「失恋ショコラティエ」 第1話 もっとあなたに傷つけられたい!!「医龍4 -Team Medical Dragon-」 第2話 手術をすると患者は死ぬ

2014年01月15日

ドラマ10 「紙の月」 第二回 満たされた渇き

 さて、光太(満島真之介)から自分が監督する自主映画に出演して欲しいと頼まれた梨花(原田知世)ですが、断りましたぞ。

『私は彼らとは違う。
この映画がコンテストで賞を取ったり、海外の映画祭に招待されたり、
そんなふうにはうまく進まないことをよく知っている。
それでもあの時私は、夢を本気で信じる彼らの一人になったような錯覚に囚われていた。
あの頃の私は思っていたのかもしれない。
もしも違う自分になれれば、この世界で必要とされ、
愛される何者かになれるかもしれないと』

HPはこちら

 フルタイムになって初めてのお給料が出て、梨花は夫への感謝の気持ちを込めて時計をプレゼント。ペアウォッチですョ〜

 なのにこの夫(光石研)は相変わらずだよ・・(キΦдΦ)
「こういうのが欲しかったんだよ」と言いながら
「ゴルフとか出張に高いの持っていけないから、こういう気軽なのが欲しかったんだ」
暗に安物扱いしちゃって・・・。

 時計に関してはあっさり流して、自分の上海転勤話に夢中。
で、梨花が気を使って「海外転勤、私は大丈夫だから。頑張って」って言ったら・・・
「許可なんか求めてないよ」だとさ。

 (「゚益゚)「 ひえーーー!!何?!コイツ!
何でこんなヤナ奴と結婚したの〜?
てか、梨花も下手に出過ぎるから調子に乗るんじゃないのぉ?
でも、この夫も相手が梨花だからこういう態度に出るんだろうね。
お嬢様の梨花が有難くて結婚したんだろうけど、いつまでもお嬢様のままでどこか純粋さの残っている梨花の事をバカにしている。
まぁ、噛みあわない二人ですワ・・・
そこに光太から電話が入り、会うよう頼まれ・・・ついオッケーしてしまうのでした。

紙の月子守唄


 「平凡な一主婦の一億円横領事件」はマスコミを賑わしており、同級生の木綿子(水野真紀)は週刊紙の『アラフォー女性の心の闇』という企画の取材を受けることになりました。
で、一人じゃアレなんで亜紀(西田尚美)に同席を頼みました。

 未だに木綿子は事件に納得いかないんだけど、亜紀は「一億って聞いて、逆に納得した」そうな。
学生時代、個人的な募金は禁止されたのに、多分やっているに違いないと思った亜紀が問い詰めると、梨花はこう答えていた。
「何かするなら徹底的にするか何もしないか、そのどちらかしかないんじゃないかな」


 10かゼロか。
この極端な考え方が梨花自身を追い詰めていた。
結婚生活に充実感が得られなかったのは梨花自身を見ようとしない夫のせいでもあるけれど、誰かのための自分でなければ意味がないと思い込んでいた彼女自身のせいでもある。

 その「誰かのため」も3や5じゃ0と同じ。
10じゃなきゃ自分が許せない。
誰かに求められたい。必要とされていると実感したい。
そのために頑張れる「母親」という役が欲しかったけど得られなかった。
梨花は0だと思っている自分を許してくれる相手をずっと求めていたのかなぁ・・

 梨花は資格のおかげで責任ある仕事をまかされるようになり、マンツーマンで顧客と付き合うようになりました。
で、呆けが入ってきて身内にお金を狙われていると思いこんだたま江さん(富士真奈美)は通帳と判子を預けるようになり、スケベ爺さんの平林(ミッキー・カーチス)は貢物をしたりしてじりじりと距離を縮めようとしております。

 そして光太との爽やかな御付き合いは続いております。
素直な好意を向けてくれる彼の前で、梨花は自然と解放感を感じるのでした。
心の振り子が動き始めましたョ〜。

『その夜、私は高いお金を出して買ったのにもったいなくて使っていなかった化粧品の蓋を開けた。
乾いた肌に高価な化粧水が沁みこむように、こころも潤っていくのを感じた。
そうして私は、初めて気づいたのだ。
自分が今、どれだけ渇ききっていたのかということに』


 自己否定する梨花に光太は言いました。
「変わらなくていいよ、梨花さんは。梨花さんは梨花さんでいい。
そのままの梨花さんでいて欲しい。
俺じゃダメかな・・・
俺だったら梨花さんに絶対そんなふうに思わせない。
俺には梨花さんが必要だから」

