「三匹のおっさん〜正義の味方、見参 !! 〜」 第2話 悪徳商法を退治!!「みなさん、さようなら」 2012年 日本 監 中村義洋

2014年01月29日

ドラマ10 「紙の月」 第四回 楽園の終わり

 バレそうでバレない梨花の横領・・・・
コレ、来週最終回だけど、ちゃんと収拾つくのかな〜?ちょっと心配・・・
その辺も「書店員ミチルの身の上話」を彷彿とさせるわ〜
HPはこちら

 さて、逃亡中の梨花(原田知世)は食堂で同席した旅行者が梨花の事件が載っている週刊紙を持ってたんで、ドキリ。
でも、その人は週刊紙自体に興味がなかったようでバレずに済みました。

 わたしゃ、梨花の性格だったら横領発覚したら、潔くお縄にかかるのかと思ったんだけど、
逃げてしまったのは、そして捕まりたくないと思うのは本能なのかな。
それとも、帰っても居る場所がないという思いが遠くへと行かせるんだろうか。

 旅行者からビザなしで滞在期限が切れそうになったら国境を越えて旅をし続ける方法があると聞いた梨花はその可能性をぼんやりと考えていました。

『そんな事は私には許されないだろう。
国境を越えようとすれば、イミグレーションで正体がバレて捕まるにきまっている。
それでも不可能だと思う傍らで、もしかしてと思う自分がいる。
1%でも可能性があるのではないかと。心がざわつく。
けれど、その1%にすがって進みづづけることを選びたいかどうか・・・
今の私にはわからなかった』


 木綿子(水野真紀)が梨花のことで取材を受けた記事はそれなのかしら・・・
『アラフォー女性の心の闇 彼女たちの悲鳴』ですってョ。
このタイトルを見て、身に覚えのない人ってあまりいないかもね。
亜紀(西田尚美)も、まるで自分のことが書かれているような気になる。

 梨花の事件がTVを賑わすこともなくなった。
「その方がいいでしょ、梨花にとっては」亜紀
「そうだけど、梨花ちゃんの気持ちも何もわかってないのに『一億円横領』ってことだけで終るんだね」木綿子

 娘との関係に悩む亜紀、夫の浮気疑惑を問いただせない木綿子。
二人が梨花のことを話題にせずにいられないのは、梨花が事件の果てに何を見たのかが知りたいから。

紙の月子守唄


 梨花と顧客との良好な関係は続き、それは横領操業も続くと言うことを意味していた。
そして光太(満島真之介)との関係は蜜月を過ぎ、欠け始めていた。
スウィートルームで過ごすことに慣れてきた光太が部屋で手料理を食べたり、普通の過ごし方がしたいと言い出したため、光太のために高層マンションに部屋を借りました。

 いや〜一億なんてそうそう無くならないでしょって思ってたけど、こりゃ、金がいくらあっても足りないわね〜
カード利用額は一枚につき100万以上。
毎月何百万使ったんだろ・・・

『何でもできる。どこへでも行ける。
自分ではない自分を演じ続けるために私はお金を使い続けた』


 もはや何の感覚もない。
万能感もとっくに消えた。
ただ光太との時間のためにお金を回しているだけ。

『いつかまとめて返すのだと、必ず返すのだと、その希望を捨てないことで
私はかろうじて本当の現実に引っ掛かっていた』


 光太は映画の夢も捨て、梨花が与えてくれる日々を享受するだけになっていました。
「金のために魂売って、あくせく働くなんてバカバカしいよな」と言いだしましたぞ。
「人生にはもっと大事なことがあるってわかった。
まともに、必死に働いたって手に入るお金はたかが知れてるんだしね。
金に支配されるんではなくて、こっちが金を支配することを考えないと。
金なんてそれぐらいのもんだって、梨花さんに教えてもらった気がする」光太

 すっかり勘違いしちまったよ・・・・
大学も辞めちゃったらしい。株で金を稼ごうとしているようです。
いつしか真面目に働いている者を見下すようになってしまった。
梨花が彼をスポイルしてしまったんだよね。
過保護な母親のように、求められる前に与え続けた。

 何かを差し出さなければ愛されないと思い込んでいた梨花。
でも出会った頃の光太は、あるがままの梨花を愛しいと思ってくれていたのに。
その瞬間を繋ぎとめたくてお金を使ったことで、二人で作れたかもしれない幸せも、彼自身をも壊してしまった。
梨花の罪は深い・・・

