ドラマ10 「紙の月」 最終回 誰のための愛│「医龍4 -Team Medical Dragon-」 第5話 天才麻酔科医が決断する

2014年02月06日

「ル・アーヴルの靴みがき」 2011年 仏/独/芬 監 アキ・カウリスマキ

 年末にwowowで録画しておいたものを見ました。
アキ・カウリスマキ監督の作品は久しぶりです。
「マッチ工場の少女」「コントラクト・キラー」「ラヴィ・ド・ボエーム」「白い花びら」までは見たかな〜
突き放したような淡々とした描き方、不幸過ぎて笑っちゃうというような独特のユーモアセンスが好きでした。
主演俳優のマッティ・ペロンパーが亡くなってからは見なくなってしまった。

 この作品は「ラヴィ・ド・ボエーム」の後日譚で、三人組の一人、
作家だったマルセルを中心に描いております。

いや〜「ラヴィ・ド・ボエーム」見たはずなんだけどね〜(-_-;ウーン
うすぼんやりとしか思いださんのよ〜
で、昔買ったパンフレット読みなおしたんだけど、
それでも、もやがかかった感じにしか記憶が戻らないわ〜

 で、「ル・アーヴルの靴みがき」デスヨ。
やっぱりこの監督の描く世界が好きだわ。
この監督さん、昔より優しくなったんでない?

 それと主役のおじさんが結構喋るからびっくりした。
アキ・カウリスマキ監督の映画に出てくる人って
寡黙な人が多かった印象だからさ〜。
あえて喋らないというコミュニケーション手段をとっているというか・・・

 今回のマルセルも物静かな方には入ると思うけど、お馴染さんとは普通におしゃべり楽しんでるし黙っていても心の中から語りかけている思いが伝わってくる。
昔は黙っていたら、本当に「無」って感じだったんだよな・・・
でも、独特の間と変なおかしみは相変らずで、飾り気のない画面を見ていて何度もニヤリとしてしまったわ。
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 ル・アーヴルの駅前でお仲間のチャング(クォック=デュン・グエン)と立って客を待っているマルセル(アンドレ・ウィルム)の姿から始まります。
歩く人々の足をずーーっと見つめている。
ほどんどがスニーカーで、なかなか革靴の人が通らない。
で、やっと革靴の男が現れ、椅子に座る。靴汚れてないけどね。

 いや〜この初老の男のかっちょいいこと。
危険なムードと抑えの効いたシャレた渋いファッション。
お名前がわからないんだけど、この男が遠巻きに見張っていた男たちに
殺される(音とマルセル達の表情のみ)・・・

「かわいそうに」チャング
「金は払ってくれた。逃げようか。巻き込まれる前に」


 けろっと言い放ち去っていくマルセル。
アキ・カウリスマキ監督らしい展開にすぐに引き込まれました。

 
 仕事を終えたマルセルは妻の待つ家へ。
この奥さん・アルレッティがカウリスマキ監督映画の御常連、カティ・オウティネンさ〜ボヘミアン生活の果てにホームレスになって側溝で倒れていたマルセルを救ってくれたらしい。

「帰ったよ」
「そうね」


 向き合って交わす短い会話。
それだけで二人の静かで堅い絆が感じられる。
このカティ・オウティネンさん、言うたらブサイクですワ。
今回は柔らかい表情が多いけど、「マッチ工場の少女」の時はず〜っと仏頂面でさ、そりゃアンタ不幸に見舞われるよって言いたくなるような拒絶が感じられる佇まいだった。

 それ以降も、どこが憮然としたというか、無表情に見える表情。
でも、そこがいいんだよな〜
なんか見ている者の心に何かを喚起させる顔なんだろうね。
ずっと見ていたくなる。

 アルレッティは、いい奥さんだよ〜
マルセルが稼ぎを差し出すと「今日も頑張ったわね」とその中から札を渡し、食事を作る間に「食前酒でも飲みに行けば」
で、マルセルは愛犬のライカを連れていつものバーへ。
そこでは常連たちのお喋りをぼんやりと聞いたり、マダムのクレール(エリナ・サロ)と気の置けない会話をしたり。
幸せな日々ですョ・・・

