2014年05月06日
2014年4月に見た映画
4月は旅行に行ったりしてたんで、5本しか見られなかったわ〜
その中ではコレは特別だ!って思えるものはなかったかな〜( ̄ー ̄;)
4月4日(金) 「バーニー みんなが愛した殺人者」 2013年 米 監リチャード・リンクレイター
テキサスの田舎町・カーセージで葬儀屋の助手として働き、その温和で思いやりのある性格から町中の人々に愛されていたバーニー(ジャック・ブラック)が町一番の嫌われ者・富豪の未亡人マージョリー(シャーリー・マクレーン)を殺してしまう。
んが、町のみんなはこぞって彼を擁護。殺人すら肯定する流れになり、裁判でも無罪になったら大変ってことで地方検事のダニーは別の町での裁判を申請し認められる。犯人が嫌われすぎていて公正なジャッジができないという理由で申請が通ることはたまにあるそうだけど、犯人が愛されすぎちゃってってのは初めてらしい。
これは実際にあった事件を元に作られた映画でメインキャストは俳優が演じ、挟まれるインタビューは実際にカーセージに暮らしていてバーニーとマージョリーを良く知っている住民のものなんだと〜!
いや〜みんなすごいズバズバマージョリーの悪口を言うから実際の住人とは思わなかったよ〜( ̄▽ ̄;)アハハ…死んでても、わたしゃここまで言えないワ。呪われそうだし。
こういう構成の作りで俳優さんが住民の体を取っているのかと思った。
バーニーとマージョリーが親しくなったきっかけは彼女の夫のお葬式。
バーニーは自分が担当した葬儀の関係者を慰めたくて、葬儀の後いつも様子を見に行ったりしていたんだよね。性格が悪くて友達もいないマージョリーをあちこちへ誘いだしているうちに気難しい彼女も心を許すようになる。彼女の方から旅行に誘ったり、財産の管理もまかせるようになり、バーニーを自分の遺産相続人にする手続きも完了。
しかし徐々に彼女はバーニーを召使のように扱うようになり、縛りもキツく、自由な行動は一切許さないようになる。逃げるのもダメ。仏のバーニーも精神的に追い詰められ、ついに彼女を撃ち殺してしまう。
いや〜バーニーってさ、確かに誰に対しても優しいし思いやりにあふれているんだけどデキすぎ君ぽくてコワイと思ってしまったわ〜
安月給だというのに、いろんな人に贈るためプレゼント品を大量に購入しているのも病んでる感じだし〜
でも、実際誰に対しても裏表なく接してきたから住民たちもこぞって「あんないい人はいない!」って訴えるんだよね?
「まさかあの人が?!」じゃなくて「あの人がする訳がない」「あの人が殺すなら仕方ない」「見逃してあげてよ〜」的に意見が統一されるって、おもしろいっちゃーおもしろいけど不気味でもある。
これは田舎町特有なのか、この町が特殊なのか・・・
てか、バーニーなら殺した段階でハッ!と思って自首するかと思ったんだけど、半年ぐらい死体を隠して普通に暮らしてたんだよね。彼女のお金を使って。
ジャック・ブラックは本当にいい人なんだろうな〜という中に、でももしかして・・?という1%の疑惑をうまく感じさせてくれたと思います。
ちょっと変わったタイプの映画でした。
ずっと見ようと思っているのに見逃している「スクール・オブ・ロック」見ねばと思ったぞ。
「俺たちニュースキャスター」も町山さんが褒めてたしな。まず、こっち見てみるか?
![バーニー みんなが愛した殺人者 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51CE6hy5pOL._SL160_.jpg)
その中ではコレは特別だ!って思えるものはなかったかな〜( ̄ー ̄;)
4月4日(金) 「バーニー みんなが愛した殺人者」 2013年 米 監リチャード・リンクレイター
テキサスの田舎町・カーセージで葬儀屋の助手として働き、その温和で思いやりのある性格から町中の人々に愛されていたバーニー(ジャック・ブラック)が町一番の嫌われ者・富豪の未亡人マージョリー(シャーリー・マクレーン)を殺してしまう。
んが、町のみんなはこぞって彼を擁護。殺人すら肯定する流れになり、裁判でも無罪になったら大変ってことで地方検事のダニーは別の町での裁判を申請し認められる。犯人が嫌われすぎていて公正なジャッジができないという理由で申請が通ることはたまにあるそうだけど、犯人が愛されすぎちゃってってのは初めてらしい。
これは実際にあった事件を元に作られた映画でメインキャストは俳優が演じ、挟まれるインタビューは実際にカーセージに暮らしていてバーニーとマージョリーを良く知っている住民のものなんだと〜!
