2015年05月16日
「アルジャーノンに花束を」 第6話 孤独が天才を連れてくる…蓋された心
「白鳥咲人さん、どうぞこちらへ!」
大きな拍手で迎えられた咲人(山下智久)・・・
これは賢くなった自分への喝采の拍手であり、新生・白鳥咲人誕生を祝ってくれている喜びの拍手と思ったでしょうか。
全く違っていた。
咲人は実験の成功を証明する素材でしかなく、喝采を受けているのは蜂須賀(石丸幹二)のみ。
ステージに立っているのは蜂須賀によって作られた美しいフランケンシュタイン。
白鳥咲人は消えてしまったのだ。
HPはこちら
咲人は梨央(谷村美月)と一晩を共に過ごした。
えーーと・・・同じベッドに寝ていて、二人とも裸だったけど、何もなかったらしい。
これってALGの副作用とかじゃないよねぇ・・σ( ̄、 ̄=)
ただ単に梨央が趣味じゃなかったという・・?
この夜を境に咲人は変わった。
苦しみや悲しみに耐えるために心に蓋をするということを覚えたのだ。
咲人は遥香からもらったイヤリングを引出しにしまいこんだ。
『もう・・・何度も心の中で繰り返している。これは大したことじゃないと。
好きな女性が別の人を好きだった。ただそれだけの話だ。
理性の力で心に蓋をすればいい。
そうすれば・・・この痛みも時間とともに消えていくだろう。
そう・・・心に・・・蓋をすればいいだけだ』
咲人は蜂須賀のキスを遥香(栗山千明)が望んだことと思っていた。
釈明しようとする遥香の言葉もシャットアウト。
拒絶された思いはすがるように母へと向かっていった。
賢く立派になった自分を母は抱きしめてくれるに違いない・・・咲人は思っていた。
ところが玄関で迎えた男性が咲人だと知ると窓花(草刈民代)は怯え、差し出した花束を叩きつけた。
室内に逃げた窓花を追うと、彼女は恐怖で錯乱した。
咲人が母親に会うと知った竹部(萩原聖人)の「そんな単純じゃないんです」という言葉を聞いた遥香が慌てて窓花の家に行ってみたら・・・
室内は荒れており、窓花は娘の花蓮(飯豊まりえ)に抱きついて泣きじゃくるばかりだった。咲人の姿はなかった。
咲人を捨てた窓花だったけど、それで心に平安が訪れた訳ではなかった。
自分の子供を捨てた母親の苦しみはそんな単純じゃない。
咲人を受け入れられない自分を否定し、責め続けてきたのでしょう。
咲人の存在を心の中から消すことで平衡を保ってきたけど、現実の咲人を目にして罪を突き付けられたように思ったのかもしれません。

大きな拍手で迎えられた咲人(山下智久)・・・
これは賢くなった自分への喝采の拍手であり、新生・白鳥咲人誕生を祝ってくれている喜びの拍手と思ったでしょうか。
全く違っていた。
咲人は実験の成功を証明する素材でしかなく、喝采を受けているのは蜂須賀(石丸幹二)のみ。
ステージに立っているのは蜂須賀によって作られた美しいフランケンシュタイン。
白鳥咲人は消えてしまったのだ。
HPはこちら
咲人は梨央(谷村美月)と一晩を共に過ごした。
えーーと・・・同じベッドに寝ていて、二人とも裸だったけど、何もなかったらしい。
これってALGの副作用とかじゃないよねぇ・・σ( ̄、 ̄=)
ただ単に梨央が趣味じゃなかったという・・?
