「きのう何食べた?」 5 よしながふみ 著 勝手にキャスティング「男はつらいよ」 シリーズ第一作 (1969年) 監督・山田洋次

2011年10月01日

鬼平犯科帳スペシャル 盗賊婚礼

 いや〜今回もゲストが豪華だったね〜
普通に時代劇に出ている松健を久しぶりに見たワ・・・今回も充実した『鬼平』タイムでした。

 薬種問屋の山城屋に賊が入り、780両が盗まれた。
山城屋の者は朝になって金蔵に行って、始めて気がついたという本格派のお盗め(おつとめ)だった。
働いていた女中のお粂が消えていたため、平蔵らは彼女が引き込み女だったと判断。
蔵には、『傘山の弥兵衛』の印である傘の絵が描かれた紙が残っていた。

 火付盗賊改方では、お粂の父・由松がいる煮売屋へ行ってみたが、山城屋が襲われる前日に店を閉め、生まれ故郷の信州へ戻ると近所に挨拶も済ませ、消えた後だった。
煮売屋を始めたのが5年前、お粂を山城屋に潜り込ませたのが4年前という、5年計画のお盗めだぁね。
「傘山の弥兵衛」の息子の弥太郎(市川染五郎)は9年前に代を引き継いで以来、父のモットーである『殺さず、犯さず、貧しきからは盗らず』をしっかりと守りぬいてきたんだねぇ・・

 そんな「傘山の弥兵衛」一味は『瓢箪屋』という料理屋を「盗人宿」にして、それぞれ潜伏しておりました。
引き込み女だったお粂もここで働いております。
そこに粋でいなせな徳田新之助が・・・じゃなくて、尾張名古屋の2代目「鳴海の繁蔵」の使いである長嶋の久五郎(松平健)という男が現われ、主人の勘助に何やら文書を渡しましたぞ。
鬼平犯科帳〈7〉 (文春文庫)


  そんな中、お墓参りを終えた平蔵(中村吉右衛門)を猫どの(村松忠之進)(沼田爆)が『瓢箪屋』へご案内。
もちろん、食いしん坊のうさぎ(木村忠吾)(尾美としのり)も一緒です。
で、入り口の前ですれ違った久五郎の佇まいと店主の勘助(弥太郎の右腕)の身のこなしにただならぬものを感じた平蔵はすぐに『瓢箪屋』と久五郎をマークするよう指示するのでした。

 鬼の平蔵の勘はすごいからねぇ・・・((-∀- )
さて、平蔵達が『瓢箪屋』で食したものは・・・
「ウドの和えもの」「枝豆の塩茹で」「小アジの煮浸し」など。
料理を堪能する長官(おかしら)の姿に、お連れした猫どのもご満悦でした。
 今回は台所の猫どのが見られなくて残念・・・
でも、原作ではこの場面で猫どの出てこないのに登場させたってのは、やはり猫どのファンが多いのかしらね。

 さて、久五郎が持ってきたのは弥太郎の結婚話。
弥太郎の父「傘山の弥兵衛」と「鳴海の繁蔵」は共に本格派の盗賊であり、親友と言ってもいい仲だった。
で、弥太郎と「鳴海の繁蔵」の娘・糸(黒川智花)を夫婦にする約束をしていたそうな。
9年前に先代が亡くなる時に弥太郎は聞かされたんだけど、「鳴海」も代替わりしてからは連絡も途絶え、忘れていたというのに、今になって突然、2代目(布施博)から申し入れがあったんだよねぇ・・・

 鳴海のお頭も一代目はりっぱなお方で盗人の三か条をしっかり守るお人だったけど、2代目になってからはよくねぇ噂も聞こえてくる。
この話、何か裏があるんじゃねぇか・・
そんな繁蔵と弥太郎が義兄弟になっちまったら、先代の頃から支えてきた勘助は行く末が心配だよねぇ・・
 
 広い川に浮かぶ舟の上で密談を交わす勘助と弥太郎・・・・
聞こえるのは鳥と虫の声・・・陽が暮れかかってきて・・・江戸情緒たっぷりでしたなぁ・・・

 結局、弥太郎は、筋を通して糸は嫁としてもらうけど、稼業の付き合いは一切なしという決断をし、勘助が久五郎に伝えました。
いやいやいや・・・こんな話が通るのかねぇ・・・(  ̄〜 ̄;)
久五郎も内心、困惑してますわ・・・

