2015年02月13日
「ニュー・シネマ・パラダイス」 伊/仏 1988年 監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
この映画には映画と人生への愛が詰まっている。
本物の郷愁を感じることができた者は、そこに懐かしさだけではなく、
その時そこにあったすべてを取り戻すことができるのかもしれない。
エンニオ・モリコーネの音楽はこの映画そのもの。
一度聴いたら、永久に心を揺さぶり続ける。
![ニュー・シネマ・パラダイス [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51XZXCMHP8L.jpg)
ローマにいる映画監督サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(ジャック・ペラン)は故郷にいる母からアルフレード(フィリップ・ノワレ)が亡くなったという知らせを受ける。
彼の脳裏に故郷・シチリアのジャンカルド村での日々が蘇った。
第二次世界大戦中、サルヴァトーレはトト(サルヴァトーレ・カシオ)と呼ばれる少年だった。
父親はロシア戦線から帰還せず、母マリア( アントネラ・アッティーリ)と妹のリアの3人暮らし。帰らぬ夫を待つ母は不安と悲しみでイライラしていた。
トトは教会に場所を借りた「パラダイス座」で上映される映画に夢中だった。
映写室と繋がっているライオンの口から客席に光が注ぎ、それがスクリーンに広がって映画になる。
まるで魔法・・・
トトは隙があれば魔法使いのアルフレードの様子を覗きに行き、いろいろ質問しては追い払われていた。
コレね、教会で上映されるからフィルムが届くとその前に司祭さんが見て映倫チェックするんだよね。
で、男女が密着したりキスしようとしたら司祭がベルを鳴らす。
それを聴くとアルフレードはフィルムに紙を挟み、後でカットすることになっていた。
映画館ではキスしそうな雰囲気になると観客全員が固唾を飲んで見守るんだけど、必ず不自然に場面が変わった。その度に観客たちはブーイング。
「もう20年、一度もキスシーンを見ていない!」
щ(゚ロ゚щ) オーマイガーッ!! なんということでしょう!
映写室にはそうやって切り取られたフィルムの断片が缶一杯になっていた。
トトはそれを頂戴し、父の写真と一緒に宝箱に入れていた。
アルフレードは口は悪いけど情の熱い親父。
トトの母親に映画館に入れないよう頼まれていたけど、内心トトのことがかわいくてしょうがない。
トトを追い払っていたのはこの頃のフィルムには発火性があり危険だったから。
本物の郷愁を感じることができた者は、そこに懐かしさだけではなく、
その時そこにあったすべてを取り戻すことができるのかもしれない。
エンニオ・モリコーネの音楽はこの映画そのもの。
一度聴いたら、永久に心を揺さぶり続ける。
![ニュー・シネマ・パラダイス [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51XZXCMHP8L.jpg)
ローマにいる映画監督サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(ジャック・ペラン)は故郷にいる母からアルフレード(フィリップ・ノワレ)が亡くなったという知らせを受ける。
彼の脳裏に故郷・シチリアのジャンカルド村での日々が蘇った。
第二次世界大戦中、サルヴァトーレはトト(サルヴァトーレ・カシオ)と呼ばれる少年だった。
父親はロシア戦線から帰還せず、母マリア( アントネラ・アッティーリ)と妹のリアの3人暮らし。帰らぬ夫を待つ母は不安と悲しみでイライラしていた。
トトは教会に場所を借りた「パラダイス座」で上映される映画に夢中だった。
映写室と繋がっているライオンの口から客席に光が注ぎ、それがスクリーンに広がって映画になる。
まるで魔法・・・
トトは隙があれば魔法使いのアルフレードの様子を覗きに行き、いろいろ質問しては追い払われていた。
コレね、教会で上映されるからフィルムが届くとその前に司祭さんが見て映倫チェックするんだよね。
で、男女が密着したりキスしようとしたら司祭がベルを鳴らす。
それを聴くとアルフレードはフィルムに紙を挟み、後でカットすることになっていた。
映画館ではキスしそうな雰囲気になると観客全員が固唾を飲んで見守るんだけど、必ず不自然に場面が変わった。その度に観客たちはブーイング。
「もう20年、一度もキスシーンを見ていない!」
щ(゚ロ゚щ) オーマイガーッ!! なんということでしょう!