この夜を境に咲人は変わった。
苦しみや悲しみに耐えるために心に蓋をするということを覚えたのだ。
咲人は遥香からもらったイヤリングを引出しにしまいこんだ。
『もう・・・何度も心の中で繰り返している。これは大したことじゃないと。
好きな女性が別の人を好きだった。ただそれだけの話だ。
理性の力で心に蓋をすればいい。
そうすれば・・・この痛みも時間とともに消えていくだろう。
そう・・・心に・・・蓋をすればいいだけだ』
咲人は蜂須賀のキスを遥香(栗山千明)が望んだことと思っていた。
釈明しようとする遥香の言葉もシャットアウト。
拒絶された思いはすがるように母へと向かっていった。
賢く立派になった自分を母は抱きしめてくれるに違いない・・・咲人は思っていた。
ところが玄関で迎えた男性が咲人だと知ると窓花(草刈民代)は怯え、差し出した花束を叩きつけた。
室内に逃げた窓花を追うと、彼女は恐怖で錯乱した。
咲人が母親に会うと知った竹部(萩原聖人)の「そんな単純じゃないんです」という言葉を聞いた遥香が慌てて窓花の家に行ってみたら・・・
室内は荒れており、窓花は娘の花蓮(飯豊まりえ)に抱きついて泣きじゃくるばかりだった。咲人の姿はなかった。
咲人を捨てた窓花だったけど、それで心に平安が訪れた訳ではなかった。
自分の子供を捨てた母親の苦しみはそんな単純じゃない。
咲人を受け入れられない自分を否定し、責め続けてきたのでしょう。
咲人の存在を心の中から消すことで平衡を保ってきたけど、現実の咲人を目にして罪を突き付けられたように思ったのかもしれません。

遥香は窓花の精神状態を咲人に伝えようとしたが、またしても拒否されてしまった。
「母は・・・僕が復讐しにきたと思ってたんですよ」咲人
「復讐だなんて・・・少し落ち着いたらそんな誤解すぐ解けると思うわ」遥香
「もういいんです。母の本当の感情も見えたし、それでよかったんです。
僕は・・・嘘は嫌いなんです。もういいですか?」
「うん・・・咲人さん、この間の…蜂須賀先生とのことだけど・・・誤解なの。あれは」
「言い訳なんてしないでください。言ったでしょ?
僕は嘘は嫌いなんです。もう帰ってもらえますか?」
冷めきった目で見据えるように答えた咲人・・・
でもその心の奥に悲しみで泣きじゃくっている咲人がいるんじゃないのかな・・
大好きな遥香を奪われ、母親にとって自分は苦しみを与える存在でしかないことを思い知った。
精神的にまだ幼い咲人には耐えきれず、感情をすべて捨てることでやっと立っていられたのでしょう。
咲人は梨央に別れを告げた。
「以前の僕が良かったなんてどうかしてますよ。
恐らくあなたは温室のような環境で育てられた。
自由に異性と接する機会も少なく、あるのは財産目的の縁談ばかり。
そこから導き出されるのは、あなたは大人の男性に不信感と恐怖心を持っているということ。
だからあえて子供のような僕を選んだ。
一晩過ごしても体に触れもしない安全な僕を。
つまりあなたは本当の意味で僕を愛してるわけではない。
あなたは、ただ絵本の中のような恋愛ごっこがしたいだけ。違いますか?」
「絵本・・・」梨央
「会うのはこれで最後にしましょう。僕にとっては時間の無駄なんです」
それは多分、正しい分析なのでしょう。
でも、その分析には「こころ」が伴っていない。
だから梨央の痛みにも気づかない。
咲人の頭脳も身体能力も飛躍的に発達し続けている。
でも、どんな知識も「こころ」で受け止めなければ単なる情報に終わってしまうんじゃないのかな〜。
自分の中に取り込み、こころの中で咀嚼し、もう一度自分の目で見て考えて、知識はその人自身のものになる。それが、その人の成長へと繋がる。
心に蓋をしてしまった咲人は知識に支配されることになり、バランスを崩してしまうんじゃないの〜?
咲人は蜂須賀から与えられた研究室でますます勉強に没頭するようになった。
知識という鎧で自分を守ろうとするかのように。
咲人の知能は研究員たちを越えるほどになり、蜂須賀は咲人を研究チームの一員に加えた。
さらに報酬として無制限に使えるクレジットカードを与え、「ドリームフラワーサービス」の仕事を辞めるよう仕向けた。咲人は続けると言ったけどね。
「私も仕事は続けた方がいいと思います」遥香
「理由は?」蜂須賀
「彼は今、母親に拒絶されて傷ついています。
表面上ではそのことを隠す術を覚えたようですが」
「理性を働かせてね」
「その上、職場や友人から引き離されてしまったら
彼は本当に独りぼっちになります」
「かまわないんじゃないか。孤独が天才を連れてくる」
蜂須賀ぁ〜!(#`益´)凸 咲人はおまえのおもちゃじゃないっつーの!
