「あさが来た」 第20週 今、話したい事 第117話「ちかえもん」 第6回 義太夫些少活躍(ぎだゆうわりとかつやく)

2016年02月18日

「あさが来た」 第20週 今、話したい事 第118話

 さて、大隈重信様(高橋英樹)にお手紙を書くも返事はなし。
閣下のご自宅がサロンのようになっているとの噂を聞きつけたあさ(波瑠)は返事を待たずお訪ねすることにしました。
意気揚々と東京へ向かうあさの背中を恨めし気に見ている酒瓶背負った萬谷はん(ラサール石井)。
そして食卓でのかの(楠見薫)の噂話。


「せやけど心配な事だすな。近頃また噂になってるみたいなんだす。
炭坑・銀行とお作りになった奥様が今度はおなごの大学校に
入れ込んでしもてるいうて」かの
「おなごが目立ついうのはええ事ばっかりやあらしまへんよってなぁ」よの(風吹ジュン)

 Xデーは明日か・・・
千代(小芝風花)も宜ちゃん(吉岡里帆)連れて帰宅しているしな。
HPはこちら


 大隈邸に着き、あさがお客さんたちの脱ぎ散らかした草履を片付けていたら、
奥様の綾子様(松坂慶子)が迎えてくれました。
綾子様の言うことにゃ、手紙をもらってから隈ちゃんはあさに会うのを楽しみにしていたんだって〜

 で、待たされることもなく早速大隈様のいる部屋に通されたのでちょっとびっくりするあさ。

「へえ〜君、女だてらに大隈先生に話しに来たのですか?それは緊張もするでしょう」
「いいや、違いますのや。
うち、今までは初めて行くとこ行くとこ大抵はお猿さんがいたりして
びっくりぽんな事ばっかりだしたのにこない親切に中に入れて頂けるやなんて・・」
「猿?何をおっしゃってるんですか、白岡さん」綾子

 綾子さんは大隈様にあさを紹介してくれました。

「おっ、あなたが女だてらに金儲けに成功して銀行を作ったという
例の女の人であるか。
いや、これはお目にかかれて光栄である。我が輩が大隈重信であります」

「お初にお目にかかります。白岡でございます」
「諸君、この人はね、なんと女子にも大学校が必要だとそういう先進的な事を考えていらっしゃる大阪の偉大な実業家であるのでありますぞぉ!」

 ざわざわざわざわざわ・・・・・・

『あさはその時気付いたのでした。
今、この館では自分こそが、みんなにとってのお猿さんなのかもしれない事に』


 あさのすごいところは瞬間の空気を読み取る力。
これは変な思い込みがないからこそ正しい判断ができる。
読んだらすぐに作戦を立て直し、打って出る。こういう時のあさは強い。


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へぇ!いかにもこの白岡あさ、いつかこの日本にもおなごの大学校をと
そう願いまして大隈様にご意見伺おうと大阪からこの東京・早稲田までやって参りました。皆様どうぞよろしゅう!
あさ
これはあっぱれ!恥ずかしからぬ男ぶり。
いや、女ぶりであるなぁ。

白岡夫人。確かにここ日本はかねてより女子を軽んじる風潮があったのである。
しかし明治になって以降この国の女子教育は一気に進んだ。
そして我が輩はこの国の現在の女子教育の指針、
おなごの主な天職たるは賢母良妻という考えに間違いはないと思うのである。
まだまだ西洋諸国においても困難である女子大学校を我が国に持ち込むのは・・・いささか早急ではないかと考えるのであるが いかがかな?」


 このおなごは他のおなごとは確かに違うらしい。
だが、議論するに足る者だろうか・・
穏やかに仕掛けてくる大隈様にあさはしっかり応えましたぞ。


「大隈先生。うちも賢母良妻に憧れております。
それに、うちの小さい頃と違ておなごも小学校から学べるようになり、
高等小学校や娘の通う女学校の話を聞いた時もただただ羨ましい思いました。
ええ時代になったなぁて。
ほんま、十分や思てたんだす。
うちは・・・なんてアホやったんだすやろ!」
「アホ?」
「アホ?」

「へぇ。そないな事で満足するやて、さながら道の向こうに小さい頃から焦がれてた宝玉があるかも分かれへんのに近くに、落ちてたビー玉拾てわぁと喜んで帰ろとしてたただの子どもでございます。
うちは政府が打ち出したところのおなごはこれで十分やろいう考えにまるで流されてたんだす。
今においても男子と女子の教育はまるで違てます!
男子は学ぶ気さえあったら中学校・高等学校・大学校へと道が開けてますけど、
おなごはせいぜい女学校師範学校しかあらしまへん。
しかも学べる年月はずっと短い。
また教科書見ましても女学校は婦女の道徳に重きが置かれ過ぎて
世に出て役に立つ実学が男子に比べてあまりに少ない。
初めから教育の目指すとこが男子は学問、おなごは花嫁修業と明らかに違てしもてんのだす。おなごに学問なんか要らん。
学ぶ場さえ用意しといたらそれで十分やろいうそもそもの考えが
今日のおなごの高等教育の大きい足かせになってるのでございます!
うちは大隈先生のおっしゃる『賢母良妻がおなごの主たる天職である』いうお考えに異論はございまへん。
そやけど、そのためにかて学ぶ事は必要だす。
芸事や実技も大事だすけど、世の中の動きに疎いおなごだけではあかん。
賢母良妻になるためにかて男女の教育に区別をすべきやあれへんのだす!」


