「この声をきみに」 第2回 友だちはカエルくん「この声をきみに」 第4回 飛べ!くじらぐも

2017年09月30日

「この声をきみに」 第3回 雨にも負けぬ男

 宮澤賢治の「雨ニモマケズ」・・・
特に好きでもないし、改めて読みたいとも思ったことなかったけど
今回朗読を聞いていたら、なぜだかホロリ・・・
それが詩の力なのか朗読の力なのかはわからないけど。

 みんなで一緒に朗読って、自分がやることを考えると
こっぱずかしくて耐えられないんだが、このドラマは毎回新しい世界を見せてくれているような気がする。だから見てしまうんだよね。
HPはこちら


 さて、代理人同席のもと夫婦で話し合う場が設けられたのですが・・・
まだまだ孝(竹野内豊)には奈緒(ミムラ)の声を聞く準備ができていないようです。
そして奈緒も思いが溢れてしまって『信頼していたから』という孝の言葉に感情的になってしまった。

「あなたは・・ただ逃げてたのよ!
ずっと面倒なことも煩わしいことも、ただ自分の世界を邪魔することから
目をそらしてただけじゃない!
何年も・・何年も・・・ずっと・・・
それを・・任せてたなんて都合のいいこと言わないで!」
「あなたには一生、人の気持ちなんてわからない!!」


 この言葉にすべてが現れている。
奈緒がどんな思いで生活してきたのか、何度期待をして裏切られてきたか。
孝に悪気がないことはわかるけど、だからこそ奈緒は絶望してしまったんだと思う。
一緒に居るのに理解してもらえない、理解しようとも思ってくれない寂しさ・辛さ。

 奈緒の弁護士・北里(千葉雅子)が結婚生活の様子を代弁しておりましたが
見ててムカムカしたわ〜
コレは殺意すら覚えるよね〜
「会話が成立していない」ってオマエだよ、オマエ!


 北里のジャッジは『復縁は不可能』。
離婚調停を申し立てる宣言をしておりました。

 「声を聞きたくもなかった」と言っていましたね。
奈緒にとっては孝の声が厚くて固い壁のようになっていたのかなぁ・・
ま、嫌いになると何もかも嫌になるけどね( ̄∇ ̄;)

 孝の弁護士・五島(永瀬匡)は『Don't think. Feel !』と言っていましたが
(わかってるじゃん!見かけによらず有能なのかも)
まさに今の孝に必要なことはソレでありましょう。
孝にだって感情はあるんだけどねぇ・・・すべて理詰めで解決しようとするからなぁ・・


雨ニモマケズ (ミキハウスの宮沢賢治絵本)中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)


 でも、ま・・以前よりは自分の態度を客観的に見られるようにはなっているようで。
奈緒が離婚を決意した頃の龍太郎(加賀谷光輝)の誕生日の時の自分を叱っております。

 孝は朗読教室に正式に入会しました。
あの声優を目指している美鈴(大原櫻子)も一緒。
離婚調停のこともあり乗り切れずにいる孝と違って、こちらはやる気満々。
2ヶ月ごとに行われる朗読のカフェライブにも意欲を燃やしております。

 『群読』という言葉も初めて知りました。
人数多くなると芝居っぽくなるような気もするけど、そっちとは違うのね。
 

 次回のライブの演目は宮澤賢治の「雨ニモマケズ」。
で、そっちの練習がメインになるため孝も詠むよう指示されたんだけど
「一人で読みたい」と拒否。
ムカッと来たメンバーもいたけど京子先生(麻生久美子)も孝の扱いに
慣れてきた鴨・・( ̄∇ ̄;)

 相変わらず気さくな福島(杉本哲太)は孝のことを気にかけて
話しかけております。
朗読の声を聞いていると本人が隠していることもわかってしまうことがあると
聞いた孝は・・・

『それはとても困る・・・
誰にも悟られてたまるものか。
僕が心のぽっかりに耐えきれず救いを求めてここに来ているなんて』


 孝って誰にも心の中を話したりしたことないのかしら・・
一人で頑張りすぎだよ〜
それに『〜すべき』ってのが多くて疲れないのかねぇ・・


 そして朗読の練習本、先週持ってきた『3次元多様体と結び目』とやらで
いいのかと京子先生に確認されて・・・イエスと答える孝。

 また教科書持ってきたくせに〜!
趣味の会でこんな朗読聞きたくない・・( ̄∇ ̄;)
孝のテクニック不足のせいもあり、みなさん予想通りの反応。

 しかし、なんということでしょう!
佐久良先生(柴田恭兵)が読むと文章がキラキラ輝いているわ〜!
皆さん、聞き惚れとりますョ〜


 京子先生から朗読と音読の違いの説明がありました。

「朗読は相手あってのもの。
一人よがりになってしまってはいけません。
誰かに伝えたいと思う気持ち。喜んで欲しいと願う気持ち。それが大切なんです」

『ふ〜ん・・・伝えたい気持ちねぇ・・・』(孝、こころのつぶやき)

