「新参者」 第10話(最終話) 日本橋の刑事「臨場 シーズン2」 第11回 最終章 渾身〜後編

2010年06月22日

2夜連続 鬼平犯科帳スペシャル 劇場版 「鬼平犯科帳」 小野田嘉幹 監督

 さて、2夜目は1995年に作られた劇場版「鬼平犯科帳」ときたもんだ。
今から15年前だから、みんな若いぞ!
わたしゃ、今の渋いみなさんの方が好きだけどね。

 江戸から100里離れた盗人宿で待ち伏せし、大盗賊「蛇(くちなわ)の平十」(峰岸徹)を捕縛する場面からスタートですぞ〜

 その後、紅を塗りながら「平蔵・・いい気になりやがって・・」と憎しみを募らせる女の姿が・・
この流れから「蛇の平十」の女だったのかな〜と思ったら、別のエピソードだった・・

 こやつは荒神のお豊(岩下志麻)という女賊で、昔、若い頃の平蔵とちょっとあった女なのよね。
 このお豊に接触をはかるのが、江戸進出を狙っている大阪の香具師の元締め「白子の菊右衛門」(藤田まこと)。
2代目「狐火」の勇五郎という「畜生働き」の盗賊と手下の浪人たちを送り込み江戸を荒らしまわるのさ。

 密偵のおまさ(梶芽衣子)は、かつて初代狐火の親方の元で働いていたことがあり、
2代目の勇五郎とは恋仲だった。
 「狐火」はおつとめの三か条を守る盗賊だったのに、江戸での仕事は残虐なものだった。
実はこれは2代目を継げなかった弟の文吉(遠藤憲一)の仕業だった。
本物の2代目(世良公則)のことを案じるおまさ。

 文吉はすぐに捕まって、その後は「白子の菊右衛門」の指令で浪人の沖(石橋蓮司)が同心の妻や門番を狙い、じわじわと鬼平を追いつめる作戦を取る。
その間に、お豊は偶然知り合った平蔵の息子辰蔵(東根作寿英)を誘惑して
切り札にしようと動き出すのさ〜
 
 何かいろんなエピソードが交錯してるんで、全体のストーリーを説明しずらいんだけどさ・・・
ドラマで1話づつ、きっちり描いた方が、その話の良さが生きたような気もするぞ。
 豪華なキャストを使って(まぁ、もともとこのドラマのゲストは毎回渋くて豪華なんだが)
劇場用と謳って撮ってるのに、なんかもったいないよね〜
もともとの原作の完成度が高いからって、何個も合わせたら、おもしろさもかけた数だけ倍増する訳じゃないように思ったり思わなかったり・・・(○ ̄ 〜  ̄○;)
鬼平犯科帳を歩く―彩色江戸名所図会50点収録 (朝日カルチャーセンター講座シリーズ)「鬼平犯科帳」お愉しみ読本 (文春文庫)鬼平犯科帳の世界 (文春文庫)

 登場人物も『蛇の眼』の「蛇(くちなわ)の平十(原作では平十郎)」(峰岸徹)は最初に出てきて火刑になるだけだし・・
『艶婦の毒』をモチーフにした女盗お豊の話がメインではあるんだけど、
「白子の菊右衛門」が中途半端に絡んできて、アレだったんだよな〜
 
 藤田まことさんが、演じていた大阪の香具師の元締「白子の菊右衛門」なんて
原作では何度か登場(『麻布ねずみ坂』『兇剣』)するんだけど、平蔵と関わるうちに
その男気に感服し魅かれるという設定だから、連ドラで描く方が、また出たよって
こっちも楽しめる感じだよねぇ・・

 それと『狐火』は結構好きな話だから、こんなふうに差し込まれると残念感が募るわ〜
江戸で狐火2代目の手下を見かけたおまさは、女としての気持と密偵としての平蔵への思いの間で悩み、小房の粂八(蟹江敬三)に相談をする。
って、心の中は決まってるんだけどね。

 すべてをわかった上で粂八は「好きなようにしねぇ」とおまさを送り出す。
密偵同志、そしてお頭と密偵たちの絆は特別なものだからねぇ・・
おまさは狐火の盗人宿へむかい、勇五郎と再会を果たすのさ・・

