「鈴木先生」 第10回(最終回) 光射す未来へ!教師の告白に涙の教室・・・ 「ピースボート」 第1話 罪人たちの出航

2011年07月03日

「プリンセス・トヨトミ」 万城目学 著

 映画を見る前に読まねば!という強い義務感にかられ読み始めたこの小説・・・
寝る前に読んでたもんだから、えらい時間かかっちゃったけど(寝付きがいいもんで・・・)、ラスト3分の1は読むのを止めることができなかったよ。
さすが万城目さんだよ!期待以上のおもしろさ。すぐに『偉大なる、しゅららぼん』買いに行くよっ ヽ(*゚∀゚*)ノ

 始まりは会計検査院調査官である松平・鳥居・旭が検査のため大阪を訪れたことからだった。
いや、実は、彼らが出張の準備をする前から始まっていた。
本当は・・・・35年前に、いや、400年前に始まっていた。

 にゃんと、大阪には国家から独立を認められた「大阪国」が存在していた!
その事は人の口にのぼることは決してないが厳然とした事実であり、大阪の男達は400年の間、その秘密を守り続けてきたのだった。
 社団法人OJOの検査の過程で「大阪国」の存在を知った松平は調査官として、大阪国総理大臣真田幸一と、そして大阪国国民たちと対峙することになるのさ〜

 いやはや、いつもの万城目ワールド全開の奇想天外ストーリーです。
日常に存在するかもしれないファンタジーを描いてきた万城目さんが、今回は人間の心の中にあるファンタジーをしっかりと見せてくれました。
 そのファンタジーは、強い意志で信じ続ければ、歴史になる。
その歴史には大阪男の心意気と家族への思い、大阪女の優しさがしっかり織り込まれていました。
読み終わった後、北海道人の私も大阪国の存続を心から祈り、その秘密を守り続ける大阪国民に拍手を送りたくなったよ〜
プリンセス・トヨトミ (文春文庫)偉大なる、しゅららぼん


 登場人物たちは、例によって誰もが個性的で愛すべき存在です。
国家公務員擬鏤邯街膤兵團肇奪廚任△蠅覆ら、自ら望んで会計検査院に入院したとこん戦う男、「鬼の松平」こと副長の松平。
 同じくトップ合格者であり、本省から出向してきたモデルと見間違うクール・ビューティ。
フランス人とのハーフのエリート調査官、旭ゲンズブール(女性)。
 旭とは正反対のずんぐりむっくり体型で、とっちゃん坊や的風貌。
優秀な調査官とは言えないけど、時たま何故か奇跡を呼びこんでしまう「ミラクル鳥居」こと鳥居調査官(独身・婚活中)。デキる旭にコンプレックスを抱いている。

 普段は普通のおっちゃん。お好み焼きに命を賭けてる「太閤」の主人で大阪国総理大臣の真田幸一。
口やかましいけど、しっかり店と家族を支える妻の竹子。
女の子になりたいという夢を実現させるため、セーラー服での登校に踏み切った中学生の息子の大輔。
幼なじみで、いつも姉のように大輔を守ってくれている橋場茶子。
「太閤」の向かいで父親が店を営んでる「ジャコ屋」こと島猛司。
父親がヤクザの組長で大輔達の中学を仕切っている蜂須賀勝。

 ページをめくる度に、深みと存在感を増していくキャラクター達を見守るのが楽しかった〜!
確執を抱えたまま父の死を迎え、未だに父を許せずにいる松平の思い・・
本当の自分を貫くため、偏見や暴力と戦う大輔の思い・・
女王を守れなかった傷を抱えながら、大阪国総理大臣としての責任を全うしようとする幸一の思い・・・
父から受継いだ大阪国民の心意気を引き継いでいこうとする男達の思い・・

 それぞれの思いが大阪国の謎と秘密を解き明される過程で小気味よいテンポで描かれます。
わたしゃ、たったひとりで大阪国民と向き合った松平の潔さにも感動したけど、この危機的状況の中で戸惑いながらも答えを見出し、大きく成長した大輔の姿には胸が熱くなったよ。
男気のある茶子や、さりげなく大輔を受け入れ寄り添ってくれた島の姿にもね。

 人情話でありながら、冒険活劇のようでもあり、細かい仕掛けがあちこちにあって、ほっとさせられるラストのオチまでの展開が、とにかく見事。
万城目さんの小説は、いつも思いっきり楽しませてくれた後で、自分の中にも大切な思いがあったと気づかせてくれるんだよね。

 いや〜映画を見るのが楽しみだわ・・・
(って言って、いっつもDVD視聴になっちゃうんだけどさ・・(´д`;))
見る前はなるべく情報を仕入れないようにはしていたんだけど、ついメイキングを見てしまってさ〜
メインのキャストだけ知っちゃったせいか、読んでても松平は堤さん、真田は中井さんの顔になっちゃってたんだけど、この二人のキャスティングはぴったりだと思うわ〜
鳥居を綾瀬さんに、ゲンズブールを岡田将生君にして男女の性別を変えた結果がどうなるのかは、わかるようなわからないような・・・楽しみではあるよね。

