「アルジャーノンに花束を」 第3話 超知能への手術!世界一好きな人の為「天皇の料理番」 第1話 〜時代を超える人間の愛と命の感動物語〜どうしようもない男が百年前に見た料理への果てなき夢・・・

2015年04月26日

連続ドラマW 「闇の伴走者」 Episode3 凡人は必ず裏切る

 あの園田貴美子を見初めた公園のベンチで座っている漫画家。

「漫画家さん・・」少年
「あ・・・君か」漫画家
「今日は質問があるんだ。漫画家さんは誰が好きで漫画家になったの?」
「・・・・誰が好き・・・うーーん・・・・今好きなのは手塚治虫の短編かな」
「どんな話?」
「連続殺人鬼のちょっと怖い話」
「その人、本当はいい人なの?」
「本当もなにも・・・悪い人だよ」
「でも、手塚治虫は悪い人でも見捨てないよね?」
「そうかなぁ・・・そうあって欲しいね・・」
少年の腕がわなわなと震えている・・・


 少年が感じていたのは怒り?それとも恐怖?
彼は漫画家に何を求めているんだろう・・・
この少年がキーパーソンだよな〜
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 小澤(要潤)と<漫画家>(平田満)は獲物の室谷祥子(藤井美菜)を地下室に監禁した。
まだ練炭は焚いてないようだけど、意識が朦朧としている祥子の姿を漫画家はスケッチしている。

「まだかな?まだ実行しないの?」小澤
「まだだ。恐怖が全身に沁み渡るのを待つ」漫画家
「少し休んだら」
「ん?」
「少し時間をくれってこと。そもそも彼女は僕の獲物なんだから」
「あぁ・・」
 
 祥子と二人になった小澤は語り始めた。
 
「ずっと・・・獲物を飼うのが夢だった・・」

 恋に生きていた母親は恋人が部屋に来ると彼をベランダに追いやり鍵をかけた。恋人とうまくいっている時は優しかったが、そうじゃなくなると腹いせに彼に折檻をした。
母親に殴られると、昆虫や動物の命を奪う事で憂さ晴らしをした。

「餌を与えず、そのまま放置して、少しづつ弱らせる。
動かなくなるまで眺めた。
命を冒とくすることへの罪の意識は微塵もなかった」

「阿島先生の漫画を知ったのは中学時代だ。
最初は卑猥で粗悪な漫画に違いないとバカにしてページをめくった。
でも・・骨太なストーリーに魅力的な画力、露骨な性描写はないのに
強烈なエロティシズムを感じて僕はたちまち虜になった。
阿島文哉は自分と同じ欲望を抱えているに違いない」

 そう確信した小澤はファンクラブに入会し阿島に近づいた。
気が付けばファンクラブの会長になっていた。
その後、漫画編集者になりたくて出版社の就職試験を受けたがどこも不採用だった。結局アジマプロが拾ってくれた。


「人生って思い通りに行かないよなぁ・・」

 そのつぶやきを<漫画家>は背後で聞いていた。
「一服しないか・・」

闇の伴走者: 醍醐真司の博覧推理ファイル (新潮文庫)闇の伴走者―醍醐真司の猟奇事件ファイル黄泉眠る森: 醍醐真司の博覧推理ファイル



 矢島(森本レオ)から辰巳晶子がインチキ宗教の教祖だったという情報を得た優希(松下奈緒)は彼女が信者たちとの集会所に使っていた教会を訪ねるが、今は介護サービスの事務所になっており、当時のことを知る者もいなかった。

 それを受け画稿をさらに丹念に調べていた醍醐(古田新太)はあの少年の母親と一緒に歩いている女性が辰巳晶子にそっくりだと気づいた。

 漫画家は失踪した辰巳晶子を何故ここで出してきたんだろう?
そして少年はどう関わってくるのか・・・少年の母親は辰巳晶子と親しかった(多分信者)みたいだけど失踪後はどうしたんだろうね。 
やっぱり少年の現在が知りたいよねぇ・・・
てか、少年が持っている小説、サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』って小学生が読むには難しいんじゃ・・
でも確かラストのコマはこの本だったから、この内容が関わってくるのか?


 矢島から追加情報があった。
辰巳晶子の信者でお布施を払い過ぎて餓死したって話があったらしい。

「そんなに崇拝するほど魅力的な教祖だったんでしょうか?」優希
「前職はね、非常に優秀なセールスマンだったらしいよ」矢島
「なるほど。人の心を掴むのに長けてたんですね」
「あぁ、自分の感情を相手に伝染させたり、同化させたりするのは
得意中の得意だったんだろうね」
「教祖は最適な仕事だった・・ということですか?」
「何かにすがりたい人間ってのは、より濃くて深い闇に惹かれるもんだからね」

 小澤が資料庫で<漫画家>の画稿を発見したのは阿島先生が亡くなって一年後のことだった。
すぐに小澤は70年代の連続失踪事件を連想し、雑誌の切り抜きを見つけた時すべてが繋がった。

興奮したよ!憧れていた阿島先生のすぐ近くに長年抱いていたファンタジーを
実行した人がいるなんて」小澤
「・・・・・・」漫画家
「あなたの夢は・・僕の夢でもあるんだ」
「・・・・・・」
「どうしてあなたは、あの絵を描いたのかな?」


 そうだよね〜そしてどうしてわざわざ資料庫の棚に置いておいたんだろ?
阿島先生そっくりの画で。阿島先生への復讐?


