一(前野朋哉)が戻って来た。
そして雪衣さんのお腹には・・・勇の子が(多分ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ)。

 雉真家にたどりついた安子はるいに会えてほっ・・・
抱きしめて入学式に出られなかったことを謝った。
でも・・るいの安子を見る目は冷えきっていた。

もう、来ていらん』るい
『えっ…』安子
二度と会いとうねぇ
待って!るい!お母さんの話聞いて!

 振り返ったるいは、前髪を上げて、額の傷を見せた。
I hate you

 稔さんとの絆であり、安子とるいが紡いできた幸せな時間の証であったはずの英語で、はっきりと伝えられた娘からの決別の言葉。
額の傷を見せ、母親としての安子へ罪を突きつけ、その存在を拒絶した。

 絶望した安子は死のうとしたのだろうか。
ロバートが現れ、倒れこんだ安子はつぶやいていた。

『Take me to the United States・・・
(私をアメリカに連れて行って・・)
Take me to the United States with you, Robert. Please・・・』

 この場から消えるためにアメリカへ・・・
プロポーズされて、すぐに『I'm glad.』と答えていたから、もちろん安子もロバートさんに愛情を感じていたと思う。でも、るいを失った安子はアメリカで生きていけるんだろうか・・
ひなたの道を見つけることができるんだろうか・・・

 ここで主題歌の「アルデバラン」が・・・
『君と私は仲良くなれるかな この世界が終わるその前に』・・・
これは誰と誰のことを言ってるんだろう?と思っていたが・・・
美しく力強い歌声が辛い・・そして容赦ない。

 新しく生まれた母と子の繋がり、
再び結ばれた父と息子の縁、
母となる人に宿った命、
そして娘から断ち切った母と娘の絆・・・
こんな小さなうちから、なんて重たいもんを背負っちまったんだい・・るい。

 成長したるい(深津絵里)は喪服を着ていた。
千吉さんが亡くなったのだろうか。

 12月23日(木)第39回

 千吉さんは亡くなる前に勇にふたつのことを言い残した。
雉真繊維として足袋を作り続けること、そしてるいのこと。

 雉真家の当主として、良かれと思って決断してきたことが安子を追いつめてしまった。決して忘れてはいけない後悔・・・母と娘を引き離す結果になったことを千吉さんは心の中でずっと問い続けてきたんだね。

 葬式の日だというのに、雪衣さんはドラマの最終回(NHK朝ドラ第一弾の「娘と私」)に夢中・・
息子の昇も勉強中。

 2人とも勇が話しかけても顔も見やしない。
心の通い合う温かみのある家庭の雰囲気ではなかった。

 これが雪衣さんが手に入れたかったものなんだろうか。
もはや勇にも関心があるとは思えない。
雉真家の奥様になりたかっただけなのかねぇ・・・

 その場にいないるいを捜しに行った勇は(なぜかグローブとボール持ってるし( ̄▽ ̄;)アハハ…)川沿いでるいとキャッチボール。
今も昔も勇のコミュニケーション方法は野球一本やりじゃ。

 そして昔、勇が稔さんとキャッチボールした時にあんこへの思いを伝えたように、るいは葬儀が終わったら家を出ていくと伝えた。

『家を出て、岡山も出る。
新しい町で、一人で生活ぅ・・・始めるんじゃ』るい

 勇がるいのために積み立てていたお金も断り、雉真家の者だとわからんように小せぇ古本屋でバイトして貯めたお金だけを持って行くそうな。

 雪衣さん、積極的にいじめたりはしなかっただろうが関心も無かった模様。
そして自分の子と分け隔てなく育てられるほど器のでけぇおなごではないと思う。
勇もるいの言葉をすぐに受け入れたということは、るいが雉真家で異分子になっとることに気づいていたと思われ・・

 るいのことを気にかけ、かばってくれていたのは千吉さんだけだったんだろう。
居心地の悪い、頼る人のいない場所で、るいはいつかこの家から出ていくという決意だけを胸に生きてきたんだな。

 『るいは二度と戻らないと心に決めて、岡山を、そして雉真の家を去りました』

 るいが向かったのは大阪。
駅から歩き始めたら「COME COME EVERYBODY」の歌声(でも英語から日本語へ)と共に始まる、るいが主役のミュージカル。

 「笑うことものうなった」と言われていたるいが、はにかみながらも笑顔をほころばせ、伸び伸びと体を広げ、楽しそうに歩いている。心の中に音楽が流れ始めたんじゃ。

 でもその解放感に溢れた幸せそうな姿を見ることで、岡山の、雉真の家でのるいが、自分を殺し、息を潜ませて生きてきたのが伝わってくる。
雉真家での一人と、ここでのひとりは違う。