いや〜みんなすごいズバズバマージョリーの悪口を言うから実際の住人とは思わなかったよ〜( ̄▽ ̄;)アハハ…死んでても、わたしゃここまで言えないワ。呪われそうだし。
こういう構成の作りで俳優さんが住民の体を取っているのかと思った。
バーニーとマージョリーが親しくなったきっかけは彼女の夫のお葬式。
バーニーは自分が担当した葬儀の関係者を慰めたくて、葬儀の後いつも様子を見に行ったりしていたんだよね。性格が悪くて友達もいないマージョリーをあちこちへ誘いだしているうちに気難しい彼女も心を許すようになる。彼女の方から旅行に誘ったり、財産の管理もまかせるようになり、バーニーを自分の遺産相続人にする手続きも完了。
しかし徐々に彼女はバーニーを召使のように扱うようになり、縛りもキツく、自由な行動は一切許さないようになる。逃げるのもダメ。仏のバーニーも精神的に追い詰められ、ついに彼女を撃ち殺してしまう。
いや〜バーニーってさ、確かに誰に対しても優しいし思いやりにあふれているんだけどデキすぎ君ぽくてコワイと思ってしまったわ〜
安月給だというのに、いろんな人に贈るためプレゼント品を大量に購入しているのも病んでる感じだし〜
でも、実際誰に対しても裏表なく接してきたから住民たちもこぞって「あんないい人はいない!」って訴えるんだよね?
「まさかあの人が?!」じゃなくて「あの人がする訳がない」「あの人が殺すなら仕方ない」「見逃してあげてよ〜」的に意見が統一されるって、おもしろいっちゃーおもしろいけど不気味でもある。
これは田舎町特有なのか、この町が特殊なのか・・・
てか、バーニーなら殺した段階でハッ!と思って自首するかと思ったんだけど、半年ぐらい死体を隠して普通に暮らしてたんだよね。彼女のお金を使って。
ジャック・ブラックは本当にいい人なんだろうな〜という中に、でももしかして・・?という1%の疑惑をうまく感じさせてくれたと思います。
ちょっと変わったタイプの映画でした。
ずっと見ようと思っているのに見逃している「スクール・オブ・ロック」見ねばと思ったぞ。
「俺たちニュースキャスター」も町山さんが褒めてたしな。まず、こっち見てみるか?
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4月22日(火) 「ヒッチコック」 2012年 米 監 サーシャ・ガヴァシ
見終わった後、『TAROの塔』の二人を思いだしました。
互いになくてはならない半身のようでありながら、夫婦というよりも戦友のようだった岡本太郎と平野敏子。
敏子が「岡本太郎」という芸術家を支え、創り上げたようにアルマという女性なしではヒッチコックは天才でい続けることはできなかったのかもしれない。
新しい企画を模索中のヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)は実在の殺人鬼エド・ゲインを題材にした小説に心奪われ映画化を決定。でもあまりにも猟奇的な内容のためB級作品になるのでは?という不安から妻のアルマ(ヘレン・ミレン)の賛同は得られなかった。
しかし、ヒッチコックの監督としての才能を確信しているアルマは「主演女優が中盤で殺されるんだ」という話に興味を持ち、「始まって30分で殺されるのはどう?」と提案する。乗せられちゃったのね〜
この映画は『サイコ』制作裏話(映画会社からの予算も出ず私財を投げ打ってのスタート、製作中は妻の浮気疑惑が気になって集中できず、やっと完成するも不評、妻のアドバイスで編集やり直し、上映館も少なかったので口コミで客を呼ぶため独自の上映スタイルをひねり出す等)を軸に独特な絆で結ばれたアルマとヒッチコックの関係を描いております。
奥さんのアルマは映画編集者であり、脚本家であり、ヒッチコックにダメ出しができ、そのダメ出しをヒッチコックが受け入れる唯一の人だった。
