2015年09月03日
「ぼくを探しに」 2013年 仏 監督 シルヴァン・ショメ
何の前情報もなく見たのですが大好きな世界でした。
見終わった後、自分の人生も愛おしく思えるような、じわ〜っと幸せが湧き上がってくる映画。
『すべては記憶の中にある。
そこは薬局か化学室のようで手に取るのが鎮静剤か毒薬かわからない。
by マルセル・プルースト』
人間の心の中にある記憶。
それらは喜びをもたらしてくれるものもあれば、苦しみに繋がるものもある。
でも、闇にするのも光にするのも人間しだいなのかもしれない。
すべては自分の中にある。
こころの中の宇宙は無限に広がっている。
複雑だけど単純、単純なようで複雑。人間ってやっぱりおもしろい。
映画の公式HPはこちら
![ぼくを探しに [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61w4%2BSVLzjL.jpg)
街を歩く男の軽快な足元から映画は始まる。
わたしゃ、『サタデー・ナイト・フィーバー』を思い出したよ(* ̄m ̄)
目線が低いのは赤ちゃんが見ているから。
リズム感あふれる楽し気な背中・・・
彼は町の人気者。通りにいる仲間たちに挨拶しながら通り過ぎる。
男は映画館の『グランドキャニオン』というポスターに見入っている。
ママが優しく自分を抱き上げる。
言葉を話しそうになったのに気付いたママの呼びかけで男は振り返る。
その恐ろしい形相に恐怖で泣き叫ぶ赤ん坊の自分の声・・・
ポール(ギョーム・グイ)は、また悪夢で目が覚めた。
これは彼の幼い頃の記憶。
両親は彼が2歳の時に亡くなった。
彼にとってママのアニタ(ファニー・トゥーロン)は美しくて優しいけど、プロレスラーだったパパ・アッティラ・マルセル(ギョーム・グイ)は野蛮で恐ろしいというイメージしか残っていない。
さて、現在のポールは33歳。
ダンス教室を経営している叔母のアニー(ベルナデッド・ラフォン)とアンナ(エレーヌ・ヴァンサン)が彼を育ててきた。二人の夢はポールを世界一のピアニストにすること。
でもポールは毎年コンクールに出場しているが優勝できずにいた。
両親の死を目撃したショックでしゃべれなくなっているポールはダンス教室の手伝いをしながら、叔母たちに保護されるように暮らしている。
叔母たちとピアノとダンス教室、それだけがポールの世界だった。
寂しくも平穏な日々・・・
それが同じアパルトマンに住むマダム・プルースト(アンヌ・ル・二)と出会った時から変わっていく。
ここからはラストの内容にも触れますョ〜
見終わった後、自分の人生も愛おしく思えるような、じわ〜っと幸せが湧き上がってくる映画。
『すべては記憶の中にある。
そこは薬局か化学室のようで手に取るのが鎮静剤か毒薬かわからない。
by マルセル・プルースト』
人間の心の中にある記憶。
それらは喜びをもたらしてくれるものもあれば、苦しみに繋がるものもある。
でも、闇にするのも光にするのも人間しだいなのかもしれない。
すべては自分の中にある。
こころの中の宇宙は無限に広がっている。
複雑だけど単純、単純なようで複雑。人間ってやっぱりおもしろい。
映画の公式HPはこちら
![ぼくを探しに [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61w4%2BSVLzjL.jpg)
街を歩く男の軽快な足元から映画は始まる。
わたしゃ、『サタデー・ナイト・フィーバー』を思い出したよ(* ̄m ̄)
目線が低いのは赤ちゃんが見ているから。
リズム感あふれる楽し気な背中・・・
彼は町の人気者。通りにいる仲間たちに挨拶しながら通り過ぎる。
男は映画館の『グランドキャニオン』というポスターに見入っている。
ママが優しく自分を抱き上げる。
言葉を話しそうになったのに気付いたママの呼びかけで男は振り返る。
その恐ろしい形相に恐怖で泣き叫ぶ赤ん坊の自分の声・・・
