「ロング・グッドバイ」 第3回 妹の愛人2014年4月に見た映画

2014年05月05日

プレミアムドラマ「珈琲屋の人々」 最終回 ささやかな幸福

 さて、茂(渡部秀)からもらったペアチケットで冬子(木村多江)をスケートに誘った行介(高橋克典)でしたが、当日になり圭次(秋元龍太朗)のプロテスト前審査の方を選んでしまいました。
もちろんプロボクサーという夢を追いかけようとしている圭次を応援したい気持ちからですが、冬子との交際に躊躇する思いもあったようです。
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 そんな行介の思いをよくわかっている英治(小林稔侍)でしたが、言わずにはいられなかったさ。
「やっぱり自分を優先して欲しいんだよな、女は」英治
「どうすれば良かったんですかね?」行介
「そうだな〜ボクシングに一緒に連れていくとか」
「あぁ・・・」
「初デートみたいなもんだったんだろ?
彼女もう、店に来ないかもしれないぞ〜どうすんだよ?」
「・・・・・・(しょぼん)」

 冬子はすっかり失恋気分ですワ・・・
「あの人の気持ちはよくわかったから・・・もう珈琲屋さんには行きません」と章枝(吉行和子)に宣言していました。

 この状況を章枝さんが黙って見ていられる訳がない。
退院も決まったし、足ならしに外に出てみましょう・・ってんで冬子には何も言わず珈琲屋のある商店街へと向かいました。
で、冬子から聞いていたおなじみの皆さんを見つからないよう確認。

「プレイボーイの島木さん・・・ね。懐のふか〜い妻・久子さん」
「天野クリーニング・・・お弁当屋さんに恋をした直道さん。
元子さん、こちらも辛抱強くよく耐えたわね」

 そして珈琲屋へ。
『秋元英治さん・・・奥様はお元気になられたのかしら・・・』
ついに行介と対面。
「思った通り、男前なのね。いただきます」

 章枝は学生時代にジャズ喫茶でアルバイトをしていたそうで、珈琲にかなり詳しいですぞ。
「ず〜っと飲んでみたかったの、あなたの珈琲」章枝
「あの・・どこかで・・?」行介
「お会いするのは初めてです。熊谷章枝と申します」
「あ・・・宗田行介です」
「実は私、まだ入院中なの。抜け出してきちゃった。
担当の看護師さんからここの話をよく聞いてたの。
それで私もどうしても来てしまいたくなって」

 これで行介にもピンときたようです。
そこに章枝を探しに来た冬子到着。
章枝は珈琲を注文させて、隣に座らせましたぞ。

「懐かしい匂い。戻れるものなら・・・」章枝
「学生時代に・・ですか?」行介
「そうね、あの頃もいいわね。仕事も充実してた。私、結構バリバリ働いてたのよ」章枝
「当時の女性としては憧れの的だったんじゃないですか?お仕事何を?」英治
「出版社の編集。文芸のね」章枝
「へえ〜!カッコいい!」千果(倉科カナ)(こちらでバイト始めました)

「思い通りに生きて来たわ。だからひとつも悔いはない。
だけど、それでも、別の人生もあったんじゃないかって思う事もあるの。
ひとりは気楽・・・・だけど寂しいわ」章枝
「章枝さん・・・」冬子
「若い頃の私に言ってやりたいことがあるの。
もうちょっとかわいくなりなさいって」

 この告白は、これから長い人生を生きていく冬子のため、そして行介のためでした。
年齢を経たからこそ伝えられる言葉、そしてこの年齢だからこそやってあげたいこと。
吉行和子さんが登場すると、いつも年をとるって悪い事じゃない。
素敵なことだなぁ・・って思わせてくれます。

珈琲屋の人々 (双葉文庫)ちっぽけな恋 珈琲屋の人々



「あなたのコーヒーって飲んだ人をおしゃべりにさせるのね、ふふっ」
茶目っ気たっぷりに微笑むと、章枝は一足先に病院へ戻りました。
出てきた甲斐はあったようです。
行介は冬子に当日キャンセルの件を謝ることができました。