 るいはどうして大阪に来たんじゃろう。
まぁ、少しでも馴染みのある土地と思ったのかもしれないが、母親を心底憎んでいるのなら、母と暮らした思い出のあるここには来ないはず。無意識に選んでしまったのか・・・

 で、はしゃいでいたら自転車のおっちゃんとぶつかっておニューのワンピースが汚れてしまった。
おっちゃんは汚れを見ると、るいを「竹村クリーニング店」という所へと引っ張っていった。
そこは竹村のおっちゃん(村田雄浩)と妻の和子(濱田マリ)が経営する店だった。

 2人はるいの服をクリーニングしてくれ、就職の面接に行くと言ったら代りの服を着せて、見送ってくれた。

 るいが選んだ仕事はホテルの接客。面接はまぁまぁ、いい感じで進み、採用されそうだったのだが・・・・面接官から前髪を上げてみてと言われたら、るいは逃げ出してしまった。

『るいは額の傷を目立たなくする手術を受けませんでした。
いくら千吉に説得されても拒み続けました。
雉真家に縛られたくない。それはるいの意地でした。
けれど、この傷がかえって自分を雉真家に、そして母・安子に縛りつける鎖になっているのだと岡山を出た今になって思い知りました』


 手術を受けなかったのか〜
なら、何のために安子はあんな辛い思いして離れる決意をしたんじゃ・・
いや、母親の安子は治療しないという選択はなかっただろう。
るいが選択したからこそ千吉さんも受け入れたんだろうなぁ。

 そして傷を残したということは、安子への恨みを忘れないという意味もあっただろうが、母との繋がりを残しておきたい、拒絶しながらも母を求める気持ちがあったんじゃなかろうか。

 服を取りにクリーニング店に戻ったるいは、笑いながらテレビを見ていた夫婦の居間に招き入れられ、いつのまにか一緒に笑っていた。
そして、いつのまにか泣いていた。

 その肩を優しくなでる和子さん、黙って見守ってくれる平助さん。
るいがせんべいを割って落ちたかけらを拾おうとすると、和子さんはさっと布巾で拭いて、そのまま笑い続けた。なんでもないことのように。

 きっとるいはこんな小さなことも常に気にしながら暮らしてきたんだろうな。
そしてテレビを囲んで、みんなで楽しく笑い合うという場面は雉真家にはなかったのだろう。
それは安子がるいに与えたかった平凡で幸せな家族の姿だった。

 12月24日(金)第40話

 るいが泣いていた理由を面接で落ちたからと思った竹村夫婦は、冗談で店の従業員に誘ったが、るいにしてみたら願ってもない話だった。
すぐに採用決定!
るいは竹村クリーニングに住み込みで働くことになった。

 一応履歴書を見て確認的なことがあったので・・
「雉真繊維」は親戚、両親は亡くなっているということに。

 そして、この出会いを信じたるいは、多分初めてだろう、
額の傷を和子さん(濱田マリ)に見せたのだった。

 和子さんは平助さん(村田雄浩)に『大事にしたげよな。あの子のこと』と伝え、
平助さんも『うん』と応えたのです。

 (´;ω;`) えぇご夫婦と出会えて良かった。
安子が引き合わせてくれたんじゃ(ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ まだ生きてるっちゅーねん!)
わたしゃ、ご夫婦の温かさに泣けたよ。
おっちゃん、あの時ぶつかって来てくれてありがとう。

 ぐっすり寝て起きたるいを心のこもった朝ご飯が待っていた。
美味しそ〜!
るいがいるから奮発してくれたのかしら?

 
「大阪しろな」て、なんやろ?
調べたらアブラナ科の野菜・・白菜みたいだけど、白菜とちゃう。
初めて聞いたよ〜るいは岡山だけど食べたことあったかな?

 さて、るいの修行が始りました。
って、るいが全身全霊で仕事を憶えようと頑張っている姿を見るだけで、おばちゃん、泣けてきちゃうんだけど・・(。•́ωก̀。)…

『クリーニングはな、売ったらしまいの商いとは違うて
お預かりした服をきれいにして、で、また返さんないかん。
そやからどこの誰かちゃ〜んと尋ねて、こないしてな名前を縫い付けとくんや』和子

 今なら番号着いた札、ホッチキスでバチ!やけど、この頃は一枚一枚複写になっとる伝票に書いてだもんな〜そしてわかるように名前を刺繍(どこに?)。大変じゃ。

 そうして受け取った衣類からその人の家庭での様子や事情を推理する和子の人間観察力に感服したるいは、自分も衣類から始まるその人の物語を想像するのを楽しむようになってきた。

 雉真家でもるいは、一人でいることが多かったと思うから、想像で自分を慰めていたことがあったのかもしれない。でも川村クリーニングのカウンターで働かせる想像は生きた人間達とのふれあいから始まっている。るいはここで、いろんな人の現実の生活や人生を学ばせてもらうんやろな。

