トリ猫家族:2011年　DVD鑑賞日記　その１２

2011年05月27日

2011年　DVD鑑賞日記　その１２

5月8日（日）　　「容疑者Xの献身」　　（2008年　監督・西谷弘）

期待しないで見たんだけど、結構おもしろかったです。
お互いを認め合っている湯川（福山雅治）と石神（堤真一）の関係もTV版を見ていた者には新鮮だったし、
不器用な献身を捧げる石神という男のキャラクターを創り上げた堤さんは、やはり見事。
花岡靖子（松雪泰子）とその娘との出会いに、ほのかな幸せを感じる表情には泣けたよ・・・
そしてラストのほとばしる感情にも。
全体的にあっさりした感じの映画だけどね。

エンドクレジットでリリー・フランキーってあったけど、どこに出てたんだ？と思ったら、草野球のコーチか・・(￣∀￣)

5月9日（月）　「何という行き方！」　　（1964年　米　監督・Ｊ・リー・トンプソン）

久しぶりに映画らしい映画を堪能しました。
映画の楽しさって、こういうことなんだよな～としみじみ思いましたわ。
10点満点で8.8点。
詳しい記事はこちらデス。

5月12日（木）　　「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」　　（1976年　仏　監督・セルジュ・ゲンスブール）

以前に見た映画なんだけど「何という行き方」を買うついでにポチッとやってしまったわ・・・
フランス映画ぽい展開と終わり方ですョ～

ジェーン・バーキンは田舎町のカフェで働く少年のような少女ジョニーの役です。
そのカフェにゴミ収集の仕事をしているゲイのカップル、クラスキー（ジョー・ダレッサンドロ）とパドヴァンが立ち寄り、クラスキーとジョニーは一目でひかれ合う。

とにかくジェーン・バーキンが美しい。
胸がぺったんこで体型はガリッガリ、髪はベリーショートでタンクトップにジーンズという姿なんですが、子供のような無邪気さと妖しい女が同居しているというか・・・性別を超えた不思議な魅力を見せてくれます。
彼女の存在はオードリー・ヘップバーンのように新たな美の発見だったと思いますョ～

私は彼女の娘のシャルロット・ゲンズブールの方から先に知って、彼女への興味からジェーン・バーキンの映画も見たのですが、この存在はショッキングだわ～と衝撃を受けたのを覚えています。

映画が作られる前、ジェーンとゲンズブールが出会った頃に吹きこみ直した（１回目はブリジット・バルドーとのデュエット）映画と同じタイトルの曲が入ったアルバムを持っているのですが、ヘルムート・ニュートンが撮ったジェケットの二人の姿は退廃的でエロティックです。

歌詞カードによると、「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」の部分は「愛してるわ」「俺？さぁね」となってます。
愛しあう恋人同士の戯言みたいなもんでしょうか？挑発し合う的な？
映画では、この歌は使われていません。
ゲンズブールが作った軽快でちょっとユーモラスな曲が使われています。

これといったストーリーはありません。
パドヴァンの嫉妬も絡めた、ジョニーとクラスキーの愛のひとときと終わりが描かれています。
しかし、恋人であるジェーン・バーキンにこんなにいろいろやらせるとは、セルジュ・ゲンズブールはド変態だにゃ～（褒めてますョ～）
そして、そんなゲンズブールを愛し、愛されてるジェーン・バーキンの喜びが画面から伝わってきます。

ところで、ぼかしが入ると、途端にいやらしいものを見ているような気になるぞ。
ノーぼかしの方がこの映画の良さを堪能できると思われますが・・・

5月21日（土）　『結婚しない女』　（1978年　米　監督・ポール・マザースキー）

WOWOWで「カンヌ国際映画祭特集」をしておりまして、コレは放送された中の一本でした。
劇場で見た映画との33年ぶりの再会・・・∑(ﾟεﾟﾉ)ﾉ
時代を反映させたとてもおもしろい映画でした。

当時は、ジル・クレイバーグを演じたエリカのことをすんごいおばさんのように思ってたんだけど、娘のパティ（リサ・ルーカス）は15歳で結婚16年っていうから、30代後半ぐらいの設定なのかな～？
意外と若いぞ(　ﾟдﾟ　)　びっくり・・・・