彼女の名前はほとんどクレジットには出なかったそうだけど、その仕事ぶりは多岐に渡り、ヒッチコック作品にはなくてはならない存在だったらしい。
と言いつつも、どんな夫婦でもそうであるように葛藤の連続。
自分がそばにいるのに監督の立場を使って女優をくどいたり、嫉妬深くてアルマが他の男性と仲良さそうに話しているのを見ただけでキーー!ってなったり、たまにはヒッチコックから離れて仕事をしてみたいと思って秘密裏に動くと、365日24時間自分のために尽くせ的な発言をして拘束する。そりゃアルマだってうんざりするさ。
も〜見ていると、アンタ!アルマはお母さんじゃないんだよ!と言ってやりたくなるほど。多分妻としてのアルマと映画人としてのアルマは常に激しく闘っていたんだろうな〜と思う。
まぁ、でも映画自体は5段階評価で2.5ぐらいかな〜
芸術家は作品がすべてというか、作品の中にこそ、その人は存在するんじゃないのかね・・・
![ヒッチコック [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51eFwNpsb4L._SL160_.jpg)
4月23日(水) 「二流小説家 シリアリスト」 2013年 日本 監 猪崎宣昭
うーむ・・・おもしろかったような、そうでもなかったような・・・
何か武田真二が演技しているの、すんごい久々に見たワ〜
終ってみたら、エンディングの歌も相まって「火サス」感がじわじわと・・・
あれ?私見てたの劇場上映されたものだよな?2時間ドラマじゃないよな?と混乱させられました。
プロットは斬新だし役者さんの演技力も堅いんだけど、どこか詰めが甘いような・・・
赤羽一兵(上川隆也)は娯楽雑誌にエロ小説を書いて生計を立てている小説家。
著作は10年前母の名前を借りて書いたライトノベル「恋するヴァンパイア」一冊のみ。
そんな彼の元に殺害した女性達をバラバラにして撮影した写真を警察に送ったことで12年前「シリアル・フォト・キラー」と世間を騒がせた死刑囚呉井大悟(武田真治)から「自分の告白本を書いて欲しい」という手紙が届く。
会いに行ってみると呉井の依頼は自分のファンというか熱心な信者たちと自分を主人公にした官能小説を書いて欲しいというものだった。
呉井に事件の取材をさせてもらうという約束で引き受けた赤羽は、彼に指定された女性達に会いに行くが、その後12年前と同じ手口で殺害されてしまう。
塀の中にいる呉井には不可能。もしかして12年前の犯行は呉井とは別の誰かの仕業で、彼の逮捕は冤罪だったのか?
12年前の被害者の妹千夏(片瀬那奈)・姪の亜衣(小池里奈)と共に呉井の過去を探るうちに赤羽は呉井の持つ深い闇の世界へと引き込まれていく。
「小説家」と名乗りつつもうだつがあがらず、元カノにも呆れられていた男が事件に引きずり込まれることで目覚め、一流とは言わないまでも「小説家」として本物になっていくというのがおもしろかった。
なぜ呉井はたいして有名でもない赤羽を指名したのか。
彼のエロ小説のファンだと言っていたけど、小説から伝わる赤羽という人間にシンパシー感じたのかもしれないし、文章の奥に眠っている才能を感じたのかもしれない。
ただ呉井は事件の真実を知って欲しい相手として赤羽を選んだ。
そして、この惜しい男が事件に関わり、深い闇を体験することによって本物になって欲しいという思いもあったんじゃないのかな。赤羽の作品の中で呉井は『哀しき殺人者』として永遠に生き続けるためにも。
上川隆也様はさすがの演技力で魅せてくれます。
エンドマークの後、何かシリーズ化できそうだな〜って自然に思えるのも、火サスっぽかった・・

見終わった後、『TAROの塔』の二人を思いだしました。
互いになくてはならない半身のようでありながら、夫婦というよりも戦友のようだった岡本太郎と平野敏子。
