2013年02月21日
「わたし出すわ」 2009年 監督 森田芳光
この映画は2回目視聴です。
1回目に見た時はそれほどピンとこなかったんだけど、最近「書店員ミチルの身の上話」にハマっていて、大金がらみの話に興味が湧いたので、また見てみました。
函館が舞台ですョ〜
高校卒業以来初めて東京から故郷に帰って来た山吹摩耶(小雪)が主人公。
彼女は高校時代の友人達5人と再会し、ぞれぞれその夢を叶えるためのお金を与えます。
市電の運転士である道上保(井坂俊哉)には世界市電めぐりの旅のための費用を、
そしてマラソンの選手なんだけど、足の故障のせいで選手生命の危機を迎えている川上孝(山中崇)には、海外での手術にかかる費用すべてを。
摩耶から何でも買ってあげると言われた平場さくら(小池栄子)はホームセンターで小型冷蔵庫と夫(ピエール瀧)の願いである箱庭協会の会長の権利をお願いする。
養魚試験場の研究室で魚が反応して送る信号を人為的に作る研究をしている保利満(小澤征悦)には研究費用を出し、研究内容を狙って接触してくる相手から彼を守ろうと動いたりする。
そして、高校時代から摩耶をライバル視している魚住サキ(黒谷友香)。
彼女は地元の有力企業の社長と玉の輿結婚したんだけど、夫が急死して、元のホステスに逆戻り。
友人たちが摩耶から出資をうけているのを知ると、自ら彼女の元に行って「どうして私のところには来てくれないの?」と迫ったという強者。
でも、摩耶はちゃんと彼女の分も残していて、機会を待っていたんだよね。
摩耶的には逆境に強いサキならそんなお金がなくてもやっていけると思っていたみたいなんだけど、
取りに来ちゃったからねぇ・・・全財産である金の延べ棒(板?)を5本渡すんだわ〜
摩耶が、なぜこんな大金を持っているのかははっきり描かれない。
病院の個室で植物状態のように眠っている母と過ごす場面があるから、そもそもは、その母のためにお金が欲しかったのかもしれない。
保利にコンピューターウイルスを作って企業に売っているって言ったりもするけど、嘘っぽい・・
金の相場や株に詳しいから、そっち方面でお金を作ってるのかな。
「リセットしたい」とか言っていたから、ダーティなアレではなくても、彼女の中ではあぶく銭というか、何か納得のいくお金ではないのかもしれない。それで人のために使おうとしているらしい。
さて、これってどうでしょう?って話ですワ・・・
彼女がお金を渡す相手として彼らを選んだのは、高校時代、コミュニケーションが下手で友達の少なかった自分に友情を感じさせてくれた感謝の気持ちからなんだけど、お金をもらうことによって、不幸になる人もでる訳デス。
こっからはネタバレアリよん。
![わたし出すわ [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/517zY8lfhgL._SL160_.jpg)
1回目に見た時はそれほどピンとこなかったんだけど、最近「書店員ミチルの身の上話」にハマっていて、大金がらみの話に興味が湧いたので、また見てみました。
函館が舞台ですョ〜
高校卒業以来初めて東京から故郷に帰って来た山吹摩耶(小雪)が主人公。
彼女は高校時代の友人達5人と再会し、ぞれぞれその夢を叶えるためのお金を与えます。
市電の運転士である道上保(井坂俊哉)には世界市電めぐりの旅のための費用を、
そしてマラソンの選手なんだけど、足の故障のせいで選手生命の危機を迎えている川上孝(山中崇)には、海外での手術にかかる費用すべてを。
摩耶から何でも買ってあげると言われた平場さくら(小池栄子)はホームセンターで小型冷蔵庫と夫(ピエール瀧)の願いである箱庭協会の会長の権利をお願いする。
養魚試験場の研究室で魚が反応して送る信号を人為的に作る研究をしている保利満(小澤征悦)には研究費用を出し、研究内容を狙って接触してくる相手から彼を守ろうと動いたりする。
そして、高校時代から摩耶をライバル視している魚住サキ(黒谷友香)。
彼女は地元の有力企業の社長と玉の輿結婚したんだけど、夫が急死して、元のホステスに逆戻り。
友人たちが摩耶から出資をうけているのを知ると、自ら彼女の元に行って「どうして私のところには来てくれないの?」と迫ったという強者。
でも、摩耶はちゃんと彼女の分も残していて、機会を待っていたんだよね。
摩耶的には逆境に強いサキならそんなお金がなくてもやっていけると思っていたみたいなんだけど、
取りに来ちゃったからねぇ・・・全財産である金の延べ棒(板?)を5本渡すんだわ〜
摩耶が、なぜこんな大金を持っているのかははっきり描かれない。
病院の個室で植物状態のように眠っている母と過ごす場面があるから、そもそもは、その母のためにお金が欲しかったのかもしれない。
保利にコンピューターウイルスを作って企業に売っているって言ったりもするけど、嘘っぽい・・
金の相場や株に詳しいから、そっち方面でお金を作ってるのかな。
「リセットしたい」とか言っていたから、ダーティなアレではなくても、彼女の中ではあぶく銭というか、何か納得のいくお金ではないのかもしれない。それで人のために使おうとしているらしい。
