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2021年03月09日

「ここは今から倫理です。」 第7話

 さて、倫理の授業は始まっております。
椅子を丸く並べて向き合い、なにやら裁判のような緊張感も。
『これが僕の最後の授業です』高柳

 今回は来週の最終回フェスティバルに向かう前後編。
見終わってもスッキリしないよ!ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
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 話は2か月前に遡ります。
体育祭を前に3年4組は盛り上がっております。
このクラスはグループチャットにも全員参加の仲良しで団結力が強い模様。
しかし、その雰囲気に合わせつつも心の中でははっきりと距離を置いているのが南香緒里(中田青渚)。

『この・・ノリが苦手。・・・ウザ南 心の声
『俺ら仲間 (・∀・)人(・∀・) 友達だぜぇ 』にげんなりしつつもグループチャットから抜け出す勇気はない。『がんばろー』なんて送ってしまう自分をダサいと思う。
『ちゃんとこのノリを楽しめたら楽なのに・・』

 そんな南が、ちょいと気になる存在・いち子(茅島みずき)。
今まで南からするといち子はノリのいい、おバカなお色気戦士だったようだが・・・
波風立てずに自分の意見をきちんと伝える姿に、おや?

 もちろん南は倫理専攻。
授業では資本主義〜資本主義発達に伴う問題〜ベンサムの功利主義〜「最大多数の最大幸福」〜マルクスの社会主義〜社会主義国家の誕生〜ソビエト連邦が崩壊したのはなぜか〜をわかりやすく伝えております。

『みんなにとっては幸せでも私にとって幸せとは限らないのに』
『私は・・なに主義なんだろう・・』


 高柳(山田裕貴)は『時代や社会、場所や立場によって何が正義と見なされるかは変わる』と言っていた。希望の光と思えた主義でも難点は必ずある。誰にとっても完璧な「主義」はない。最大多数の幸福は少数の不幸とセット。そして最大多数の幸福に分類されている人の心の中も100%幸福ではない・・と思ふ。

 南は自分はどこに分類されるのかを考えていたが、どこに所属するかは学生時代には深刻な問題だ。無所属個人を立候補して通せるのは、よっぽど自分に自信がある人か何かに秀でているか。特別な権利のある人だと思っていたなぁ。





 南はグループチャットを『めんどくね?』と言う
いち子にシンパシーを感じる。
教室に戻れば、相変わらず体育祭頑張ろう!の熱気で溢れている。

『私はうるさいのも群れるのも苦手・・
ここの人たちはきっと、私と主義が違うんだ。
サルトルは実存主義で、ベンサムは功利主義、マルクスは社会主義。
逢沢は何主義なんだろう?
私は・・・一人主義だ』


 そう気づいた南はクラスのグループチャットを退会しようとしたが・・
やはり回りの視線が気になって断念。

 自分の主義に気が付いても、その主義を貫くには勇気がいる。
大多数でいれば、薄まった自分でいれば、そんな勇気を振りしぼる必要も
主義に反する勢力からの圧力の恐怖も感じずにすむ。

 しかしさ、学生時代の主義(グループ)の複雑怪奇なことよ。
何層にも何種類にも分かれている。
聴いている音楽や興味、習い事、成績、家庭・・・
同調しているように見えて探り合い。
ちょっとした判断ミスや言動で仲間外れの危険性が増大する。

『一人でいい・・はずなのに。
疲れた・・・
もし一人主義を貫けたら・・・
でも、それってさみしくはないのかな。
・・・って、私、言うほど一人主義じゃないか』


 学生時代は「孤独」を感じることより
「孤独に見える」ことを怖がっていたような。
私は、なんか見えない敵にばっかり怯えて
自分自身を見つめようとしなかった気がするよ。

 南はしっかり自分と向き合っているけれど
新しい主義に飛び込むきっかけが掴めない。
一応知識として主義の選択肢があるのはわかっているが
その主義を選んだ先の未来が読めそうで読めない。

 さて、高柳を待ち伏せするために恭一(池田優斗)を巻き添えにしようとしているいち子に捕まった南は、流れで倫理の課外授業を受けることに。

 南は資本主義国に囲まれながらも未だに残っている社会主義国を
回りから浮いて馴染めない自分と同じだと話し始めた。
同調するいち子。
共感しあう二人。

『お二人は個人主義なんですね。
きっと皆さんのクラスは集団主義的なんですね。
個人よりみんなで一緒を第一に考える』高柳
『別に「みんなで一緒」が悪いと思ってる訳じゃけど・・
なんか・・居心地が悪いんです。
意味もなく仲が良くて、つまんないことで騒いで、
みんながおんなじノリで、みんなで青春!って
同じことを叫んでいるって・・不気味なんです。
みんなの前で私が消されちゃうみたいで。
何か怖いの・・・』南

