2015年05月24日
「ベルリン 天使の詩」 1987年 独/英/仏 監督 ヴィム・ヴェンダース
おもしろかった。
わざわざ白黒で撮るって、なんか難解そうなイメージがあったけど、白黒って見やすいな〜って思ったぞ。目に優しいし(笑
天使目線だと白黒で、人間目線になるとカラーというわかりやすい作りになっております。
この映画が創られた時は、まだ『ベルリンの壁』はあったんだよね。
でも舞台となっているベルリンの人々の悩みや閉塞感は、この世界に生きている人間が抱えている普遍的なものなんじゃないかな。誰もが悩み、苦しみ、今与えられた生に疑問を持ち、何のために生きているんだろうと問いかけ続ける。
そして誰かを愛したい、愛されたいと望んでいる。
ベルリン、廃墟となった教会の上から天使のミカエル(ブルーノ・ガンツ)が人間達を見つめていた。彼の耳には人間の内面の声が聞こえてくる。天使たちはこの世界の様々な場所に移動してその声を聞く。
天使の姿を見られるのは子供達だけ。
時に悲惨な歴史に巻き込まれる人間を眼前にしながらも彼らに変える力はない。悲劇に向かうことがわかっていても見守るしかない。天使にできることは絶望に押しつぶされそうな人間の隣に寄り添い肩を抱くことだけ。そうすると希望を見出した人間は少し元気になる。
天使の世界には色がないから白黒。
霊のような存在なので触ることもできないし、暑さ寒さも感じない。
お腹も空かないし、そもそも食べるという感覚もわからない。
いつものように親友の天使・カシエル(オットー・ザンダー)と会い、見たことを報告しあったミカエルは人間として生きることへの憧れを話すのでした。
![ベルリン・天使の詩 コレクターズ・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DWH6W3XmL.jpg)
わざわざ白黒で撮るって、なんか難解そうなイメージがあったけど、白黒って見やすいな〜って思ったぞ。目に優しいし(笑
天使目線だと白黒で、人間目線になるとカラーというわかりやすい作りになっております。
この映画が創られた時は、まだ『ベルリンの壁』はあったんだよね。
でも舞台となっているベルリンの人々の悩みや閉塞感は、この世界に生きている人間が抱えている普遍的なものなんじゃないかな。誰もが悩み、苦しみ、今与えられた生に疑問を持ち、何のために生きているんだろうと問いかけ続ける。
そして誰かを愛したい、愛されたいと望んでいる。
ベルリン、廃墟となった教会の上から天使のミカエル(ブルーノ・ガンツ)が人間達を見つめていた。彼の耳には人間の内面の声が聞こえてくる。天使たちはこの世界の様々な場所に移動してその声を聞く。
天使の姿を見られるのは子供達だけ。
時に悲惨な歴史に巻き込まれる人間を眼前にしながらも彼らに変える力はない。悲劇に向かうことがわかっていても見守るしかない。天使にできることは絶望に押しつぶされそうな人間の隣に寄り添い肩を抱くことだけ。そうすると希望を見出した人間は少し元気になる。
天使の世界には色がないから白黒。
霊のような存在なので触ることもできないし、暑さ寒さも感じない。
お腹も空かないし、そもそも食べるという感覚もわからない。
いつものように親友の天使・カシエル(オットー・ザンダー)と会い、見たことを報告しあったミカエルは人間として生きることへの憧れを話すのでした。
![ベルリン・天使の詩 コレクターズ・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DWH6W3XmL.jpg)
天使たちはなぜか厚手の長コートを着ている。
外見はおっさんだし、ビジュアルは非常〜に地味。
ロングコート&おじさん好きの私には萌え要素満載だが(* ̄m ̄)
図書館の場面が好きだ。
実はそこにはたくさんの天使たちがいる。
人間達にとっては静かな空間だけど、天使たちにとっては喧噪に満ちた場所。
思考や問いかけや物語が乱れ飛んでいる。
それを聞きながら天使たちは吹き抜けになっている柵に上に座ったり、一緒に本を読んでいたり、子供が勉強しているノートを覗きこんだり・・・
すれ違う時に微笑み合う天使たち。
ミカエルは、ふと入ったサーカス小屋で背中に羽を付けて空中ブランコの練習をしているマリオン(ソルヴェイグ・マルタン)に目を止めた。
一瞬、世界に色がつく。
サーカスはその夜限りで解散が決まり、マリオンの心が失望と不安で覆われる。
それでも空中ブランコへの夢を描くマリオンの心の声を聞き続けるミカエル。
マリオンの心のつぶやきが詩のように美しい。
悲しみが伝わってくるけど、彼女は悲しみすら愛おしんでいるように見える。
衣装を脱いだ彼女の背中、「愛したい」という声を聞いたミカエルは心が揺れ動くのを感じる。
平常心であるはずの天使に異変が・・・