さて、これってどうでしょう?って話ですワ・・・
彼女がお金を渡す相手として彼らを選んだのは、高校時代、コミュニケーションが下手で友達の少なかった自分に友情を感じさせてくれた感謝の気持ちからなんだけど、お金をもらうことによって、不幸になる人もでる訳デス。
こっからはネタバレアリよん。
![わたし出すわ [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/517zY8lfhgL._SL160_.jpg)
道上保は結婚していて、裕福ではないながらも穏やかに暮らしていたんだけど、摩耶からお金をもらったことにより(段ボールで届けられちゃったからなぁ・・)妻が変貌してしまう。
最初は「今月足りないからちょっと段ボールから借りていい?」とかわいく聞いてきていた妻は、
そのうち勝手にお金を使うようになり、ホストクラブに通い豪遊するようになってしまう。
摩耶からもらったお金が無くなると街金でお金を借りてまでその生活を続けようとする。
「ここにお金があったのがいけなかったのよ!」
結局、離婚したのかなぁ・・
「全部アンタのせいよーーー!」ってラストで摩耶を刺そうとするんだけど、すぐ逮捕されてしまう。
もし、大金が入らなければ、彼女はつつましい奥さんでずっといられたかもしれないし、保の結婚生活も続いたかもしれない。
そういう奥さんだったんなら、結局わかって良かったのでは?って考え方もあるけど、大金が結婚生活の運命を変えたのは確か。
お金が彼女の隠していた欲望を刺激してしまったようです。
その後保は退職金を前借して、予定通り市電めぐりの旅に出かけるんだけど、彼自身はすっきりした顔していたかな・・
そして、サキも大金をもらったことから目をつけられ殺されてしまう。
彼女はそもそも、野心的というか金銭欲の強い女性で、お金=幸せと考えるところがあった。
だから、大金を得たことを黙ってはいられなかったし態度にも出ちゃって、ハイエナに嗅ぎつけられてしまった。
摩耶の望んだサキ自身を生かすための資金としてではなく、ただ大金を手にしたという事実に溺れちゃったのさ〜
ま、もらっちゃったら、どう使おうとその人の自由だもんね。
でも、そこを見抜けなかった摩耶も悪いと思うんだよな〜
友達全員にあげなきゃ・・って思ったのかもしれないけど、そもそも、自分がリセットしたいがために、お金を配り始めた訳だから、もらってもらうって気持ちで、もっと慎重になるべきだったんじゃ・・
お金をもらって迷惑と思う人なんていないって思ったのか、それとも自分自身がお金に左右されない人間だから他の人もそうだと思ってしまったか・・・
お金との関係ってホント難しいですよね。
普段、お祝いごとやお見舞いでお金を包む時も、モノならそうでもないけど、お金だと独特の空気になるような・・
確か、「剣客商売」だったかな〜
なるほど〜って思った場面があったのですが、老剣客の秋山小兵衛がある事情で、急きょ、知り合ったばかりの家に泊らせてもらうことになり、やっぱりいろいろお金がかかるだろうってんで小兵衛が家主にお金を渡す訳ですよ。
で、渡されたお金を家主は「ありがとうございます」と言って、すっと受け取るわけさ。
で、息子の大治郎に「その家主は(人間として)本物だ」ってもらすという。
お金を受け取るのも渡すのも、やっぱりその人間の器が出ちゃうというか・・・
渡す方は相手に負担にならないように、そして受け取る側も気持ちよくきれいに受け取る。
それができたら、いいよねぇ・・・
映画の話に戻りますね( ̄∀ ̄;)
でも、大金と関わっても変わらずにいる人間もいる。
以前のように走れるようになった川上は、それ以上のことを摩耶に求めることもなく、黙々とランナーとしての暮らしを続ける。
保利も結局、出資を断り、研究室も辞めて新天地で働くことを決める。
そして、さくらなんだけど、実は宝くじで1億当てていたことがラストに明らかにされる。
地元ではゴールドバーが民家に投げ込まれるニュースを賑わせていたんだけど、それはさくらの仕業だったのさ〜
旦那にも言わずに一億を金塊に変えて、散歩コースの家に適当に入れたんだって。
「それって人生の罠だと思ったの」さくら
「だから小型冷蔵庫のみ・・」摩耶
「摩耶の一万円の方が宝くじの一億円より嬉しいよ」
私はこの映画の中では彼女のキャラが一番好きだったかな。
お金に振り回されず、今ある生活を地道にしっかり守っている。
大金を得ると夫が変わってしまうってことをわかっているけど愛情に変わりはない。
人間ってそういう弱いいきものだから。
「人それぞれ分があると思う。分不相応は不幸の始まりっておじいちゃんいつも言ってた」
私も分相応って言葉が好きだ。
今はお金をかければ、何でも叶えようと思えば叶えられる時代なのかもしれないけど、それって傲慢に思える時がある。
サキや保の奥さんと川上や保利たちとの違いは、お金には替えられない大切なものを自分が持っていると知っているとこかな。
さて、アナタだったら、友達からの大金受けとりますか?