 そこに島木(八嶋智人)が千果の代わりに入った佐川(東根作英寿)を伴って現れました。
人生相談に乗って欲しいと頼られ嬉しそう。

 この佐川、「伊呂波」の女将・木綿子(壇蜜)の夫でした。
実は前夜、店じまいしていた木綿子に近づき花束を渡したのですが、怯えたような顔で中に逃げられちゃったんだよね。
木綿子とは別居して2年経つそうな。
佐川がリストラに合ってから荒れて二人の歯車が狂ったらしい。
「この2年間、ただひたすら後悔の毎日でした」佐川

 で、この商店街で働くようになり木綿子の事を見かけたもんだから、やり直したいと思ったんだと。
「都合が良すぎるって自分でも思います。でも人間ってやり直せるものだと思うんです」佐川

 う〜ん・・・どうだろうねぇ・・(-公- ll)
この男の話は信用できないよ。
そもそも木綿子を見つけたもんだから、商店街で働くことにしたんじゃないの?
それに、島木に相談という体で周りから固めてもらおうって魂胆が見えてヤダわーー

 「伊呂波」に飲みに行った千果と冬子は木綿子の気持ちを聞いてみました。
木綿子は2年間ずっと佐川に連絡をとっていなかったそうな。

「あの人、2年間ず〜っと後悔してたって・・」千果
「それでもね、壊れたものは、もう修復できなかったの。ダメだったの」木綿子
「難しいですね・・」冬子
「そうねぇ・・だからって訳じゃないけど、柏木さんと行介さんにはうまくいって欲しいな」木綿子
「あ・・私達はそんなんじゃ・・」冬子
「そんな事言っていたら、いつまでたっても何も始まりませんよ?
気持ちが通い合う事は絶対ない立場の二人が、出会って、人として惹かれて、
気持ちが通い合って、そういうのってすごく素敵じゃないですか」木綿子

 それでも、しつこく佐川に拘る千果・・・
「何でなんだろうなぁ・・・もともと木綿子さんも佐川さんも幸せだったんでしょ?
茂君も罪を犯したけど、今すっごい頑張ってるよ。
まぁ・・佐川さんがどんな人かわかんないけど、私は人間は変われると思う」千果
「ありがとう千果ちゃん。
でもね・・・私、あの人のことを刺したの・・・殺そうとしたの」木綿子

 リストラに合ってすっかり荒んだ佐川は毎日のように木綿子を怒鳴り、暴力をふるい続けた。
木綿子は殺さなきゃ殺されると思いつめ、佐川を刺してしまった。
その後怖くなり逃げて、叔母のいるこの町に来たそうな。
警察が追ってこなかったから、佐川は死ななかったんだなと思ったけど、連絡を取る気にはなれなかった。

「・・・・殺さなくて良かった。
そんな人のためにあなたの人生を棒にふってしまうなんて、そんな事絶対にあっちゃいけない」冬子
「柏木さん・・」木綿子

 そこに噂の当人が現れ、謝り復縁を迫りました。
「もう一生暴力なんてふるわない。大切にする!
木綿子、どうかもう一度、もう一度だけ信じてくれないか!」佐川
「・・・・・・・」

 その報告がてら冬子は珈琲屋へ。
で、行介があまりにも木綿子のことを心配するもんだから、ついジェラシーが・・

「私は?私のことは・・・・
私は・・・どうすればいいんでしょう?」冬子
「・・・・・・柏木さん・・・あなたの事はいつも幸せを願っています」行介
「あなたがそれだと私は・・・」
「俺のことは関係なくです。
私は・・・・・あなたのご主人だった人を・・・」
「それは・・・私の中では終わったことです。
あなたの手紙に何度も書いてあった。
自分は幸せになる資格はないって。
これから何十年も人生は続いていくんです。ずっとそんなふうに思って生きていくんですか?」
「・・・・・・以前は、そう思ってました。
けれど、親父が残してくれたこの店で毎日コーヒーを淹れて、
それをいろんな人が飲みに来てくれて、おいしそうに、楽しそうに笑ってくれて、
友達もいて、ボクシングもあって、ささやかですが、これが幸せなのかなって・・
私は・・・・十分幸せです」
「・・・・・そうですか・・・・・」

 も〜〜!行介のバカバカ!
冬子さんがここまで言ってくれてるのにーーもっと幸せになったっていいじゃないの〜!