映写室にはそうやって切り取られたフィルムの断片が缶一杯になっていた。
トトはそれを頂戴し、父の写真と一緒に宝箱に入れていた。
アルフレードは口は悪いけど情の熱い親父。
トトの母親に映画館に入れないよう頼まれていたけど、内心トトのことがかわいくてしょうがない。
トトを追い払っていたのはこの頃のフィルムには発火性があり危険だったから。
ある日、小学校の卒業試験で一緒になり(昔受けられなかったのか?)問題が解けなくて困ったアルフレードは、トトから答えを教えてもらう代わりに映写技術を教える協定を結ばされてしまう。
翌日からアルフレードは映写技師としての技術をすべてトトに伝えた。
小さいトトのために踏み台を用意してくれたので背丈よりも大きな機材を自在に扱うことができた。
トトはあっと言う間に映写機の複雑な操作を覚えましたぞ。
この頃の映画館は観客の生活と密着していた。
映画は唯一の娯楽であり、ストレス発散の場であり、憩いの場であり、社交場だった。映画を見る喜びが生きる喜びに繋がっていた。
後ろ姿ばかりだったけど、観客が喜んでいる姿はアルフレードやトトを幸せにしてくれた。
この映画が進むにつれ、パラダイス座で出会った男女が仲良くなり、一緒に映画を楽しむ関係になっていく姿が微笑ましかったわ〜
赤ちゃんにおっぱいをあげながら見ている母親もいれば、映画そっちのけで抱き合っている恋人たちもいる。
心臓発作を起こして座席で亡くなる者もいる。映画館には観客の生きるエネルギーが溢れていた。
ある夜、待っていたのに映画館に入れなかった人たちが騒ぎ出したため、アルフレードはトトが初めて見る魔法を使った。
「アブラカタブラ・・・」
映写機の反対側の扉を開けると、映写室の壁に『ヴィッジュの消防士たち』の映像が現れ、向きを変える度に移動していく。
そしてそれは大きくなり、パラダイス座の向かえにある建物の壁に映った。
人々は大喜び。
「アルフレード、ありがとう!」
トトも目を輝かせ外に飛び出して行った。
いい時代だよね。映画と観客たちとの蜜月時代。お互いが求め合っていた。
しかしフィルムが燃え出し、映写室はあっと言う間に炎に包まれてしまった。
気を失ったアルフレードを助けるためにトトはたった一人で映画館に走り、何とか彼を映写室から運び出した。
パラダイス座は焼け落ち、村で唯一の娯楽が無くなったことを司祭は嘆いていたんだけど、そのちょっと前に宝くじを当てたスパッカフィコが映画館を建ててくれました。
「新パラダイス座(ニュー・シネマ・パラダイス)」の映写技師はトトが務めることになった。
映画館はもう司祭さん関係なくなったからか、にゃんと初めて映画館でキスシーンが映されました。
「スゴイ!キスしているぞ!」拍手喝采するみなさん・・・・(* ̄m ̄)プッ
もちろん、ご年配の方の中には眉をひそめる人もいたけどさ。
観客としてきている司祭さん、手に聖水を入れてあった灌水器と灌水棒を持っているから鈴みたいに音を出そうとしたんだけど鳴らせやしないよ・・・
自由な時代が始まったね。
すっかり一人前で仕事をするトト。
でもアルフレードのいない寂しさを感じていた。
そこに大やけどを負い失明したアルフレードが妻に手を引かれ映写室にやってきた。
「わたしの席はあるかな?」
「アルフレード!!」トト
「終ったら家まで送って」
それからまた、映写室でアルフレードと過ごす日々が始まった。
トトにとってアルフレードは師であり、父であり、親友でもあるかけがえのない人。
アルフレードにとってはかわいい愛弟子であり、息子のような存在。
映画という絆で結ばれた二人が狭い映写室で向き合っている姿はそれだけで胸を打ちます。
仕事があるから学校に行かないというトトにアルフレードは言い聞かせた。
「だめだトト。それはいかん。これはお前の天職ではない。
今は映画館とお前はお互いに必要だろうが長続きしない。
お前にはやることがある。別の仕事だ。大事な仕事。
もっと大事な仕事だ。私にはわかる」
アルフレードがトトの顔をなでると、トトは青年になっている。
時の経過の見せ方がうまいし、大好きな場面です。
二人の関係がずっと変わらず続いてきたこと、そしてトトにとっては映写室がすべてだったことが伝わってくる。
「視力を失い、前には見えなかったものが見えるようになった。
お前のおかげ。命の恩人だ。死ぬまで忘れん。
そんな顔するな。また老いてないぞ。
それでは・・と、そうだな・・・今、ピントがボケてきたぞ。確かめろ」
本当にその通りだった・・・( ̄▽ ̄) ニヤ
映画館は新しい時代を迎えていた。その進化は誰にも止められない。
スクリーンには『素直な悪女』のブリジット・バルドーのヌードがスクリーン一杯に広がり、前の方に座っている少年たちは皆、右手を動かしております ゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ!
