「ドン★キホーテ」 第9話 鉄仮面 VS ダメ親父「それでも、生きていく」 第11話(最終話) 光の方に向かって・・・

2011年09月14日

2011年 DVD鑑賞日記 その18

8月16日(火)  「プロヴァンス物語 マルセルのお城」  
(1990年 仏 監督・イヴ・ロベール)

「プロヴァンス物語 マルセルの夏」の続編です。
ラストに「マルセルの城」の意味がわかって、グッときたよ・・・(T△T)
この映画には人生のすべてが詰まってる。
もう二度とは戻らない幸せだった美しい日々・・・でも、だからこそ人生はすばらしい。

バカンスから戻ってもマルセルの心は、あの別荘がある丘を求め続けていた。
中学の奨学生試験を控えながらも、マルセルの心は常に丘にあった。
そんなマルセルの思いに気づいた母オーギュスティーヌ(ナタリー・ルーセル)はクリスマスを丘で過ごすことを提案。
マルセルは親友のリリとも再会し、生涯忘れられないクリスマスを過ごすのでした。

その後、復活祭の休暇で戻った時、マルセルはちょっと変わった女の子イザベル(ジュリー・ティメールマン)と知り合い、初めての恋をする。
お姫様を守る騎士(下僕?)として忠誠を誓うマルセルの様子に、家族もリリも心配するけど、マルセルは気にしなかった。
でも、彼女が下痢でトイレに通う姿と、父親の仕事の関係で村を去ったのを機に恋は終り、またリリとの日々が復活する。


母の画策で父(フィリップ・コーベール)の月曜午前の授業がなくなったので、一家は毎週末を丘で過ごすようになる。
ある時、父の教え子で運河の管理人をしているブジークと再会。
ブジークは、一家が4時間かけて歩いて別荘へ行っているのを知ると、近道できるよう管理人しか通れない運河の通り道の鍵を渡してくれた。
その通り道には、それぞれ城を持つ3つの私有地があり、毎週、鍵を開ける度に一家はビクビクしながら通ることになるんだけど、その中で出会いもあり、一家の運命を変えるような事件にも遭遇する。

成長過程にあるマルセルの目を通して、「マルセルの夏」の時よりもじっくりと父と母への思いが綴られます。
奨学生試験に合格し、自分を乗り越えていくであろう父の寂しさと、その人間的部分。
子供として見る父から、男として見た父へと変わっていくのがわかります。

そして、いつも自分の心に寄り添っていてくれた優しい母。
その思い出はいつも鮮やかで美しく、マルセルの心の中であの丘での日々の中心となって輝いている。
じんわりと響く、いい映画でした。

ただ、わたしゃ『マルセルスペシャルエディション』という、「マルセルの夏」と「マルセルのお城」のDVDがセットになってるものを買ったんだけど、エンディングの美しい曲を聞きながら余韻を楽しみましょう・・と思ったら、途中で終わってたのがショックだったわ〜
「スペシャルエディション」なら、映画館と同じように最後まで聞かせて欲しかったなぁ・・

  『プロヴァンス物語 マルセルの夏』の記事

8月22日(月)  「マザーウォーター」  (2010年 監督・松本佳奈)

静かな静かな映画です。
一日を大切に生きること。
無理をせず、今の自分にできることをやりながら過ごすこと。
流れる川のように、拘らずゆるやかに生きていこう・・・そんなメッセージが伝わってきました。

場所は京都のある町・・・でも、そこはどこでもあり、どこでもないのかもしれない。
登場人物は・・・
ウイスキーだけのバーを営むセツコ(小林聡美)、
珈琲店を営むタカコ(小泉今日子)、
豆腐店を営むハツミ(市川実日子)、
銭湯・オトメ湯の主人オトメ(三石研)、
セツコの店に通う家具職人のヤマノハ(加瀬亮)、
オトメ湯で働くジン(永山絢斗)・・・

その町の日常が描かれる。
旅立つ者、見送る者、そして新たな旅人を迎える者、そのすべてを見守る者、今はここにいるけど、いつかまた旅人になるかもしれない者・・日々成長する命、それを普通にみんなで育んでいく様子が描かれます。
それは人生そのもの。