 英治さんだって怒ってますョ〜
冬子さんのことをどう思っているのか行介を問い詰めました。

「・・・素敵な方だと・・・」行介
「お前のその、ささやかな幸せの中に彼女はいないのか?」
「・・・・・・・・・」
「彼女のことをもっと知りたいと思うか?」
「・・・・・はい」
「彼女ともっと話したいと思うか?」
「・・・・思います」
「じゃあ、そういう事をちゃんと言葉にして伝えろ。
それが男の役目だろうが」

 若い頃はプライバシーに関わってくるこういうおっさんにうっせえよ!としか思わなかったけど、今はありがたいなって思う。
時にはこうやって背中を押してくれる存在が必要なんだよね。
大人だからこそ、相手のことを思って動けない場合もある。
誰かが押してあげなきゃそのまんま。
押してダメなこともあるかもしれないけど、押してあげたくなるよね。

 珈琲屋に戻って、行介は考えたさ。
冬子との出会い、彼女の言葉、彼女の思い・・・
そしていつのまにか自分を支えてくれる存在になっていた冬子のことを。

 冬子も初めて行介へ手紙の返事を書きました。
そんな時、佐川と木綿子が珈琲屋で話し合いをすることになり、冬子も立会人として呼ばれました。

 木綿子の気持ちは決まっていました。
離婚届を差し出した木綿子に佐川は切々と自分の気持ちと自分は変わったと訴えました。

「私、あれから考えました。たくさん考えました。
無理です。もう無理なんです」
「こだけ俺が頼んでも?お前のこと、こんなに愛してるのに?」
「・・・・・・・・」
「あの事、俺は警察に言ってないよ。
あの事、オマエだってあのままにしているのは、俺ともう一度やり直したいと思っているからだろ?」
「いいえ。ただ混乱して・・自分のやったことが怖くて・・捕まるのも怖くて・・・逃げていただけなんです。
もう私は、今日限りで逃げるのをやめます。
私達がやり直すということは、きちんと別れてゼロから始めるってことだと思うんです」

 その言葉にどすぐろい憎しみの目をむける佐川・・・
「あなたは全然変わっていない・・!」
「お前は犯罪者だ。俺を殺そうとした」
「覚悟はできています。今から警察に行きます」
何でなんだよ?!俺はずっと・・・2年間ずっと・・
「佐川さん!」行介
「本当に木綿子さんを愛しているなら、彼女の幸せを一番に考えてあげてください!」冬子

 収まりのつかない佐川はポッケからナイフを出し木綿子に向かったけど、行介が阻止。
逆恨みで行介を刺そうとしたところを冬子がかばって・・・刺されてしまったわーー!

 すぐに救急車で搬送されたけど、出血多量で危険な状態に。
枕元に付き添う行介に章枝さんが冬子が書いた手紙を渡してくれました。

『宗田行介様
今までたくさんのお手紙をありがとうございました。
「幸せになってはいけない」とずっと思い続けてきたあなたから
「ささやかだけれど、今が幸せだ」と聞いて、私はすごくうれしかった。
幸せというものは、与えるものでも、与えられるものでもなく、
そこにあるものだと思うのです。
大切なのはそのことに気がつくかどうか。
気がつことができれば、きっと人生はもっと豊かになる。

あなたと私をつなぐものは、あなたを苦しめている過去でした。
それは永遠に消えるものではありません。
でもどうしてか・・・あなたを思う度に私には微笑みが浮かぶのです。
コーヒー豆を挽く音、ベルの音、温かな空気、
そこには・・・いつもあなたがいる。それが私にとっての幸せなのです

だけど・・・一緒にスケートに行きたかった。
正直、がっかりしました。
あなたの幸せの中に私もいられたらいいなって・・・
あなたをもっと知りたいって・・・
いつのまにか思っている自分がいます。
いい年をして恥ずかしいのですが・・・・』