 同じ疑問を優希と醍醐も感じていた。

「どうしてこの漫画家はこれを描いたんでしょう?」優希
「わからない。ただ、すべての答えはこの絵の中にある。
手がかりは、この50枚にあるはずなんだ」醍醐

 優希はこの漫画家のように絵がうまくても、その漫画が大衆に受け入れられないのは何故か尋ねた。
醍醐の答えは「構成力」。

「コマ割りの才能だよ。
読者が漫画本を開いた時、見開きのページがおもしろいかどうかで勝負が決まる。
読者の目を飽きさせず、時には流れるように、時には数秒間止めさせるように自在にコントロールするんだ。
この画稿は阿島文哉のものと比べると絵はうまいが、構成力は圧倒的に劣っている」
「絵がうまい人が売れないなんて理不尽な世界ですね」優希

 絵は自分の方がうまいのに、ずっとアシスタントであり続けた<漫画家>は、
あの漫画を描くことで阿島文哉を貶めようとしたのか。
それとも阿島文哉の名前で発表することで自分の作品を後世に残したかったんでしょうか。


「『嘘の世界で生きていくというのは心が二ついる』。
石ノ森章太郎の『ボクのヰタ・セクスアリス』だよ。
漫画家を諦めた主人公が盗作の世界に落ちていく。
『漫画の世界には本物なんて何ひとつない。嘘の世界だ』とまで言い切るんだ」醍醐
「嘘の世界・・・ですか・・・」優希

 嘘の世界で本物になれないのなら、嘘ではないことを描くことで本物になる。
<漫画家>はそう思ったのか・・・


 その後、優希は矢島から30年前と同じような事件が起きたという連絡を受けた。
同じ板橋区で長い黒髪の若い女性が突然失踪してしまったという・・・

 室谷祥子のことだね。
そして小澤と漫画家は閉じ込めた祥子を見つめながら決行を翌日に決めた。
漫画家はあの画稿からどうやって自分に辿り着いたかを尋ねました。

 小澤は原稿を発見した時歴代のアシスタントの名前を調べ、候補者を絞り出したらしい。
最有力候補は森田耕治だったが自殺していた。
その他に4人の候補者がいたが画稿が描かれた年代がわからなかったので社長を説得して調査員を雇わせた。そして醍醐の「85年前後」という推理を聞き<漫画家>に辿り着いた。
ちなみに優希たちに渡したアシスタントリストから<漫画家>の名前は外しておいたそうな。

「ひとつ聞いていいかな。あなたが描いた画稿、どうしてアジマプロの
あんな場所に置いてあったの?」小澤
「・・・・・・・」
「まるで見つけて欲しそうに置いてあったよね?」
「法則に従っただけだ・・」
「法則って?」
「・・・・・・・・・・」

 『法則』って?漫画家も誰かに教えを受けたのか?

「アレには続きがあるんでしょう?どこにあるの?
あの作品のストーリーはどうなっているのかな?」小澤
「そんなものはない」
「ある男が続きを見つけ出せれば作家の正体がわかるって言ったんだぁ・・・」
「何だと?!」
「ハハ・・けどね、俺はそれをうまく利用しようと思っている」
「どうするつもりだ?」
「残りの画稿が見つかれば、そこに作家の名前が書かれていることにする」
「誰の作品にするつもりだ?」
「森田耕治。彼のサインは手に入れたから、あなたなら簡単に真似できるよねぇ?」
「森田は?」
ハッ!言っただろ。自殺したって
「・・・・・そうか」
「やっぱりあるんだねぇ・・続きが」
「明日持ってくる」
「じゃ明日」

 帰宅した小澤はあの画稿の続きが今自分が住んでいる家(元阿島家)の物置から見つかったと優希に電話で伝えた。
小澤は優希を二番目の獲物と決めていた。

 シャワーを浴びながら苦しげな優希を想像し興奮する小澤の冷静な狂気。
キャナメ全開!いい顔しとる。


 その小澤の家を離れた場所から漫画家が見つめていた。
「お前は俺の<漫画編集者>にはなれない」

 室谷祥子は漫画家により突然解放された。
背後からつぶやく漫画家。

「いいか、誰にも言うな。お前がいなくなったことを疑問に思うやつがいたら、
旅行か何かに行っていたと説明しろ。一切生活のパターンを変えるな。
ゆっくり100まで数えろ。そうしたら目を開けていい。後は好きに帰れ。
お前が約束をちゃんと守れるかどうかずっと観察している」