ポール(ギョーム・グイ)は、また悪夢で目が覚めた。
これは彼の幼い頃の記憶。
両親は彼が2歳の時に亡くなった。
彼にとってママのアニタ(ファニー・トゥーロン)は美しくて優しいけど、プロレスラーだったパパ・アッティラ・マルセル(ギョーム・グイ)は野蛮で恐ろしいというイメージしか残っていない。
さて、現在のポールは33歳。
ダンス教室を経営している叔母のアニー(ベルナデッド・ラフォン)とアンナ(エレーヌ・ヴァンサン)が彼を育ててきた。二人の夢はポールを世界一のピアニストにすること。
でもポールは毎年コンクールに出場しているが優勝できずにいた。
両親の死を目撃したショックでしゃべれなくなっているポールはダンス教室の手伝いをしながら、叔母たちに保護されるように暮らしている。
叔母たちとピアノとダンス教室、それだけがポールの世界だった。
寂しくも平穏な日々・・・
それが同じアパルトマンに住むマダム・プルースト(アンヌ・ル・二)と出会った時から変わっていく。
ここからはラストの内容にも触れますョ〜
マダム・プルーストの部屋の中が独特の色彩で、この場所自体が夢の中のような感じ。
ポールが恐る恐る色のぼやけた入口と廊下を辿っていくと光あふれる鮮やかな緑に囲まれた部屋に到着する。
マダム・プルーストは管理人に内緒で室内に土を持ち込んで野菜を育てていた。
気さくなおばさん風でありながら、どこかミステリアスな雰囲気もあるマダム・プルースト。
いつも『ムスティック』というウクレレを奏でてている。相棒はでっかい黒犬。
悲しみを知っていて、海のように静かにポールを包んでくれる不思議な女性だ。
彼女のウクレレの音に導かれるように閉じられていたポールの心の扉が開いていく。
彼女の処方するハーブティは人の記憶を呼び覚ます不思議な力を持っている。
いろんな人たちが自分の記憶を求めて彼女の元へやってくる。
ポールは『ママの居場所を知っている』という彼女からのメッセージの意味が知りたくて部屋を訪ねた。
「お母さんはここよ。記憶の濁り水の中」おでこをつつくマダム・プルースト。
彼女は水の中の魚を釣るように、記憶も引っ張ることができると話した。
その餌は音楽。
ポールが赤ちゃんの時使っていた遊具に付いていたオルゴールを聞きながら、
マダム・プルーストのハーブティーとマドレーヌで、彼の記憶の旅が始まった。
なんか気を失う感じになるんだけど、脳内は活性化していく。
音楽と共に蘇る記憶と広がるイマジネーションの世界が楽しい。
なぜかミュージカル風になっていて色彩はさらに鮮やか。
まるで夢の世界のように混沌としているんだけど強いメッセージも伝わってくる。
記憶にはその人なりの彩がされているのがよくわかる。
週一回、マダム・プルーストのところに通っているうちにポールの中に記憶の断片が集まり始める。
でも幸せな記憶ばかりじゃない。
父が母に暴力をふるっている場面を見たポールは悲しみに打ちひしがれる。
そんな中、ポールの異変に気づき、その理由を探っていた叔母たちはついにマダムの存在を突き止め、彼女をボコボコにしてしまう。
マダムはハーブティーとマドレーヌと『あなたの人生を生きて』という手紙を残しポールの前から姿を消してしまった。
勇気を出してハーブティーを飲んだポールが取り戻した記憶・・・
父が母に暴力をふるっていたと思ってしまったのはポールの不完全な記憶による誤解だった。
実は母もプロレスラーでリングデビューの練習を二人でしていたのだった。
激しくファイトしたあとの二人の輝くような笑顔・・・
父と母は本当に愛し合い強い絆で結ばれていた。
そのことを確信したポールの顔は喜びに満ちあふれ、自然と声をだして笑っていた。
その後、コンクールに出場。
プレッシャーと戦いながら演奏を続けたポールは独自の世界を開花させ優勝する。
悪夢だったカエル楽団が彼をサポートするって演出が良かったねぇ・・
