「ロング・グッドバイ」 第1回 色男死す「続・最後から二番目の恋」 第2話 恋愛下手な大人たち

2014年04月21日

プレミアムドラマ「珈琲屋の人々」 第3回 恋までの距離

 殺人の罪を告白した行介(高橋克典)に「今は聞きたくありません」と言ってしまった冬子(木村多江)でしたが・・・
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「あるでき事について、ずっと私赦せないと思ってたんです。
だけど今は・・・違う見方はないかなって・・・探してるのかもしれない」冬子
「起こってしまった事実は変えられません。
起こした側の人間は、そこから目をそらせてはいけないんです。
あの日の朝、親父に「珈琲を飲んで行け」と言われました。もし、飲んでいたらって・・・」行介
「飲んで欲しかったです。そうすれば誰も・・・」

 冬子にとって行介は、もう「夫を殺した男」ではないよね。
犯した罪に苦しんでいる一人の人間。
もし行介が殺した相手が自分の夫でなければ・・・

 店を出た冬子に千香(倉科カナ)は取立て屋の矢部(津田寛治)との関係を尋ねましたが(この子こういうとこあるのよ〜)、冬子は何も応えなかったさ。
勘の良さそうな千香だから、ピンときたかもしれないなぁ・・・

 店に入った千香は先代・行介の父の思い出を話しました。
彼女は誰も知り合いもいないのに東京へ出てきてアパートを決めて、アイスクリーム屋で働き始めたそうな。
でもそれだけじゃ生活していけないので時給のいいキャバクラで働くことにした。
で、面接場所に行ったら、それが『珈琲屋』だったんだと。

「緊張しながら待っていた時飲んだ行介さんのお父さんのコーヒー、すっごく温かくて美味しかった。
キャバクラの仕事に慣れるまで毎日ここでコーヒー飲んでから出勤してた。
だから私にとってこの店は結構大事な場所なんだよね」千香

 おいしさは優しさだもんね。
行介のお父さんの思いは珈琲を通してちゃんと伝わり、千香の心をあたため、エールを送ってくれた。

 さて、英治(小林稔侍)は最近カラオケ教室の美人先生・真知子(有森也実)といい感じ。
介護の合間に真知子と過ごす時間がいい息抜きになっているようです。
真知子先生も英治のことは特別に思っているふう。おかずを差し入れてくれたり、デートに誘ったり。

 介護生活も3年・・・
一緒にいるのに話しかけても反応はない。そばにいるのに通じ合えないのが余計辛い。

 青野の命日が近づき、冬子は行介からの手紙を読んでいました。
『その日は私にとって一生忘れることのできない日です。
御主人の命日をあなたはどんな思いで迎えるのか。考えるだけで私は・・・
言葉にしようがないくらいの決して消えることのない後悔で一生忘れることはありません』


珈琲屋の人々 (双葉文庫)ちっぽけな恋 珈琲屋の人々



「13年か・・・長いような短いような・・」章枝(吉行和子)
「私、彼に会って彼と言う人間を見て、憎いって思う以外に・・」冬子
「あんな事がなかったら良かったのに・・って?」
「あの人、私に『自分は人を殺したことがある』って・・・でも、それ以上は聞きたくなかった」
「どうして?」
「青野の妻だってこと知られたくなかったから」
「きっと、心地いいのね。今の彼との距離感・・・」
「・・・・・・・」

 もし、冬子と行介の間を繋ぐことができるとしたら、章枝さんかもしれない。

 和菓子屋「尾張屋」は閉店セールでにぎわっております。
先週省子(美山加恋)が話していたように店を閉めて家族でおじいちゃんの所へ行くのかねぇ・・
慣れ親しんだ場所を離れるのは辛いけど、さよならだけが人生さ。
いつか店を買い戻すって夢があるもんね。
新しい生活に向けて省子もハッスルしております。
そんな省子を離れた場所から圭次(秋元龍太朗)が見つめております。

 「伊呂波」では千香と英治が一緒に飲んでおります。
千香が誘ったようですよ。
話題は行介の事件のことに。

 行介の務めていた工場の社長が友人の借金の保証人になったんだけど、
その友人が自殺して、社長も後を追うように自殺してしまったんだよね。
どんなに仲が良くても保証人にだけはなっちゃダメだよ・・・(ノ_-;)

「死ぬまで追い詰められたってことだ」英治
「・・・・・・・・」木綿子(壇蜜)