 そんなある日、和子が留守の間にあいつがやって来たんや。
タイトルクレジットには「オダギリジョー 宇宙人」と、なっとった(笑

 すごい量の衣類。しかも男物ばかり。
るいの推理力じゃ追いつかない。
( ゚д゚)ハッ! こ・・コレは血?!と怯えたらケチャップが付いていたものがアリ。
風貌からも態度からも、まったく生活が読めない。
まさに謎の男・・・てなことを考えていたら名前も連絡先も聞き忘れてもうた。

 彼のシャツに「宇宙人」・・と刺繍するるいなのでした。

 (* ̄m ̄) ぷっ・・イヤ、コレ、返したら彼も見るでしょうよ〜
なんだかほのぼの金曜日でほっ・・・油断しちゃなんねぇが。

 月、火、水・・と怒涛の展開だったからなぁ・・・
安子はどうしとるじゃろ・・気になってしょうがないよ。
アメリカでロバートさんと仲良くしとるじゃろか・・
もしかして子供が産まれとるじゃろか・・
それでも、胸にはずっと棘が刺さっとるように暮しとるんじゃなかろうか・・

 ヒロインが3人の100年の物語って大丈夫かい?って思ったが、
ラスト2週ぐらいから安子だけでなく、るいの視点でも物語が描かれたから、自然と移行できたと思う。
てか、安子最後の日には二代目ヒロイン・るいが絶縁の引導を渡すという驚愕の展開・・・でも、この残酷すぎる切り口が見ている者をるいの物語へと瞬時に引き込んでくれた。
藤本有紀さんは恐ろしい人だよ。でも、容赦ない人だからこそ信用できる。
この物語を途中リタイアはありえない。

 そして、やっぱり明日まで我慢できずに予告を見に行ったのさ〜( ̄▽ ̄;)アハハ…

 第1週  1925-1939 第2週 1939-1941
 第3週  1942-1943 第4週 1943-1945
 第5週  1946-1948 第6週 1948
 第7週  1948-1951 第9週 1962
 第10週 1962
 第11週 1962-1963 第12週 1963-1964
 第13週 1964-1965
 第14週 1965-1976 第15週 1976-1983
 第16週 1983
 第17週 1983-1984

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この記事へのコメント

1. Posted by 桔梗   2021年12月28日 15:29
この週はヒロイン交代の週だったんだね。
千吉さんの結婚の提案は一般的には安子にも勇にもいい話だったのに、何でこげなことに・・。
千吉さんはるいの傷に関係なく、稔さんの子を傍において成長を見守りたかったんだと思う。
安子は稔さんがやがて雉真の商品を海外に・・・という夢をもっていたのは忘れちゃったのかな。
雉真の家や商売のことには無関心だったように見えた。
「るいとあんこ(たちばな)と英語」が大事。
きぬちゃんがピンときたように、ロバートを好きになってたね。
どこでもロバートはすごかったけど。
雪衣さんのあのつわりらしき場面は、突っ込み承知で10年飛ぶから、子供ができて結婚するよ〜って我々に思わせるためだと解釈したよ。
あの日が初めてだったと思う。
安子の幸せな子供時代を見てきたから、るいにとってのきぬちゃんはいなかったんだろうな。
あの家でどんなだったか色々想像してしまう。
ともあれ大阪で幸せになってほしい。

2. Posted by きこり→桔梗さん   2021年12月29日 19:01
>この週はヒロイン交代の週だったんだね。
こんなヒロイン交代があるなんてね。
わたしゃ、安子が「たちばな」再興させて穏やかにバトンタッチするのかと思っていたからショックだったわ〜(笑
>千吉さんはるいの傷に関係なく、稔さんの子を傍において成長を見守りたかったんだと思う。
そうなんだね。安子が出て行った後、千吉さんだけがるいの味方だったんだろうな〜ってのが伝わってきて切なくなったよ。千吉さんも不器用な人だったのかな。
安子も意地っぱりだからなぁ( ̄▽ ̄;)
>「るいとあんこ(たちばな)と英語」が大事。
そうなんだよね。稔さんが亡くなった後は雉真家の嫁というよりも間借り人みたいだったもんね。
>突っ込み承知で10年飛ぶから、子供ができて結婚するよ〜って我々に思わせるためだと解釈したよ。
なるほど!あそこでご懐妊情報が入らないと他にはさむとこもないしね(笑
>るいにとってのきぬちゃんはいなかったんだろうな。
それがすごく寂しい。安子が去ってからの子供時代、少女時代、ずっと孤独だったんだろうな・・って。あの傷についても友達と相談しあえていたら治していたかもしれないし。友達ならそんなこと気にしないって思えていたかも。
風間君との出会いで陽光が・・って思ったけど、そう簡単にはいかなかった。
宇宙人がるいの大阪生活の鍵になるのかな。


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