 実は、久五郎はこの縁談をまとめたい理由があった。
昔、久五郎は、先代の傘山の弥兵衛が囲っていた元女郎のお津世(白石美帆)と恋仲になり、弥兵衛を裏切るような形で先代の「鳴海の繁蔵」の元へ逃げ込んだんだって・・・
で、間に立って取りなしてくれた繁蔵のお陰で殺されることなく、お津世と一緒になれたそうな。
 それ以来泥棒稼業から足を洗い、小田原で暮らしてたんだけど、両方に恩返しをする機会を待っていたんだよね。
で、この度の婚礼話の使者を2代目繁蔵から頼まれ、役に立たせてもらいたいとやって来た訳なのさ。

 久五郎とお津世はひっそり慎ましく暮らしてるんだけど、二人のお頭への恩を忘れたことはない。
小田原で商売をしながら待っているお津世も、久五郎がこの仕事を成し遂げてくれることを心から応援している。
二人の姿から、静かだけど堅い絆としっとりとした情愛が伝わってきました。

 さてさて、その間にも密偵達は動いておりますョ〜
中でも、久五郎に尾行を見破られた伊三次(三浦浩一)は意地になって探索を続けております。
で、久五郎を名古屋まで追いかけていき、この「盗賊婚礼」のこと、その新郎が山城屋を襲った「傘山の弥兵衛」だという情報をキャッチしました。

 それをおまさ(梶芽衣子)から聞いた長官は大喜び。
「盗人の婚礼かぁ・・なるほどなぁ。その婚礼、見て見たかねぇか?いや、おもしれいじゃねぇか。
どんな顔ぶれが、どこに、何人ぐらい集まるのか、見たかねぇか?」
 平蔵は、この婚礼のためにあちこちから集まった盗賊達を、その場で一網打尽にしようと考えました。

 婚礼の準備は密かに進み、花嫁の糸は名古屋から繁蔵一派と共に江戸に向かっております。
んが・・・実はこの糸は偽者。
本物の糸は11歳の時に病で亡くなっており、繁蔵の江戸進出作戦のために急遽仕立てられたのさ〜
しかも繁蔵の女・・・
 も〜久五郎に挨拶する初々しい智花ちゃんの姿におばちゃんも騙されちゃったわ。
智花ちゃん、最近、ダーティな役が多いわね。でも、もうちょっとはっきりした切り替えが欲しいかにゃ〜

 そんな中、久五郎に密着してきた伊三次は、すっかり肩入れしております。
捨て子で女郎達に育てられた伊三次は、久五郎とささやかな幸せを築こうとしているお津世を他人とは思えない。何より恩返しのために動いている久五郎の男気にすっかりほだされておりました。
 だから、長官から花嫁のお糸はニセモノだと聞かされ、尋常じゃない衝撃を受けてしまったわ〜

 そんな伊三次を気遣う五郎蔵(綿引勝彦)とおまさ・・・
密偵仲間は家族も同じ。
久五郎を、このイカサマ劇から手を引かせて、あの人の元に帰してやりたい、そして幸せになってもらいたい・・
伊三次の願いは痛いほどわかるけど、それを久五郎に知らせることは長官を裏切ることになる。
揺れる伊三次が心配だよ・・・

 ところがね・・・・長官はすべてお見通しさ。
さりげなく久五郎に近づき、「ただのおせっかい焼きだ」と名乗り、糸がニセモノだと知らせました。
升酒をくいっと一気に飲み干した後、伝法な口調で伝えて風のように去って行く鬼平・・・・
いやいや・・飲み代を懐から出して、すっと放る姿もかっちょいいんだよねぇ・・・(*´∀`*)

 で、その事を繁蔵に確認に行った久五郎はうまくごまかされちまうんだけど、その帰りに手下に刺されてしまう。
危ないところを五郎蔵達に救われ、「五鉄」に運ばれました。
 五郎蔵達は火付盗賊改方の狗(いぬ)であることを明かし、繁蔵の件からは手を引くよう説得しました。
さらに、明日に迫った婚礼の場所と時間を問い詰めるたんだけど、久五郎の口から出たのは
「名前に泥を塗るようなことはしねぇ。させるもんか。大切なお方に嘘はならねぇ。裏切っちゃなれねぇお方なんだ」・・・