 梨花には涙が出るほど嬉しかったはず。
その夜、二人は結ばれました。

『私は自由だ。唐突にそう感じた。
心の底から指の先まで満たされたあの日、
私が感じていたのは罪悪感ではなく大きな解放感と、
そしてそれよりも大きな万能感だった。
もしかしたら私は、やろうと思った事を何でもやれるのかもしれない。
行こうと思った場所にどこへでも行けるのかもしれない。
後に何度思い返してみても、私の中の何かを変えてしまったのは
この得体のしれない万能感であったような気がしてならなかった』


 心の振り子が大きく動き、やっと10になれた。
梨花が手に入れた万能感・・・それは早朝に見たうすぼんやりした月のように幻だったのかもしれない。
でも梨花は、その思いを二度と欠けさせたくはなかった。

 夫の姿も初めて見えた。
「ねぇ、私やっとわかった。
あなたにとって私は夫に守られて養われて、
そうでないと生きていけない女じゃなきゃならなかったんだよね。
そういうふうにあなたは私を必要としていたのね。
お金なんかのことで、あなたの存在が揺らいだりしなかったのに。
お金なんて・・・・お金でしかないのに。ばかばかしい」

 さて、記者が家に来てインタビューを受けた木綿子は
「私の知る梨花さんは横領事件を起こすような人じゃなかったし、起こした理由もわかりません」と答えたけど・・・帰った途端に本音爆発。

 実家が梨花の家ほど裕福ではなく、無理してお嬢さん学校に通わせてくれたそうで、そのせいで両親がお金のことでモメているのを見て育ったので徹底した節約に努めているそうな。
「将来のためでもあるけど、お金で何でもできるって娘に思って欲しくないし、
お金に振り回されるみにくい家族になりたくなくて・・・
梨花ちゃんには悪いけど、やっぱり間違ってなかったって思ったよ」

 それを聞いて、いきなり不倫のカミングアウトをする亜紀。
「奥さんと離婚するって言葉が信じられなくて別れたんだ。
若い女がさっさと持ってっちゃった・・・強いよね、あの世代は・・・
信じらんないよね・・・私達の年になったら、そんな言葉・・
だから思うんだよね、梨花が横領してまで買いたかったのは、
本当に人の気持ちなんていう不確かなものだったのかなぁ・・って」


 亜紀は2年前に離婚して、その時に娘を置いてきたみたいなんだけど、近々現在13歳のその子に2年ぶりに会うらしい。
どうやら、離婚の理由はその不倫でしょうか〜?
「罵倒されに行くようなもんよ」と、娘との再会がストレスになっているようです。
「誰にだってあるよね。すがらずにいられないもののひとつやふたつ・・」亜紀

買いもの依存症でしょうか・・・

 お金に振り回されたくないと言いながら思考も行動もお金(節約)が中心になってしまっている木綿子・・・
家族のために始めたことなのに、その節約が夫の気持ちを圧迫していることに気づかない。

 そして結婚生活を壊してまで手に入れようとした心の移ろいやすさに絶望している亜紀・・・
なぜ梨花は若い男の甘い言葉なんて信じられたんだろう・・・
その相手のために犯罪にまで手を染めることができたのはどうして?
二人とも自分達が手に入れられなかったものを、この事件で梨花が手にしようとしたと思っている。

 さて、光太が映画製作のために消費者金融から借りた借金(50万とか)があると知った梨花は、平林の爺さんから預かったお金200万を横流しすることにしました。
自分の貯金は光太との交際やお買いもので底をついてたもんでね・・
定期預金の証書を偽造ですワ・・・

『もちろん罪悪感もあった。
定期預金証書を偽造するのは不正だという自覚もあった。
でも、それが犯罪だという意識はなかった。
何故なら、平林孝三は光太の祖父だから。
孝三が光太を援助してさえいれば、こんなことにはならなかったのだから。
光太が返せなければ、私が代わりに返しておけばいいと、その時の私は思っていた。
大切なのは光太を救うこと。
夫から私を解放してくれた光太を、今度は私が救うのだ』


 梨花を信用しきっている孝三は証書をろくに確認もしないでしまっちゃいました。
そして横領しているのに、孝三からもらった真珠のネックレスは受け取れないときっぱり返す梨花。
彼女の中では光太のための横領は正義で、顧客からの貢物をもらうのは悪、しっかり線引きがあるんだよね。
孝三に言っていたように「お金より大切なものがある」と梨花は本気で信じている。
だからこそ、そのお金を使って大切なものを守ろうとした。

