2014年我が家の庭 その5連続ドラマW 「MOZU Season2 〜幻の翼〜」 Episode #3

2014年07月05日

「家族狩り」 第1話

「これは、やっぱりただの一家心中じゃねぇな。誰かが家族を狩ってんだ」馬見原
「かってる?」椎村
「家族狩りだよ」

 残されていた遺書(犯人からのメッセージ)にはこう書かれていた。
『あいをみました
ほんとうの
かぞくのあいを
みました。
         たつや』


 この家族に『ほんとうのあい』があったから許せなかったのか?
それとも無かったから裁かれたのか?
あるいは心中という形をとることが「ほんとうのあい」なのか?
なぜこの家族は狩られねばならなかったのか・・・
狩ることで犯人は救いを得ることができたのだろうか。
HPはこちら


 一回目は登場人物の紹介。

 氷崎游子(松雪泰子)・・・東京都児童ケアセンターの児童心理司。
仕事っぷりが熱心とか情熱とかを超えた、憑りつかれているレベル。
母親の民子(浅田美代子)は「家にいると辛いから、もっとつらい仕事に逃げてるんです」と言っていたが、
自分の心の中にある何かに過敏に反応し、虐待される者と虐待する人間に立ち向かっているように見える。
暴走しがちな游子のストッパーとなってくれるのが思春期悩み電話相談のボランティアをしている山賀葉子(財前直見)。游子の相談相手でもある。

 父親の清太郎(井上真樹夫)は区役所を退職した後、アルツハイマー型認知症を発症したため母と二人で自宅で介護している。
んが、介護に疲れた民子はパチンコに逃避しがちで、父親が徘徊している連絡が入ると、仕事中でも游子が探しに行っている。

 民子は介護疲れと夫への失望感からヤケになっているところがあり、無意識のうちに夫が死んでくれたら・・と思っている節がある。娘に甘え、責任逃れしているのかも。

「一家心中でもする?それも悪くないと思うんだよね」民子
ふざけんな!自分だけがつらいなんか思わないで!」游子

 父親の暴力を受けていた駒田玲子(信太真妃)を守るため警察に父親を逮捕させ、玲子を保護施設に入所させるも、つばを吐きかけられる。

 一見、游子が犯人のような描き方をしているが、私は違うと思う。
彼女自身深い闇を抱えているが、必死にその闇と戦っているのが見える。でも、それにも疲れがみえてきているような。
この一連の事件と関わることで、彼女自身が蓋をしてきた過去と向き合う事になるんでしょうか・・・


幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉 (新潮文庫)遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉 (新潮文庫)贈られた手―家族狩り〈第三部〉 (新潮文庫)巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉 (新潮文庫)



 巣藤浚介(伊藤淳史)・・・桐明学院高校の美術教師
それほど教師という仕事にやる気があるとも見えず、日和見的に学校で生きている。状況に流される傾向あり。
去年の忘年会の後、40近い清岡美歩(山口紗弥加)に情熱的に迫られ受け入れた結果、同棲中。
生徒達のいる前で妊娠を告げられ(その後、ラインで拡散)結婚を迫られているが家族を持つ気にはなれない。
実家の家族関係に問題を抱えている模様。
偶然、3件目の家族狩りに遭った麻生家の息子が「薪割り用斧」を通販で購入したのを目撃し怯えていた。

 元教え子の鈴木渓徳(北山宏光)とは交流があり、DVD(エロ?)を借りる間柄。
鬱屈した家庭環境にいる(学校では優等生。自宅では密かにリストカット)女生徒・芳沢亜衣(中村ゆりか)が描いた「家族」をテーマにした抽象画に衝撃を受けたが、彼女をレイプしたとして(実際は行きずりの男とホテルに入り逃げようとして殴られた)警察で事情聴取を受けるはめに。渓徳のおかげで容疑が晴れるが、警察に呼ばれた際、游子から犯人扱いされ糾弾された。

  翌日、亜衣が浚介に無視され傷ついたため(これも嘘)夜外出して事件に巻き込まれたと聞いた母親・希久子(相築あきこ)に校長たちの前で責められ、ムカつきながらも謝るはめに。

 その後、偶然、徘徊中の游子の父と知り合ったことから、氷崎家で游子の誕生日を祝うことになるが、当の游子は途中で外出。民子のぐちを聞き、落ち込んでしまう。

「この人(清太郎)も人様に尽くすためにだけ生まれてきたような清廉で立派な人でね。区役所で昼夜なく休みも取らずに人様の世話を焼いてね・・・
游子もお父さんは大好きだったんですよ。それが、こんなになっちゃって・・・
こんな人生の末路って、あっていいのかしら。
神様、何見てるんでしょうね。生きてるって残酷よ。
ハッピーバースデーなんて、よく言ったもんだわ」民子