「目を覚まして下さい!冬子さん!
・・・・・・・俺はあなたを・・・(泣)あなたを失いたくない!
あなたを失いたくありません!冬子さん!」

手を握り訴えた行介の祈りが届き・・・冬子の意識は戻り・・・二人は静かに見つめ合いました。

 良かった・・・(ノ∀;`) 良かったよぉ・・・
冬子からの柔らかい、でも確かな愛情の伝わる手紙・・・
お互いの幸せを願うこころ、それが静かに重なって、その思いを大切にしながら一緒に生きていくことができたら・・・
珈琲屋に集う人々、そして冬子が幸せになってくれることだけを願っていた行介ですが、その存在が冬子だけでなく、みんなを幸せにしてくれていたんだよね。
『幸せというものは、与えるものでも、与えられるものでもなく、そこにあるもの』
そのことに気づいた行介は、その幸せを守りながら生きていくでしょう。

 その後、佐川を刺した件で自首をした木綿子に英治と島木が面会し、冬子の経過が順調だと伝えるとほっとしていました。
弁護士によると木綿子は情状酌量で実刑には問われずにすむようです。
「あなたの人生もこれからだね」英治
「・・・・・はい」木綿子

『とある町の商店街にある小さな珈琲屋。
その存在を知らなければ素通りをしてしまいそうな小さなお店。
そこで飲むコーヒーは人の心を温め優しく包む。

だからこの町の人々は心が壊れそうになるとここにやってくる。
道を踏み外してしまいそうな人・・・・光を見失いかけている人・・・
誰かとの語らいを求める人・・・日々の幸せを取り戻したい人・・・
ぬくもりを忘れたくない人・・・
それはただの一杯のコーヒーだ。
だけど・・・一杯のコーヒーが人生を変えることもある』


 冬子のナレーションと共に描かれる商店街の人々の姿・・・
いろいろあったけど、そこにある幸せを大切にし生きていこうとしている。
桜吹雪の中、そんな幸せに微笑みながら見つめ合う行介と冬子の姿に嬉しくなったよ。人生の新しいページが始まったんだね。

 いや〜ストーリー的にはよくある話なのかもしれないけど、毎回じんわりと心に響くものがありました。
静かな中にも情熱を感じさせる大人のためのドラマって感じかな〜
キャストのみなさんの抑えた演技がそれそれの思いを自然に伝えてくれて・・・
木村多江さんは前から好きだったけど、今回、高橋克典さんって素敵な俳優さんだな〜って初めて思ったよ。
行介の不器用な生き方にもどかしさを感じつつ、罪を背負う苦しみと向き合いながら、それでも前向きに生きていこうとする真摯な姿に心が揺さぶられ、自然と涙が流れてしまいました。
ハッピーエンドになってほっとしたよ。
いいドラマでした。

 第1回 人生を変える一杯
 第2回 ひとりじゃない
 第3回 恋までの距離
 第4回 大切な人 

もぐら

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この記事へのコメント

1. Posted by う〜みん   2014年05月07日 00:10
5 ハッピーエンドで良かった〜(*^_^*)年をとったせいか最近ハッピーエンドで終わる話の方が好きになりました。
「幸せはそこにあるもの」だと気付けるか気付けないかその差は大きいですよね。二人が穏やかな日々を送ってくれたらいいなと思います(*^_^*)
2. Posted by きこり→う〜みんさん   2014年05月07日 20:37
>年をとったせいか最近ハッピーエンドで終わる話の方が好きになりました。
私もです〜昔はハッピーエンドなんてバカにしてたのに(笑
最近はDVD見ていても、悲惨な展開になると止めてネットでどうなるかチェックしてみたりして・・(笑
悲惨なラストは耐えられません(´∀`;)
>「幸せはそこにあるもの」だと気付けるか気付けないかその差は大きいですよね。
本当にそう思います。若い頃は幸せって何かドラマチックなものの中にしかないように
思っていましたが、違うんですよね。
行介と冬子さんが穏やかに幸せを育んでいって欲しいなぁって素直に思えましたよーー

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