秋が来ましたよ〜♪よる☆ドラ 「眠れる森の熟女」 第四話 女の人生、やり直せますか?

2012年09月25日

「箪笥」 韓国 2003年 監督 キム・ジウン

 何て哀しいホラーなんだろう・・・
ただ怖いだけのホラーだと思って見た人は、終った後に残る胸を締め付けられるような感情に驚きを感じると思う。
ホラーと言うよりも心理サスペンスなのかな?
結構好きなタイプの映画でした。

 いや〜、しかし、ホラー映画って久しぶりに見たよ。
この監督、「悪魔を見た」の人なのね〜
アレも恐ろしくも切なすぎる映画じゃった・・・

 スミ(イム・スジョン)とスヨン(ムン・グニョン)の姉妹が父ムヒョン(キム・ガプス)に連れられて湖畔に立つ家に戻ってきた。
迎えたのは義母ウンジュ(ヨム・ジョンア)。
明るく出迎えたウンジュだったが、二人を見る目は冷たく、スミの態度からは憎しみすら感じられ、妹スヨンはなぜか怯えていた。

 最初、ウンジュが継母というのはわかったけど、どういう状態で父親が再婚したのかがわからなかったんだよね〜
ムヒョンがそばにいるにも関わらず娘たちに悪意をぶつけるウンジュの態度にも違和感を感じたし。
それと、二人がスミの体調を心配する言葉をかけていたけど、どこが悪いのかはわからない。
着いたその日からスヨンとスミの周りで起こる怪奇現象・・・あの女性はいったい誰なのか・・
ウンジュも心を病んでいるようで薬を飲んでいるようだが、その原因は・・・
父が密かに電話をしている相手は誰なのか・・・
そして「箪笥のことはもう言わない約束だ」という言葉はいったい・・・
細かな疑問と湧き上がるもやもやとした不安と恐怖、それを引っ張ったまま映画は流れるように進んでいく。

 ここからラストの内容にも触れますので、これから見るつもりの方は読まない方がいいかも・・・(´∀`;)
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 見ながら、なんで父親のムヒョンはウンジュとスミ達がモメてるのに助けにいかないんだろう?
なんでウンジュと一緒のベッドに寝ないんだろう?この人のせいで妻が死んだから関係が悪化したのかな〜?とか不思議だったんだけど、アレはスミだったからなんだね。 
わたしゃ、途中まで『シャイニング』みたいに、この家が家族達に悪夢を見せているのか?と思ったよ〜

 よくできた構成だったと思います。
ホラー色で引っ張って来たストーリーは、父親の「スヨンは死んだんだ」という言葉から変容していきます。
その時のスヨンの悲鳴・・・
それは幽霊となってしまったスヨンが自分が死んでいたことを知った悲鳴なのか、スヨンになっていた人格が崩れ始めたスミの悲鳴なのかはわからないけど、ここから真実に向けて一気に加速します。

 「スヨンは死んだ」
これはスミにとっては「スヨンはウンジュに殺されてしまった」ということ。
ウンジュに袋に詰められ撲殺されたスヨンを発見したスミは、彼女をも殺そうとするウンジュと死闘を繰り広げる。
力尽きて倒れたスミにウンジュが言う。

「お前は本当の恐怖を知ってる?
忘れたいことがあるのに、消したいことがあるのに、忘れることも消すこともできない・・・
それは一生つきまとう。亡霊のように・・・・」ウンジュ
「助けて・・・・」スミ
「ええ。私がお前を助けてやるわ。これで終わり」重たい彫刻(それが分断された胴体というのは象徴的なのか?)をスミの上の落とそうとするウンジュ

 ここら辺から、あれ?何か変だぞ?忘れたいことってスヨンを殺したことを言ってるのかな〜?
それとも、スヨン達の母親を殺したのか?
スミの『助けて』も命乞いとはちょっと違う感じだし・・・??ウンジュのキャラに疑問が・・・・

 帰宅したムヒョンがスミを発見し介抱をした後、ウンジュにも薬を与えていたら、そこに客人が到着。
入ってきた人を見たウンジュは驚愕・・・・その人もウンジュだった!
?????と思っていたら、ウンジュがスミに変わり・・・・やっとわかったよ〜( ゚ω゚;)