 んが、アルレッティが体調を崩し入院してしまう。
実は彼女は、ずっと具合が悪かったのに
マルセルには言わないで我慢していたのさ〜。
多分末期癌的なアレで余命わずからしい。

「わずかな望みもない?」アルレッティ
「・・・奇跡が起こるかも」医師
「近所じゃ起きてないわ」


 アルレッティは医師に自分の病状を夫には伝えないよう頼み、お見舞いにも来ないよう言ったのでマルセルは彼女の退院を楽しみに待っている。
そんな時、マルセルは密入国し逃亡中の少年イドリッサ(ブロンダン・ミゲル)と出会い、彼を匿い面倒をみる。

 イドリッサはアフリカからおじいさんや他のお仲間と一緒にロンドン行のコンテナの中に隠れて密入国したんだけど、警察立ち会いの元、コンテナが開けられた時、隙をみて逃げた。
ロンドンには、すでに密入国に成功したお母さんがいるらしい。

 マルセルがイドリッサを匿っているのを知ると、ご近所のみなさんは、あうんの呼吸で協力をしてくれるんだよね。
ツケを払ってよっと催促していたいたパン屋のイヴェット(イヴリーヌ・ディディ)(『ラヴィ・ド・ボエーム』のミミ)も、マルセルを見ると店を締めていた八百屋も無料で食料を渡してくれる。
マルセルも流れ流れてこの町に住みついたんだけど、他のみんなも多分脛に傷持つ身。移民として苦労してIDを取得し、やっと手に入れた生活だ。
イドリッサを庇いたくもなるさね。

 でも、そんな町内の中にも、ひねくれ者がいて、
イドリッサのことを警察に密告したもんだから、
マルセルの周りをモネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン )がうろつくようになる。

 このモネ警視が、また妙な雰囲気で、らしいキャラクターなんだよ。
なんかさ、カウリスマキ監督の映画に出てくる登場人物って似顔絵が描きやすいよね。
どうやら彼はクレールの夫を逮捕しようとして死なせてしまった過去があるらしい。
その償いの意味もあるのか、クレールと親しいマルセルを立場を越えて助けようとする。

 マルセルは移民センターに移送されたイドリッサの祖父の居場所を探し、うまいこと所長に嘘をついて面会し、イドリッサを母親の元に届ける約束をする。知り合いの船に乗せて密入国させるには3000ユーロという大金が必要だから、マルセルは地元のシンガーに頼みチャリティコンサートを企画する。いろんな人がイドリッサのために、ひとつ返事で引き受け動いてくれる。

 この映画を見ていると、語らないことはなんと美しいんだろうと思う。
ブログでだらだらと語り続けている私が言うのもなんだけどさ( ̄▽ ̄;)

 知性と繊細さ、背負った運命の重さが伝わってくる美しい目をしたイドリッサを演じたブロンダン・ミゲルは適役だ。
彼がマルセルに頼まれ、アルレッティにドレスを届けに行く場面が好きだ。

「マダム、早く治って。
マルセルはあなたがいないと」イドリッサ
「わかってるわ」アルレッティ


 短い付き合いだったけど、イドリッサはマルセルを理解し、愛情を感じた。
マルセルを通して繋がったイドリッサとアルレッティは握手をして別れる。

 さて、コンサートは大成功。
資金も調達できましたョ〜
イドリッサの出国の準備をしようとしていたら、モネ警視が家に現れました。ヒヤリとして厳戒態勢に入るマルセルなんだけど・・・・

「君にも信じられんかな・・・
私にも優しさがあるということを。
真の悪党にはひどく冷酷なんでね。
だが無垢な人の苦悩は耐えられない」モネ


 奥の部屋にはイドリッサが隠れている。
背後に回ったマルセルは、もしもの時にはやっつけようと熱いアイロンを手にしている。くるりとモネ警視が振り返るから、アイロンをおろすんだよね (* ̄m ̄)プッ

「君のことじゃないぞ。
君は無垢な人ではない」モネ
「自分でわかってます」マルセル


 実はモネ警視はガサ入れが入ることをさりげなく教え、早くイドリッサを出国させるようアドバイスしにきてくれたのさ。
その後、警察が大勢で押しかけた時はイドリッサはマルセルの家から消えていた。
ご近所のみなさんとの連携プレーでイドリッサが港に運ばれる場面はヒヤヒヤすると共に誇りをもって嘘をつくみなさんの姿に嬉しくなってしまったわ〜