マリオンに恋をしたミカエルは人間になりたいと思うようになる。
歴史をただ見つめるだけではなく、その歴史の中に自分も飛び込みたい・・・
人間の愚かさも無力さも十分に見てきたはずなのに、それでも人間になりたいと。
マリオンの最後の舞台を見守ったミカエルはロックライブの歌声に身を委ねる彼女の手に触れた。
そして彼女の夢の中に現れ求婚した。
そんなミカエルにアプローチする人間が・・・
撮影でベルリンを訪れているピーター・フォーク(本人役)。
大人の人間には天使は見えないはずなのに、ミカエルの気配を感じ声をかけてきました。
「見えないがいるな?ずっと感じてる。君の顔が見たい。
こっちがどんなにいいか教えてやりたい。
冷たいものに触る。いい気持だよ。煙草を吸う。コーヒーを飲む。
一緒にやれたらいう事なしだ。
手がかじかんだら、こすりあわせる。これがまたいい気持だ。
素敵なことが山ほどある。こっちにきたらいいのに。
話ができたらいいのに。友達だからさ。兄弟」
ピーターが差し出した手をミカエルも掴みましたぞ(^w^)
ミカエルはマリオンのトレーラーに飾られていた石を手に祈った。
願いは叶えられ、ベルリンの壁の傍でカシエルの腕の中で天使のミカエルは死んだ。
頭の上に鎧が落ちてきてミカエルは目が覚めた。
それはミカエルが着ていたものだった。
見回すと周りには色が溢れていた。鎧で切れた頭から流れた血を舐める。
「これか・・・だんだんわかってくる」
黄色、灰青色、藤色、オレンジ、黄土色、赤、青・・・
色の発見は生きる喜び。
そして匂い、味、感触・・・が彼の感覚に呼びかける。
鎧を質屋に売ってそのお金で買った服に着替えたミカエルはこの世界を体いっぱいで感じようとする。
って、ロングコートから普通のもこもこしたジャケットと帽子になった途端になんかダサくなったな〜と思っちゃったのは内緒。
ミカエルは早速、ピーター・フォークに会いに行きました。
すぐにピーターはミカエルだってわかりましたぞ。
そして自分もかつて天使だったことを教えてくれました。
「結構たくさんいる。君だけじゃない」
「もっと話を聞かせて。知りたいんだ。何もかも!」
「自分で発見しろ。おもしろいよ」
う〜ん・・・(*´∇`*) ピーター・フォークさん、監督に愛されてるなぁ・・・
粋で茶目っ気たっぷり。
彼も人間になることを望み、人間の生活を楽しんでいる。
ナイスキャスティングでした。
さて、ミカエルはマリオンの元に向かったが、サーカスはもう解体され彼女の姿も無かった。
人間になったミカエルには簡単にはマリオンの居場所がわからない。
そしてマリオンも夢の中で出会ったミカエルを捜していた。
そんな二人をカシエルが見守っている。
二人はあのロックライブの会場にあるバーでやっと出会う。
まるで魂が呼び合うように見つめ合い、思いを告げるマリオン・・・・
その後、ロープの上で踊るマリオンとそのロープを下で支えながら彼女を見つめるミカエルの姿があった。
二人の歴史が始まったんだんだね。
人間というものを見つめ続けてきた天使のミカエル、でもマリオンを知り、人間になり、愛を感じたことで見ていただけではわからなかった本当の人間の姿を知ったのかな。
人間にだけ起きる奇跡。それを今ミカエルは肉体と心で感じている。
詩のように何度も味わいたい、そんな映画だと思いました。
外見はおっさんだし、ビジュアルは非常〜に地味。
ロングコート&おじさん好きの私には萌え要素満載だが(* ̄m ̄)
図書館の場面が好きだ。
実はそこにはたくさんの天使たちがいる。
人間達にとっては静かな空間だけど、天使たちにとっては喧噪に満ちた場所。
思考や問いかけや物語が乱れ飛んでいる。
それを聞きながら天使たちは吹き抜けになっている柵に上に座ったり、一緒に本を読んでいたり、子供が勉強しているノートを覗きこんだり・・・
すれ違う時に微笑み合う天使たち。
ミカエルは、ふと入ったサーカス小屋で背中に羽を付けて空中ブランコの練習をしているマリオン(ソルヴェイグ・マルタン)に目を止めた。
一瞬、世界に色がつく。
サーカスはその夜限りで解散が決まり、マリオンの心が失望と不安で覆われる。
それでも空中ブランコへの夢を描くマリオンの心の声を聞き続けるミカエル。
マリオンの心のつぶやきが詩のように美しい。
悲しみが伝わってくるけど、彼女は悲しみすら愛おしんでいるように見える。
衣装を脱いだ彼女の背中、「愛したい」という声を聞いたミカエルは心が揺れ動くのを感じる。
平常心であるはずの天使に異変が・・・
マリオンに恋をしたミカエルは人間になりたいと思うようになる。
歴史をただ見つめるだけではなく、その歴史の中に自分も飛び込みたい・・・
人間の愚かさも無力さも十分に見てきたはずなのに、それでも人間になりたいと。