 その帰り、3件目の家族狩り被害に遭った向かえの麻生家から叫び声を聞くも、
「猫じゃないの?警察に電話するんだったら誰かがするわよ。猫だから早く帰ろう」という美歩の言葉に押されて通報しなかった。
翌日事件を知り、ショックを受ける。
被害者宅を見に来たやじ馬の中に游子を見つけ、その思いつめたような表情が忘れられずにいる。

 自分から積極的に動くタイプではなく、巻き込まれることによって動かざるを得なくなる人のようです。
事件に巻き込まれることで自分の家族のこと、美歩の妊娠のこと、自分自身の将来のこと、自分で決断することができるようになるのでしょうか・・・


 馬見原光毅(遠藤憲一)・・・警視庁捜査一課警部補。
赤羽の一家無理心中事件の現場で心中への違和感と「大森の一家心中事件」現場にも残っていた甘い匂いに気づき、密室だったにも関わらず殺人の疑惑を抱く。3件目の現場でまたも甘い匂いに気づき、3件とも同一犯による殺人事件との確信を持つ。

 ちなみに赤羽の現場に残されていた遺書と麻生家にあった遺書の筆跡は同じだった。
『ごめんね
もっとはやく
きづけばよかった
ぼくはみんなをあいしてる
かぞくみんな』


 一見、スペックを持っているのか?と疑いたくなる描き方があったが、感覚が鋭いのと長年の刑事の勘が働いていると思われる。
娘の真弓が補導された時、真弓を殴ったことから游子に殴られたことがあり、游子にはいい印象を抱いていない。
すれ違った際、心中事件に残っていたものと同じ匂いが游子からしたため、心の中にチェックを入れた模様。


 麻生家の家族殺害には斧が使われていた。
一階に息子がいないことから、馬見原は2階の息子の部屋へ。
馬見原が扉を開けると、羽枕の羽が雪のように舞い、息子は輝く陽の光を浴びベッドにつっぷし首を切って死んでいた。ベッドに沁みた大量の赤い血・・・・

『何だ この違和感は?ひどい光景のはずなのに美しい・・』
「美しい?そんなバカな」馬見原

 殺された家族たちは縛られ怯えている場面がありましたので、殺人事件であるのは確か。
何者かが実際に手を下したのか、それとも家族を殺すよう誘導したのかはわからない。
なぜ「心中」にしたのか・・・罪を逃れるためだけではなく、そこに犯人の思いがあるように思います。
現場に残された家族の遺書の体をとった犯人からのメッセージ・・・
そこに強い祈りのようなものを感じるのは間違いでしょうか。
犯人が家族を狩らずにはいられない思いをどうしても知りたいと思いました。


 これは視聴決定。
凄惨な場面も多いけど、それ以上に何かがあるような期待が高まりました。
続きが早く見たいです。

 第2話 殺しの香り、殺しの祈り
 第3話 親を棄てられますか?
 第4話 踏み出す勇気
 第5話 闇を破る
 第6話 最期の声
 第7話 真犯人!
 第8話 犯人の罠
 第9話 葬送の儀
 第10話(最終話) 約束を

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matakita821 at 10:03│Comments(6)TrackBack(15)「家族狩り」 