でも蜂須賀の思惑通り、人間不信になった咲人は孤独に陥っていく。
賢くなった咲人は今まで自分が同僚からどういう扱いを受けていたのか、
やらされていた事や言われていた事の意味を理解した。
こいつらも敵だ。友達なんかじゃない。
論理で言い負かし、苛立ち拳を向けてきた相手を叩きのめす。
かばってくれた隆一(窪田正孝)思いにも気づかない。
梨央への態度に意見しようとした康介(工藤阿須加)にも冷徹な反撃を向ける。
「母親にお金を渡すのはやめた方がいいです。やめないから自立しないんですよ。
ゆがんだ依存関係はお互いのためにならないと思います」咲人
「オイ、俺のことほっとけっつってんだよ」隆一
「咲人、お前 どうしたんだよ・・・前のお前はそんなんじゃなかっただろ」康介
「前の僕?ひらがなも書けないバカで哀れな頃の僕のことですか?
まわりにそういう人間がいると人は安心するんでしょうね。
自分より明らかに下の人間がいることで優越感が満たされるから。
自分はこいつよりマシだって、こんなバカじゃなくてよかったって思えるから。
だから優しくできるんですよね?
でも、そんなのはホントの仲間でも友達でもない。
エゴを満たすための偽善です」
「・・・・・・」隆一
殴ろうとした康介の手をガシッと掴んだぞ。
「図星ですか?
二人とも僕が自分より頭がよくなったことが気に入らないんでしょ?
見下す相手がいなくなって」
「お前・・・お前・・・誰なんだ?」康介
「誰?質問の意図が分かりません」
咲人は自分の研究室に行き、アルジャーノンに話しかけた。
「アルジャーノン・・・僕は知りたくなかったよ
友達だと思ってた。なのにあいつら・・・
僕のこと・・・バカにしてただけだ。
そして・・・見下し・・・哀れんでいただけなんだ」
今の咲人には誰の声も届かない。
咲人には無条件で愛し守ってくれる母親のような存在が必要だよね。
今の咲人を受け入れ、ただ黙って抱きしめてくれるような。
ついに蜂須賀がALGの成果を学会に発表する日がきました。
会場にはスポンサーの河口(中原丈雄)と共に梨央と舞(大政絢)もおります。
河口は咲人が梨央の病気を治すための実験台だったことを告げた。
「どうしても僕は出席しないといけないんですか?」咲人
「被験者である君の劇的な変化を披露するんだ」蜂須賀
「そういうと聞こえはいいですが要するに僕は見せ物にされるんですよね?
こんなに愚鈍だった男が手術によって見違えるようになりましたって」
「そうだな。それが真実だ。私は嘘はつかない。
それとも君は嘘をつきたいのか?
手術のことは隠してこれから先、元々賢かったかのように振る舞うつもりか?」
「いずれバレるでしょう。
バレなかったとしても、いつバレてしまうかビクビクすることになる。
それに・・・」
「それに君も嘘は嫌いなんだね」
「はい。嘘は嫌いです。でも・・・怖いんです。
賢くなってもっとみんな喜んでくれると思ってました。
だけど・・・逆にまわりからどんどん人がいなくなる感じがして」
「本当のことが見えるようになってきた証拠だよ」
「僕はこのままでいいんでしょうか?」
「今度は君が人を見下してやればいい」
「僕が・・・人を見下す?」
「私は人の価値が皆同じだとは思っていない君もそう思わないか?
能力が高い者、自分の限界を超えようと努力し続ける者は素晴らしいと思うだろ?」
「はい、それは」
「では彼らが怠惰で努力もせず無為に生きてる人間と同じ価値だと思えるか?
