金曜プレステージ 「剣客商売 御老中暗殺」「浪花少年探偵団」 第9話 しのぶセンセと小さな恋

2012年08月26日

「ラースと、その彼女」 2007年 米 監督・クレイグ・ギレスピー

 この映画はブログ友から教えてもらったのを見てみました。
おもしろかった!
ちょっぴり笑えて、悲しいけどほっとする、優しい気持ちになれる映画でした。

 アメリカの田舎町に住むラース(ライアン・ゴズリング)は内気で積極的に人間関係を求めないタイプ。
会社では同僚のマーゴ(ケリ・ガーナー )からアプローチを受けているけど、ついつい拒絶してしまう。
そんなふうに孤独に過ごしているラースを兄ガス(ポール・シュナイダー)とカリン(エミリー・モーティマー)は心配し、何かと気をかけて食事に呼んだりするけど、いつも逃げられてしまう。
 身重のカリンがラースの仕事が終わるのを待ち伏せし、タックルしてまで自宅の夕食に招待するんだけど、二人と目を合わせようとせず、終始居心地の悪そうなラースを残念に思うけど、どうすることもできない。

 そんなラースがある夜、いつになく輝く笑顔で、ネットで知り合った彼女ビアンカを紹介したいとガス達の家の扉を叩きました。
二人は内気な弟にも、ついに春が来た!と心から喜んで彼女を迎える。
んが、ビアンカに会った二人はギョギョギョ!!
にゃんと、彼女はどっから見てもラブ・ドール(空気人形的なね・・・(´∀`;))のお人形さんだったのさ。

 ぽかん・・・とするガスと固まってしまうカリン・・・
でも、ラースは彼女をまるっきり人間のように扱い、恋人と信じ切っている。
彼によると彼女はブラジルとデンマークのハーフで修道院で育った元宣教師らしい。
足が不自由で車いす生活で、空港でスーツケースも何もかも盗まれてしまったんだと。

 弟が狂ったとショックを受けるガスをなんとかなだめて合わせるよう説得するカリン・・・・
二人は翌日、ビアンカが疲れてるようなのでと言ってラースと一緒に病院に連れて行き、心理学者でもあるバーマン先生(パトリシア・クラークソン)に診せることにしました。
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 先生はガスたちに、ラースは妄想を抱いている状態で「ビアンカは理由があって現れた」のだから治療のためにもラースの恋人としてのビアンカを受け入れるよう伝える。
その日からビアンカはラースの家(ガレージを改築したもの)のそばにある兄夫婦の家に同居することになった。

 もちろん、ラースが人形を車いすに乗せて連れ歩いてるという噂はあっと言う間に町に広まる。
でも、ガスたちはビアンカをお風呂に入れたり、寝かせてあげたりして世話をしながら、少しつづビアンカに馴染んでいった。
 このカリンがとっても素敵な女性なんだよね。
ラースのことを本当の弟のように思ってるし、肉親ゆえに感情的に走りがちなガスを抑えて、ビアンカを加えた新しい生活を作っていこうとする。

 その時間の中で、ガスとラースは押し隠してきた自分自身の心を自覚していく。
ラースの母は彼を産んだ後亡くなり、その後父はすっかり心を閉ざして生きるようになってしまった。
そんな父から逃れるようにガスは幼いラースを残して家を出てしまったことに罪の意識を感じていた。
 そして、ラースは自分のせいで母が亡くなったように感じていたし、出産に異常な恐怖心を抱いていた。
そんなトラウマとスキンシップのない親子関係からか、人から触れられると心と体に痛みを感じて生きてきていた。

 ラースがビアンカを求めたのは寂しさからだったのかもしれないけど、彼を見ていて、人間って誰かに愛を伝えずにはいられない存在なのかもしれない思いました。
押さえこんでいても、愛はあふれ出てしまうもんなんなんだな〜と。

 ビアンカとの付き合いの中で自信を得たのか、ラースは明るくなり、徐々に積極的に人と関わりを持つようになっていく。
そんな中でラースは、初めて人の心に触れ、自分がどういう人間なのか、人を思いやるとはどういうことなのか、そして自分は気づかなかったけど多くの人が自分に愛情を注いでくれていたことに気づくのです。

 そして、衝撃と戸惑いを感じた町の人たちも、ラースとビアンカのことを受け入れていく。
これはすごく難しいことだと思う。
昔から知ってる仲だからこそ、人形を恋人だと思い込んでいるラースの事がショックだろうし、排除したい気持ちになってもしかたないと思うのに、自分達にできることをやろうと、今迄通りの生活をしながら二人と関わっていく。
彼らもビアンカの思いを代弁することで、自分の中にあった意外な思いに気づかされていくんだよね。

 ビアンカが町の人たちにとっても特別な存在になってきた時、彼女は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。
その悲しみを皆が一緒に背負ってくれたおかげで、ラースは悲しみに耐えることができ、ずっと重くまとわっていた殻を脱ぎ捨てることができた。
 それは心理学的には、人間を愛せなかったラースがトラウマを自覚し受け入れたことで、ビアンカを必要としなくなった、人間に向き合う準備ができたということなのかもしれませんが、私はラースがビアンカという女性を心から愛した結果、その愛が彼を成長させたんじゃないのかな・・と思っています。
だから、ラースが大人になれたのはビアンカのお蔭なんですよね。

 そして、そんなラースを医師として、友人として暖かく見守ってくれたバーマン先生の存在が良かったねぇ・・
「ビアンカみたいな人はいない」というマーゴの言葉にもグッときたよ。
そんな彼女なら、ラースと静かに寄り添って生きていけるんじゃないのかな・・・

 ラブドールがくれた幸せ・・・
そのキラキラした輝きがこの町の人全部に降り注いでいる・・・それが、とても気持ち良かったし嬉しかった。
私まで幸せな気分にしてくれました。
大好きな映画のひとつになりましたョ〜

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特典映像に入っていたビアンカとキャストのみなさんとの関係には笑わせてもらいました。
みんなビアンカが大好きだったんだね〜(´m`)

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matakita821 at 21:42│Comments(2)TrackBack(0)映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by ヨーコ   2012年08月27日 06:26
ホント良い映画だよね。ラブドールを人間扱いしている友達を受け入れられるか?と聞かれたら、現実的には非常に難しいと思うんだけど、この村の人達は誰一人としてラースを傷つける様な言動をしないって所がぐっと来るのよね。ラースの抱えている問題を知っている人ばかりではないだろうに、徳の高い人達の村だよ、こんな所に住みたいよ。見終わった後に優し〜い気持ちになれる映画ってステキね♪
因にこの映画、吉高ちゃんも「しゃべくり007」で大好きなオススメ映画として紹介してたよ。
2. Posted by きこり→ヨーコさん   2012年08月28日 05:33
>この村の人達は誰一人としてラースを傷つける様な言動をしないって所がぐっと来るのよね
そうなんだよね。
あるがままの姿を受け入れるって、ほんとはすごく難しいことだから、そこに感動してしまうわ。
だからと言って、すごく干渉してくるでもない。
今迄通りの距離を保ちながらいてくれるんだよね。
「良い子がすんでるよい町は〜♪」って歌あるでしょ?
あれって、よい町に住んでるから良い子になるのか、
良い子が住んでるから良い町になるのか・・・って
考えたことがあったけど(笑)わたしもこの町に住んだらよい人になれそう・・(笑
ラース成長が静かに描かれているのも素敵だった。
>吉高ちゃんも「しゃべくり007」で大好きなオススメ映画として紹介してたよ
そうなんだ〜( ゚Д゚ )さすが吉高ちゃん、センスいいわ〜

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