 なんかバカにした表情してるけど・・( ̄∇ ̄;)
自分に足りないのはそこだってのは薄々感づいているようです。


 さて・・・義母(仁科亜季子)が孝の父・定男(平泉成)に離婚調停の件を
話したようでカンカンになっております。

 会いに行った孝に対する態度がヒドイ・・・
孝の職業、生活、人格まで全否定。
こりゃ、孝が心を閉ざしてしまうのもわかるよ。
亡くなったお母さんは孝に寄り添ってくれていたみたいだけど。


 朗読ライブの日が来ました。
んが、出演がせまって来たその時、にゃんと、メンバーの雄一(戸塚祥太)が交通事情で来られないことが判明。
ざわざわざわざわ・・・
雄一が担当している部分は男性じゃないとバランスが悪くなる感じなんで
京子先生が代わりになるのも無理。
佐久良先生の都合もつかない。

 そこに現れたのが孝。
ヘタでもしかたがない。代役を頼んだんだけどとりあえず拒否するという・・・
『声と声が重なるのがイラつく』・・・〜ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
って、本音は妻との口喧嘩の声を思いだしてしまうかららしい。
思わず口に出しちゃったYO!
皆さん、驚いちゃったYO!

 この融通の利かない男を動かすにはどうしたらいいのか・・
普段、孝に冷たかった和代(片桐はいり)が動きましたぞ。

「あなたが必要なのよ。
私は別に家族も来てないし、朗読はただの趣味よ。
でも、それでもこの日を目標にして楽しみにして、ずっと2ヶ月賢治を練習してきたの。
だから無駄にしたくない」

「・・・・だったら余計に僕なんか・・・」孝
「もしかして怖いの?(孝の手をぎゅっ!)
怖くない!私たちは今日から仲間よ!」和代
「・・・・・『仲間』?」

 他のみなさんもうなづき、京子先生は仲間の印としてブルーのハンカチを
孝のポッケに入れてくれました。

 確かに孝の朗読は上手じゃなかった。
みんなに助けられ、やっと最後になって波に乗れたかな・・って感じ。
でも人に乗せられ、人と心を繋がせるという体験は孝にとって貴重な時間でした。
なにより初めて聴いてくれる人の存在を意識し伝えようとした。

 孝の喜びと高揚感が伝わってきて、泣けてきちゃったよ。
人と繋がれるって嬉しいことなんだよね。


 自分の朗読の拙さを詫びた孝でしたが、和代は
「悪くなかった。伝わった」と褒めてくれた。

 福島が教えてくれたんだけど、和代さんは朗読によって変わったそうな。
以前は経理畑一筋で小説や映画でも泣けたことがなくて、
自分には感情がないのかもしれないと思っていたんだって・・
それが朗読を始めて、人に何かを伝えたい、伝わると嬉しいんだということが
わかってハマったらしい。
孝に冷たかったのは昔の自分を見ているようだったからなんだって。

 孝は素直に佐久良先生に「楽しかった」と伝えていた。
大きな進歩だね。

「それは良かった。
もしかしたら穂波さんの『ぽっかり』を埋めるのは、
そんな一瞬一瞬の積み重ねなのかもしれませんね」佐久良

 心の中にある『ぽっかり』・・・大きな空間。
これをパズルをはめるみたいに一瞬で埋めたいと思うけれど、
人の心の中の不足はそんな簡単に埋まらない。
ちょっとづつ、ちょっとづつ・・・気づいたら埋まっているもんなのかもしれないね。


 次の週、朗読教室に早く着いた孝は京子先生に
本当に読みたい本を渡した。
教科書に載っている『くじらぐも』。

 思いがけずマンツーマンの指導を受けることになった孝は
自然と京子に話していた。
42日ぶりに面会が許されて子供達と会うこと、
その時にこれを読んであげたいと。

「大事にしてるって。・・・・そう伝わるように」

 さらにこんな問いかけまで。

「先生、こういうことはあるだろうか。
一度は愛した人の声が二度と聞きたくないほど耳障りになることが」孝
「・・・・あることでしょうね、きっと。わりによく」

 京子先生は今は一人暮らしのようです。
教会の結婚教室に来るはずだった人とは別れたのかしら・・
京子先生が相手の声を聞きたくなくなったのか、それとも相手から言われたのか。


「その煩わしさが嫌ならひとりでいるべきよ、一生」

 これは自分自身のことなんでしょうね。
やはり京子先生もかつて朗読に救いを求めたことがあったのかもしれません。


 第1回 つまらない男
 第2回 友だちはカエルくん
 第4回 飛べ!くじらぐも
 第5回 キスはどうですか?
 第6回 もつれる二人
 第7回 ヒーローになる時
 最終回 美しくひびきよく

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matakita821 at 18:26│Comments(0)「この声をきみに」 

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