思えないだろう?」
「はい・・・」
「分かるね。人は対等ではないんだ」
「対等ではない?」
「価値が違うと言いかえてもいい。
君は素晴らしい価値を持った人間になったんだ。
生まれ変わって称賛を受けるに値する人間に」
「先生・・・」
「私は誇らしい。自分の息子のことのように嬉しいよ」
「はい。先生」
「不安になることはない。君には私がいる。
君には私がいるんだ!さあ、言ってごらん」
「僕には・・・先生がいる」
「君には私がいる」
「僕には先生がいる。先生!」
孤独に追い込み、その孤独を利用して、洗脳する。
過去の咲人を誰よりも見下しているのはこの蜂須賀なのに。
今の咲人にはこんな男にすがるしかない。そう思いこんでいる。
咲人の出番が近づいております。
「こんな時にあれだけど・・・・お母さんのことだけど色々誤解とかボタンのかけ違いがあったと思うの」遥香
「その話はもう結構です」咲人
「でも・・・」
「ホントにもういいんです。自分でも不思議なんです。
僕には見える景色が以前とはまるで違うんです。
例えば・・・友達だと思っていた寮の仲間達も僕のことを見下し笑っていたんだと気づいてしまいました」
「やめて。そんな言い方・・・」
「今思えば滑稽です。あの程度の人間達と友達になりたいと必死だったなんて。
才能もない。努力もしない。怠惰で程度の低い人間達です」
「そんな言い方したらダメよ。咲人さんらしくない」
「僕らしいって何ですか?僕はようやく真実を知ることができたんです」
「待って。それが真実だなんて・・・」
「今僕は とても晴れ晴れした気分です。
自分に関係のない人間とは関わる必要がない。そうはっきり分かりましたから」
「ダメよ・・・そっちに行ったらダメ。
私の知ってる咲人さんは・・・もっと純粋で・・・優しくて」
「そして・・・愚かだった」
「・・・・・・」
「時間です」
手術を受ける前の咲人の映像がスクリーンに映し出された。
咲人は手のひらの上のアルジャーノンに話しかけた。
「アルジャーノン、僕の友達は・・・君だけだ」
スーツもかっちょよく着こなした咲人はステージでもその変貌を劇的に演出するでしょう。
でも、アルジャーノンに話しかける姿がかぼそくて・・・必死で虚勢を張っているとしか思えないよ。
誰か助けて・・・僕の手を握っていてという声が聞こえるようでした。
山Pの繊細な演技がすばらしい。
そして迷いの中にいながら、一生懸命咲人を見つめようとする栗山千明さんの演技も。彼女が咲人の救いになってくれるといいのですが・・・
第1話 無垢な夢、愛・友情がもたらす奇跡
第2話 対等な友情、親友のために溢れでる涙
第3話 超知能への手術!世界一好きな人の為
第4話 手術失敗 !? あなたの為に起きて・・・奇跡
第5話 輝く世界の果てに待つ愛 奪われたキス
第7話 壊れる絆・・・全てを失っても愛に生きる
第8話 最終章!儚い夢の終焉と最後の希望!
第9話 終幕・・・対等のトモダチとの永遠の別れ
第10話(最終話) 奇跡のラスト!〜私から僕への遺言

「母は・・・僕が復讐しにきたと思ってたんですよ」咲人
「復讐だなんて・・・少し落ち着いたらそんな誤解すぐ解けると思うわ」遥香
「もういいんです。母の本当の感情も見えたし、それでよかったんです。
僕は・・・嘘は嫌いなんです。もういいですか?」
「うん・・・咲人さん、この間の…蜂須賀先生とのことだけど・・・誤解なの。あれは」
「言い訳なんてしないでください。言ったでしょ?
僕は嘘は嫌いなんです。もう帰ってもらえますか?」
冷めきった目で見据えるように答えた咲人・・・
でもその心の奥に悲しみで泣きじゃくっている咲人がいるんじゃないのかな・・
大好きな遥香を奪われ、母親にとって自分は苦しみを与える存在でしかないことを思い知った。
精神的にまだ幼い咲人には耐えきれず、感情をすべて捨てることでやっと立っていられたのでしょう。
咲人は梨央に別れを告げた。
「以前の僕が良かったなんてどうかしてますよ。
恐らくあなたは温室のような環境で育てられた。
自由に異性と接する機会も少なく、あるのは財産目的の縁談ばかり。
そこから導き出されるのは、あなたは大人の男性に不信感と恐怖心を持っているということ。
だからあえて子供のような僕を選んだ。
一晩過ごしても体に触れもしない安全な僕を。
つまりあなたは本当の意味で僕を愛してるわけではない。
あなたは、ただ絵本の中のような恋愛ごっこがしたいだけ。違いますか?」
「絵本・・・」梨央
「会うのはこれで最後にしましょう。僕にとっては時間の無駄なんです」
それは多分、正しい分析なのでしょう。
でも、その分析には「こころ」が伴っていない。
だから梨央の痛みにも気づかない。
咲人の頭脳も身体能力も飛躍的に発達し続けている。
でも、どんな知識も「こころ」で受け止めなければ単なる情報に終わってしまうんじゃないのかな〜。
自分の中に取り込み、こころの中で咀嚼し、もう一度自分の目で見て考えて、知識はその人自身のものになる。それが、その人の成長へと繋がる。
心に蓋をしてしまった咲人は知識に支配されることになり、バランスを崩してしまうんじゃないの〜?