ニューヨークで画廊に勤めているエリカとウォール街で働く夫マーティン（マイケル・マーフィー）との関係は良好。
お互いへの情熱は結婚当時と変わっていないと信じきっていたエリカなんだけど、突然、夫から1年前から付き合っている恋人がおり、彼女を愛しているから離婚して欲しいと告げられるのさ～

なんかこの時、夫に呼び出されてランチを一緒に食べるんだけど、その後、夫が耐え切れない感じで話し出すのよね～
で、話した後はさっぱりしたのか、その彼女との馴れ初めまで話し出す夫に、冷めた表情を向けるエリカがリアルだったな～
ショックで吐くっていう演出をこの映画で初めて見て、びっくりした憶えがあるよ。

娘と夫のために生きてきたエリカにとっては『夫の浮気』と『離婚』はアイデンティティの崩壊に繋がる大事件・・
信じてた夫に裏切られた怒りと衝撃、自分の存在意義への疑問、女性としての自信喪失、傷ついた娘への罪悪感・・
明るく快活だったエリカを不眠とイライラと虚しさが襲う。

女友達にぐちったり、セラピストに相談したり、他の男と寝てみたりもしたけど、以前の自分には戻れない。
そんな時、同じく離婚経験者の画家のソール（アラン・ベイツ）と知り合い、付き合い始めたエリカは徐々に前向きになっている自分に気づく。
離婚の痛手から立ち直ったエリカは、バイトだった仕事に本腰を入れ、自立したいと考え始めていた。

ソールとの付き合いの中で、殻を脱ぎ捨てるように、どんどん軽やかな雰囲気になっていくエリカが美しい。
その後、娘のいるバーモントで半年過ごすことにしたソールはエリカに一緒に来て欲しいと頼むんだけど、エリカは週末に会う関係を求め、ニューヨークに残る。
出発の日、自分が描いた絵をエリカに託したソールとエリカは笑顔で再会を約束して別れる。

「自立」の象徴である、一人で持ち歩くにはあまりにも巨大な絵を抱えて、エリカは歩き出す。
風を受けてよろよろしながら、それでも着実な足取りで・・・

いや～時代だよね～でも、残る映画は時代を経てもやっぱりおもしろいね。
10点満点で8.8点ダス。

5月22日（日）　「カンフー・マスター！　　」（1987年　仏　監督・アニエス・ヴァルダ）

コレこそ、フランス映画っぽいストーリーですョ～
ジェーン・バーキン演じるマリ＝ジェーンが娘ルシー（シャルロット・ゲンズブール）のボーイフレンドジュリアン（14歳！）（マチュ・ドゥミ）と恋に落ちるんですから・・・

初めて見た時、ありえんわ～と、この状況が全く理解できんかったわ・・・
少年が年上の美しい女性に惹かれるのはわかるけど、その逆・・せめて18.9ぐらいならアリかもしれないけど・・・
しかも、このジュリアン君（監督アニエス・ヴァルダの息子）大人っぽいふうでもなく、いかにもかわいい中学生って感じなんだもんな～

ジェーン・バーキンだから、こういうこともあるだろ・・って見ることできるけどね。
とまどいながら自然と恋に落ちていくジェーン・バーキンがかわいい。
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」を撮った時から11年が過ぎて、さすがに年齢は感じるけど、少女のような雰囲気は変わっていません。

マリ＝ジェーンはルシーと共にバカンスでイギリスの実家に帰る時、ジュリアンも連れて行く。
で、実家の庭で抱き合ってる二人を見たルシーはショックを受ける。
「不潔よ」と感情的になるルシーに「妬いてるのね。モテる私に。お前の目にお婆さんの私が」と話すマリ＝ジェーン。
母と子というより、女と女ですョ・・・もちろん母親としての思いもあるけど個人対個人の方が強いんだな。

そして、マリ＝ジェーンのお母さん（実際の母）がまたスゴイ。
3人の状況に気づいた彼女は、「愛は最大の神秘よ」と島にある別荘でジュリアンとすごすよう伝え、マリ＝ジェーンを送り出す。