 取立て屋の青野は社長の葬儀中だってぇのに現れ、香典を奪い取り、奥さんに襲い掛かった。
「それを行介は許せなかったんだ。
情状酌量の余地は十分あったのに「自分には殺意があった」って行介は頑として譲らなかった。青野には奥さんがいたからね」英治
「どんなにひどい夫でもいなくなると情がわいたりするのよね・・」木綿子
多分、千香にはわかっちゃいましたね・・・

 さて、ボクシングジムでトレーニングしている圭次に省子が店の道明寺を持ってきました。
照れて「売れ残り」って言ってたけど、やっぱりずっと心に引っ掛かってたんだろうね。

「ありがとう。心配してくれて」省子
「・・・・・・うめぇ・・・美味しいです」圭次
「当たり前でしょ。私が創ったんだから」
食べて涙をごまかす圭次なのでした。

 行介はあれから店に来ない冬子のことが気になっていました。
で、忘れていったハンカチを返すという口実で職場で待ち伏せ。
冬子が誘い、レストランで一緒に食事をしましたョ〜

 二人ともたどたどしい感じではあったけど、自然に二人の距離が近づいたような・・・
「この前・・『どうして私にその事を話すのか』って・・・
もしかしたら・・聞いてもらいたかったのかもしれません、柏木さんに」行介
「・・・・・・・」
「すいません・・・」

 お互いにいい時間が過ごせたようです。
「ハンカチ・・忘れてきて良かったです。こうして話せたから」冬子
「・・・・・・・・・・」行介
「じゃあ・・」
「気を付けて・・・・・・あの・・・・また来て下さい。コーヒー飲みたくなった時に」
「・・・・・はい」

 帰り道、一人でサンドバッグを叩いている圭次をジムの窓から見つけた行介は
彼にグローブを渡し、スパーリングの相手を務めました。

 戸惑いながらも前向きになっている行介の気持ちがさりげなく伝わってきました。
ひたむきな圭次の姿が後押ししたってのもいいですなぁ・・・

 そして・・・青野の命日が来ました。
墓地の青野の墓の前で女性が手を合わせているのを見つけた行介は立ち止まりました。
静かに近づいた行介は気づいてしまいました。

「・・・・・柏木さん・・・」
「!・・・・・・」冬子
「・・・・・あなたが・・・あなたが青野さんの・・・」
黙って目をふせる冬子に土下座する行介。
「申し訳ありませんでした」
「止めてください」
「俺は・・あなたの大切な人を・・・!あなたの人生を!
本当に・・・本当に申し訳ありませんでした!」


 冬子は走ってその場を去りました。
行介も店を閉めて、カウンターの前でうなだれております。
さすがの行介も一人じゃ抱えきれない。幼馴染の島木(八嶋智人)を呼び出したさ。
島木は行介のためにコーヒーを淹れてくれました。

 そこに真知子さんと会って浮かれ気分の英治も加わりました。
二人とも青野の妻が冬子だと知り、びっくり仰天さ。

「俺が苦しめてたのは、あの人だったんですよ」行介
「もう償ったじゃないか。13年も刑務所に入ってお前は」英治
「償いってなんですか。服役したからって、あの人の人生の何に償えるって言うんですか」
いいか、行介。人ってのはな幸せを求めて生きてるんだよ。
いつまで自分の殻に閉じこもっているつもりなんだ?
前を向けよ。いつまで後ろ向いてるつもりなんだ。
今のお前は・・・今のお前の生き方は間違ってる」

「よくそこまで言えますね」島木
「お前は黙ってろ!」英治
「黙ってないですよ!行介だって好きで殻に閉じこもってる訳じゃないんです!」島木
「そんな事はわかってるさ。でもな・・一生このままなのか?
過去を振り返ってばかりいないで、これから楽しい人生を送ることも考えたっていんじゃないか?」英治
「そんな事できる人間だったら、とっくに行介だってやってますよ!
でもね、行介は英治さんとは違うんです!」島木
「どういう意味だよ?」英治

「英治さんは何だかんだ言って自分の楽しみを見つけられる人なんです。
そりゃ奥さんの看病とか介護とかは大変です。
でも、それはそれ、これはこれってちゃんと分けて考えられる人ですから。でも行介はね!」島木
「お前に俺の何がわかるんだよ?自分だって女房いるのに千香ちゃんとよろしくやってるじゃないか!」英治
「よろしくって、そういうんじゃないですから!」
「知らぬは本人たちばかりとはこのことだな」
「いや・・・あ、千香とは最近、全然やってないんです!」
「なんとまあ甲斐性のないこと。ご愁傷様」
「大体英治さんね、この際だから言わせてもらいますけどね、あの、カラオケのきれいな先生、真知子先生だっけ?
あんな人が英治さんに本気になるとお思いですかあ?
下心あんに決まってんじゃないですか!
せいぜいしょぼくれた財産取られないように気をつけてくださいよ!」
「金がなきゃ相手にしてもらえないのは自分じゃないか?!
どうせお手当でもあげて、やっと千香ちゃんに相手してもらってんだろうが!(図星)」
「なにい?!」
「やるか!!」