そんなみんなを静かに優しく見守り続け、さりげなくアドバイスを与えるもたいまさこさんは、もしかして人間じゃなくて、この土地の神様なのかな〜?とか思っちまったよ。
もたいさんが自分のために作る、丁寧な食事シーンを見ていると、人生は一日一日の積み重ねなんだな〜と自然に思えてくる。

ちょっとお休みしたい時にお勧めの映画かも。
マザーウォーター [Blu-ray]

9月9日(金)  「ルイーサ」  (2009年 アルゼンチン/スペイン 監督・ゴンサロ・カルサーダ)

アルゼンチンの映画なんて珍しいでしょ?wowowで視聴しましたよん。
この映画を見ようと思ったのは猫が出てくるから。
見始めはちょっと身につまされて・・・でも、ラストには、ニヤリとなって、ちょっと元気になれる映画です。 

ブエノスアイレスのアパートで一人ぐらしをするルイーサ(レオノール・マンソ)は老女と言ってもいい年齢。
人付き合いは嫌いなので、アパートの管理人であるホセ(マルセロ・セレ)が気さくに話しかけてくれても、いつも冷たくあしらってしまう。

朝、猫のティノに起こしてもらって起床、いつも決まった時間のバスに乗り霊園へ、亡くなった夫と娘の墓を参った後で、霊園の受付の仕事をこなし、その後は女優のクリスタル・ゴンサレス(エセル・ロッホ)のアパートへ。
彼女が外出する時の留守番や清掃をする。それを終えると帰宅して、ティノと一緒に食事をし、決まった時間に一緒に就寝する。
同じ毎日の繰り返し。それでも、いつか夫と娘の元へ行く日まで、静かに生きていくつもりだった。

んが・・・・ある日、愛猫のティノが死亡。
そして霊園の仕事は突然クビに。
さらに、クリスタルも引退して田舎に引っ込むってことで、ルイーサの仕事は無くなり、お役御免に。
せめて、ティノを手厚く葬ろうと思うけど、手元にあるのは20ペソ(500円?!)のみ。

鬱々とした気持ちでバスに乗っていたら、バスが故障。
初めて地下鉄を利用するハメになったルイーサはそこで生活の糧を得ている人々(ストリートミュージシャン、モノ売り、物乞い)の姿を目にし、びっくり。
今まで会ったことも見たこともない人間たち・・・
その逞しさとガッツに、ルイーサは目からウロコさ〜

で、地下鉄の中で中国のラッキーカードを配り、悲惨な身の上を訴えた後購入のお願い(押し売り?)をする少年を見たルイーサは、自分もマネをして金を稼ごうと考える。
最初は人前では声も出せなかったルイーサが、徐々にはっきり大声で訴えるようになり、身の上話もどんどん粉飾してスケールアップしていくのが笑える。
しかも「HIV」と言うところを「私はIHV保持者です」とか言っちゃってるし・・・

でも、結局ラッキーカードは一枚も売れす・・・
通路に座り込んでいる片足の物乞いの爺さんを見たルイーサは、今度はそっちの路線で行こうと松葉杖を買い込む。
翌日、オラシオ(ジャン・ピエール・レゲラス)という物乞いの爺さんは、いつもの場所にルイーサがいるもんだから、怒り心頭。追い払おうとするけど、彼女は負けなかった。苦境を訴え、意地でも動かないと訴える彼女に根負けするのさ〜

彼女のどこにそんな強さがあったのか・・・
ルイーサ自身もびっくりしたんじゃないのかな・・・
地下鉄で出会った人々との関わりの中で刺激を受けたルイーサは強く優しく穏やかになっていく。
ラスト、生きる喜びに目覚めたルイーサの笑顔につられてしまいました。

9月13日(火)  「英国王のスピーチ」  (2010年 英・豪 監督・トム・フーパー)

いや〜おもしろかった!
すばらしい才能が集結すると、こんなスゴイ映画になるんだね。

幼い頃から吃音に悩んできたヨーク公アルバート王子(コリン・ファース)は父ジョージ5世の代理として大英帝国博覧会閉会式のスピーチをするんだけど、いつものように吃音のせいで失敗してしまう。
苦しむ夫のために妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は何人もの専門家に診せてきたんだけど、毎回結果はかんばしくない。
アルバート王子も、ヤケになってきております。