 正文(光石研)が上海から帰宅。
二人で外食をしたんだけど、自分が払うことが普通になっちゃってる梨花はいつも通りスマートにカードで支払いを済ませました。
その後、正文としては精いっぱいの譲歩で、もうすぐ上海勤務も終わるから来なくていいよと許可を与えたんだけど空回り。抱いてわだかまりを霧散させようとしたけど突き飛ばされ・・・
お嬢様育ちの梨花や両親を満足させるために、自分がどんなに努力してきたかを訴えましたが・・・

「いらないのよ。・・・・・・・あなたの許しはもういらないの。もう遅いから」梨花
「遅いなんてことないよ!」正文
「ううん。もう遅いの」
「君はやっぱり!・・・・・君はやっぱり変わったな」

 変わったのではない。でも、本来の自分に戻った訳でもない。
正文の前で頑張っていた従順な妻の自分と光太の前の怯えが消えたような堂々とした大人の女性。
どちらも本当の自分ではない。
梨花が求めているのは、子供の頃のように無自覚でいられる幸せな時間なのかな・・・

 さて、娘の沙織(南乃彩希)から電話をもらい嬉しかった亜紀は洋服を見立て、買ってあげました。
「娘のため」という理由ができたから罪の意識なく買い物ができる。
そのおかげで娘から感謝の言葉も聞けたし、いい関係になれたように思える。
離婚の本当の理由を言うのは、もうやめた。

 表面的には仲良しの友達親子って感じにしちゃってるけどーーー
親は親であって友達ではないと思ふ・・・まやかしだよ。

 沙織もすぐにおねだりをするようになってしまった。
まぁ、娘が母親に甘えるのは普通だけど、この子は亜紀が自分に対して罪の意識を持っている事に気付いて、そこを突いているような気がする。

 お金は本当に怖い。
お金になんかに気持ちを左右されないって言いたいけど、嘘になってしまう。
友情だって恋愛だって、金が絡むとその関係は微妙に影響を受ける。
その相手のために使いたいって断言できるならさっぱりしたもんだけど、無自覚に引きだされたお金はしこりになる。お金が関係を変えてしまうのか、お金が真実を見せてしまうのか・・・

 木綿子のところでは・・・
娘のちかげ(原涼子)が節約生活のことで友達からからかわれ反発心を強めております。
そして、高額食事のレシートのことが言いだせない木綿子は真一(甲本雅裕)に探りを入れようとして自爆。
険悪な雰囲気になってしまいました。

 何か二人の夫婦喧嘩の場面がリアルすぎて笑ってしまったわ〜( ̄▽ ̄;)アハハ…
しかし、いくらお弁当とお茶持たせているって言っても1万はキツイよねぇ・・・
部下に奢る事態も起こるだろうし、断れない付き合いだってあるだろうしさーー
何よりがっちり管理されているという状況が重いわーーー

 そして、浮気疑惑はぬぐいきれない。
ついに夫が席を外した隙に携帯をチェック!
しようとしたらロックがかかっていて見られないーー!
パスワードを解こうとして鬼のように連打する姿を影からちかげちゃんが覗いてるよ。
結局、浮気かどうかはわからんけど「まりちゃん」なる女性と連絡を取り合っていることが判明。 

 さて・・・ついに横領発覚の日が?!
顧客の一人が息子夫婦の家新築頭金のため定期預金500万円分を解約するって言いだしたのさーーー
青ざめたのもつかの間、梨花は「スーパーゴールド定期預金」というありもしない商品を作り、顧客に売ってお金を作りました。足りない分は街金でキャッシング。
その行為はカードの利用分を支払う時や顧客が解約を申し出た時、銀行のノルマを埋めるために繰り返された。

『お金のつじつまを合わせるためだけに、私は走り続けた。
もう止まれなかった。
現実から逃れるためには、どんなことをしても走り続けなければならなかった。
止まれば、現実に捕まってしまうのだから』


 梨花のしていることはとんでもない犯罪だ。
でも、彼女を悪人とは思えない。
それは原田知世さんが演じているからってのも大きいけど、
梨花には愛されたい、必要とされたいという祈りのような願いしかなかったことがわかるから。
でも、やり方を間違えてしまったんだよね。