 ちょっとちょっと、アンタ達・・ ゞ( ̄∇ ̄;)行介は店出て行っちゃったョ。
まったくも〜自分達のケンカに夢中になってからに。
でも、英治さんが言いたい気持ちもわかる。
奥さんを大切に思う気持ちはあるけれど、やっぱり誰かと話したり笑い合ったりしたいよ。自分は生きているって実感したいよね。

 いつ終わるともしれない介護の日々・・・
「悦子!な〜んか言ってくれよ!悦子!俺はもう・・・疲れたよ!
限界だよ!悦子!もう、死んでくれないか!」

 無意識に英治は奥さんの首を絞めていました。
苦しげなうめき声が聞こえなかったら、殺してしまっていたかもしれない。
妻を殺さないためにも、一日だけ楽しませてもらおう。
真知子に誘われた英治は一泊旅行に出かけることにし、家の鍵を行介に託しました。

「やっぱりさ、お前しかいないんだよ。
昼間はヘルパーさん来るしさ、一日ぐらいは大丈夫だよな?
いいだろ?一日ぐらい楽しく過ごしたいと思ったって・・・
嬉しくなったり、ドキドキしたり、そういう思いしちゃいけないか?
俺は一生、このままじゃなきゃいけないのか?
今日が終わったら、明日には悦子のところに戻る。
あいつが生きている限りはそれが俺の責任だから。
だから・・・一日だけ・・・今日だけ」英治
行介は鍵を受けとりました
「ありがとう」

 それは、自分自身のためだったけど、行介のためでもあったと思う。
たとえどんな状況だって、罪を背負って生きなきゃならない人間だって、楽しむ瞬間があっていいんじゃないか?

 今までドラマの中で罪に向き合おうとしない犯罪者に何度も怒りを感じ、更生なんてありえない!と言ってきましたが、行介のように心の底から悔いて償っていきたいと思っている人間は(殺された人間に同情できないってアレもあるけど)、どうか前を向いて生きていって欲しいと思う。
楽しんではいけないと思う気持ちもわかるけど、生きている、生かされているってことは幸せを感じてもいいんだよってことなんじゃないのかな。

 英治は真知子さんとの時間を心から楽しみました。
ところが・・・行介が悦子さんの元に行ったら、発作を起こし苦しんどる!
すぐに医者が呼ばれ手当を受けましたが、朝まで熱が下がらなければ救急車を呼ぶよう言われました。
悦子さんは涙を流しながら耐えております。

 行介から連絡を受けた英治さんは・・・真知子先生に謝り、宿を後にしました。
「ごめんなさい!」と何度も真知子さんに謝る英治さんが切なかった。
一日過ごしたらすぐに帰るつもりだったのにさ・・・(ノд-`)

 英治が悦子さんのところに着いた時、熱は少し下がっていた。
英治の顔を見た悦子さんは、その手を握り必死に訴えました。
「あ・・・な・・・た・・・」
「何だ?どうしたんだ?」
「こ・・・ろ・・・し・・・て・・・こ・・・ろ・・し・・・て・・・(泣」
悦子!・・・・あああああーーー!悦子!悦子!悦子!(泣」
泣いている二人の姿を見ながら、いつのまにか行介も涙を流していました。

 夫婦っていろんな時があるよね。
長い間一緒にいれば本気で憎む時もあれば、この人で良かったと思う時もある。
何と言ったらいいのかわからないけど、いろんな思いが複雑に絡み合っている。
英治さんが奥さんに死んでくれ!って思ったのも本気なら、
「殺して」と言った奥さんに心からすまないと思い、愛おしい感情が湧いたのも本当。
そうやっていろんな思いを自覚しながら、しょうがないなぁ、ろくでもないなぁって思ったり、やっぱり生きてて良かったって思えたり・・・
悩みながらも生きていけたらいいんじゃないのかな・・・

 そして、行介の手紙を読んだ冬子も涙を止めることができませんでした。
『どうかあなたは、これから人を信じることをやめませんように・・・・
勝手なことだと思いながらも、私はあなたが光の差す道を歩んでいけますようにと未来を願っています』


 行介と冬子が、どうか幸せを感じて生きていけますように・・・祈らずにはいられない。

 第1回 人生を変える一杯
 第2回 ひとりじゃない
 第4回 大切な人
 最終回 ささやかな幸福

うぐいす

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