ある日、エリザベスはダメもとで、ハーレー街に住む言語障害の専門家ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)の元へ夫を連れて行く。

この出会いの場面が二人のキャラクターをはっきりと見せていた。
緊張感と不安、心にも厚いコートを着ているかのような解放されない雰囲気の王子。
本当はこんな場所になど来たくない・・・
足を運んで来たのは愛する妻のため。そして自分の立場への責任感から。
 そして、王子を観察しながら、楽しみながら、ジャブを入れるように刺激を与え、彼の心に近づこうとするローグ。
話しているうちに、王子には独特のユーモアのセンスがあることに気づく。
でも、何かが彼の心を縛り付けており、そのせいで吃音になっているらしい。
その原因は何なのか・・・

一回目は王子の癇癪で決裂してしまったんだけど、あるできごとから、希望を見出した王子はローグの治療を受け始める。
それは一見、おかしな、治療とも思えないようなやり方だったけれど、ローグには勝算があった。
 そして、王子も、自分の身分を知っても、臆すること無く自分流を貫くローグに興味を持ったのよね〜

複雑な内面を持つ王子と、良き家庭人でありながらどこか変人ふうのローグ。
そんな二人をおもしろがるように見守るエリザベス(上品な姐御ふう・・・( ´艸`) 腹の座った素敵な女性・・)

この映画は、舞台が王室ではあるけれど、コンプレックスに苦しみながら、自分と向き合い続けた夫と、彼を信じて支えた妻の夫婦の物語であり、
一人の男が父や兄弟からの呪縛と戦い、その運命の中で本来の自分を取り戻すまでの家族の物語でもある。
 そして、吃音矯正の専門家と患者という立場で出会い、治療の過程で尊敬と理解を深め合い、生涯の友を得た二人の男の物語でもある。

人間である王・ジョージ6世の姿を誠実に切れ味良く描いてくれました。
あっという間の111分だったわ〜
いや〜ますます、コリン・ファースが好きになっちゃったよ〜
10点満点で9.2点!
ジェフリーおじさんにも興味が湧いたから「シャイン」見てみようかな〜

英国王のスピーチ コレクターズ・エディション [Blu-ray]

 2011年 DVD鑑賞日記 その1
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 2011年 DVD鑑賞日記 その21
 2011年 DVD鑑賞日記 その22
 2011年 DVD鑑賞日記 その23 加筆あり (-"-;A

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TSUTAYAでは新作DVDがいろいろ並んでたわ〜
「ブラック・スワン」も見たいし〜「悪魔を見た」も見たい〜
「メンタリスト」シーズン2は、まだかいな?
でも、人気の作品はやはり貸し出し中・・・
ここは「TSUTAYA DISCAS」に申し込むべきか?私なんて、しょっちゅう延滞して延滞料金支払ってるんだから、月契約にした方が安いんじゃないか〜?

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matakita821 at 14:35│Comments(6)TrackBack(3)映画 

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マルセル スペシャルエディション [DVD] 夏にBSで放映された映画の感想です
2. 英国王のスピーチ  [ 昼寝の時間 ]   2011年09月30日 15:27
2010年 英・豪 118分 実話を映画化した感動のドラマ。英国が誇る名優コリン
3. プロヴァンス物語 マルセルのお城  [ のほほん便り ]   2011年11月24日 10:00
美しいプロヴァンスの風景。ヨーロッパの小説に出てくる「田舎の避暑地(バカンス)…」ってのは、こういう感じだったのですね。大いに納得 前半の、少年の日の珠玉の思い出…どこかコミカルでノスタルジックな光景と物語、勝気な美少女への初恋等、ほのぼのしてたら、ラ