 って、実は光太の借金はなんやかんやで200万近くもあった。
取りあえず50万を渡して、残りのお金も罪悪感なく受け取らせるため、梨花は彼の目の前で散財を繰り返しました。
お金なんていくらでもあるの〜
50万、100万なんて買い物すればあっと言う間に飛んじゃうわ〜ヾ(  ̄▽)ゞオホホホホホ
全ては彼を救うため。救うならとことん救わないと。

 って、有閑マダムふうにジャンジャンお金を使う梨花の姿を見て、作戦通り光太は彼女を大金持ちと信じ込んだようです。
最初は男らしく断っていた光太も有難くお金を借りることにしました。
と同時に梨花のイメージが変化し、ドン引きしていってるような・・・
てか、お金を受け取った時から梨花への純粋な思いは消えていったんじゃないのかなぁ・・

 結局、平林のお金200万のうち190万は光太へ、残り10万は光太との交際費のために自分の口座へ入金。
真面目な梨花は、ちゃんと「横領ノート」に満期の日にちや用途を記入。
「半年以内に返済すること」という戒めの文章も忘れませんよ〜

  光太のおかげで「自分」を手に入れた梨花には夫も必要ない。
正文の上海転勤が決まったけど、仕事を理由に同行を拒否。
怒った正文が生活費は自分で何とかしろとか言ってきたので、呆けたたま江から預かった300万を流用。
お金持ちのフリをするため、お金はいくらあってもいい。

『一度目は光太のため。
そして二度目は光太のために別の自分を演じるために私は罪を犯した。
朝、目覚ましの音で起きて、キッチンでコーヒーを入れるように
私は手を動かして他人の紙幣を自分の口座に入れた。
もう演じているという自覚すらなかった。
自由に使えるお金がいくらでもある人間のように休日の予定を相談しながら、
「たまプラザって初めて降りた」
私が考えていたことは、ただそれだけだった』


 もはや愛ですらないのかもしれない。
書いていても、梨花の心情が掴めた気がしない。
光太を救いたい、救うことによって必要とされている自分を実感したい。
始まりは光太に求められたこと、そのことで得られた充実感だったけど、
それだけじゃやっぱり足りないのかな。
光太に借金があったことで、梨花の思いが暴走してしまったような気がする。
とんでもないとこに向かっているのはわかるのに、止められない、止めたくない自分がいる。
堕ちていく快感なのかな・・・
やはり追いかけずにはいられません・・・

 
 第一回 名前のない金
 第三回 清らかな罪
 第四回 楽園の終わり
 最終回 誰のための愛

usagi

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この記事へのコメント

1. Posted by ツバッキー   2014年01月16日 12:31
このドラマの怖さみたいなのっていかにも角田ワールド!と思います。
原田知世がぴったりの役がら・・・。

あの、光石研はイヤすぎるんだけど
自分的にはいいオット、なんですよね。あの無神経さ鈍感さ、そして俺様さって、わかりにくいけど女性にはじゅうぶん嫌気伝わるなぁ。
そんで、西田尚美も怖い(-_-;) アレはヤバい・・


梨花の、いきなりの万能感みたいなものって
やっぱまわりにわかりにくい積みかさなりがあって
ちょっとのことがきっかけてタガがはずれてしまう感じがよく出ていますね。
私、この原作読んでないんだけどこのドラマすごくひきこまれた・・・・しかし満島弟がどーもアジア系の外国人にしか見えない(-_-;) 
2. Posted by きこり→ツバッキーさん   2014年01月16日 16:20
>原田知世がぴったりの役がら・・・。
ホントそうだよね〜
彼女の透明感があるからこそ三面記事的な内容なのに
下世話な感じにならないんだよね。
>わかりにくいけど女性にはじゅうぶん嫌気伝わるなぁ。
わかって言ってんだかなんなんだかわからないけど
さりげな〜く確実に傷つけていくよね。
ああいうことが積もりに積もって、耐えられなくなっちゃうんだろうな〜
今回、上海みやげの時計を渡した時、梨花が笑っているのを見て旦那がじわりと不快な表情を見せたけど、そんな思いを梨花がずっとしていたとはわからないんだろうな〜
>やっぱまわりにわかりにくい積みかさなりがあって
ちょっとのことがきっかけてタガがはずれてしまう感じがよく出ていますね。
こういうのって急にきちゃうんだろうね。
まだ我慢できる、まだ大丈夫って無意識に思っていても
突然はじけてしまうことてあるんでしょうね・・・
「万能感」って、うまい表現ですよね。
>弟がどーもアジア系の外国人にしか見えない(-_-;) 
確かに〜!
私はなんか劇画の中の人に見えてしょうがないよ(笑


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