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斧だけに・・・ノ( ̄0 ̄;)\オー!!ノー!!!! 馬見原は、これは一家心中を装った家族狩りだって言ってるけど、 凶器となったであろうあの斧は、間違い無くあの家の少年?青年?が 購入したものですよね。 それすらも、誰かに操られた上での行動なのかしらん? 真犯人は、直接自...
2. 「家族狩り」第1話 感想  [ Kanataのお部屋へようこそ ]   2014年07月05日 11:01
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面白かったですね。盛りだくさんなんだけど、登場人物が微妙なところで交差してて、まったく別のエピソードでも繋がっている感じがするのはさすが。それぞれが問題を抱えているようだけど、主人公の松雪泰子が精神的に追い詰められてて怖い。一見しっかりしてそうな所がまた
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うー、怖い怖い(><) 伊藤淳史演じる美術教師巣藤のパートはコミカルに演出されてホッとするのですが、そんな彼も家族団欒の話題には 『うちは絶対に無理』 と、何か事情があり ...
みんなして事情を抱えた人々の、かなり、ひりひりした物語テーマは、家族という名の不条理、なのかな?初回を見た限りは、ヒロイン・松雪泰子の熱演と、お気の毒のオンパレードが印象に残りましたが、大石静が天童荒太ワールドを、どう表現するか、世間の評判ともども、しば
10. 「家族狩り」第1話★松雪泰子、生々しい・・。麻里子様は不良娘!?  [ 世事熟視〜コソダチP ]   2014年07月06日 15:24
「家族狩り」第1話 初回を観ただけでは全体像は見えてこなかった? 主要な登場人物が多い上に、おのおのが交錯してるから複雑なのかも・・・。 馬見原(遠藤憲一)はグレた娘・真弓(篠田麻里子)のことで氷崎游子(松雪泰子)と関りがあったし、巣藤浚介(伊藤淳史)
11. ドラマ「家族狩り」を見て  [ MASログ ]   2014年07月06日 17:18
◆氷崎游子(松雪泰子)を見て 小学2年から6年まで、俺の担任はずっと同じ先生だった。 問題に答えられない人に「どうしてこんなのも分からないんだ!」と怒鳴る女性だった。 氷崎のヒステリックさを見ていると、それを思い出して嫌な気持ちになる。 逆に、氷崎がイラ
12. 【家族狩り】初回(第1話)感想と視聴率  [ ショコラの日記帳・別館 ]   2014年07月06日 17:45
【初回視聴率は7/7(月)追加予定】 「天童荒太原作の不朽の名作を大石静脚本、骨
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生きれば生きるだけ人生はつらくなるんだ   あんたも覚悟しといたほうがいいよ----------。 子供が両親を惨殺して自殺-----。 そこにはポエムのような遺書と甘い香りが残されていた。 そんな事件が連続して3件------。 しかし刑事・馬見原光毅(遠藤憲一)は思う。
14. 家族狩り (第1話・7/4) 感想  [ ディレクターの目線blog@FC2 ]   2014年07月07日 06:49
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15. 「家族狩り」 第1話  [ ドラマ de りんりん ]   2014年07月10日 22:53
夏ドラマの予習も出来ていないまま、始まってしまいましたわ…(^▽^;)笑 会社に天童荒太さんの原作を読まれた人がいて、概要は伺っておりましたが〜 うん、覚悟はしていたけど初回から重い…。 でもチビノリダーのシーンがあって、少しだけ救われたような。 じゃないと、

この記事へのコメント

1. Posted by くう   2014年07月05日 15:19
>この家族に『ほんとうのあい』があったから許せなかったのか?
それとも無かったから裁かれたのか?

無かったから裁かれたっぽい気がする…。
DV家庭や引きこもり家庭が狙われているのかしら。

初回はなかなか惹きこまれたよね〜。
とりあえずは期待通りの見応えで良かったーーホッとした!
↑正直、今期何もなかったらどうしようと本気で恐れてたw

エンケンさんかっこ良かったし、これは気合入れて見る予定〜。
今期もよろしくお願いしますずら〜(^^)/
2. Posted by まこ   2014年07月05日 16:16
初回拡大で放送時間も長かったけど、退屈せずに
見入っちゃいましたわー。

一家心中という悲惨な現場に漂う美しい光景・・・
そして歌の歌詞か何かのような意味不明な遺書。

家族を狩るという不可思議な行為の裏には
何が隠されているのか・・・犯人が誰かという以上に
その理由が知りたいと強く感じた初回なのでした。
3. Posted by まここっと   2014年07月06日 00:50
これはハマりそうな予感です。
アラフォーの国語の先生も怪しく思えてなりません。
4. Posted by きこり→くうさん   2014年07月06日 21:11
>DV家庭や引きこもり家庭が狙われているのかしら。
そっか〜破たんした家族が狙われているのか・・・
なんかそういう家族問題を相談するようなサイトがあって、
その管理人とかが犯人なのかね〜?
でも、それだとよくあるし・・・天童荒太さんだったら、もっと何かありそう。
>↑正直、今期何もなかったらどうしようと本気で恐れてたw
いやいやいや、いくらなんでもだべ(笑
夏ドラマはまぁ、いつもそんなにガッツリって感じでもないもんな〜
エンケンさんはいつもしゅてきだわ〜(* ̄┏Д┓ ̄*) ポッ
早くつづきがみたいべよ〜!
5. Posted by きこり→まこさん   2014年07月06日 21:55
ホント、全然延長が気にならなかっただ。
おもしろかったよね〜
一回目は人物紹介で終ったけど、入り組んでいるにも関わらず
わかりやすかったわ〜って、来週さらに人物が増えるのよね・・( ̄▽ ̄;)
>その理由が知りたいと強く感じた初回なのでした
「家族狩り」ってタイトル見た時、意味がわからなかったけど、こういうことだったとは・・
この勢いでどんどん狩られていくんやろか・・・
誰かに誘導されてやっているのかわからんけど、「闇」って言葉でくくれないほど
複雑ななにかがありそうで、今後の展開がきになるのでした。

6. Posted by きこり→まここっとさん   2014年07月06日 22:00
私もハマりそうな感じです〜♪
登場人物それぞれが大きなものを背負っている感じで、それが最終的に
どうなるのか、見届けずにはいられないわ〜
あのアラフォーの先生も、何か隠してますよね〜
てか、そんなに気楽に40前の女性と付き合いはじめちゃいかんぜよ(笑

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