私は・・その相手にもよるかな。
本当に信頼できる相手からだったら、受け取るかも。
摩耶がラストに得た幸せ。
それは、母の目覚めだったけど、「お金では買えない幸せ」とは言い切れないんだよな〜(オイオイ!)
ずっとお金をかけて治療を続けてきたからこその回復だからな。
でも、彼女が求めていたものはお金ではなくて、お母さんの回復だったから、良かったんだよね。
さて、「書店員ミチルの身の上話」は、分不相応な大金を手にしたことから始まるサスペンス。
一度タガが外れた人生は元に戻すことができるのか、大金に関わった人間は変わらずにいられるのか・・興味深く見ています。今後の展開も楽しみですよ〜

ロト6の結果を見ては、一喜一憂しているわたしゃ、その時の状況でコロコロ、お金への思いも変わりがち。
一番危ないタイプかも・・・(´∀`;)
最初は「今月足りないからちょっと段ボールから借りていい?」とかわいく聞いてきていた妻は、
そのうち勝手にお金を使うようになり、ホストクラブに通い豪遊するようになってしまう。
摩耶からもらったお金が無くなると街金でお金を借りてまでその生活を続けようとする。
「ここにお金があったのがいけなかったのよ!」
結局、離婚したのかなぁ・・
「全部アンタのせいよーーー!」ってラストで摩耶を刺そうとするんだけど、すぐ逮捕されてしまう。
もし、大金が入らなければ、彼女はつつましい奥さんでずっといられたかもしれないし、保の結婚生活も続いたかもしれない。
そういう奥さんだったんなら、結局わかって良かったのでは?って考え方もあるけど、大金が結婚生活の運命を変えたのは確か。
お金が彼女の隠していた欲望を刺激してしまったようです。
その後保は退職金を前借して、予定通り市電めぐりの旅に出かけるんだけど、彼自身はすっきりした顔していたかな・・
そして、サキも大金をもらったことから目をつけられ殺されてしまう。
彼女はそもそも、野心的というか金銭欲の強い女性で、お金=幸せと考えるところがあった。
だから、大金を得たことを黙ってはいられなかったし態度にも出ちゃって、ハイエナに嗅ぎつけられてしまった。
摩耶の望んだサキ自身を生かすための資金としてではなく、ただ大金を手にしたという事実に溺れちゃったのさ〜
ま、もらっちゃったら、どう使おうとその人の自由だもんね。
でも、そこを見抜けなかった摩耶も悪いと思うんだよな〜
友達全員にあげなきゃ・・って思ったのかもしれないけど、そもそも、自分がリセットしたいがために、お金を配り始めた訳だから、もらってもらうって気持ちで、もっと慎重になるべきだったんじゃ・・
お金をもらって迷惑と思う人なんていないって思ったのか、それとも自分自身がお金に左右されない人間だから他の人もそうだと思ってしまったか・・・
お金との関係ってホント難しいですよね。
普段、お祝いごとやお見舞いでお金を包む時も、モノならそうでもないけど、お金だと独特の空気になるような・・
確か、「剣客商売」だったかな〜
なるほど〜って思った場面があったのですが、老剣客の秋山小兵衛がある事情で、急きょ、知り合ったばかりの家に泊らせてもらうことになり、やっぱりいろいろお金がかかるだろうってんで小兵衛が家主にお金を渡す訳ですよ。
で、渡されたお金を家主は「ありがとうございます」と言って、すっと受け取るわけさ。
で、息子の大治郎に「その家主は(人間として)本物だ」ってもらすという。
お金を受け取るのも渡すのも、やっぱりその人間の器が出ちゃうというか・・・
渡す方は相手に負担にならないように、そして受け取る側も気持ちよくきれいに受け取る。
それができたら、いいよねぇ・・・
映画の話に戻りますね( ̄∀ ̄;)
でも、大金と関わっても変わらずにいる人間もいる。
以前のように走れるようになった川上は、それ以上のことを摩耶に求めることもなく、黙々とランナーとしての暮らしを続ける。
保利も結局、出資を断り、研究室も辞めて新天地で働くことを決める。
そして、さくらなんだけど、実は宝くじで1億当てていたことがラストに明らかにされる。
地元ではゴールドバーが民家に投げ込まれるニュースを賑わせていたんだけど、それはさくらの仕業だったのさ〜
旦那にも言わずに一億を金塊に変えて、散歩コースの家に適当に入れたんだって。
「それって人生の罠だと思ったの」さくら
「だから小型冷蔵庫のみ・・」摩耶
「摩耶の一万円の方が宝くじの一億円より嬉しいよ」
私はこの映画の中では彼女のキャラが一番好きだったかな。
お金に振り回されず、今ある生活を地道にしっかり守っている。
大金を得ると夫が変わってしまうってことをわかっているけど愛情に変わりはない。
人間ってそういう弱いいきものだから。
「人それぞれ分があると思う。分不相応は不幸の始まりっておじいちゃんいつも言ってた」
私も分相応って言葉が好きだ。
今はお金をかければ、何でも叶えようと思えば叶えられる時代なのかもしれないけど、それって傲慢に思える時がある。
サキや保の奥さんと川上や保利たちとの違いは、お金には替えられない大切なものを自分が持っていると知っているとこかな。
さて、アナタだったら、友達からの大金受けとりますか?