さらに発火しないフィルムが発明された。
もう火事になることもない。
映画館には一階と2階があって、一階は労働者階級、2階は富裕層みたいな感じなのかしら?
で、2階に座っている男がいつも下に唾を吐きかけており、下の観客は罵るぐらしかできなかったんだけど、その男に泥付きの雑巾が投げつけられていた。
映写室の中にいると何も変わらないようだけど、確実に時代は移り変わっているんだよね。
トトは高校生になり、8ミリカメラで映画を撮り始めた。
そして、転入生のエレナ(アニェーゼ・ナーノ)という少女に初めての恋をした。
この子が本当にきれいな子。
ドミニク・サンダに似てて上品でクールな美しさがある。
も〜学校中の男子が彼女を狙ってますョ〜
で、彼女がモノを落としたのを見た途端、トトともう一人の男子がダッシュ!
トトは足を引っかけて相手を転ばせ落し物を拾うことに成功し、彼女と話すきっかけを作りました。
まるでお正月の福男だよ〜2人だけだけど(^w^)
ってコレ、エレナもトトと話したくてわざと落としたんじゃないの〜?って思ったぞ。
その後もちょっとした機会を逃さず好意をアピール。
告白しても「愛してない」って言われちゃうんだけどさ。
アルフレードから教わったおとぎ話と同じように100日間、彼女の家の前に通い続け、晴れて恋人同士に。
初めてのキスも映写室でした。
んが、交際がエレナの父の知るところとなり、二人は引き離されてしまう。
さらにその後、タイミング悪く兵役につくことになり・・・・
出発する前日、約束の時間に彼女は現れなかった。
父親の転勤で村を離れたらしく、手紙を出しても戻ってくる。
彼女の居場所はわからなくなってしまった。
除隊となり村に戻って見ると・・・うら寂しい雰囲気が漂っていた。
もちろんエレナもいない。
パラダイス座には新しい映写技師がおり、自分の居場所は消えたようだった。
トトはアルフレードに会いに行った。
そして今では誰とも会おうとせず家に引きこもっているアルフレードを外に連れ出した。
「誰にも従うべき運命がある。
ここを出ろ。ここは不毛の土地だ。
ずっといると自分が世界の中心にいる気になり、何も変わらないと思いこむ。
そして1年か2年離れ戻ると、すべてが変わり拠り所を失う。
会いたい人はいなくて、馴染んだものもない。
出たら戻るな。何十年もだ。
それから戻れば昔馴染みや懐かしい故郷に再会できる。
今のお前は無理だ。私より目が見えない」アルフレード
「誰のセリフ?クーパー?ヘンリー・フォンダ?」トト
「違う。誰のセリフでもない。私の実感だ。
人生は映画で見るのとは違う。もっとずっと苛酷なものだ。
ここを出ろ。ローマに戻れ。
お前は若い。前途洋々だ。
私は老いた。お前と話すよりお前の噂を聞きたい」
若者の背中を押すのが年寄りの役目だね。
本当の人生を知るために、トトは外の世界に出て行かなければならない。
その決心をさせられるのは自分だけだとアルフレードはわかっていたんだね。
今まで心に残る映画のセリフをたくさん教えてくれたアルフレードが自分自身の言葉で伝えてくれた。
出発の日、汽車に乗る前にアルフレードはトトの耳元で言った。
「戻るなよ!私達を思いだすな!手紙も書くな。
郷愁にくじけずにすべて忘れろ。
我慢できずに戻って来てもうちには入れない。いいな!」
「ありがとう・・・今までのこと全部」トト
「何をするにせよ、それを愛せ!