ピアノを弾きながら自分自身が引き出され、音楽と一体になる瞬間が見えた。
ポールは演奏家としての喜びを初めて感じたんじゃないのかな。
しかし、人生は甘さと辛さが織り上げる布のよう・・
最後にポールが呼び戻した記憶・・・それは両親の死の瞬間だった。
固く抱き合い踊っていた父と母・・・
そこに二階の床が抜け叔母たちのピアノが落下。
両親はピアノの下敷きになって亡くなったのだった。
何も知らずに自分が毎日弾いていたのが、そのピアノだと知ったポールは、自分の両手にピアノの蓋が落ちてくるように激しく叩いた。
両手の指を骨折したポールは二度とピアノが弾けなくなった。
でも、もはや叔母たちもピアノに執着はしなかった。
床が抜け落ちたのは一階リフォームのために真ん中の壁をぶち抜いてしまったから。
作業をした父の友人は逮捕され5年の刑に服したそうな。
記憶は取り戻したけどポールの心の衝撃は深く、何もかも失ってしまったように感じる・・・
何度もマダム・プルーストの部屋を訪ねても反応はない。
管理人が彼女は癌で亡くなったと教えてくれた。
あの、彼女そのもののようだった部屋はきれいに片付き、痕跡はすっかり消えていた。
ポールはバスに乗って、マダムのお墓を訪ねた。
彼女のお墓は大木の根本にあった。
お得意さんだった医師が置いたと思われる剥製の動物たちがちょこんと鎮座しとる。
壊れていた彼女のウクレレを直したポールはお墓に供えたんだけど、雨が降り始め・・・
その雨粒が弦に当たり、いつも彼女が弾いていた曲を奏でポールを呼び止めた。
葉陰から光が差し、マダムが話しかけているようだった。
光の方へ向かいなさい・・・
どんな人の人生にだって、どす黒い思いが湧き上がることはあると思う。
どうしても許せないこと、人、怒り、憎しみ・・・
ポールも両親の死の真実を知って、そんな思いが湧き上がったと思う。
床が崩れたのは業者のせいだけど、叔母たちがピアノに固執しなければ・・・
そして両親を殺したピアノをずっと自分に弾かせていたこと・・・
でも記憶を取り戻したポールは道を選ぶことができる。
憎しみや恨みの闇の記憶か、あるいは両親の笑顔と愛されていたという光の記憶。
月日が流れ、伴侶と子供を得たポールはウクレレ奏者になっていた。
ウクレレ大会の前に奥さんがサプライズで寄り道してくれたグランドキャニオンに親子3人で立っております。
かつて自分が父を見つめていたように、ベビーカーに乗ったわが子がポールの背中を見つめている。
そしてポールの記憶と同じように、奥さんが呼びかけている。
「『パパ』と言いそうよ」奥さん
「パパ・・」ポール
「パパ!」赤ちゃん
自由が感じられるポールの笑顔に泣きそうになっただよ〜
この映画の原題で、お父さんのリングネームでもある『アッティラ・マルセル』の曲のように切ないけどおかしみもあるというか・・・いいラストでした。
人生の喜びの中には悲しみも交じっているんだけど、それでいいんだよね。
ポールの人生をいろんな音楽が美しく縁取ってくれている。
どの曲もよかったなぁ・・・
そしてどの登場人物も愛おしい。
叔母さんの友達ばかりだからご老人が多いんだけど、独特のユーモアと毒がいい感じに熟成されていてかわいかった。
やっぱり一番好きなのはマダム・プルースト。
相手のことをちゃんと思っているんだけど、決して近づきすぎない。
自分らしさと同じように相手らしさも尊重しているからなのかな。
これがフランス人らしさなのか、マダム・プルーストらしさなのかは、よくわからない。
彼女は自分らしさを守るために戦うことも厭わないんだけど共感を求めている訳じゃない。
常に自分と戦っている。潔さが美しい。
死を覚悟した横顔から、寂しさと共に自由を守り通した気骨のようなものが伝わってきたよ。
そして無表情な人形のようだったポールに血が通い、命が蘇ってくるギョーム・グイの演技がすばらしかった。
ラストまでセリフは一切ないんだけどポールの人生がはっきりと見えた。