咲人は蜂須賀から与えられた研究室でますます勉強に没頭するようになった。
知識という鎧で自分を守ろうとするかのように。
咲人の知能は研究員たちを越えるほどになり、蜂須賀は咲人を研究チームの一員に加えた。
さらに報酬として無制限に使えるクレジットカードを与え、「ドリームフラワーサービス」の仕事を辞めるよう仕向けた。咲人は続けると言ったけどね。
「私も仕事は続けた方がいいと思います」遥香
「理由は?」蜂須賀
「彼は今、母親に拒絶されて傷ついています。
表面上ではそのことを隠す術を覚えたようですが」
「理性を働かせてね」
「その上、職場や友人から引き離されてしまったら
彼は本当に独りぼっちになります」
「かまわないんじゃないか。孤独が天才を連れてくる」
蜂須賀ぁ〜!(#`益´)凸 咲人はおまえのおもちゃじゃないっつーの!
でも蜂須賀の思惑通り、人間不信になった咲人は孤独に陥っていく。
賢くなった咲人は今まで自分が同僚からどういう扱いを受けていたのか、
やらされていた事や言われていた事の意味を理解した。
こいつらも敵だ。友達なんかじゃない。
論理で言い負かし、苛立ち拳を向けてきた相手を叩きのめす。
かばってくれた隆一(窪田正孝)思いにも気づかない。
梨央への態度に意見しようとした康介(工藤阿須加)にも冷徹な反撃を向ける。
「母親にお金を渡すのはやめた方がいいです。やめないから自立しないんですよ。
ゆがんだ依存関係はお互いのためにならないと思います」咲人
「オイ、俺のことほっとけっつってんだよ」隆一
「咲人、お前 どうしたんだよ・・・前のお前はそんなんじゃなかっただろ」康介
「前の僕?ひらがなも書けないバカで哀れな頃の僕のことですか?
まわりにそういう人間がいると人は安心するんでしょうね。
自分より明らかに下の人間がいることで優越感が満たされるから。
自分はこいつよりマシだって、こんなバカじゃなくてよかったって思えるから。
だから優しくできるんですよね?
でも、そんなのはホントの仲間でも友達でもない。
エゴを満たすための偽善です」
「・・・・・・」隆一
殴ろうとした康介の手をガシッと掴んだぞ。
「図星ですか?
二人とも僕が自分より頭がよくなったことが気に入らないんでしょ?
見下す相手がいなくなって」
「お前・・・お前・・・誰なんだ?」康介
「誰?質問の意図が分かりません」
咲人は自分の研究室に行き、アルジャーノンに話しかけた。
「アルジャーノン・・・僕は知りたくなかったよ
友達だと思ってた。なのにあいつら・・・
僕のこと・・・バカにしてただけだ。
そして・・・見下し・・・哀れんでいただけなんだ」
今の咲人には誰の声も届かない。
咲人には無条件で愛し守ってくれる母親のような存在が必要だよね。
今の咲人を受け入れ、ただ黙って抱きしめてくれるような。
ついに蜂須賀がALGの成果を学会に発表する日がきました。
会場にはスポンサーの河口(中原丈雄)と共に梨央と舞(大政絢)もおります。
河口は咲人が梨央の病気を治すための実験台だったことを告げた。
「どうしても僕は出席しないといけないんですか?」咲人
「被験者である君の劇的な変化を披露するんだ」蜂須賀
「そういうと聞こえはいいですが要するに僕は見せ物にされるんですよね?
こんなに愚鈍だった男が手術によって見違えるようになりましたって」
「そうだな。それが真実だ。私は嘘はつかない。
それとも君は嘘をつきたいのか?
手術のことは隠してこれから先、元々賢かったかのように振る舞うつもりか?」
「いずれバレるでしょう。
バレなかったとしても、いつバレてしまうかビクビクすることになる。
それに・・・」
「それに君も嘘は嫌いなんだね」
「はい。嘘は嫌いです。でも・・・怖いんです。
賢くなってもっとみんな喜んでくれると思ってました。
だけど・・・逆にまわりからどんどん人がいなくなる感じがして」
「本当のことが見えるようになってきた証拠だよ」
「僕はこのままでいいんでしょうか?」
「今度は君が人を見下してやればいい」
「僕が・・・人を見下す?」
「私は人の価値が皆同じだとは思っていない君もそう思わないか?
能力が高い者、自分の限界を超えようと努力し続ける者は素晴らしいと思うだろ?」
「はい、それは」
「では彼らが怠惰で努力もせず無為に生きてる人間と同じ価値だと思えるか?