 やはり万城目氏にはずれなし、を再確認した作品でした。

 万城目学の著作の感想
かのこちゃんとマドレーヌ夫人
ザ・万歩計
鹿男あをによし」 
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「あとがきにかえたエッセイ」も読み応えがあります。
舞台となった空堀商店街、ちらっと出てきた渡し船、辰野金吾設計による建造物、そして大阪城を自分の目で確認したいよ〜
大阪には21年前、新婚旅行で行って以来だけど、またあの雰囲気を感じたいにゃ〜

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1. 『プリンセス・トヨトミ』  [ blog mr ]   2011年07月04日 12:01
 万城目学  文藝春秋  面白い。  宣伝文句は「大阪全停止」だが、停止するまでが大半である。停止した後のことを描くパニック小説ではない。  その仕掛けが、壮大であると同時にこじんまりとしており (これはけなしているのではない) 絶妙である。俺もこういう仕掛けを

この記事へのコメント

1. Posted by ヨーコ   2011年07月04日 06:31
こんにちは!「プリンセストヨトミ」を先日読み終え、現在「偉大なる、しゅららぼん」を読んでいるヨーコです。
いやぁ〜、面白いよね。私、最後の方の警察のシーンで大笑いしたんだけど、あれって旭と鳥居の男女を入れ替えた事によって映画では再現出来ないシーンになっちゃって残念!舞台挨拶や宣伝番組には中学生のキャストが全く登場していなかったけど、どんな子達がどんな風に演じているのか凄く楽しみ!万城目作品は子供達の健気で立派な姿を描いているものが多くて、そこが好きなんだよね〜。鳥居のキャラは最初から綾瀬はるかちゃんを想定しているかの様なハマりっぷりで映画を見るのが楽しみだよ。
因みに私が読んだ雑誌の万城目×綾瀬の対談で、万城目ファミリーは全員綾瀬はるかファンで「むきたまごちゃん」と呼んでいるらしいよ(笑。
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」をもしまだ読んでいない様だったら是非読んで!文庫になってます!今年私が読んだ本の中のナンバー1なの。
2. Posted by きこり→ヨーコさん   2011年07月04日 18:47
ヨーコさんはもう「偉大なる」に入ってるのね〜
万城目さんの世界にハマると次々読みたくなるよね。
>あれって旭と鳥居の男女を入れ替えた事によって映画では再現出来ないシーンになっちゃって残念!
そうだよね〜
私もあの場面はどうするのかな〜?って思ったよ。
後、一番ラストに旭が太閤を訪ねて自分も大阪の女だってカミングアウトするとこはどうすんだろ?って思ったよ。
あそこはかなりいい場面だもんね。
>鳥居のキャラは最初から綾瀬はるかちゃんを想定しているかの様なハマりっぷりで映画を見るのが楽しみだよ。
ホントに綾瀬さんぽいよね。
ぽわ〜んとしているんだけど、ミラクルを呼びこむってのがぴったり!
昨日初めて映画のHP見たけど、茶子役の子は「新参者」でたい焼き屋の女の子やってた子なんだね。
りりしい雰囲気がとってもヨサゲ。
大輔役の子はドラマで観たことないけど、いい感じだったな〜
>「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」をもしまだ読んでいない様だったら是非読んで!
コレはもちろん読んでますよん。
愛猫家なら読まずにはいられないさ〜
こういうファンタジー大好きさ〜
3. Posted by みのむし   2011年07月10日 13:20
プリトヨ本当に面白かったです。
何気に大阪の女たちはみんな気がついているのに
知らない不利をして男たちを手のひらで
転がしてるあたりもまた「おつだわぁ」って思いましたね。
あとあのことがあって大輔が気持ちは女だけど
男としての成長も遂げた?ってところが
ほほえましいというかうれしかったというか。。。
小説は面白かったです!
4. Posted by きこり→みのむしさん   2011年07月11日 20:59
>何気に大阪の女たちはみんな気がついているのに
知らない不利をして男たちを手のひらで
転がしてるあたりもまた「おつだわぁ」って思いましたね。
そうなんだよね〜
男達はずっと大阪を支えるためにがんばってきたけど、
本当は女たちがそんな男達をそっと見守ってきたってラストがよかったよね〜
旭が大阪の女だったってのもびっくりだったけど、そういえば学校で茶子に会った時、関西弁で話しかけたましたもんね。
>あとあのことがあって大輔が気持ちは女だけど
男としての成長も遂げた?ってところが
乗り越えて、大人になったってのが伝わってきたよね。
親子の絆、友情、次の世代に受け継がれる思い、そんな大切なものがいっぱい詰まってたよね〜

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