 その後、迷った末に平蔵にその事を伝えた粂八の仲間としての思いをくむ平蔵。
「もう何も言うな。おまえは俺を信ずればこそ話してくれた。おまさのことは心配するな」

 「狐火」二代目の勇五郎は文吉が初代の名を汚すようなおつとめをしている事を知り、文吉を始末するために追う。
その勇五郎と行動を共にするおまさは、江戸で押し込みを働いた「狐火」はニセモノだと伝えるために平蔵の元に姿を現し、文吉を捕らえるよう訴えました。

 「たわけーーーー!!
貴様は己の役目を何と心得ておる?!
知らせたのは誰のためだ?
文吉一味とやらを我らの手で捕らえさせれば、己の男に怪我はない!
この平蔵を、己の掌の上で踊るほどの器と、よーく見くびってくれたのう!
黙れっ!その面見とうない!失せろ!失せぬかーーーー!!」
 
 逃げ去るおまさを見送る平蔵・・・
文吉一味を一網打尽にするために、こうするしかなかったのさ・・・

 盗人宿で文吉一味と対決する勇五郎とおまさたちを追って現れた平蔵と盗賊改方のみなさんは、やつらを捕縛。
覚悟を決めて頭を下げる勇五郎とおまさに、平蔵はいい放ったョ。

「そこにいるおまさはわしの手下じゃ。
おめぇ達盗人が蛇蝎のごとく忌み嫌うお上の狗(いぬ)、
その女が俺を裏切って、おめぇに命をかけやがった。
 おまさ、つらぁ、上げろ!
このような事をしでかしたからには、俺のそばに置く訳にはいかねぇ。
その覚悟はできておろうな?」

「はい。どんなお咎めでも受けるつもりでございます」おまさ
「長谷川様!元はと言やぁ、罪はこの勇五郎にありますんで・・・
この人には何の咎もございません。なにとぞ!」勇五郎

「黙れ!改めて仕置きを申し渡す。
狐火の勇五郎、その方こと盗人の身でありながら御府内に潜入したる段、真にふとどきである!
よって、おまさ共々、直ちに江戸から立ちされぃ。
 ただし、俺の目に留まったからには、この後、いついかなる場所にても盗みは許さん。
上方にいる子分たちを正道に戻し、おめぇもカタギになると約束できるかい?」平蔵
「へい。必ず!」勇五郎

「それじゃあ、おめぇ、証文もらおうか。右の腕出せ」
シュタッア!一瞬で勇五郎の右手を切り落とす平蔵。
刀を着物で拭った後、
「おまさ、長い間よーく仕えてくれた。礼を言う。2度と俺の前に顔をだすなよ、いいな?」
 勇五郎を抱きしめながら、去って行く平蔵を見つめるおまさなのでした。

 勇五郎の手を切るっていうのが、平蔵の情けなんだよねぇ・・・
別れの際になって、おまさも平蔵の愛情を思いしったさね。
そんなふうに離れていったおまさだったけど、流行病で勇五郎を失った後、
平蔵の元へ戻ってくる。

「わずか三月でしたが、二代目、いや、仏具屋勇五郎の女房として幸せな日々を過ごさせていただきました。何も、思い残すことはございません」おまさ
「おめぇも男運がねぇなぁ・・・」涙ぐむ平蔵
「で、これからどうする?」
「また、狗になりとうございます」おまさ
「(にやり)へへん!俺を振って、二代目のところに行ったくせにか?
今度はもうどこにも嫁にはやらんぞ」平蔵
「長谷川様・・・」おまさ
「ふっふっふっ、はっはっはっは、ふっふっふ・・」平蔵

 いや〜もう、じ〜んときちゃうよ。
てか、シビレるよ!
おもさは長谷川様から離れることなんてできやしないさぁ〜

 このエピソード、ドラマの第一シリーズの時にも作られたんだけど、
勇五郎役は速水亮さんでした。私は、こっちの方がしっくりきたかなぁ・・・
世良さんは、華やかすぎてちょっとね・・(´∀`;)