敏子が「岡本太郎」という芸術家を支え、創り上げたようにアルマという女性なしではヒッチコックは天才でい続けることはできなかったのかもしれない。
新しい企画を模索中のヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)は実在の殺人鬼エド・ゲインを題材にした小説に心奪われ映画化を決定。でもあまりにも猟奇的な内容のためB級作品になるのでは?という不安から妻のアルマ(ヘレン・ミレン)の賛同は得られなかった。
しかし、ヒッチコックの監督としての才能を確信しているアルマは「主演女優が中盤で殺されるんだ」という話に興味を持ち、「始まって30分で殺されるのはどう?」と提案する。乗せられちゃったのね〜
この映画は『サイコ』制作裏話(映画会社からの予算も出ず私財を投げ打ってのスタート、製作中は妻の浮気疑惑が気になって集中できず、やっと完成するも不評、妻のアドバイスで編集やり直し、上映館も少なかったので口コミで客を呼ぶため独自の上映スタイルをひねり出す等)を軸に独特な絆で結ばれたアルマとヒッチコックの関係を描いております。
奥さんのアルマは映画編集者であり、脚本家であり、ヒッチコックにダメ出しができ、そのダメ出しをヒッチコックが受け入れる唯一の人だった。
彼女の名前はほとんどクレジットには出なかったそうだけど、その仕事ぶりは多岐に渡り、ヒッチコック作品にはなくてはならない存在だったらしい。
と言いつつも、どんな夫婦でもそうであるように葛藤の連続。
自分がそばにいるのに監督の立場を使って女優をくどいたり、嫉妬深くてアルマが他の男性と仲良さそうに話しているのを見ただけでキーー!ってなったり、たまにはヒッチコックから離れて仕事をしてみたいと思って秘密裏に動くと、365日24時間自分のために尽くせ的な発言をして拘束する。そりゃアルマだってうんざりするさ。
も〜見ていると、アンタ!アルマはお母さんじゃないんだよ!と言ってやりたくなるほど。多分妻としてのアルマと映画人としてのアルマは常に激しく闘っていたんだろうな〜と思う。
まぁ、でも映画自体は5段階評価で2.5ぐらいかな〜
芸術家は作品がすべてというか、作品の中にこそ、その人は存在するんじゃないのかね・・・
![ヒッチコック [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51eFwNpsb4L._SL160_.jpg)
4月23日(水) 「二流小説家 シリアリスト」 2013年 日本 監 猪崎宣昭
うーむ・・・おもしろかったような、そうでもなかったような・・・
何か武田真二が演技しているの、すんごい久々に見たワ〜
終ってみたら、エンディングの歌も相まって「火サス」感がじわじわと・・・
あれ?私見てたの劇場上映されたものだよな?2時間ドラマじゃないよな?と混乱させられました。
プロットは斬新だし役者さんの演技力も堅いんだけど、どこか詰めが甘いような・・・
赤羽一兵(上川隆也)は娯楽雑誌にエロ小説を書いて生計を立てている小説家。
著作は10年前母の名前を借りて書いたライトノベル「恋するヴァンパイア」一冊のみ。
そんな彼の元に殺害した女性達をバラバラにして撮影した写真を警察に送ったことで12年前「シリアル・フォト・キラー」と世間を騒がせた死刑囚呉井大悟(武田真治)から「自分の告白本を書いて欲しい」という手紙が届く。
会いに行ってみると呉井の依頼は自分のファンというか熱心な信者たちと自分を主人公にした官能小説を書いて欲しいというものだった。
呉井に事件の取材をさせてもらうという約束で引き受けた赤羽は、彼に指定された女性達に会いに行くが、その後12年前と同じ手口で殺害されてしまう。
塀の中にいる呉井には不可能。もしかして12年前の犯行は呉井とは別の誰かの仕業で、彼の逮捕は冤罪だったのか?