 出港直前にも追いかけてきた警察に見つかりそうになるんだけど、そこでもモネ警視が助けてくれる。

「あなたを誤解していた。
お詫びに一杯どうです」マルセル
「カルバドスなら」モネ


 バーの入口でどうぞ、いやあなたからと譲り合う二人がかわいい。

 そして、やっとマルセルはアルレッティを迎えに行くんだけど、病室は片付いており、この前イドリッサに持って行ってもらったドレスが入っていると思われる包みが置いてある。
神妙な顔で看護師に医師の元へ案内されるマルセル・・・・

 も〜会えないまま死んじゃったのかしら〜
医師から説明が・・・

「残念ですが、
なぜこうなったのか医学では説明不能です。
診察結果とは正反対で・・・・
上海では突然回復した患者がいたそうですが・・・
ここフランスでは・・・」医師


 ふと見ると、アルレッティがあのドレスを着て立っていた。

「治ったわ。
完全に病気が消えたの。
家に帰りましょ。マルセル」


 大げさに喜びあうわけでもなく、ただアルレッティを見つめるマルセル。

 自宅に着いたら、ライカの鳴き声がする。青空。

「見て。桜が満開だわ」
「・・・・・・」


 この桜もりっぱな木じゃなくて、
細くて花はまぁまぁついているけど小ぶりな感じ。
でも、そこがこの二人らしい幸せって雰囲気でいいんだよね。
これはクールで優しいおとぎ話なのかもしれないけど、
見た者の心に灯りをともしてくれる。
カウリスマキ監督の映画はやっぱり癖になる。

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「過去のない男」レンタル予約入れちゃった。
でも「浮き雲」は廃盤になっていて借りられなかった〜
そんな〜(-_-)

matakita821 at 18:51│Comments(2)│ このエントリーをはてなブックマークに追加 │映画 

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1. ル・アーヴルの靴磨き  [ 昼寝の時間 ]   2014年02月07日 13:49
2011年 フィンランド・仏・独 93分 原題「Le Havre」 公式サイト

この記事へのコメント

1. Posted by Largo   2014年02月07日 13:48
こんにちわ〜

わーい、ご覧になられたのですね(^○^)/
>いや〜この初老の男のかっちょいいこと。
気になるですよね?!
ジャン=ピエール・レオと知って、すっごく懐かしかったです。
>なんか見ている者の心に何かを喚起させる顔なんだろうね。
>ずっと見ていたくなる。
ほんと、惹きつけられましたわ。
マルセルが大事にしたくなる気持ちがよくわかる。
マルセルとモネの会話、しみじみと粋でしたね。
こういうセリフがまた、よく似合うお二人でした。
>でも、そこがこの二人らしい幸せって感じでいいんだよね。
そうそう、二人らしい幸せ、ですよね。
日本人の感覚だと桜は春を表す象徴なのですけれども、この作品の桜は季節の訪れを表しているようには見えませんでした。
そこが何ともおとぎ話的と言うか、小ぶり感とともに余韻が残る、何度もかみ締められる作品でした。
2. Posted by きこり→Largoさん   2014年02月07日 21:12
見て良かったですよ〜
登場人物一人一人が吟味されているというか、アキ・カウリスマキ監督の世界だな〜って
懐かしくなったというか・・・
この淡々とした世界が好きなんだと思います。
レンタルしたんでいろいろ見直すつもりです。
この監督の映画短いし〜(笑
>マルセルが大事にしたくなる気持ちがよくわかる。
ほんとほんと。
多分会った時からお互いに惹かれ合ったんじゃないかな。
ただ見つめ合う場面が素敵でした。
>こういうセリフがまた、よく似合うお二人でした。
シャレた二人だったよね〜大人だけどかわいい。
ファッションも好きだったな〜
>小ぶり感とともに余韻が残る、何度もかみ締められる作品でした
ね〜!
アレが大木ですんごくきれいな桜の木だったら違う印象になったと思う。
細い木だったけど、二人の目にはりっぱな桜の木に見えていたのかな。
本当におとぎ話のようなラストだけれど、しみじみと良かったねえ・・って言いたくなるような
おもしろい映画でした。

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