 「大切なお人なら他にいるじゃねぇかい。おめぇさんの帰りを待ってるじゃねぇか。
婚礼の話なんか、イカサマだったんだから、みんなうっちゃって、小田原にけえればいいんだよ!
あの人は、何もかもおめぇさんに預けてるんだぜ。命まるごと預けてるんだ。おめぇさんがいないとダメなんだよ!」伊三次
「大丈夫。きっと帰ってくれるよ。その人のところへ。この傷が治ったらきっと」おまさ

 かなりの深手を負っていたため、逃げることもあるまいと久五郎を一人にしてしまったのが間違いさ・・・
久五郎は命を賭けて御恩を返すつもりだったんだよねぇ・・・(ノω;`)
包丁を手に久五郎は出て行ってしまいました。

 婚礼の時間が迫っております。瓢箪屋からも勘助達が出ていきますぞ。
どうやら場所は橋場の船宿「ふじや」らしい・・・
あちらこちらから不審な者達の移動が始まっております。
「いよいよ、この目で見られるぞぉ。狐の嫁入りをなぁ・・・・ふっふっふ」平蔵

 さっ、同心達が「ふじや」に向かっている頃、花嫁花婿の顔合わせが行われております。
お糸のおぼこい演技に弥太郎もすっかり騙されとる・・・
その間に火付盗賊改方は回りを取り囲んでおりますぞ。
そして、その頃、久五郎は川からゆっくりと婚礼会場に近づいております。傷が開いちゃうよお・・・

 祝言が始まり、ひたひたと近づいた久五郎が乱暴に戸を開け放ちましたぞ。
「いい加減にしろい!こんな茶番はもうたくさんだ」
繁蔵の手下を振り払い弥太郎に近づいた久五郎は、糸がニセモノだと告げました。
途端に蓮っ葉な雰囲気になる智花ちゃん・・・(゚∀゚ノ)ノ

「弥太郎さん、勘助さん、まったく申し訳ねぇ。早くずらかってくだせぇ。ここは役人の手が回ってますぜ」久五郎
「お前さんはどうすんだい?」弥太郎
「俺にはどうしても、やらなきゃならねぇことがあるんで」久五郎

 弥太郎が祝言の取りやめを告げ、繁蔵の手下どもが暴れ始めたのを機に、平蔵は踏み込むよう指示しましたぞ。
あちこちで殺傷ざたが始まっており、傷に耐えながら久五郎も繁蔵に向かっていきました。
「こいつだけは・・こいつだけは!」

 そこに鬼平様登場!
「静まれい!盗賊改方長谷川平蔵である。静まれい!!」
長官の号令と共に同心達が飛び込み、盗人達は次々と引っ捕えられていきました。
 繁蔵のそばで倒れている久五郎を見つけた長官は、その手を握り、声をかけましたぞ。
「久五郎、しっかりしろ!久五郎!」
「長谷川様・・・繁蔵は死んでおりますかい?」久五郎
「久五郎、繁蔵はな、もう地獄の一丁目だ」長官
「ようございました。これで・・・清々いたしました・・・」
これだけ言って、久五郎は息を引き取りました。

 その後、潔く罪を認めた弥太郎と勘助は平蔵の前に手を差し出しました。
牢に入った弥太郎は死罪を覚悟しておりました。
たったひとつの心残りは久五郎と残されたお津世のこと・・・
「あっしが殺したようなもんでございます」
「いや、それは違おう。あの男には引きけぇす道があった。だがそれをしなかったのはあの男の心意気だ。
あのような男が一途に思いつめた心を誰が止められよう・・」平蔵
「長谷川様・・・」弥太郎は涙を流し頭を下げるのでした。

 真の思いに、盗賊改方も盗人もないやねぇ・・・
そこをさらっと魅せてくれるのが平蔵さんだよ・・・

 平蔵は伊三次に久五郎の遺髪を渡し、金子と共にお津世の元に届けるよう命じました。
「つれえ仕事だが、おめぇの手で届けてやってくれねぇか?」
「長谷川様・・・」
押し抱くように受け取った伊三次は涙を隠すように頭を下げるのでした。