この記事へのコメント

1. Posted by ヨーコ   2011年09月15日 05:53
「マザーウォーター」も「英国王のスピーチ」も見たいけどまだ見ていない作品なので、きこりさんがせっかく書いた文章を一切読まずにコメントします。ごめんよ〜(汗。ウチの父は「英国王のスピーチ」を映画館で見たのだけど、人に興味の無い人だからさ、細かい感情の事だとか吃音で苦しむ人の苦悩とか一切わからなかったみたいでガッカリな感想を言ってたわ〜。私は父の感想なんて全く信じないから超期待していて見るのが楽しみ!早くCSに落ちて来ないかなぁ〜?
2. Posted by 紅緒まま   2011年09月15日 19:16
英国王のスピーチ良いですよね。シャインも面白かったです。コリンファースはBBCドラマの「高慢と偏見」で見初めた男優さんなんです。ブリジット・ジョーンズの日記にも出てましたね。
ブラックスワン観たいです。これって15歳以下は観れないのかな?私の中学生のバレーをする女の子が「観れない」って悔しがってました。
3. Posted by きこり→ヨーコさん   2011年09月15日 20:40
>一切わからなかったみたいでガッカリな感想を言ってたわ〜。
ほ〜。逆に聞いてみたいぞ(笑
コリン・ファースの演技は見事だったよ。
オープニングの吃音で全く進まないスピーチと、家族との会話での多少淀む話し方、ローグとの対面、その後のどんどん矯正されていく様子、そしてラスト。
すごすぎるわ・・・ローグの温かみのある変人ぶりも私の好みだったわん。
「マザーウォーター」も、静かだけど、とてもいい作品だよ。
相変わらずフードスタイリストが飯島奈美さんだから、とっても美味しそうだし。
珈琲の香りがしてきそうだったな〜
4. Posted by きこり→紅緒ままさん   2011年09月15日 20:49
>英国王のスピーチ良いですよね。シャインも面白かったです
「英国王のスピーチ」思っていた以上に良かったです。
無駄な場面が一切なかったですよね〜
結局、TSUTAYADISCASに入会しちゃって、「シャイン」予約いれちゃいました(笑
前から、見よう見ようとは思ってたんで、いい機会でした。
>ブリジット・ジョーンズの日記にも出てましたね。
「ブリジット・ジョーンズ」見たんですが、まったくわからない・・・(笑
どんな役で出てたんだろ・・・
>これって15歳以下は観れないのかな?
そうなのかな〜?
そんな際どい場面あるのかちら・・・
こちらも予約入れちゃいました。
5. Posted by Largo   2011年09月30日 15:27
こんにちわ。

「プロヴァンス物語」、2ヶ月前に観たのですが、感想を中々挙げられず、今に至る(^^;;

すてきな映画でしたね〜。
音楽も含めて優れて詩的というか、映像的なので、この感動を言葉にするのが難しくて。
まず、観てくださいっって言いたくなる作品でした。
林の中に横たわるリリの姿に思わず落涙しました。

「英国王のスピーチ」も素晴らしい映画でした。
映画館で観たのですが、観に行ってよかった、と思わせてくれる作品でした。
人々が、国王のスピーチ、そのスピーチにじっと耳を傾ける人々のシーンで、映画館なのに、泣いちまいました(照)。
スピーチが無事終わった後、国王とは距離をおいて佇むライオネルの姿も忘れられません。

9月初めに、コリン・ファースが登場した「アクターズ・スタジオ・インタビュー」を観ました。コリン・ファースが何か英国式ジョーク(ちょっとブラックでお下劣な;;)を言おうとすると司会のジェームズ・リプトンにさらっといなされるのが、お気の毒でした(^^)
6. Posted by きこり→Largoさん   2011年09月30日 17:52
>音楽も含めて優れて詩的というか、映像的なので、この感動を言葉にするのが難しくて。
わかります。書いてしまうと何か違うものになってしまいそうだ。
あの美しく繊細な世界は見て味わってもらうしかないですよね。
この映画には本当に癒されました。
自分でも不思議なぐらい感動してしまって・・・
「わんぱく戦争」見てみようかな・・って、TSUTAYAにあるんかいな?
「英国王のスピーチ」もう一度見たいって気持ちよくわかります。
正直、王室の方がどんな感じってのは実感としてよくわからないんだけど(笑)人間ジョージ6世とローグとの関わりが静かに胸をうちました。
臆病だったジョージ6世が徐々に心を開いて、ローグへの信頼から変わっていく様子がきちんと描かれていて、ラストにはがんばれ!って固唾を飲んで見守っちゃいました。
奥さんとの関係も良かったよね。しかし、あんなにあからさまに兄嫁を毛嫌いする感じに描いていいのか?と思ったり・・・(笑
「シャイン」もおもしろかったよ〜

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