 この家にはスヨンもウンジュもいなかった。
全てはスミが作り上げた幻・・・
(いやスヨンと実母の幽霊はいたかもしれんが・・・・)
そして、スヨンを殺してしまったのは自分自身だった。

 エンドロールの後、また最初から見直してみて、家に着いたスミがスヨンの手を取り、明るい太陽の下を走っていく姿を見て涙が出た。
守ってあげられなかったスヨンの命。
「お前は、この瞬間を一生後悔するかも」というウンジュの言葉・・・
後悔と罪の意識と深い悲しみと怒りを受け入れられなかったスミの心は分裂し、脳内で作り上げたストーリーを演じるため、時に憎しみの対象であるウンジュとなり、虐げられるスヨンとなり、そしてスヨンを守る自分自身となった。

 妹のスヨンは義母ウンジュの折檻を受けており、エスカレートした暴力により殺されてしまった。
自分は必死に守ろうとしたけど、叶わなかった。
人間のこころ(脳)は、本当に不思議だ。
無意識のうちに、自分を死にたいほどのショックから守ろうと動き出す。
それは他人から見れば幻覚でしかないけれど、本人にとっては紛れもない現実なんだよね。

 ラストに現れたウンジュがいい人ふうだったから、ウンジュが略奪愛で結婚したのも、スヨンをいじめてたってのも全部スミの妄想だったのかな〜と思ったら・・・

 スヨンの部屋の箪笥の中で首つり自殺した母親(何で娘の部屋で自殺するんだろ?スヨンに見つけて欲しかったからか?自殺の原因ははっきりされなかったけど、夫とウンジュのことを疑っていたのは確か。別のところで死んでれば娘を巻き込むこともなかったのによ)を見つけたスヨンは、母親を助けようとしているうちに箪笥が倒れ下敷きになってしまった。

 物音に気付いて、義務感からスヨンの部屋を覗いたウンジュは箪笥の下にいる者がまだ生きているのを知りながら見捨てた。
スヨンではなく、母親だと思ったんだろうか・・・?
同じく物音を不審に思ったスミもスヨンの部屋を見に来たけど、ウンジュが居たから確認しなかったんだよね。
ウンジュが止めたにも関わらず。

 あの時のあの判断、なぜあの道に行ってしまったんだろう・・・という後悔は誰にでもあると思う。
でも、スミの場合はその判断のせいで妹を殺してしまった。
不幸な事故で、一番悪いのはウンジェだけど、スミの中では本当に許せないのは自分自身なんだよね。
ラストは、何かを感じつつも、ウンジュ嫌さに家を離れていくスミの姿で終わっている。
それが、姉妹の運命を決めた一瞬の重さとして伝わってくる。

 一応ホラーだから、わあああっ!って声をあげる場面ももちろんあるけど、非常におもしろい映画です。
普段ホラーを見ない方にもお勧めかも。

ねこちゃん

当たりの韓国映画は音楽もイイ。
この映画も、祈りにも似た優しく切ない音楽が心に残りました(TωT)

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matakita821 at 23:01│Comments(2)TrackBack(0)映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by マリコ   2012年10月01日 11:43
初めまして こんにちは
以前からひそかにお邪魔していたのですが
コメントするのは 初めてです。

私もこの映画 独特の雰囲気があって好きなんです。
と言いつつ 初めて見た時は分からない事だらけだったのですが(^^;
 
そうそう音楽もとてもよかったですよね(*^^*)
2. Posted by きこり→マリコさん   2012年10月01日 18:36
コメントありがとうございます。
こういうホラーって初めて見ました。
ホント、独特ですよね。
実際の幽霊も出てくるし(多分・・・笑)、人格が分裂して見せてる部分もあるし、本当にいるんだかいないんだか、誰が誰なんだか・・・
私も最後の最後になっても、これはいっい・・・??って確信がもてませんでしたよ〜r(-◎ω◎-)
2回目見て、確認していった感じです。
そう言われりゃ、ここ会話が成立していないわ〜とか。
謎解きの要素もあるし、人間の心の不思議さを覗くおもしろさもある、ホラーなのに何度も見たいって思った映画は初めてでした(* ̄∇ ̄*)

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