大好きなフランス映画が、またひとつ増えました。
ポールが恐る恐る色のぼやけた入口と廊下を辿っていくと光あふれる鮮やかな緑に囲まれた部屋に到着する。
マダム・プルーストは管理人に内緒で室内に土を持ち込んで野菜を育てていた。
気さくなおばさん風でありながら、どこかミステリアスな雰囲気もあるマダム・プルースト。
いつも『ムスティック』というウクレレを奏でてている。相棒はでっかい黒犬。
悲しみを知っていて、海のように静かにポールを包んでくれる不思議な女性だ。
彼女のウクレレの音に導かれるように閉じられていたポールの心の扉が開いていく。
彼女の処方するハーブティは人の記憶を呼び覚ます不思議な力を持っている。
いろんな人たちが自分の記憶を求めて彼女の元へやってくる。
ポールは『ママの居場所を知っている』という彼女からのメッセージの意味が知りたくて部屋を訪ねた。
「お母さんはここよ。記憶の濁り水の中」おでこをつつくマダム・プルースト。
彼女は水の中の魚を釣るように、記憶も引っ張ることができると話した。
その餌は音楽。
ポールが赤ちゃんの時使っていた遊具に付いていたオルゴールを聞きながら、
マダム・プルーストのハーブティーとマドレーヌで、彼の記憶の旅が始まった。
なんか気を失う感じになるんだけど、脳内は活性化していく。
音楽と共に蘇る記憶と広がるイマジネーションの世界が楽しい。
なぜかミュージカル風になっていて色彩はさらに鮮やか。
まるで夢の世界のように混沌としているんだけど強いメッセージも伝わってくる。
記憶にはその人なりの彩がされているのがよくわかる。
週一回、マダム・プルーストのところに通っているうちにポールの中に記憶の断片が集まり始める。
でも幸せな記憶ばかりじゃない。
父が母に暴力をふるっている場面を見たポールは悲しみに打ちひしがれる。
そんな中、ポールの異変に気づき、その理由を探っていた叔母たちはついにマダムの存在を突き止め、彼女をボコボコにしてしまう。
マダムはハーブティーとマドレーヌと『あなたの人生を生きて』という手紙を残しポールの前から姿を消してしまった。
勇気を出してハーブティーを飲んだポールが取り戻した記憶・・・
父が母に暴力をふるっていたと思ってしまったのはポールの不完全な記憶による誤解だった。
実は母もプロレスラーでリングデビューの練習を二人でしていたのだった。
激しくファイトしたあとの二人の輝くような笑顔・・・
父と母は本当に愛し合い強い絆で結ばれていた。
そのことを確信したポールの顔は喜びに満ちあふれ、自然と声をだして笑っていた。
その後、コンクールに出場。
プレッシャーと戦いながら演奏を続けたポールは独自の世界を開花させ優勝する。
悪夢だったカエル楽団が彼をサポートするって演出が良かったねぇ・・
ピアノを弾きながら自分自身が引き出され、音楽と一体になる瞬間が見えた。
ポールは演奏家としての喜びを初めて感じたんじゃないのかな。
しかし、人生は甘さと辛さが織り上げる布のよう・・
最後にポールが呼び戻した記憶・・・それは両親の死の瞬間だった。
固く抱き合い踊っていた父と母・・・
そこに二階の床が抜け叔母たちのピアノが落下。
両親はピアノの下敷きになって亡くなったのだった。
何も知らずに自分が毎日弾いていたのが、そのピアノだと知ったポールは、自分の両手にピアノの蓋が落ちてくるように激しく叩いた。
両手の指を骨折したポールは二度とピアノが弾けなくなった。
でも、もはや叔母たちもピアノに執着はしなかった。
床が抜け落ちたのは一階リフォームのために真ん中の壁をぶち抜いてしまったから。
作業をした父の友人は逮捕され5年の刑に服したそうな。
記憶は取り戻したけどポールの心の衝撃は深く、何もかも失ってしまったように感じる・・・
何度もマダム・プルーストの部屋を訪ねても反応はない。
管理人が彼女は癌で亡くなったと教えてくれた。
あの、彼女そのもののようだった部屋はきれいに片付き、痕跡はすっかり消えていた。