思えないだろう?」
「はい・・・」
「分かるね。人は対等ではないんだ」
「対等ではない?」
「価値が違うと言いかえてもいい。
君は素晴らしい価値を持った人間になったんだ。
生まれ変わって称賛を受けるに値する人間に」
「先生・・・」
「私は誇らしい。自分の息子のことのように嬉しいよ」
「はい。先生」
「不安になることはない。君には私がいる。
君には私がいるんだ!さあ、言ってごらん」
「僕には・・・先生がいる」
「君には私がいる」
「僕には先生がいる。先生!」
孤独に追い込み、その孤独を利用して、洗脳する。
過去の咲人を誰よりも見下しているのはこの蜂須賀なのに。
今の咲人にはこんな男にすがるしかない。そう思いこんでいる。
咲人の出番が近づいております。
「こんな時にあれだけど・・・・お母さんのことだけど色々誤解とかボタンのかけ違いがあったと思うの」遥香
「その話はもう結構です」咲人
「でも・・・」
「ホントにもういいんです。自分でも不思議なんです。
僕には見える景色が以前とはまるで違うんです。
例えば・・・友達だと思っていた寮の仲間達も僕のことを見下し笑っていたんだと気づいてしまいました」
「やめて。そんな言い方・・・」
「今思えば滑稽です。あの程度の人間達と友達になりたいと必死だったなんて。
才能もない。努力もしない。怠惰で程度の低い人間達です」
「そんな言い方したらダメよ。咲人さんらしくない」
「僕らしいって何ですか?僕はようやく真実を知ることができたんです」
「待って。それが真実だなんて・・・」
「今僕は とても晴れ晴れした気分です。
自分に関係のない人間とは関わる必要がない。そうはっきり分かりましたから」
「ダメよ・・・そっちに行ったらダメ。
私の知ってる咲人さんは・・・もっと純粋で・・・優しくて」
「そして・・・愚かだった」
「・・・・・・」
「時間です」
手術を受ける前の咲人の映像がスクリーンに映し出された。
咲人は手のひらの上のアルジャーノンに話しかけた。
「アルジャーノン、僕の友達は・・・君だけだ」
スーツもかっちょよく着こなした咲人はステージでもその変貌を劇的に演出するでしょう。
でも、アルジャーノンに話しかける姿がかぼそくて・・・必死で虚勢を張っているとしか思えないよ。
誰か助けて・・・僕の手を握っていてという声が聞こえるようでした。
山Pの繊細な演技がすばらしい。
そして迷いの中にいながら、一生懸命咲人を見つめようとする栗山千明さんの演技も。彼女が咲人の救いになってくれるといいのですが・・・
第1話 無垢な夢、愛・友情がもたらす奇跡
第2話 対等な友情、親友のために溢れでる涙
第3話 超知能への手術!世界一好きな人の為
第4話 手術失敗 !? あなたの為に起きて・・・奇跡
第5話 輝く世界の果てに待つ愛 奪われたキス
第7話 壊れる絆・・・全てを失っても愛に生きる
第8話 最終章!儚い夢の終焉と最後の希望!
第9話 終幕・・・対等のトモダチとの永遠の別れ
第10話(最終話) 奇跡のラスト!〜私から僕への遺言

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1. アルジャーノンに花束を 第6話 [ エリのささやき ] 2015年05月16日 17:35
雑踏の中の後姿に孤独がひたひたと押し寄せていて大勢の中だからこそ咲人がただ1人、際立つ光景にズキンときました。
2. アルジャーノンに花束を (第6話・5/15) 感想 [ ディレクターの目線blog@FC2 ] 2015年05月16日 17:38
TBS系『アルジャーノンに花束を』(公式)
第6話『孤独が天才を連れてくる…蓋された心』の感想。
なお、原作小説:ダニエル キイス『アルジャーノンに花束を』は確か読んだはず。過去の映画やテレビドラマも数本鑑賞済み。
咲人(山下智久)は、ある出来
3. アルジャーノンに花束を #06 [ ぐ〜たらにっき ] 2015年05月16日 20:25
『孤独が天才を連れてくる…蓋された心』
4. アルジャーノンに花束を 第6話 [ レベル999のgoo部屋 ] 2015年05月16日 21:26
「孤独が天才を連れてくる…蓋された心」
内容
蜂須賀(石丸幹二)に呼ばれた遥香(栗山千明)は、
咲人(山下智久)の恋人になるよう命じられる。
あまりの言葉に。。。。に拒否したところ。。。。そこに咲人が現れる。
愕然とする咲人の前に梨央(谷村美月)が現れ。...