子供の頃、パラダイスの映写機を愛したようにだ」
サルヴァトーレは、アルフレードに言われた通り故郷に戻ることはなかった。
母親からは連絡が来たけど、自分からは一切しなかった。
もちろんアルフレードからの連絡もなかった。
そして30年ぶりにサルヴァトーレはアルフレードの葬儀に出るためジャンカルド村に戻って来た。
家は立て直されたけど、部屋はお母さんが昔のままにしておいてくれた。
自転車、本、映写機、そして懐かしいあの頃の写真・・・・
お母さんはこの日をずっと待っていたんだろうね。
部屋の中を嬉しそうに見入っているサルヴァトーレを感動を抑えて見守っている姿に胸が熱くなったよ。
連絡はしても帰ってくるように言ったことがなかった母の深くて強い愛情が伝わってきた。
葬列が止まり、ふと見上げると、そこはかつての新パラダイス座の前だった。
パラダイス座は時代の波に押され6年前に閉館し、跡地は駐車場になることが決まっていた。
廃墟のようになっている映画館に驚き、ふと後ろを振り返ると懐かしい顔ばかり。
映画館で知り合った二人が長年連れ添った夫婦らしく仲良く並んでおり
一日中何度も映画を見続けていた映画マニアのおじさんもいる、
アルフレードの助手だった男もいるし、
そして映画館の支配人だったスパッカフィコもいる。彼は自分に敬語を使って話している。
村は変わらないけれど、時が流れ、すべてが変わっていた。
荒れ果てた映画館の中に入り、映写室を確認したサルヴァトーレはアルフレードの言っていた言葉の意味がやっとわかったのではないでしょうか。
全てが変わりはて消えてしまったと思えて、初めてその過去は美しく輝き、懐かしく思いだせる。
故郷のない人間は寂しい。でもその故郷に辿り着くまでサルヴァドーレは30年もかかってしまった。
でもこれで良かったんだよね。
中途半端に戻って来ていたら、郷愁を昇華させることはできなかったかもしれない。
そして郷愁を感じて、人はさらに高く飛べるのかもしれません。
これがアルフレードからサルヴァドーレへの人生をかけた贈り物だったのかな・・・。
映画館が壊されるのを見届けた後、アルフレードの形見のフィルムを手にサルヴァドーレはローマに戻った。
映写室で上映してみると、それはアルフレードがパラダイス座にいた頃、カットしたキスシーンを繋いだものだった。
それを見ながら初めて涙を流すサルヴァドーレは、いつしか生への喜びに満ちた笑顔になっていた。
も〜何度見ても泣いてしまう〜・゚・(ノД`)・゚・
アルフレードめ、やってくれるじゃないの。
最初映画館で見た時、サルヴァドーレがどんな仕事をしているのかわからなくて、
最後に監督になったと分かった時、感無量だったよ。
でも、オープニングで見た時のサルヴァドーレはとこか疲れた感じだった。
アルフレードのおかげで映画への愛を取り戻したサルヴァドーレはきっとすばらしい作品を作ったんだろうなぁ・・なんて。
いや〜どの役者さんもすばらしかった。
一人一人の生きた表情と演技、それを支えたであろうスタッフ達がこの映画を創り上げた。
映画はたくさんの人の思いや力が合わさってできるものなんだな〜と改めて思いましたよ。
あ〜〜、いい映画は幸せをくれるね ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚
翌日からアルフレードは映写技師としての技術をすべてトトに伝えた。
小さいトトのために踏み台を用意してくれたので背丈よりも大きな機材を自在に扱うことができた。
トトはあっと言う間に映写機の複雑な操作を覚えましたぞ。
この頃の映画館は観客の生活と密着していた。
映画は唯一の娯楽であり、ストレス発散の場であり、憩いの場であり、社交場だった。映画を見る喜びが生きる喜びに繋がっていた。
後ろ姿ばかりだったけど、観客が喜んでいる姿はアルフレードやトトを幸せにしてくれた。