私は・・その相手にもよるかな。
本当に信頼できる相手からだったら、受け取るかも。
摩耶がラストに得た幸せ。
それは、母の目覚めだったけど、「お金では買えない幸せ」とは言い切れないんだよな〜(オイオイ!)
ずっとお金をかけて治療を続けてきたからこその回復だからな。
でも、彼女が求めていたものはお金ではなくて、お母さんの回復だったから、良かったんだよね。
さて、「書店員ミチルの身の上話」は、分不相応な大金を手にしたことから始まるサスペンス。
一度タガが外れた人生は元に戻すことができるのか、大金に関わった人間は変わらずにいられるのか・・興味深く見ています。今後の展開も楽しみですよ〜

ロト6の結果を見ては、一喜一憂しているわたしゃ、その時の状況でコロコロ、お金への思いも変わりがち。
一番危ないタイプかも・・・(´∀`;)
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この記事へのコメント
1. Posted by ヨーコ 2013年02月22日 12:27
この映画は去年の10月に見たんだけど、内容は既にうろ覚えだからきこりさんのブログを読みながら思い出したよ〜。
身に余る大金を持っていたら私もまわりの人に分けると思うけど、渡した後にその人がど〜なっちゃうかを、渡す前に見極める義務はあるよね。自制心が強くて堅実な人なら安心だけど、あればあるだけ使っちゃう快楽主義の人には渡せないなぁ。その人の為にならないのが目に見えているもんね。
お金の出所には具体的に触れないし、サラリとした映画なんだけど考えさせられるんだよね。こういう見終わった後に少し考える事が出来る映画って好きだなぁ。
身に余る大金を持っていたら私もまわりの人に分けると思うけど、渡した後にその人がど〜なっちゃうかを、渡す前に見極める義務はあるよね。自制心が強くて堅実な人なら安心だけど、あればあるだけ使っちゃう快楽主義の人には渡せないなぁ。その人の為にならないのが目に見えているもんね。
お金の出所には具体的に触れないし、サラリとした映画なんだけど考えさせられるんだよね。こういう見終わった後に少し考える事が出来る映画って好きだなぁ。
2. Posted by きこり→ヨーコさん 2013年02月22日 20:53
>渡した後にその人がど〜なっちゃうかを、渡す前に見極める義務はあるよね。
そうだよね。
ただ渡せばいいってもんじゃないもんね。
爆弾と同じで大金は危険物だよね。取扱いを間違うととんでもないことになるもの。
どうせなら、お金で幸せになって欲しいよね。
>こういう見終わった後に少し考える事が出来る映画って好きだなぁ。
なんか見ながら書きながら、自分はそう思ってたんだな〜って発見ができるのがいいよね。
最初見た時はメッセージが直接的すぎて、逆に監督はどういうつもりなんだろ?って思ったけど、
それだけにいろいろ考えさせられるよね。
そうだよね。
ただ渡せばいいってもんじゃないもんね。
爆弾と同じで大金は危険物だよね。取扱いを間違うととんでもないことになるもの。
どうせなら、お金で幸せになって欲しいよね。
>こういう見終わった後に少し考える事が出来る映画って好きだなぁ。
なんか見ながら書きながら、自分はそう思ってたんだな〜って発見ができるのがいいよね。
最初見た時はメッセージが直接的すぎて、逆に監督はどういうつもりなんだろ?って思ったけど、
それだけにいろいろ考えさせられるよね。