ポールはバスに乗って、マダムのお墓を訪ねた。
彼女のお墓は大木の根本にあった。
お得意さんだった医師が置いたと思われる剥製の動物たちがちょこんと鎮座しとる。
壊れていた彼女のウクレレを直したポールはお墓に供えたんだけど、雨が降り始め・・・
その雨粒が弦に当たり、いつも彼女が弾いていた曲を奏でポールを呼び止めた。
葉陰から光が差し、マダムが話しかけているようだった。
光の方へ向かいなさい・・・
どんな人の人生にだって、どす黒い思いが湧き上がることはあると思う。
どうしても許せないこと、人、怒り、憎しみ・・・
ポールも両親の死の真実を知って、そんな思いが湧き上がったと思う。
床が崩れたのは業者のせいだけど、叔母たちがピアノに固執しなければ・・・
そして両親を殺したピアノをずっと自分に弾かせていたこと・・・
でも記憶を取り戻したポールは道を選ぶことができる。
憎しみや恨みの闇の記憶か、あるいは両親の笑顔と愛されていたという光の記憶。
月日が流れ、伴侶と子供を得たポールはウクレレ奏者になっていた。
ウクレレ大会の前に奥さんがサプライズで寄り道してくれたグランドキャニオンに親子3人で立っております。
かつて自分が父を見つめていたように、ベビーカーに乗ったわが子がポールの背中を見つめている。
そしてポールの記憶と同じように、奥さんが呼びかけている。
「『パパ』と言いそうよ」奥さん
「パパ・・」ポール
「パパ!」赤ちゃん
自由が感じられるポールの笑顔に泣きそうになっただよ〜
この映画の原題で、お父さんのリングネームでもある『アッティラ・マルセル』の曲のように切ないけどおかしみもあるというか・・・いいラストでした。
人生の喜びの中には悲しみも交じっているんだけど、それでいいんだよね。
ポールの人生をいろんな音楽が美しく縁取ってくれている。
どの曲もよかったなぁ・・・
そしてどの登場人物も愛おしい。
叔母さんの友達ばかりだからご老人が多いんだけど、独特のユーモアと毒がいい感じに熟成されていてかわいかった。
やっぱり一番好きなのはマダム・プルースト。
相手のことをちゃんと思っているんだけど、決して近づきすぎない。
自分らしさと同じように相手らしさも尊重しているからなのかな。
これがフランス人らしさなのか、マダム・プルーストらしさなのかは、よくわからない。
彼女は自分らしさを守るために戦うことも厭わないんだけど共感を求めている訳じゃない。
常に自分と戦っている。潔さが美しい。
死を覚悟した横顔から、寂しさと共に自由を守り通した気骨のようなものが伝わってきたよ。
そして無表情な人形のようだったポールに血が通い、命が蘇ってくるギョーム・グイの演技がすばらしかった。
ラストまでセリフは一切ないんだけどポールの人生がはっきりと見えた。
大好きなフランス映画が、またひとつ増えました。

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1. ぼくを探しに〜失われた時を求めて [ 佐藤秀の徒然幻視録 ] 2015年09月03日 18:47
公式サイト。フランス映画。原題:Attila Marcel。シルヴァン・ショメ監督。ギョーム・グイ、アンヌ・ル・ニ、ベルナデット・ラフォン、エレーヌ・ヴァンサン、ルイス・レゴ、ファニー ...
2. ショートレビュー「ぼくを探しに・・・・・評価額1600円」 [ ノラネコの呑んで観るシネマ ] 2015年09月03日 21:54
失われた記憶を探して。
実写とアニメーションの違いは、前者は有から有を、後者は無から有を作り上げる芸術と表せるだろう。
私は両方の世界で仕事をした経験があるが、実写とアニメーションの監督のどちらが大変かと問われれば、アニメーションだと思う。
なぜなら実
3. ぼくを探しに [ だらだら無気力ブログ! ] 2015年09月04日 22:04
劇中で流れる音楽の数々が良かった。