 風邪で倒れた平林(ミッキー・カーチス)を看病する梨花に平林が言った言葉。
「前にあんたが言ってくれただろう?
お金より大切なものがあるって。
きれい事ばっかりだと思っていたけども、あんたを見ていると本当のような気がするよ」

 そして急激に呆けが進み、梨花のことを娘だと思いこんだたま江(富士真奈美)も。
「梨花さんは、きれいで、思いやりがあって、私に優しくしてくれるの。
天使みたいな人なのよ。
天使様よ・・・梨花さんは天使様・・・・私に優しくしてくれてねぇ・・・
天使様よ・・梨花さんは天使様・・・」

 そんな相手を裏切っている事、こんな遠くまで来てしまったこと・・・涙が止まらない。

 光太との関係は終りかけていた。
探偵の調査で光太が同じ大学の子と付き合っているのがわかった。
愛ではないのに、それでも光太と離れることができない。

『それでも現実が続くなら、光太を失う訳にはいかなかった。
誰かに愛されれば、必要とされれば満たされる。
私はまだ、そう信じていたから』


 ううううーーーーー梨花が満たされることはあるんだろうか・・・
彼女は他人の愛を求めるけど、自分自身は愛したことがあるんだろうか・・・
光太の場合は彼が求めてくれたから縋ったにすぎないし・・・
でも、その一瞬の達成感が忘れられないんだろうか。
梨花は欠けていく月を見たくなくて、遠くにある満月をずっと追いかけているのかな・・・

 第一回 名前のない金
 第二回 満たされた渇き
 第三回 清らかな罪
 最終回 誰のための愛

usagi

いや〜どうすんだろうね?
逃げ続けるのかしら・・・
会いたい人も戻りたい場所もないみたいだし・・・
最終回、何か救いがあればいいけど・・


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一度もおねだりしてないって、光太の本性が出たわね。裏で女が操っているとか?

この記事へのコメント

1. Posted by しゅあー   2014年02月04日 13:34
ドラマ見た時には泣けなかったのにきこりさんのレビュー読んだらなんかうるっときちゃったよ。

ほんとだねえ、どうして逃げてるんだろう?完全な現実に戻るのが嫌とかかな?それこそ本能的に。

梨花が心の底から一体何を求めているのか?それを自分で必死に探ろうとして、これなのかも?とわかりかけたとこで、違う!と思い知らされ、それでも探したい気持ちが強くて、

その為には完全に現実に戻りきってはダメなのかも。

>過保護な母親のように、求められる前に与え続けた

ウッッ(>_<)グサグサグサと私の心に刺さりましたわ〜(ToT)

だって私のことなんだもん。そして男は見事なまでのダメ男になるのよね〜。

愛されたくてそうする人もいるけど、私は自分がめちゃ気の利くいい女と悦に入るためにやってた気がする。要は自分をかっこよく見せたかったのよ。
もしかしたら梨花もそっちの面もあったのかも。


しかし角田光代て今まで本読んだこともなかったし、ドラマとかも初めて見る気がするんだけど、こんな凄いのが書ける人だったとはビックリよ。
山崎豊子の跡を継げるのはこの人じゃない?

ラストに期待します!
2. Posted by きこり→しゅあーさん   2014年02月04日 21:54
>完全な現実に戻るのが嫌とかかな?それこそ本能的に。
そうなのかもしれないね。
現実の自分をまだ受け入れられないというか、
現実の自分からずっと逃げているのかな・・・
でも、逃げた先に何があるのか、何かが見つけられるのかもわからない。
梨花が自分自身を受け入れるためにはどうしたらいいんだろうねぇ・・
>愛されたくてそうする人もいるけど、私は自分がめちゃ気の利くいい女と悦に入るためにやってた気がする。
それは誰にでもあるんじゃないのかな。
若い時って特に。
相手を思う気持ちがいつのまにか自分を確認するための手段になったり。
私も純粋に相手のことを思ったことなんてあるんだろうか・・って思うよ。
自分の見たいものしか見ようとしなかったんじゃないのかな。
最終回、梨花には自分を許して愛せるようになって欲しいと思うけど・・どうなるんじゃろうねぇ・・
角田光代さんって怖い作家だよね。

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