この映画が進むにつれ、パラダイス座で出会った男女が仲良くなり、一緒に映画を楽しむ関係になっていく姿が微笑ましかったわ〜
赤ちゃんにおっぱいをあげながら見ている母親もいれば、映画そっちのけで抱き合っている恋人たちもいる。
心臓発作を起こして座席で亡くなる者もいる。映画館には観客の生きるエネルギーが溢れていた。
ある夜、待っていたのに映画館に入れなかった人たちが騒ぎ出したため、アルフレードはトトが初めて見る魔法を使った。
「アブラカタブラ・・・」
映写機の反対側の扉を開けると、映写室の壁に『ヴィッジュの消防士たち』の映像が現れ、向きを変える度に移動していく。
そしてそれは大きくなり、パラダイス座の向かえにある建物の壁に映った。
人々は大喜び。
「アルフレード、ありがとう!」
トトも目を輝かせ外に飛び出して行った。
いい時代だよね。映画と観客たちとの蜜月時代。お互いが求め合っていた。
しかしフィルムが燃え出し、映写室はあっと言う間に炎に包まれてしまった。
気を失ったアルフレードを助けるためにトトはたった一人で映画館に走り、何とか彼を映写室から運び出した。
パラダイス座は焼け落ち、村で唯一の娯楽が無くなったことを司祭は嘆いていたんだけど、そのちょっと前に宝くじを当てたスパッカフィコが映画館を建ててくれました。
「新パラダイス座(ニュー・シネマ・パラダイス)」の映写技師はトトが務めることになった。
映画館はもう司祭さん関係なくなったからか、にゃんと初めて映画館でキスシーンが映されました。
「スゴイ!キスしているぞ!」拍手喝采するみなさん・・・・(* ̄m ̄)プッ
もちろん、ご年配の方の中には眉をひそめる人もいたけどさ。
観客としてきている司祭さん、手に聖水を入れてあった灌水器と灌水棒を持っているから鈴みたいに音を出そうとしたんだけど鳴らせやしないよ・・・
自由な時代が始まったね。
すっかり一人前で仕事をするトト。
でもアルフレードのいない寂しさを感じていた。
そこに大やけどを負い失明したアルフレードが妻に手を引かれ映写室にやってきた。
「わたしの席はあるかな?」
「アルフレード!!」トト
「終ったら家まで送って」
それからまた、映写室でアルフレードと過ごす日々が始まった。
トトにとってアルフレードは師であり、父であり、親友でもあるかけがえのない人。
アルフレードにとってはかわいい愛弟子であり、息子のような存在。
映画という絆で結ばれた二人が狭い映写室で向き合っている姿はそれだけで胸を打ちます。
仕事があるから学校に行かないというトトにアルフレードは言い聞かせた。
「だめだトト。それはいかん。これはお前の天職ではない。
今は映画館とお前はお互いに必要だろうが長続きしない。
お前にはやることがある。別の仕事だ。大事な仕事。
もっと大事な仕事だ。私にはわかる」
アルフレードがトトの顔をなでると、トトは青年になっている。
時の経過の見せ方がうまいし、大好きな場面です。
二人の関係がずっと変わらず続いてきたこと、そしてトトにとっては映写室がすべてだったことが伝わってくる。
「視力を失い、前には見えなかったものが見えるようになった。
お前のおかげ。命の恩人だ。死ぬまで忘れん。
そんな顔するな。また老いてないぞ。
それでは・・と、そうだな・・・今、ピントがボケてきたぞ。確かめろ」
本当にその通りだった・・・( ̄▽ ̄) ニヤ
映画館は新しい時代を迎えていた。その進化は誰にも止められない。
スクリーンには『素直な悪女』のブリジット・バルドーのヌードがスクリーン一杯に広がり、前の方に座っている少年たちは皆、右手を動かしております ゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ!
さらに発火しないフィルムが発明された。
もう火事になることもない。
映画館には一階と2階があって、一階は労働者階級、2階は富裕層みたいな感じなのかしら?