確かに恋は理性を超えた不思議なできごと。
その思いに純粋に向きあえるのは貴重で幸せな時間なんだけど、勇気のいることでもあるよね。

二人は（って、娘のルーも一緒だけど）島で静かに愛の時間を過ごす・・・でも、後半あたりから、ジュリアンの表情に変化が・・・
な～んかマリ＝ジェーンの愛が重くなってきたようなのよね。所詮、14歳の恋愛初心者さ。

その後、二人の関係がジュリアンの両親に知られ、二人は引き離され、ジュリアンは転校する。
彼からの便りをけなげに待つマリ＝ジェーンだったけど、彼からは何の連絡もなかった。
ラスト近くに彼が大好きなゲーム「カンフーマスター」が最後まで行きつけた時、その事を知らせようとはするんだけどね。

転校先の友達にマリ＝ジェーンのことを聞かれ、「脚が長くておっぱいの貧弱なおかみさんさ（この訳もいかがなものか）。僕に夢中だった」といっぱしに煙草をくわえ、話すジュリアン。
若さゆえの残酷さなのか、それとも恋の終わりはいつも残酷なものなのか・・・切ないラストでした。

春ドラマも後半に入り、記事を書くドラマが絞られてきたんで、週末はのんびり映画を見られるようになりました。
70年代のものが多くなると思いますが、宜しかったらお付き合い下さいませ。

ブログネタ：: 映画の適当な感想に参加中！

タグ：: 容疑者Xの献身; 堤真一; 何という行き方; ジュテーム・モア・ノン・プリュ; ジェーン・バーキン; セルジュ・ゲンズブール; 結婚しない女; ジル・クレイバーグ; カンフー・マスター

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1. 容疑者Xの献身 [ のほほん便り ] 2011年05月29日 09:30

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2. Xの献身は無償の愛 [ 美容師は見た… ] 2011年05月29日 14:04

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□作品オフィシャルサイト　「容疑者Ｘの献身」□監督　西谷弘□脚本　福田靖 □原作　東野圭吾（「容疑者Xの献身」文藝春秋刊） □キャスト　福山雅治、堤真一、松雪泰子、金澤美穂、柴咲コウ、北村一輝、渡辺いっけい、真矢みき、ダンカン、長塚圭史、益岡徹、林泰文

この記事へのコメント

1. Posted by mana 2011年05月29日 14:03

いや～ん、きこりさん軽く語って次へじゃん。
そんな「あっさり」なのかい(笑)

『容疑者Xの献身』は、ストーリーも上手いし役者も見事でしたね。
東野圭吾作品に間違いはないってほど、泣かせるわぁ。
石神を堤さんが演じてくれたのも良かったんですが…
最近、あちこちで映画宣伝で登場する素の堤さんを見続けてたら…

『グータン～』では、夜景を見ながら食事をする堤・綾瀬・岡田のトライアングル。
上司が二人の部下にうんちく言ってるみたいだったよ。
ドラマと映画以外は出ないで欲しいと思った。
私の夢が壊れるからさ(笑)

2. Posted by きこり→manaさん 2011年05月29日 17:28

＞いや～ん、きこりさん軽く語って次へじゃん。
ヾ(●＾▽＾●)ﾉわはは
ラストには泣けたけど、それほどでもなかったんだよね～
でも、石神が靖子に献身的な愛情を捧げる理由はすごくよくわかるような気がする。
私、あの死体は元夫だと思い込んでたよ～
そういえば、いつもの道を歩いてる時、ベンチに荷物だけあって人がいないとこがあったんだよね。
＞上司が二人の部下にうんちく言ってるみたいだったよ
『嵐にしやがれ』で綾瀬さんのこと、かわいい姪みたいって言ってたもんね。岡田君もそんな感じなのかな～
＞ドラマと映画以外は出ないで欲しいと思った。
私の夢が壊れるからさ(笑)
私も思った～！バラエティでなくていいよ～
『嵐』にもでなくていいよ。
渋い趣味を持ってるってことはわかったけどさ（笑
わたしゃ、笑顔よりも怖い顔の堤さんが好きなのよね。
クールな印象を大切にして欲しいわ～

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