 さすがだよ・・・久五郎を助けられなかったことで苦しんでいる伊三次と、お津世を思って死んでいった久五郎の両方の思いくんでくれてるんだよねぇ・・・
小田原で久五郎の帰りをしみじみとした笑顔で待っているお津世があわれでした。

 その後、「傘山の弥兵衛」一味の沙汰は平蔵の働きかけにより、死罪を免れ、人足寄場送りになりました。
それでも、浮かない顔の平蔵様は久栄(多岐川裕美)につぶやくのでした。
「事は収まっても、人の心は治まらぬ。なぜあの雲のように、風のように、あるがままに生きていくことはできぬのか。悲しいものよのう」

 ・゚・(゚´Д`゚)・゚・・・・鬼平さんって人は、人一倍情の濃いお方なんだよね。
だからこそ鬼にもなれるし、仏にもなれる。
この葛藤が長谷川平蔵という男を作り上げたんだろうなぁ・・・

 渋さが極まっていく中村吉右衛門様は相変わらず魅せてくれます。
そして、松平健様の存在感はやっぱり凄い。
いつものように、さりげなく長官を支える同心の皆様と密偵のかっちょよさにシビレました。
で、例によって「インスピレーション」が沁みすぎだよう・・・・

 「鬼平犯科帳スペシャル 兇賊」
 「鬼平犯科帳SP 一本眉」
 2夜連続鬼平犯科帳スペシャル 劇場版「鬼平犯科帳」
 2夜連続鬼平犯科帳スペシャル 「高萩の捨五郎」

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見終わったのに、すぐまた「鬼平」が見たい。もう平蔵様の魅力から逃れられないわ・・・
明日は「時代劇専門チャンネル」でまた、浸るか・・・
ところで、長門裕之さんが亡くなられて、相模の彦十は登場せず・・・.(-人-)
今度はどなたがこの役を引き継いでくれるのかのう・・・ 

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この記事へのコメント

1. Posted by くう   2011年10月02日 00:53
松健、ふつうーに出てるんだけどさー、ふとした仕草・・・立ち回りの時とか
「びしっ」と音がすると「おお、上さまー!」と思っちゃうんだよね( ̄∇ ̄;)

「地獄の一丁目だよ」には泣いたわ〜・・・(;_:)
鬼平には「情」があるから好きだわ。
ただのチャンバラ時代劇とは違うよね。
そして、風景や小道具へのこだわりもいいわー。

変わらぬキャストで続けてもらいたいねー。
2. Posted by きこり→くうさん   2011年10月02日 08:57
>ふとした仕草・・・立ち回りの時とか
「びしっ」と音がすると「おお、上さまー!」と思っちゃうんだよね( ̄∇ ̄;)
ホント、庶民とは思えない(笑
でも、さすがに立ち居振る舞いが決まってるから、気持ちいいよね。
>鬼平には「情」があるから好きだわ。
鬼の顔とあたたかい情のある顔、その両方があるんだよね。
それがなんともいえないよ〜
>変わらぬキャストで続けてもらいたいねー。
春のスペシャルの時はみなさん、さすがに老けたな〜って悲しくなったけど、ずっとこのキャストで「鬼平」を作っていって欲しいよ。


3. Posted by 万年青   2014年10月30日 23:11
5 こんにちは。鬼平は時代劇のせいかネットの評価が薄くて悲しいですが、私は大好きです(^^)。
なのでもっと評価されるべきですね。個人的にはお糸役の黒川智花さんグッジョブ!でした。私も最初騙されて(°□°)状態でした(笑)。
4. Posted by きこり→万年青さん   2014年10月31日 19:36
コメントありがとうございます。
私も鬼平大好きです。時間が合えばBSでやっている再放送見ていますョ〜
>個人的にはお糸役の黒川智花さんグッジョブ!でした
いや〜すっかり大人の女優さんですね。
「てるてるあした」から見ておりますが、いつのまにか堂々と時代劇も演じられる女優さんに
なられたのですね〜ヽ(*^^*)ノ

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「きのう何食べた?」 5 よしながふみ 著 勝手にキャスティング「男はつらいよ」 シリーズ第一作 (1969年) 監督・山田洋次