で、2階に座っている男がいつも下に唾を吐きかけており、下の観客は罵るぐらしかできなかったんだけど、その男に泥付きの雑巾が投げつけられていた。
映写室の中にいると何も変わらないようだけど、確実に時代は移り変わっているんだよね。
トトは高校生になり、8ミリカメラで映画を撮り始めた。
そして、転入生のエレナ(アニェーゼ・ナーノ)という少女に初めての恋をした。
この子が本当にきれいな子。
ドミニク・サンダに似てて上品でクールな美しさがある。
も〜学校中の男子が彼女を狙ってますョ〜
で、彼女がモノを落としたのを見た途端、トトともう一人の男子がダッシュ!
トトは足を引っかけて相手を転ばせ落し物を拾うことに成功し、彼女と話すきっかけを作りました。
まるでお正月の福男だよ〜2人だけだけど(^w^)
ってコレ、エレナもトトと話したくてわざと落としたんじゃないの〜?って思ったぞ。
その後もちょっとした機会を逃さず好意をアピール。
告白しても「愛してない」って言われちゃうんだけどさ。
アルフレードから教わったおとぎ話と同じように100日間、彼女の家の前に通い続け、晴れて恋人同士に。
初めてのキスも映写室でした。
んが、交際がエレナの父の知るところとなり、二人は引き離されてしまう。
さらにその後、タイミング悪く兵役につくことになり・・・・
出発する前日、約束の時間に彼女は現れなかった。
父親の転勤で村を離れたらしく、手紙を出しても戻ってくる。
彼女の居場所はわからなくなってしまった。
除隊となり村に戻って見ると・・・うら寂しい雰囲気が漂っていた。
もちろんエレナもいない。
パラダイス座には新しい映写技師がおり、自分の居場所は消えたようだった。
トトはアルフレードに会いに行った。
そして今では誰とも会おうとせず家に引きこもっているアルフレードを外に連れ出した。
「誰にも従うべき運命がある。
ここを出ろ。ここは不毛の土地だ。
ずっといると自分が世界の中心にいる気になり、何も変わらないと思いこむ。
そして1年か2年離れ戻ると、すべてが変わり拠り所を失う。
会いたい人はいなくて、馴染んだものもない。
出たら戻るな。何十年もだ。
それから戻れば昔馴染みや懐かしい故郷に再会できる。
今のお前は無理だ。私より目が見えない」アルフレード
「誰のセリフ?クーパー?ヘンリー・フォンダ?」トト
「違う。誰のセリフでもない。私の実感だ。
人生は映画で見るのとは違う。もっとずっと苛酷なものだ。
ここを出ろ。ローマに戻れ。
お前は若い。前途洋々だ。
私は老いた。お前と話すよりお前の噂を聞きたい」
若者の背中を押すのが年寄りの役目だね。
本当の人生を知るために、トトは外の世界に出て行かなければならない。
その決心をさせられるのは自分だけだとアルフレードはわかっていたんだね。
今まで心に残る映画のセリフをたくさん教えてくれたアルフレードが自分自身の言葉で伝えてくれた。
出発の日、汽車に乗る前にアルフレードはトトの耳元で言った。
「戻るなよ!私達を思いだすな!手紙も書くな。
郷愁にくじけずにすべて忘れろ。
我慢できずに戻って来てもうちには入れない。いいな!」
「ありがとう・・・今までのこと全部」トト
「何をするにせよ、それを愛せ!