12年前の被害者の妹千夏(片瀬那奈)・姪の亜衣(小池里奈)と共に呉井の過去を探るうちに赤羽は呉井の持つ深い闇の世界へと引き込まれていく。
「小説家」と名乗りつつもうだつがあがらず、元カノにも呆れられていた男が事件に引きずり込まれることで目覚め、一流とは言わないまでも「小説家」として本物になっていくというのがおもしろかった。
なぜ呉井はたいして有名でもない赤羽を指名したのか。
彼のエロ小説のファンだと言っていたけど、小説から伝わる赤羽という人間にシンパシー感じたのかもしれないし、文章の奥に眠っている才能を感じたのかもしれない。
ただ呉井は事件の真実を知って欲しい相手として赤羽を選んだ。
そして、この惜しい男が事件に関わり、深い闇を体験することによって本物になって欲しいという思いもあったんじゃないのかな。赤羽の作品の中で呉井は『哀しき殺人者』として永遠に生き続けるためにも。
上川隆也様はさすがの演技力で魅せてくれます。
エンドマークの後、何かシリーズ化できそうだな〜って自然に思えるのも、火サスっぽかった・・

4月29日(火) 「凶悪」 日本 監 白石和彌
見終わってどんより・・・(��д��ll)
これは実際の事件を追ったノンフィクション「凶悪 -ある死刑囚の告発-」の映画化です。
スクープ雑誌「明潮24」編集部に東京拘置所に収監中の死刑囚・須藤純次から手紙が届き、上司の指示で記者の藤井(山田孝之)が会いに行った。
面会室で須藤は警察に言っていない余罪が3件あり、その首謀者は、“先生”と呼ばれていた木村孝雄(リリー・フランキー)という不動産ブローカーであること、記事にしてもらうことによってシャバでのうのうと暮らしている木村を追い詰めたいのだと話した。
その告白に興味を抱いた藤井は「記事にはならない」という上司の言葉を無視し裏を取り始め、徐々に須藤と木村たちの犯罪の世界へとのめりこんでいく。
何と言うか〜実際に起きた犯罪ものだと「冷たい熱帯魚」みたいな感じなのかな〜と思ったけど、あそこまで作りこんだ感じじゃないんだよね。
も〜次々繰りひろげられる悪行にひーーーーーーーー!とか思いながら見ているだけ。何かドキュメンタリーみたいな感じなんだよな〜
だから余計嫌なものが残るのかも。かなりグロい場面もあるし。
でも、ドキュメンタリーよりも響くものがないというかーー
何だろ・・・「悪の教典」を見た後の虚しい感じとちょっと似ている。
おおざっぱに分けると藤井の取材場面と実際の犯罪実行場面、逮捕後の場面になるんだけど、何で須藤たちがここまで残虐(須藤と木村の残虐の質は微妙に違う)になるのかということは一切描かれない。内面ではなく行動が淡々と描かれている。
彼らが自分たちのした行為をどう思っていたのかは多少は伝わってくる。
木村は実際手を下していない(死体を燃やす時点火したり、保険金殺人の被害者にスタンガン当てたりはした)から、ターゲットを決めて作戦を考え指示するという一連の流れを事務的に捉えていたんだろうな〜と思う。木村はまだまだやれたし、やることにも何の迷いも罪の意識もなかったと思う。
須藤は猜疑心が強く人の裏切りに敏感な男。彼の中では殺人は裏切りへの制裁という理由付けができていたと思う。須藤にとっては残虐な行為や殺人よりも、人を信じられない地獄の方が重かったのかもしれない。
残酷な場面の連続のみでコワイ話もあるもんだよ・・・で終わらせたくなるんだけど、そうさせなかったのは取材しているうちに木村達の事件に憑りつかれ『正義』の名のもとに彼らを追い詰めることに夢中になっていく藤井と、藤井の妻で認知症の義母の介護に疲れきっている洋子(池脇千鶴)の存在があったから。この役は、この二人じゃなきゃできなかったと思う。
藤井は洋子に何度介護の辛さを訴えられても、仕事を理由にまともに聞こうとしなかった。
義母が陽子を叩くところを見ても見ぬふり。その義母を叩くことに罪の意識もなくなったという妻の地獄も黙殺。取材の結果は出版され世間に大きな反響を与えたけど、それでも藤井は終らないと言う。
そんな藤井に洋子が言い放った言葉。
「ただ面白かったから取材したんでしょ。悔しいけどあなたの記事おもしろかった。
こんな悲惨な殺され方したんだなって」
私がこの映画を見たいと思ったのも同じなのかもしれない。
残酷なものに惹かれる心、正義の名のもとに断罪する優越感と喜び、凶悪なものにすがりついた藤井の中にも凶悪はある。いや凶悪なものへの欲望を満たすために事件に飛びついたのかもしれない。
リリー・フランキーさんとピエール瀧さんというキャスティングは絶妙だったと思います。5段階評価で2。好きな映画ではないです。