 高柳はいじめは起きていないのか確認。
クラスのみんなからかまってもらって嬉しい恭一は全否定したが・・・

『今はね』南
『結束力の強い集団の怖いところは異端分子がいれば
猛烈に排除しようとするところ。
個人は集団の中に紛れ、その存在は消えてしまう。
すると気が大きくなり始めて個人ではとてもできない惨いことを
集団ではできてしまう。
集団の前に個人の意志や権利や尊厳を軽視するようになったら
それは全体主義という名の怪物となる』

 戦争や暴動による略奪や暴力。
集団の衣をまとった個人は時に普段の自分とは正反対の行動を取ったり
悪への許容範囲を広げていく。その怖さは常にある。

 高柳は集団でしか成し遂げられないこともあるし
自分の主義に凝り固まってそれ以外の主義を排除するのではなく
おりあいをつけながら主義を守ることが大切だと伝え
課外授業をしめくくった。

『どんな主義主張でも最後に目指されるのは幸福のみ。
どうすれば、より多くの幸福を実現できるのか考えましょう。
それが倫理です』

 その言葉に刺激を受けたいち子はグループチャット退会を
実行。南も誘われたが保留。

『私は一人が好きだけど、今日逢沢さんと話してみて
もしかしたらそれだけじゃないのかも・・って思ったから』

 一人になりたいのではなく、心から打ち解けられる相手に
出会えてなかったんじゃないのかねぇ。
嘘の付き合いをするなら一人の方がいいけど
もしいろんな事を語り合いたい相手と出会えたら2人もいい・・かな?
前回の曽我の話とも通じるね。

 その後、高柳の懸念通り、いち子はクラスからハブられることに。
グループチャットでは盛んにバッシングが行われておる。
それを嫌な気持ちで見つめる南。

 いち子自身はわりと腹が座っているというか、
チャットを抜けたことは後悔していなさそう。
でも、この状況には戸惑っておりバツが悪い思いもしていた。
心配した恭一はもう一度チャットに戻るべきだと伝えたが
南はそれで解決するアレでもなさそうだし、
いち子の主義に沿わないと反論。

 確かにね。
悪い連帯感で繋がった全体主義に取り囲まれちゃ不利な戦いだよな〜
疲れ果てて戦意喪失し落ち武者として放浪するしか・・・
それに恭一もいち子も南も同じ思考でぐるぐる回っちゃって
新しい発想も解決策も浮かばない。

 高柳はいち子の問題を倫理の時間の対話課題とし解決策を探ることにした。
倫理の時間、実践編。
みんな、一年間授業をちゃんと聞いていたかな?( ̄▽ ̄;)

 この対話はいち子だけでなく、他の生徒たちにとっても、
そして高柳にとっても、大きな学びになる予感がするけど、
対話するにも勇気がいるよね。

『倫理はどうすればより良く生きられるか考える学問です。
皆さんは一学期からずっとそれを学んできました。
皆さんの意見を聞かせてください。
三学期になれば受験生の皆さんは学校に来なくなる。
ですから、これが僕の最後の授業です。
それでは倫理を始めます』

 う〜む・・・もう2,3話経てからここに来て欲しかったわ〜
それぞれ高柳の倫理の授業(課外授業も含め)によって気づきを得て
積極的に変化してきたけれど、果たして時間は十分だったかしら?
お互い得た情報の共有もできてないしな〜

 みんな、最後の授業で出し切る準備はできてる?
いじめだけじゃなく、いろんな問題が含まれているよ。
平凡な意見でもいい、対話することが大事。
相手の意見を聞いて応えて欲しい。
自分の言葉で。

 生徒たちは学校内における『より多くの幸福』へ繋がる道を
見付けることができるのか。
そして曽我はこの対話で言葉を発するのかゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
おばちゃん、いろいろ楽しみにしているわよ。

 『ではまた・・・倫理の時間に会いましょう』

 『ここは今から倫理です。』 第1話  第2話 第3話 第4話 第5話 第6話



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