5. 望んだものが手に入らないことは珍しいことではありません(山下智久) [ キッドのブログinココログ ] 2015年05月17日 01:35
世界は刺激で満ちている。 生物は刺激に反応して変化する。 誘蛾灯に誘われて昆虫は短い生涯を終えるのである。 人間は光の反射によって光景を感じる。 光による刺激は情報として処理され、記憶されると同時に、時には身体に興奮状態をもたらす。 目の前に障害物があるという
6. アルジャーノンに花束を「孤独が天才を連れてくる…蓋された心」 [ のほほん便り ] 2015年05月17日 06:41
なんといっても、咲人(山下智久)が敬語を使いこなし、ママのことを、母といってたのが印象に残りました。せっかく実の母親・窓花(草刈民代)に再会したというのに、拒否されて、大変な心の傷になりましたね。今や、咲人、表情もキリリというか、ロボットみたいで、急激に
7. アルジャーノンに花束を 第6話 [ ぷち丸くんの日常日記 ] 2015年05月17日 12:07
遥香(栗山千明)と蜂須賀(石丸幹二)がキスをしているところを目撃した咲人(山下智久)は、梨央(谷村美月)と一夜を共にしてしまいます。
翌日、蜂須賀から呼び出された遥香は、咲人と気まずく顔を合わせることになりますが・・・
蜂須賀は遥香に、咲人の母・窓花
8. 『アルジャーノンに花束を』 第6話 [ 美容師は見た… ] 2015年05月17日 15:31
お利口になったら、キスも上手いっすね(*ノ▽ノ)予告イヤン前回はベッドインしても、してなかったのに〜。服は着ないで寝るザ・メンズな感じ?好きじゃなくても、する事はするんだと思ったぞなもし〜。どんな顔してする事したのか…暴走咲人のおもてなしを妄想したぞな・も・し(*ノ
9. 「アルジャーノンに花束を」 第6話 [ ドラマ de りんりん ] 2015年05月18日 23:01
あら、前回はあんな最後だったけど、そっちは無かったようでして…。
どんな事情なのかは知らないけど。笑 ←
しかし咲人の変わりっぷりが…(;´∀`)
「お利口」になるというのは、そういうことなのか。
いや、たぶん人間が成長するにつれて情緒的なことは徐々に育っ
この記事へのコメント
1. Posted by しゅあー 2015年05月17日 13:05
とても奥の深いお話だなとしみじみ思うわ。親子の愛情についてもだけど、人は自分の見方次第で世界はガラッと変わるものだと教えてくれてる。そりゃ世界中で大ヒットするはずだわね。
>これってALGの副作用とかじゃないよねぇ・・σ( ̄、 ̄=)
ちょっとわけわかんないよね〜。咲人は何もしないとわかってたのに梨央はなぜ裸に?いや咲人も裸だし、手までつないでたのはどういうシチュエーションでああなった?
梨央を呼び出したときには、はるかショックで心の穴埋めのためにという、いわば感情バリバリ状態だったのが、一体いつ何をどうして理性的になったんだろうね?裸になる前か?後か?一晩あけて急にか? 謎だわ〜〜。。
>心に蓋をしてしまった咲人は知識に支配されることになり、バランスを崩してしまうんじゃないの〜?
まあ普通に考えたら、自分の思考力アップのスピードに感情がまったく追いついていかないと思うのよね。何をどう理解すればよいのか混乱して壊れると思うんだけど、
完全に理性が感情に勝ってしまう状態にはなってるんだろうね。理性が支配出来てる状態というか。
でも、やがて感情の爆発は起こりそうだよね。
ところで、今週の倫太郎は脚本ダメだったね。ギャンブル依存のエピをおざなりにしすぎだわ〜〜〜〜。逆転移ってのもそりゃあるだろうけど、あんなに、恋恋恋ってやるのはこのドラマを陳腐にするだけだと思うの。それでなくてもやることいっぱいあるのに。吉瀬のバーのシーンとかあれいる?
何をどうしたいんだろうね?
>これってALGの副作用とかじゃないよねぇ・・σ( ̄、 ̄=)
ちょっとわけわかんないよね〜。咲人は何もしないとわかってたのに梨央はなぜ裸に?いや咲人も裸だし、手までつないでたのはどういうシチュエーションでああなった?