![凶悪 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51kPgKuNp5L._SL160_.jpg)

4月30日(水) 「浮き雲」 1996年 フィンランド 監 アキ・カウリスマキ
この映画はアキ・カウリスマキ監督『負け犬三部作』の一作目で、出演するはずだったマッティ・ペロンパーさんに捧げられています。
ゴージャスそうなレストランでのピアノの弾き語りから始まり、なんかいつもと違う雰囲気。ここはヘルシンキにある”ドゥブロヴニク”というレストラン。
今は客も少ないけど、かつては名門レストランとして名をはせたらしい。高級レストランで食べるような人が主人公って珍しいな〜って思ったら、ここで働く給仕長のイロナ(カティ・オウティネン)でした。
彼女のキャラ紹介エピソードの場面が笑えた。料理長がアルコール依存症で定期的にナイフを手にして業務拒否するみたいなんだけど、まず大男の同僚が取り押さえに行く(その場面は見えない)んだけど手を切られ戻ってくる。
その後にイロナが行って(見えないけど)パシーン!と叩く音がして・・・うなだれた姿の料理長がとぼとぼと現れ、イロナは包丁をまな板の所に戻し、大男の手当てをしたあと、厨房のみんなに「仕事に戻って」と告げて去っていく。淡々と騒ぎをおさめる。度胸もあるし仕事も早い。いつものアキ・カウリスマキらしい場面でした。
仕事が終わり店の前に立っていると市電が停まり彼女を乗せる。
イロナが運転手にキスをすると扉が閉まる。運転手は夫のラウリ(カリ・ヴァーナネン)。市電の中は二人の世界。
駅に電車をしまうと、車に乗り換え帰宅。部屋についたら、さりげなくイロナのオーバーを脱がしてあげるラウリ。そして目隠しをして彼女をソファに座らせ、買ったばかりのソニーのTVをお披露目。ここまで会話はないんだけど、二人が愛し合っており、この日常を大切にしていることが伝わってくる。そうそう、いつものようにわんこもいますよ〜尻尾をぶんぶん振る姿がかわいい。
てか、部屋も広めだし〜家具も結構あるし〜カラーテレビもあるし〜な〜んか今まで見たアキ・カウリスマキの作品の中じゃ一番裕福なんじゃ?と思っていたら、あっと言う間にラウリがリストラされ、イロナもレストランが大手チェーン店に乗っ取られクビになってしまう。夫婦そろって失業。二人とも年も年だからなかなか仕事は見つからない。やっとラウリが長距離観光バスの運転手に採用されたと思ったら、健康診断で片耳に異常がみつかり採用取り消し。運転免許まで取り消されてしまいラウリは失意の底に沈む。
途中、イロナが道に立っていても、もう電車は停まってくれず、すーーーーっと行きすぎていく場面が悲しかった。
何とかイロナが小さな食堂みたいなとこに雇われるんだけど(紹介料500マルカぼったくられたため貯金解約するはめに)、オーナーからは給料払ってもらえず、ラウリが文句を言って給料を請求しに行ったらボッコボコにやられてしまう。アキ・カウリスマキ映画を見慣れているみなさんには、これぐらいの不幸序の口ですね。
その後、かつての同僚と再会したイロナは一緒にレストランを開くことにするが、銀行では資金を貸してもらえず、車を売ったお金を増やそうとカジノに行くも全額すってしまうという笑ってしまうほどの不運ぶり。
事態が急に好転するのもいつも通り。美容室で働こうとしたイロナが偶然”ドゥブロヴニク”のオーナーだったスヨホルム夫人と再会。酒を酌み交わしているうちに援助するからレストランをやりなさいと言ってくれたので、夫と共にかつての仲間を呼び寄せ準備を始める。
この時、あのアルコール依存症の料理長を見つけ出して施設に入れて病気を治してから迎え入れている場面があったんだけど、ほっとするというかにやりとしてしまうというか・・・。特に情の部分を描こうとはしていなくてすべてが淡々と進むんだけど、ちゃんとこの人も勘定に入ってたのね〜って感じで。
そしてレストランオープンの日。お昼になってもお客さんが来なくて従業員全員で立って不安そうにしているんだけど、徐々に客が入り、気づけば満員に。
ほっとして外で煙草を吸いながら空を見上げるイロナ。わんこを抱っこしたラウリが現れ彼女の肩を抱く。
2人と一匹で見上げた空には浮き雲が・・・・多分輝いていたはず。
何か無言で空を見つめている姿に自然と微笑んでしまうというか、良かったねぇ、頑張ってねと清々しい気持ちで思える。
全体的にあっさりしたテイストだけど、ラストの二人と一匹の姿がすべてかも。
人生って悪くない。やっぱりアキ・カウリスマキ監督の世界は好きだなぁ・・・
![真夜中の虹/浮き雲 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/512VRE6AMFL._SL160_.jpg)