 志麻姐さんの艶やかな貫禄は、さすが・・・
藤田まことさんの底が深そうな悪ぶりはもっと見たかったぞ。
 密偵のみなさんが『五鉄』に集合し、平蔵を囲んで飲む場面も楽しい。
相模の彦中は、現在は長門裕之さんが演じておりますが、この頃は三代目江戸家猫八さんが演じております。
彦十が違うと密偵達の雰囲気もちょっと違った感じかも・・

 ドラマ版『鬼平犯科帳』の完成度に毎回感服きた身としては、あんまりお勧めの映画とは
言えないけど、まぁ、普通に楽しめる時代劇ではあるかな〜(;´д`)ゞ

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 「鬼平犯科帳SP 一本眉」
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記事を書きながら小説の『鬼平』を読んでいたら、はまってしまった。
『鬼平』のおもしろさは永遠です!また1冊目から読みなおそ〜ヽ(*゚∀゚*)ノ

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matakita821 at 17:27│Comments(9)TrackBack(1)映画 | 「時代劇」

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1. 「鬼平犯科帳」(日本 1995年)  [ 三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常 ]   2010年06月24日 14:02
『鬼の平蔵』の追い落としを図る盗賊たちとの闘い。

この記事へのコメント

1. Posted by まめ姉   2010年06月23日 16:38
鬼平犯科帳とは懐かしや!

中学生の頃に、中村吉右衛門さんの鬼平犯科帳を初めて見て、鬼平の決め台詞に「なんて格好いいんだろうこれが粋ってやつなのかねぇ〜」と、えらく感心したのを覚えています(笑)

それから、母親にも鬼平犯科帳が凄く面白いから、一緒に見ようと薦め、見たはいいのですが、まぁ〜中学生にしては結構な濡れ場のシーンが出てきちゃって、ドギマギしたって事もありました。

大人になってからは見る鬼平犯科帳は、ひと味違うかもしれませんね。もう一度見てみようかな♪
2. Posted by まめ姉   2010年06月23日 16:39
絵文字間違えちゃいました
3. Posted by きこり→まめ姉さん   2010年06月23日 20:22
>中学生の頃に、中村吉右衛門さんの鬼平犯科帳を初めて見て、鬼平の決め台詞に「なんて格好いいんだろう
あら〜中学生の頃にすでに鬼平に目覚めていたなんてスゴイ!
私なんて、昔は時代劇は父親の見るもんと思って
真剣に見た事なかったもん・・
歴代の鬼平を見比べてみたかったわ〜
>中学生にしては結構な濡れ場のシーンが出てきちゃって、ドギマギしたって事もありました。
そうなのよね〜意外とそういう場面あるのよね〜(笑
このスペシャル第一夜にも津川雅彦さんが遠野なぎこさんをひーひー言わせる場面が何度もあって、一人で見てて良かったよ・・って思ったわ〜(笑
>大人になってからは見る鬼平犯科帳は、ひと味違うかもしれませんね
いや〜鬼平はいいよお〜
時間があったら、第一シーズンから順番に見直したいよ。
4. Posted by ユーミン   2010年06月23日 23:44
懐かしいな〜っと思いながら見てました
すでに、もう亡くなってる俳優さんもいましたよね
 
月日を感じました
サッカーとの関係だと思うけど、
どうして今頃なの?って思いました
 
思いながら最後まで見ました。
遅くまでだったけど
つい、引き込まれますね
5. Posted by sannkeneko   2010年06月24日 14:22
こんにちは。
長門裕之は絶対上手いんですけれど、
でも彦十役はやっぱり猫八さんの方が好きですね。

>ドラマの第一シリーズの時にも作られたんだけど、
勇五郎役は速水亮さんでした。
・・・そっかぁ、第一シリーズにもあったんですね、この話。
・・・というか忘れているんでしょうねぇ、私が。
確かに世良さんだとちょっとイメージが違うかも。