子供の頃、パラダイスの映写機を愛したようにだ」
サルヴァトーレは、アルフレードに言われた通り故郷に戻ることはなかった。
母親からは連絡が来たけど、自分からは一切しなかった。
もちろんアルフレードからの連絡もなかった。
そして30年ぶりにサルヴァトーレはアルフレードの葬儀に出るためジャンカルド村に戻って来た。
家は立て直されたけど、部屋はお母さんが昔のままにしておいてくれた。
自転車、本、映写機、そして懐かしいあの頃の写真・・・・
お母さんはこの日をずっと待っていたんだろうね。
部屋の中を嬉しそうに見入っているサルヴァトーレを感動を抑えて見守っている姿に胸が熱くなったよ。
連絡はしても帰ってくるように言ったことがなかった母の深くて強い愛情が伝わってきた。
葬列が止まり、ふと見上げると、そこはかつての新パラダイス座の前だった。
パラダイス座は時代の波に押され6年前に閉館し、跡地は駐車場になることが決まっていた。
廃墟のようになっている映画館に驚き、ふと後ろを振り返ると懐かしい顔ばかり。
映画館で知り合った二人が長年連れ添った夫婦らしく仲良く並んでおり
一日中何度も映画を見続けていた映画マニアのおじさんもいる、
アルフレードの助手だった男もいるし、
そして映画館の支配人だったスパッカフィコもいる。彼は自分に敬語を使って話している。
村は変わらないけれど、時が流れ、すべてが変わっていた。
荒れ果てた映画館の中に入り、映写室を確認したサルヴァトーレはアルフレードの言っていた言葉の意味がやっとわかったのではないでしょうか。
全てが変わりはて消えてしまったと思えて、初めてその過去は美しく輝き、懐かしく思いだせる。
故郷のない人間は寂しい。でもその故郷に辿り着くまでサルヴァドーレは30年もかかってしまった。
でもこれで良かったんだよね。
中途半端に戻って来ていたら、郷愁を昇華させることはできなかったかもしれない。
そして郷愁を感じて、人はさらに高く飛べるのかもしれません。
これがアルフレードからサルヴァドーレへの人生をかけた贈り物だったのかな・・・。
映画館が壊されるのを見届けた後、アルフレードの形見のフィルムを手にサルヴァドーレはローマに戻った。
映写室で上映してみると、それはアルフレードがパラダイス座にいた頃、カットしたキスシーンを繋いだものだった。
それを見ながら初めて涙を流すサルヴァドーレは、いつしか生への喜びに満ちた笑顔になっていた。
も〜何度見ても泣いてしまう〜・゚・(ノД`)・゚・
アルフレードめ、やってくれるじゃないの。
最初映画館で見た時、サルヴァドーレがどんな仕事をしているのかわからなくて、
最後に監督になったと分かった時、感無量だったよ。
でも、オープニングで見た時のサルヴァドーレはとこか疲れた感じだった。
アルフレードのおかげで映画への愛を取り戻したサルヴァドーレはきっとすばらしい作品を作ったんだろうなぁ・・なんて。
いや〜どの役者さんもすばらしかった。
一人一人の生きた表情と演技、それを支えたであろうスタッフ達がこの映画を創り上げた。
映画はたくさんの人の思いや力が合わさってできるものなんだな〜と改めて思いましたよ。
あ〜〜、いい映画は幸せをくれるね ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

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1. ニュー・シネマ・パラダイス [ 象のロケット ] 2015年02月15日 14:26
シチリア島寒村に住む少年トトは映画好きで、村の小さな映画館パラダイス座の映写技師アルフレードを慕い映写室に入りびたる。 だがある日、可燃性のフィルムが燃えだす事故がおきる…。 人生への愛を謳いあげるヒューマンドラマの傑作。
この記事へのコメント
1. Posted by 紅緒まま 2015年02月17日 18:34
この映画だーいすきです
なんども見ました。いつも同じ個所2か所で泣きます。
またみたーい
ジャック・ペランは『コーラス』も好きです。

なんども見ました。いつも同じ個所2か所で泣きます。
またみたーい

ジャック・ペランは『コーラス』も好きです。
2. Posted by きこり→紅緒ままさん 2015年02月18日 18:57
私も好きです。
今回3回目ですが、書くためにまた見て、ラスト30分は泣きっぱなしでした。
何度見ても感動です。音楽が流れるだけでぐっときちゃいますよね〜
「コーラス」知りませんでしたがチェックしたら、素敵な映画みたいですね。
息子さんも出ているのね〜(*´∇`*)
今回3回目ですが、書くためにまた見て、ラスト30分は泣きっぱなしでした。
何度見ても感動です。音楽が流れるだけでぐっときちゃいますよね〜
「コーラス」知りませんでしたがチェックしたら、素敵な映画みたいですね。
息子さんも出ているのね〜(*´∇`*)