 漫画家が離れた後も泣きながら必死で100数える祥子の小さな後ろ姿・・・
彼女の受けた恐怖がどれほど大きなものだったか・・・
闇に同化してしまいそうな彼女から伝わってきました。

 なせ漫画家は彼女を解放したのか。
そしてなぜ小澤を殺したのか。
画稿を森田の名前で発表するってのが気にくわなかったのかしら・・・
小澤が心の傷や恨みへの鬱憤晴らしから殺人を行おうとしているのが自分の美意識と合わなかったのか。
殺人を殺人として楽しむのでなければ認められないというか・・・
それとも共犯者がいるってのが「法則」に反するのか。

 てか、わたしゃ漫画家をナメてたよ。
小澤に操られて終わるかと思ったら、漫画家の方が役者が上だった。
サブタイトルの『凡人は裏切る』の通り、漫画家にとって小澤は殺人者に憧れている凡人でしかなかったのかねぇ・・・


 小澤急死の連絡が阿島夫人(真野響子)から優希に入った。
死因は急性心筋梗塞。お風呂場で倒れていたところを同僚の竹内(前野朋哉)が発見した。

 もちろん漫画家が殺したんだけど、解剖しても事件性はないと判断されたんだよね。
スタンガンをシャワーの水にアレしたのかしら。


 優希は竹内と共に自宅に向かいましたぞ。
でもブレーカーが落ちているのか電気が付かない。怖くなった竹内が玄関で待つと言ったので優希は一人で屋敷の中へ。

 いや〜こういう場面ホラーとかでもあるけどさ〜
何も夜に行かなくてもいいじゃんね〜
しかも電気つかないなら翌日の朝とかに行けばいいじゃん!
一人で屋敷の中を探っていた優希は隠し扉の奥に地下室を発見。
そこで<漫画家>にスタンガンをあてられ捕獲されてしまいました。


 ずっと殺人を休んでいたみたいなのに小澤が眠らせていた<漫画家>の欲望を目覚めさせてしまったのか。
それとも本能で捕獲してしまったのか。


 一方、醍醐はあの画稿の絵のスタイルが斑目虹太とそっくりだということを思いだし「斑目虹太選集」を出版した赤城堂を訪ね、斑目先生のアシスタントの名前を教えてくれるよう頼んでいた。
でも斑目先生はアシスタントを使わず生涯一人で描いていたことで有名だったため、局長も担当編集者だった小松崎もアシスタントはいなかったと言い張るのさ〜

 んが、醍醐は90年にパーキンソン病にかかって断筆宣言をした斑目先生が92年の遺作「マンチュリアン・クラッチ」を描けたはずがない、斑目先生の画風を再現したアシスタントがいるはずだと主張。醍醐は画稿の途中から斑目先生よりはるかにうまい者のタッチが入っている事を細かく説明したけど局長たちに受け入れてはもらえなかった。

 小松崎さん、ちょっと心が動いたふうだったのにな〜
がっくりきている醍醐が優希の携帯に連絡を入れると竹内が出て「優希が消えた」と伝えましたぞ。

 室谷祥子を監禁していたのは小澤の家の地下室だったんですね。
優希もそこに閉じ込められるのか。それとも別の場所に移動させるのか。
優希は<漫画家>との対決に勝つことができるのでしょうか。

 いや〜静かにじわじわと確実に<漫画家>の闇が近づいてきているのを感じます。
「過去」と「現在」、「漫画」と「現実」の世界が今、ひとつになろうとしている。
 

 Episode1 恐怖を克服する
 Episode2 感覚を研ぎ澄ます
 Episode4 人を滅ぼす
 Episode5 死を恐れない

もぐら

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1. 連続ドラマW『闇の伴走者』Episode3  [ レベル999のgoo部屋 ]   2015年04月26日 20:53
『凡人は必ず裏切る』 内容 阿島の絵に最も似た絵を描くことが出来たアシスタント森田。 優希(松下奈緒)醍醐(古田新太)が、訪ねたのだが、すでに亡くなっていた。 そのうえ、未発表作の画稿に登場する漫画家の顔とは違っていた。 一方、ある漫画家(平田満)に接触...

この記事へのコメント

1. Posted by う〜みん   2015年04月27日 22:47
何と\(◎o◎)/伴走者っててっきりブラックキャナメの事だと思ってました
これからどうなるんですかね全く先の予想ができません
2. Posted by きこり→う〜みんさん   2015年04月28日 19:16
>伴走者っててっきりブラックキャナメの事だと思ってました
私もですよ〜!!
あっさり殺されてしまうとはーーー
ってことは伴走者は漫画家?彼の師匠のような殺人者がいるのでしょうか・・・
このドラマ、シンプルな作りなんですが、もっていかれます。
全く先が読めません。
漫画の原稿が実際の画面をなぞるように使われていて、うまい構成だな〜と思います。

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「アルジャーノンに花束を」 第3話 超知能への手術!世界一好きな人の為「天皇の料理番」 第1話 〜時代を超える人間の愛と命の感動物語〜どうしようもない男が百年前に見た料理への果てなき夢・・・