映画はドラマの二話分で終わってしまったみたいで。
ゲストの豪華さは相変わらずでしたけど、
贅沢と言うよりもったいないような・・・。
完成度は「高萩の捨五郎」の方が高かったですね。
(遠野なぎこがああいう役を演るとは思わなかった(^_^;)
それにしても吉右衛門さんの鬼平はカッコイイのです。
6. Posted by きこり→ユーミンさん   2010年06月24日 18:20
>懐かしいな〜っと思いながら見てました
すでに、もう亡くなってる俳優さんもいましたよね
そうですよね〜
もう15年も前ですもん・・・
オープニングの中村吉右衛門のお顔が若くてビックリしました。
>サッカーとの関係だと思うけど、
どうして今頃なの?って思いました 
やっぱりサッカー対策なんでしょうけど、
できれば新作2本やって欲しかったな〜
一夜目が苦い結末だったから、2夜目でスカッとする感じのものを作って欲しかったです。
お馴染みのみなさんに会えただけでも嬉しかったですが・・・
7. Posted by きこり→ sannkenekoさん   2010年06月24日 18:43
>でも彦十役はやっぱり猫八さんの方が好きですね。
そうですね。何か無邪気というか人の良さが全面に出てて私も好きですねぇ・・
おまさとの関係でも、猫八さんとだと安心っていうか・・長門さんだとまだ艶が残ってそうで(笑
>・・・そっかぁ、第一シリーズにもあったんですね、この話。
私も忘れていたんですよ〜
鬼平大百科みたいのを持っていて、それを読み返していて、そういえばそうだった〜って思い出した次第で・・(笑
>完成度は「高萩の捨五郎」の方が高かったですね。
やっぱり一話をじっくりと描いて欲しいっていうか・・
ドラマが毎回丁寧なつくりだから、余計比べたくなっちゃうわ〜
遠野なぎこがああいう役を演るとは思わなかった(^_^;)
私も、いきなりでびっくり〜!!
津川さんはぴったりだったけど(笑
>それにしても吉右衛門さんの鬼平はカッコイイのです。
いや〜もう最高ですよ〜
惚れ惚れしちゃいます。
8. Posted by ikasama4   2010年06月24日 20:54
やっぱ鬼平はこの密偵の面子でないといかんですね。

この「狐火」のお話はドラマ版の方が好きでした。

ちなみに「蛇の平十」は
ドラマ版では「蛇の平十郎」として石橋さんが
演じてるんですよねぇ(  ̄ノ∇ ̄)


あれから15年
沢田を演じる真田健一郎さんも亡くなってしもうて
なんか、ちょっと鬼平が小さくなってもうた感があって
寂しさもありましたが

個人的にはキャスティングを一新してもいい時期なのかもしれませんね。

ただし、鬼平を演じられる人は中村さんがそうだったように
45歳以上という事で。



あ、別件ですが広島の御土産に関して
完全にネタに走ってますがこんなのはどうでしょうか。
http://www.47club.jp/shop/g/g10001670/

三枚目の画像がちょっとしたオチです ̄▽ ̄ゞ
9. Posted by きこり→ ikasama4さん   2010年06月24日 23:36
>この「狐火」のお話はドラマ版の方が好きでした。
ドラマ版の方がすっきりとまとまってましたよね。
彦十おじさんの存在も生きていたような・・
>ドラマ版では「蛇の平十郎」として石橋さんが
演じてるんですよねぇ(  ̄ノ∇ ̄)
そうでしたか〜
かなり迫力ありそう・・・
石橋さんって浪人をやらせても凄みがあるし、
密偵も似合いそうだし、盗賊の役も似合いそう・・
かっこいいですよね〜
>個人的にはキャスティングを一新してもいい時期なのかもしれませんね。
寂しいけど、そうかもしれませんね。
「水戸黄門」なんてしょっちゅうメンバー変えてるし。見ているとこのメンバーはベストだわ〜って思うけど、そういうチャレンジもありかも・・・
>中村さんがそうだったように
45歳以上という事で。
あの貫禄と余裕、男としての幅ってのは中々でないですもんね。
でも、私、「剣客商売」のキャスティングは中村又五郎と加藤剛がベストだと思っていて、藤田まことさん版は、失礼ながら見ていないんですよ〜
そういう事態もありえるかも・・
>三枚目の画像がちょっとしたオチです ̄▽ ̄ゞ
(^Д^)ご当地ふりかけってあるんですね〜
私は、この三枚目の写真のやつが好きですよ〜
その土地ならでわっての、いいですね〜♪

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「新参者」 第10話(最終話) 日本橋の刑事「臨場 シーズン2」 第11回 最終章 渾身〜後編