梨央を呼び出したときには、はるかショックで心の穴埋めのためにという、いわば感情バリバリ状態だったのが、一体いつ何をどうして理性的になったんだろうね?裸になる前か?後か?一晩あけて急にか? 謎だわ〜〜。。
>心に蓋をしてしまった咲人は知識に支配されることになり、バランスを崩してしまうんじゃないの〜?
まあ普通に考えたら、自分の思考力アップのスピードに感情がまったく追いついていかないと思うのよね。何をどう理解すればよいのか混乱して壊れると思うんだけど、
完全に理性が感情に勝ってしまう状態にはなってるんだろうね。理性が支配出来てる状態というか。
でも、やがて感情の爆発は起こりそうだよね。
ところで、今週の倫太郎は脚本ダメだったね。ギャンブル依存のエピをおざなりにしすぎだわ〜〜〜〜。逆転移ってのもそりゃあるだろうけど、あんなに、恋恋恋ってやるのはこのドラマを陳腐にするだけだと思うの。それでなくてもやることいっぱいあるのに。吉瀬のバーのシーンとかあれいる?
何をどうしたいんだろうね?
2. Posted by きこり→しゅあーさん 2015年05月17日 23:04
>親子の愛情についてもだけど、人は自分の見方次第で世界はガラッと変わるものだと教えてくれてる
ホントにそうだよね。窓花については、今まで咲人に対してひどいしうちをする場面しかなかったから、今回初めて彼女の深い苦しみに触れた感じがする。
そうだよね。自分が産んだ子をそんなに簡単に捨てられる訳ないもんね。
咲人についても、手術を受ける前は悲しみの心はあったけど、この世界は明るいものだったはず。それが人間の心の裏を読み始めたためにこの世界が暗く恐ろしいものに変わってしまった。白から真っ黒に変わってしまったんだよね。
もう一歩進んで、その知性で人間の心の複雑さを知ろうとしてくれたらまた違う世界が見られるかもしれないのにね。
>咲人は何もしないとわかってたのに梨央はなぜ裸に?
そうだよね〜梨央はその気だったのに咲人が直前で気が変わったのか〜?
それとも視聴者へのサービスショットなのか〜?(笑
>ギャンブル依存のエピをおざなりにしすぎだわ〜
ずいぶんあっさり片付けちゃったよね〜( ̄▽ ̄;)アハハ…
今回は夢乃のことメインに描くと思ったのに、患者のエピソードも入れて来たからちょっとびっくりしたよ。なんか倫太郎が患者さんをギャンブルに誘う場面もよくわからなかった。
福原が粘ったおかげで患者さんは1分我慢できたってことになってたけど、何か福原は意地になっているように見えたぞ〜あとホント恋の要素はいらないよね。それも誰か一人ならまだしもあちこちだもんね〜ますますぐだぐだしちゃうよ〜
ホントにそうだよね。窓花については、今まで咲人に対してひどいしうちをする場面しかなかったから、今回初めて彼女の深い苦しみに触れた感じがする。
そうだよね。自分が産んだ子をそんなに簡単に捨てられる訳ないもんね。
咲人についても、手術を受ける前は悲しみの心はあったけど、この世界は明るいものだったはず。それが人間の心の裏を読み始めたためにこの世界が暗く恐ろしいものに変わってしまった。白から真っ黒に変わってしまったんだよね。
もう一歩進んで、その知性で人間の心の複雑さを知ろうとしてくれたらまた違う世界が見られるかもしれないのにね。
>咲人は何もしないとわかってたのに梨央はなぜ裸に?
そうだよね〜梨央はその気だったのに咲人が直前で気が変わったのか〜?
それとも視聴者へのサービスショットなのか〜?(笑
>ギャンブル依存のエピをおざなりにしすぎだわ〜
ずいぶんあっさり片付けちゃったよね〜( ̄▽ ̄;)アハハ…
今回は夢乃のことメインに描くと思ったのに、患者のエピソードも入れて来たからちょっとびっくりしたよ。なんか倫太郎が患者さんをギャンブルに誘う場面もよくわからなかった。
福原が粘ったおかげで患者さんは1分我慢できたってことになってたけど、何か福原は意地になっているように見えたぞ〜あとホント恋の要素はいらないよね。それも誰か一人ならまだしもあちこちだもんね〜ますますぐだぐだしちゃうよ〜