マリオンの最後の舞台を見守ったミカエルはロックライブの歌声に身を委ねる彼女の手に触れた。
そして彼女の夢の中に現れ求婚した。
そんなミカエルにアプローチする人間が・・・
撮影でベルリンを訪れているピーター・フォーク(本人役)。
大人の人間には天使は見えないはずなのに、ミカエルの気配を感じ声をかけてきました。
「見えないがいるな?ずっと感じてる。君の顔が見たい。
こっちがどんなにいいか教えてやりたい。
冷たいものに触る。いい気持だよ。煙草を吸う。コーヒーを飲む。
一緒にやれたらいう事なしだ。
手がかじかんだら、こすりあわせる。これがまたいい気持だ。
素敵なことが山ほどある。こっちにきたらいいのに。
話ができたらいいのに。友達だからさ。兄弟」
ピーターが差し出した手をミカエルも掴みましたぞ(^w^)
ミカエルはマリオンのトレーラーに飾られていた石を手に祈った。
願いは叶えられ、ベルリンの壁の傍でカシエルの腕の中で天使のミカエルは死んだ。
頭の上に鎧が落ちてきてミカエルは目が覚めた。
それはミカエルが着ていたものだった。
見回すと周りには色が溢れていた。鎧で切れた頭から流れた血を舐める。
「これか・・・だんだんわかってくる」
黄色、灰青色、藤色、オレンジ、黄土色、赤、青・・・
色の発見は生きる喜び。
そして匂い、味、感触・・・が彼の感覚に呼びかける。
鎧を質屋に売ってそのお金で買った服に着替えたミカエルはこの世界を体いっぱいで感じようとする。
って、ロングコートから普通のもこもこしたジャケットと帽子になった途端になんかダサくなったな〜と思っちゃったのは内緒。
ミカエルは早速、ピーター・フォークに会いに行きました。
すぐにピーターはミカエルだってわかりましたぞ。
そして自分もかつて天使だったことを教えてくれました。
「結構たくさんいる。君だけじゃない」
「もっと話を聞かせて。知りたいんだ。何もかも!」
「自分で発見しろ。おもしろいよ」
う〜ん・・・(*´∇`*) ピーター・フォークさん、監督に愛されてるなぁ・・・
粋で茶目っ気たっぷり。
彼も人間になることを望み、人間の生活を楽しんでいる。
ナイスキャスティングでした。
さて、ミカエルはマリオンの元に向かったが、サーカスはもう解体され彼女の姿も無かった。
人間になったミカエルには簡単にはマリオンの居場所がわからない。
そしてマリオンも夢の中で出会ったミカエルを捜していた。
そんな二人をカシエルが見守っている。
二人はあのロックライブの会場にあるバーでやっと出会う。
まるで魂が呼び合うように見つめ合い、思いを告げるマリオン・・・・
その後、ロープの上で踊るマリオンとそのロープを下で支えながら彼女を見つめるミカエルの姿があった。
二人の歴史が始まったんだんだね。
人間というものを見つめ続けてきた天使のミカエル、でもマリオンを知り、人間になり、愛を感じたことで見ていただけではわからなかった本当の人間の姿を知ったのかな。
人間にだけ起きる奇跡。それを今ミカエルは肉体と心で感じている。
詩のように何度も味わいたい、そんな映画だと思いました。

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この記事へのコメント
1. Posted by nanapu 2015年05月25日 12:52
なんか素敵なお話だなぁ。私もこういう映画見たいなぁ
天使って、すごくあこがれるけど
天使も実は人間にあこがれてたんだね。
今こうして人間界にいられることをかみしめて
生きていきたいなって、思うよ。
天使って、すごくあこがれるけど
天使も実は人間にあこがれてたんだね。
今こうして人間界にいられることをかみしめて
生きていきたいなって、思うよ。
2. Posted by きこり→nanapuさん 2015年05月25日 20:56
こんばんわ〜♪ずっと気になっていたんだけどね、やっと見られたよ。
他の方の感想を読むと、結構眠くなるってのが多かったんだけど(笑
眠たがりの私にしては珍しく寝なかったよ( ̄▽ ̄;)
波長が合ったのかな。
ビジュアルがおっさんなんで天使とは思えないかもしれないけど(図書館には女性の天使もいたけど、やっぱりコート着てたよ)映像もシンプルで美しいし、人間にとって大切で普遍的なものが描かれていると思ったよ。私はすごく好きな映画になったよ。
良かったら見てみて〜
他の方の感想を読むと、結構眠くなるってのが多かったんだけど(笑
眠たがりの私にしては珍しく寝なかったよ( ̄▽ ̄;)
波長が合ったのかな。
ビジュアルがおっさんなんで天使とは思えないかもしれないけど(図書館には女性の天使もいたけど、やっぱりコート着てたよ)映像もシンプルで美しいし、人間にとって大切で普遍的なものが描かれていると思ったよ。私はすごく好きな映画になったよ。
良かったら見てみて〜