「君、大隈先生に失礼だろ!」
「そうだそうだ!」


「いいや!どうか最後まで聞いとくなはれ。
おなごもまた、社会の一員となり生きるすべや人を助けるすべを身につけ
幸せを感じ社会のためになるよう励む事。
これこそが、おなごに高等教育が必要な理由だす!
今すぐにでも100年先見据えて、大きい目で見て方針定めるべきやて・・・
ゴホゴホ・・・という事がここに書いてありますので、どうかご一読を」


 やっぱり泉ちゃん(瀬戸康史)の受け売りか・・・( ̄∇ ̄;)
でも伝えたいことは100%伝えられたようだす。
その情熱と強い意志は大隈先生にしっかり届きましたで。


「いや、これは見事なり!驚いた!
いや、見事なプレゼンテーションであった。
我が輩がこんなにも長い時間反論もせずに人の話を聞いたのは東京農林学校の福羽氏からイチゴ栽培の話を聞いた時以来である。 
いや、これは驚いた!」
大隈
「イチゴ?」あさ
「諸君。今日、この館で白岡夫人に会った事は我が輩に会った事より 
この先ずっと楽しい話の種になるに違いないのである。なぁ!」


 会がお開きになった後もあさと大隈様は語り合いました。

「あんたの弁舌は実に愉快であった。
老いも若きも男も女も民が学べば国も育つ。それは政府も分かっておるのだ。
しかし男子の教育概念も確立されていない中、女子は後回しになっておる。
それに今は大臣でも何でもない我が輩に残念ながら大した役に立てそうもない」大隈
「いいや。うちは学校をお作りになりはりました先輩として
大隈様にお目にかかりに来たのでございます。
それがこないしてお話さしてもろて愉快やなんて言うてもろて
それだけでもう、ほんまありがたい事やて思てます」あさ
「本当に?」
「へぇ」

「爆弾まで投げつけられた我が輩であるぞ。
あんなに客がおっても本当の味方など一人もいないのかもしれん」
「そうかも分かりまへんなぁ。
政の世も商いの世もどっか「生き馬の目ぇ抜く」ような
せちがらいとこがございますさかいなぁ」
「そうだよなぁ。そうであろう?」
「へぇ。その点教育は違いますなぁ」
「うん・・・結局、この世に二心なく残せるのは人材だけだ。
だからこそ人を育てるのは何よりも大切な事なのである。
・・・・・・・・・はっ!白岡君
「はい」
「この大隈できる限りの協力はさせてもらいますぞ」
「おおきに・・・おおきにありがとうございます!」

 どんなに大きな人だって温情だけでは動かない。
大隈様が心動かされたのはあさの言葉が自分自身への新鮮な風だったから。
新しい世界へといざなってくれるものだったから。
大隈様という人もいくつになっても貪欲に新しい世界を求めるお方なのでしょう。

 てか、さすがおやじキラーのあさ・・・( ̄▼ ̄)ニヤッ!
綾子様のさりげないフォローのおかげもあるけど、
いつのまにか大隈様を狙いさだめたところに誘導しとる。
常に丸腰で真っ正直な自分という存在だけで勝負するあさ・・・
やらかい心で包んだその覚悟に、同じように厳しい場面で戦ってきた大隈様も惹きつけられたんやろなぁ・・・


 第1週 小さな許嫁(いいなずけ) 第1話〜第6話

 第2週 ふたつの花びら 
 第7話  第8話〜第10話 第11話 第12話

 第3週 新選組参上! 
 第13話 第14話 第15話・第16話 第17話 第18話

 第4週 若奥さんの底力 
 第19話 第20話 第21話 第22話・第23話 第24話

 第5週 お姉ちゃんに笑顔を 
 第25話 第26話 第27話 第28話・第29話 第30話

 第6週 妻の決心、夫の決意 
 第31話 第32話 第33話 第34話・第35話 第36話

  第7週 だんな様の秘密 
 第37話 第38話 第39話 第40話 第41話 第42話 

 第8週 京都、最後の贈り物 
 第43話 第44話 第45話 第46話・第47話 第48話

 第9週 炭坑の光 
 第49話 第50話 第51話 第52話 第53話 第54話

 第10週 お姉ちゃんの旅立ち 
 第55話 第56話 第57話 第58話・第59話 第60話

 第11週 九転び十起き 
 第61話 第62話 第63話 第64話 第65話 第66話

 第12週 大阪一のおとうさま 
 第67話 第68話 第69話 第70話 第71話 第72話 

 第13週 東京物語 
 第73話 第74話 第75話 第76話・77話 第78話

 第14週 新春、恋心のゆくえ 
 第79話 第80話 第81話 第82話 第83話 第84話

 第15週 大阪の大恩人 
 第85話 第86話 第87話 第88話 第89話 第90話

 第16週 道を照らす人 
 第91話 第92話 第93話 第94話 第95話 第96話

 第17週 最後のご奉公 
 第97話 第98話 第99話 第100話 第101話 第102話

 第18週 ようこそ!銀行へ 
 第103話 第104話 第105話 第106話 第107話 第108話

 第19週 みかんの季節 
 第109話 第110話 第111話 第112話 第113話 第114話

 第20週 今、話したい事 
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